【危険】ホームステージング頼みの賃貸集客
更新日:2022年12月18日
地方都市における賃貸空室率は、年々上昇傾向となっていることから、しっかりとした空室対策をしなければ、空室が埋まりにくくなってしまいます。

近年における空室対策として、脚光を浴びているのが、
低予算リフォーム+ホームステージング
です。これは、退去後に行うリフォーム工事を「限定的」し、そこにホームステージングを強化することによって、室内印象を少しでも「よくしよう」とする方法です。
実際にこのやり方を行った貸主の多くが、早期に客付けに成功しているとのことですが、ただこの集客方法は、賃貸サイトに依存していることから、残念ながら「大変危険」な行為と言わざるを得ません。
本投稿は、低予算リフォーム+ホームステージング集客に固執しすぎることによる危険性について、お伝えいたします。
理由①:集客媒体が賃貸サイトに依存している
お部屋探しをする方の多くは「大手賃貸サイト」を活用しています。
築年数が浅い物件の場合、エリアや繁忙期など好条件がそろっていれば、募集開始と同時に「すぐに反響を得やすく」なるので、早期に部屋が埋まりやすくなります。
一方、ホームステージングをしなければ集客することが難しい物件は、基本的に「築年数がある程度経過」している物件が多く、さらに古い物件になると「価格競争」になってしまうことがあるので、ホームステージングを強化しても「価格競争に巻き込まれてしまう」可能性が極めて高くなります。
どうしてこのようなことが言えるのかというと、お部屋探しをされている方の中で、「家賃を抑えたい」と考えている方は、必然的に「築年数が古い」物件を選択してきます。
検索画面上において、希望家賃(下限~上限)を入力することができることから、一日でも早く部屋を埋めたいと考えている物件は「家賃値下げ」を簡単に行ってきます。
検索画面上には、物件の外観写真と物件名、家賃が記載されているため、家賃比較がしやすくなることから、家賃が少しでも高いと反響が得にくくなります。
理由②:募集中の部屋と入居中の部屋の家賃乖離が発生
賃貸サイトでの集客依存をしていると、どうしても価格競争が生まれやすくなります。
その結果、現在募集中の部屋の家賃と、ご入居中の部屋の家賃乖離が発生してしまいます。
実は、現在ご入居されている方は以外ではありますが「よく賃貸サイトをご覧になっている」ので、募集中の部屋の家賃の方が「安い」場合、ほぼ確実視と言ってもいいほど、管理会社にクレームを言ってきます。
そのためクレーム+家賃収入減少のダブルパンチを食らうことになり、所謂「負のスパイラル状態」に魔こまれてしまい、そこから抜け出すことは難しくなってしまいます。
▶賃貸経営の負のスパイラルに関しては、過去記事をご覧下さい。
理由③:リフォームをしなかったことが致命的に
築年数が経過している物件は、目視できない部分が破損していることが予想されますが、定期的なリフォームをすることによって、破損個所を早期に発見することができ入居後のクレームが発生することを予防してくれます。
これは弊社物件でも実際にあったのですが、洗面脱衣所の床材を交換するため、クッションフロアをはがしたところ、床材の一部が「腐食」していて、隣接している壁の一部が「カビだらけ」になっていました。
すぐに緊急修繕を行ったことによって、事なきを得たのですが、もしクッションフロアをはがしていなくて、そのまま使用し続けていた場合、恐らく床材が外れてしまい、大クレームとなっていました。
弊社が低予算リフォームを推奨しないのはこの様な事例は、どの物件でも起こり得ることであり、事故が発生してしまったら取り返しがつかない状態になってしまいます。
理由④:紹介したくない物件になるかも?
退去連絡をもらった時点において、仲介会社では「すぐに再募集」を行います。
不動産賃貸業界は、1件でも多くの契約をもらう=満額の仲介手数料をもらうことを使命にしているので、お部屋が決まりやすい物件を「最優先」に紹介する傾向です。
しっかりとリフォーム・リノベーションをしている物件は、入居後も「お客様からのクレームが入りにくく、また物件自体に満足して頂ける」ことから、仲介担当者も「優先して紹介」してくれる可能性が高くなります。
ただ、仲介担当者から見て「リフォーム工事が甘い」「物件管理がしっかりしていない」物件は、仮にお客様から「この部屋がいい」と言われても、入居後「クレームに発展してしまう要素が多く」なってしまうことから、違う物件を紹介したくなってしまいます。
これは営業成績が良い担当者が良くする手法ですが、最初「わざとリフォーム工事が甘いような部屋」を見せて、次に「担当者が客付けしたい優良な部屋」をみせることによって、早期に契約を促すやり方をしています。
場合によっては貸主物件が、所謂「捨てコマ」的な扱いをされてしまう可能性がありますので、その点は十分注意が必要です。

低予算リフォームは、資産価値を高めることができないため、どうしても家賃相場の影響を受けやすくなってしまいます。その結果「成約はできたけれど利幅があまりなく、収益性を高めることができにくく」なってしまいます。
つまり、損益分岐点が常に高い状態を維持することができなければ、一気に赤字転落となりキャッシュフローが回らなくなってしまいます。

ホームステージング頼みの集客の一番のデメリットは、低予算で対応できることから誰にでも真似することができることです。
エリア内において、ホームステージング集客をしている物件が「複数」あった場合、同質化になってしまうため、新たな価格競争が発生してしまうこと。
これを防ぐためには、徹底した差別化戦略は必要となります。
今後の賃貸業界は、確実に空室率が上昇することが懸念されるので、集客が厳しくなってしまいますが、ただ顧客ニーズに合った差別化できている部屋を提供することができれば、大空室時代を迎えたとしても、集客に苦戦を強いられることはないはずです。
弊社物件は日本一空室率が悪い山梨県にあり、さらに築年数が経過しているため、競合他社物件は価格競争に巻き込まれてしまっています。しかし弊社物件では徹底した差別化リノベーションを展開することによって、収益を改善させることに成功しました。
弊社事業の詳細に関しては、過去記事をご覧下さい。
【過去記事】【アパート経営】相続してから空室0にするまでやってきたこと①
【過去記事】【アパート経営】相続してから空室0にするまでやってきたこと②

取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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