なぜ家賃値上げ・相場無視したリノベ部屋が満室になったのか?


賃貸業界は、地方都市を中心に「空室率」が深刻化となっています。

エリアによっては、空室率が30%台になってきており、特に築年数が経過している物件では、空室率が深刻化となっています。


なぜ家賃値上げ・相場無視したリノベ部屋が満室になったのか?

今後日本の人口は、確実に減少傾向が続くため「現在築年数が浅い物件」であっても、10年後には、築古物件の仲間入りとなり、さらにサブリース契約を結んでいる物件では、家賃相場下落による「募集家賃との乖離が大きくなる」ことから、借地借家法第32条を適用され、管理会社から家賃値下げを要求され、気づいた時には「収益物件から脱落」しているかもしれません。



弊社物件がある山梨県は、日本一空室率が悪い県。

1990年代前半に流行った「土地神話」「相続税対策」を多くの方が信じたこともあり、田畑から収益性が期待できる賃貸物件へ「衣替え」しました。当時は物件数が今より少なかったので、稼働率はとてもよく、退去が発生してもすぐに部屋が埋まるという、今では考えられないような時代でした。


しかし2000年以降、賃貸物件数が増加してきたこともあり、今まで比較的好調だった賃貸物件は、次第に空室率が増加→家賃値下げを余儀なくされ、現在築25年前後の物件は「家賃値下げを繰り返しながら、集客をしている」ようなもので、収益性を確保している物件は、正直皆無に等しいのではないでしょうか?


弊社物件も、祖父の相続税対策がきっかけで、1993年に2LDK~3LDK賃貸アパートを3棟・20戸を建設。新築当初はとても稼働率が良く、毎月の様に利益を出していましたが、自分が2代目オーナーに就任した2007年1月。すでに弊社物件は「債務超過」に陥っていて、一時期は手放すことも真剣に考えていました。





しかし2020年9月末。

築年数が30年近い物件にある奇跡が起こりました。

それは「家賃値上げ・家賃相場一切無視」したリノベーション部屋が、全て埋まり、全室満室を達成。しかも2021年度の家賃収入は、過去最高を更新。さらに2022年度の確定申告では、増収増益が期待できるほど、V字回復を達成できました。


築年数が経過している物件では、家賃相場を意識した集客をしなければ、成約させることは難しいのが、業界内の共通認識。その認識を打破することができたのは、一体何かというと、マネジメントとイノベーションを徹底的に行ったこと。




たった2点を変えただけで、満室を実現できました。


では具体的にどのような取り組みをしたかについて、お伝えさせてもらいます。


1-1.マネジメント(集客の見直し)

マネジメント(集客の見直し)

築年数が経過している物件が、どうして「価格競争」に陥りやすくなり、また家賃値下げ交渉が入りやすくなるのかというと、「大手賃貸サイト」に物件情報を掲載しているからです。


お部屋探しをされている方において、賃貸サイトは「とても便利なツール」と言えます。

「好きなエリア」「希望する築年数や家賃」「これはイヤな設備」などを、簡単に入力することによって、希望条件に全て合致した部屋のみが掲載されるので、短時間で物件検索が可能となります。


一方、お部屋を貸す側のオーナー様の立場で考えると、お客様が希望される条件に

1つでも合致しない

と、その時点で成約候補から除外されてしまいます。


築年数が古い物件において、価格競争が生まれやすいのは、「家賃が安い部屋を探しているニーズ」が多すぎるため、エリア内にある物件が「たった数千円値下げ」を断行すれば、競合他社物件も「バスに乗り遅れるな」みたいな感覚となり、次々に値下げを行うことから、

結果的に「成約はできたけれど、家賃収入が減ってしまう」という現象が起きてしまい…


さらに家賃値下げばかりしていると、お客様の質までも低下してしまうので、過去に家賃滞納などをした人が入居してくる可能性が、出てきてしまいます。




そこで弊社が考えたのは、家賃値下げをして集客をするのではなく、家賃相場の影響を受けにくい環境を作ることさえできれば、収益性改善も期待できると考え、2018年に物件独自のHPを開設しました。

