顧客満足度を上げる

安定的な賃貸経営を行うには、やはりお客様に長くご入居していただく事が重要となります。
そのためには、お客様の声=ニーズをできる限り反映させなければなりません。
ただし、あまりにも社会常識から逸脱しているようなものに対しては対応する必要はありません。
弊社が所有する賃貸アパートは、1993年に建設された物件。
一般的に築年数が経過した物件は、お客様評価はそれほど高くはありませんが、弊社の所有するアパートのお客様満足度=居住満足度は、驚異の97%。
築古物件なのに、どうして顧客満足度が高いのか、その理由についてお話ししたいと思います。
今までの常識をゼロにすると新しい世界が見える
弊社が所有する物件は、実は2014年8月までは赤字続きでした。
ただあることがきっかけで、今まで赤字経営だったアパートが黒字に転換しました。
そのあることとは、2014年2月に発生した雪害。
関東地方に南岸低気圧が接近したことにより、山梨県では観測史上例を見ない雪害に見舞われ、甲府市では一晩で110センチ雪が積もりました。
アパートの雪かきについては、基本的にご入居者様が行うこととなっていますが、1メートル級の雪を人力で除雪するのは、限界に近いものがあり、当然ですが一部のお客様からはクレームを頂戴しました。
この時、オーナーである自分は「人力での除雪は不可能」と判断し、業者に依頼して除雪をお願いしました。ただこの時甲府市内の幹線道路は雪で通行すること自体が難しかったので、すぐにアパートの除雪をしてもらうことはできなかったのですが、その後業者による除雪が完了してから、ウソと言われるかもしれないのですが、今まで空いていた空き部屋が次々に埋まり、その年の8月管理会社に立て替えてもらっていた修繕費の残債を全て返し、翌月から黒字に転換しました。
このとき思ったのが、お客様ファーストの経営をすれば、必ず自分に良いことが返ってくる=因果応報的な考えが浮かび、これ以降、できる限りお客様の声を聴き、出来る範囲内のことは対応しようと決意したことにより、長期入居をして頂く方が増え、長い方では10年以上ご入居して頂いた方もいました。

お客様の声を具現化したもの
①イルミネーション365日点灯

弊社所有物件の駐車場中央部分にある「シンボルツリー」には、LEDイルミネーションがつけられています。
当アパートは2LDKタイプということもあり、小さなお子さんもいることから、お子さんたちに喜んでもらおうと、当初は冬季限定(11月~3月)で時間も決まった時間帯に点灯していましたが、ある時ご入居者様から「夜間駐車場から自宅に戻る際、駐車場付近が暗いから、歩くのが怖い」と、ふと自分に話をしてくれました。
この時、すぐにピンと来て、数日後には点灯時間及び時期を大幅に変えて、365日夕方~明け方まで通年イルミネーションをつけるようにしました。
外灯を新規に設置することは難しいのですが、イルミネーションがアパートの中央部分にあり、夜間帯常時つけっぱなしにすることにより、防犯面からみても安心でき、その後お客様からお褒めの言葉を頂きました。
②ゴキブリ駆除事件
以前ご入居されていたお客様の話ですが、ある時室内にゴキブリが出てしまい、ご自身でも市販の駆除剤などを置いて対応はしたものの、なかなか駆除することができずに、管理会社に相談され、そのことがオーナーである自分の所にも話が伝わりました。
お客様がゴキブリのことで、憔悴しきっている話を聞いた途端に、オーナー負担で害虫駆除をするよう、担当者に話し、その旨をお客様にお伝えした所、とても喜んでいただきました。
当アパートでは、退去されるお客様にアンケート調査を実施していますが、お客様はこの事件のことをよく覚えていて、感謝の言葉がアンケートに記されていました。

お客様とはつながっている

昔のことわざに「立つ鳥跡を濁さず」という言葉がありますが、これは賃貸経営でも同じことが言えます。
数ある賃貸アパートの中からご縁を頂いて物件に入居して頂き、契約時はとても笑顔だったものが、退去の時は逆に暗い顔をするのは、経営者にとって一番してはいけない行為。
お客様のご都合によりご退去する以上、笑顔で対応することが経営者にとって大切なことであると、考えます。
またこの時に、入居して頂いたお礼として粗品を渡すだけでも、お客様は喜んでくれます。入居期間中の顧客満足度が高いお客様だったら、もしかすると物件のことをお友達に紹介して頂ける(=営業をしてくれる)可能性が高くなります。