物件独自のHPを製作・運用することによって、独自集客をすることが「可能」となり、今までは「築年数が古いから」「家賃がニーズとなっていない」からという理由で、賃貸サイト上では中々弊社物件情報が閲覧することができなかったものが、HPを運用することによって、検索された方に「ダイレクト」に情報配信することができたので、家賃相場や家賃値下げ競争から「脱出」することができました。



1-2:マネジメントの差別化(初期費用)

マネジメントの差別化(初期費用)

次に行ったのが、初期費用の見直し。

賃貸物件に入居する際、お部屋を紹介してくれた「仲介会社」に対して、初期費用を支払わなければなりません。


初期費用の支払いに関して、多くの方は「理解」しているものの、ただ支払う費用が「平均すると家賃4~6か月分相当」発生するので、可能であるならば「費用を抑えたい」と誰もが思っています。


ただ仲介会社としては、お客様の声に対しては「理解しつつ」も、値下げなどを行ってしまうと、収益確保することが困難になってしまうので、どの仲介会社も値下げなどは基本的には行っていません。


そこで、弊社物件では「大手管理会社」全面協力の元、初期費用の見直しを図り、相場の約4分の1程度まで費用を圧縮することに成功。詳細に関してはここではお伝えすることができませんが、条件さえあれば「初期費用の総額が10万円を切る」ことも珍しくはありません。ご入居されたお客様からは「高い評価」を頂いております。



1-3:マネジメント(おうちカフェ生活ができる)

物件見学される方は、恐らく数件見学されてから、最終的に1つの物件を選ぶ可能性が高いのですが、物件見学をした際「入居後のイメージがつきやすい」部屋になっていると、成約率の部分においても、ものすごく高くなりますよね?


そこで弊社では、入居後のイメージをよりわかりやすくするために、プロモーションビデオを作成しました。モデルになっている部屋は、上級グレードであることから、上級グレードの部屋に見学に来られた方に対して、こちらのビデオを見ていただくようにしています。


木の温もりを感じられる、温かみのある生活は、賃貸ではなかなかできないので、ナチュラルテイストに興味を持っているお客様からは、とても喜ばれています。







2-1:イノベーション(お客様をファンにさせる)

イノベーション(お客様をファンにさせる)

募集している部屋を埋めるには、より多くのお客様に「物件見学」に来ていただけない限りは、いつまでたっても成約になることはありません。


一般的な賃貸集客では…

賃貸サイトから問合せ(反響)→見学→追客

といった流れだと思います。


仲介会社としては、追客をすることによって、お客様が「どのような考えを持っているのか」をしっかり把握することができるため、つい営業電話をしてしまいますが、ただ物件見学にこられたお客様は「今すぐ入居したい方」と「複数の物件を比較して検討したい方」と「たまたま物件検索をしていたら、気になったので見学した方」など、様々な考え方をされていると思います。


このような様々な考え方が「混在している」状態の中で「営業的案内」をしてしまうと、こちら側の意図がバレバレになってしまいます。



そこで、弊社では今までのような物件見学スタイルを一新して、

「見るだけ見学会」

を実施しています。


これは、あくまでも「弊社のリノベーション部屋」を見ていただきたいという趣旨から生まれたもので、特徴としては「お部屋案内」はするものの、一切「今すぐ入居するとオトクですよ」等といった営業的な会話は、一切行っていません。また追客も一切行っていません。


他社仲介会社では、物件見学に来られた方に対して「粗品」等は提供していないはずですが、弊社では「見学予約をされた方」に「Amazonギフト券1500円分」をプレゼントしています。


ただし、弊社が唯一行っている対応は

・初期費用の見積書をお渡ししている

・見学会アンケートに記入していただく事

この2点のみ。


実は、この2点の取り組みが「通常の追客以上」の効果があります。


賃貸物件を探している方の多くは、複数の物件見学をされているはずであり、おそらく初期費用の見積もりももらっているはず。そこで予め「見学会当日」に、初期費用の見積もりを作成・配布することによって、その場で初期費用の比較をすぐに行うことができる点は、追客以上の効果が期待できます。


またこれは弊社リノベーション部屋をご覧になった方の「意見」等を確認したい目的から、

アンケートをおこなっています。大抵のお客様は「HPやSNS等にアンケートをシェアしてもいい」と回答されます。実はこれこそ「追客の100倍以上の効果」があります。


どうしてかというと、賃貸物件を探されている方の多くは「10代後半~40代」であり、この年代層は「SNSを日常生活の中でも活用」しているので、ハッシュタグをつけた投稿をすることによって、現在お部屋探しをされている方に「ダイレクト」に情報拡散することができることから、追客などをしなくても「新規顧客」を開拓することができる点と、もともと弊社リノベーションは「費用をしっかりとかけて行っている」ことから、他社物件に負けているとは全く感じてなく、実際に見学会に参加された方の約8割は、そのままご契約して頂いているので、少なくとも「物件のファン」になって頂いたものと推察しています。



2-2:イノベーション(部屋の価値を上げる)

イノベーション(部屋の価値を上げる)

築年数が経過すればするほど、室内の機能性(断熱、湿気、防音)に対して「不満を感じる」方は多くなり、そのうちの約3割は「機能性改善ができないことによって、引越しを検討」していることが、リクシル住宅研究所の調べで分かっています。


この部分に関して、ほぼ全ての賃貸物件では「全く対応」していないことが、弊社の調べでもわかっているので、この部分をリノベーションでカバーすることができれば、同じリノベーションであっても「資産価値の部分でははるかに高く」なるので、家賃を値上げしても「納得していていただける」と考えた結果、それが大正解となりました。


弊社リノベーション部屋の内、上級グレードの部屋には、自然素材の漆喰が施工されています。漆喰は「調湿性」「消臭性」「多孔質」「抗菌・抗ウイルス」効果が期待でき、室内の機能性改善にも貢献しています。


実際、弊社リノベーション部屋にご入居されたお客様に「インタービュー」したところ、「冷房の設定温度を低くしなくても快適に過ごすことができた」

「冬の季節は、日中の時間帯なら、暖房をつけなくても大丈夫」

等といった効果があるとのことですので、このことを、お部屋探しをされたお客様に「お伝え」することによって、成約率が格段に向上し、ご見学に来た当日にお申込を頂く事も、今では珍しい事ではありません。



2-3:イノベーション(おもてなし)

イノベーション(おもてなし)

弊社物件では、他社物件ではまず行わないような「おもてなし」を行っています。


詳細に関しては、企業秘密なのでお伝えすることができませんが、ご入居時においては「サプライズ」を毎回行って、まずは物件のファンになって頂き、ご入居中においては、お客様から「お問合せやご相談」があった場合には、土休日関係なく対応しています。


さらにご退去されるお客様に対しても、ビックリするぐらいのサプライズ企画を行っていますが、実はこれら取組をすることによって「口コミ」で物件PRをすることができ、実際に以前ご入居されていたお客様が「新規お客様」となる方に、弊社物件のメリットをお伝えしていたらしく、見学会の時に「前入居者様の話」となり、意気投合してそのままご入居になった事例もあります。



3.まとめ


築年数が経過している物件において、家賃を値上げ、さらには家賃相場迄も無視した集客は、今まででは決して考えられませんでした。


ただ、弊社物件は「家賃を値下げし続けてしまう」と、経営悪化を招いてしまう懸念があったことから、それならば「お客様に喜んでいただける部屋を作り、家賃以上の価値を見出せるような部屋」を提供しようと、2018年から「ナチュラルテイストに特化」した部屋をご案内しています。


お部屋見学に来られた方の中には「家賃が高すぎるから難しい」というご意見も、頂戴することがあります。確かに、相場と比べると「高すぎる部分」があるのかもしれませんが、ただ弊社では「このお家賃で募集」したいと考えているので、無理をしてまでも入居してほしいとは考えてはいませんし、また家賃を安くしてまでも、お貸ししたいとは考えていません。


賛否両論あると思いますが、築年数が経過している物件が「生き残れる」のは、この方法でしかないと考えております。



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