
インターネット無料物件に切り替えれば、空室が埋まるのか?
賃貸物件の空室を解消させるためには、お部屋を借りていただくお客様目線で空室対策を考えなければなりません。
空室対策といっても、様々な方法があり、お金をかけないでも十分対策となりうる「物件清掃」から、収益改善が期待される「フルリノベーション」まで多種多様ありますが、空室対策解消のために「インターネットを無料に切り替える」物件が増えてきています。

全国賃貸住宅新聞社が2020年に発表した「人気設備ランキング」において、単身・ファミリー物件とも「インターネット無料」が堂々の第1位となっています。
昨今では新型コロナウイルスの影響により、在宅ワークに切り替わった方も多いことから、インターネットが無料で使える点においては、メリット大。インターネットが無料になれば、月々の使用料や初期費用分が浮きますので、家計にとっても助かるアイテムと言えますが、ただインターネット無料にすることによって、本当にお客様にメリットがあるかどうかというと、少々懐疑的。

インターネットを利用される方が多い時間帯は、昼より夜。
夜はお子さんも使用されている場合も多いので、物件にお住まいの方が一斉にインターネットや動画を利用されてしまうと、物件によってではありますが「回線が重く」なる可能性があるからです。
もし回線が重くなってしまうと、正直「イライラ」してきて、管理会社にクレームを言ってしまいそうになりますが、ただ管理会社にクレームを言っても「回線速度が重くなる」のはあくまでもサーバーの問題であって、それは管理上の責任ではないことから、対応できない場合が多いです。
また、インターネット無料物件に入居すると、今まで契約していたプロバイダーは利用できなくなることから、解約することによって「違約金」が発生する可能性も出てきますので、必ずしもインターネット無料にすることが、お客様にとってメリットがあるかどうかは、お客様次第となります。
日本一空室率が悪い山梨県において、現在満室経営を継続している、弊社所有物件は、築年数が経過している物件ということもあり、インターネット無料ではなく「インターネット対応」=ご自身でプロバイダ契約をして頂くスタイルとなっていますが、ご見学時において「インターネット無料」にしなければ入居しないといった交渉が入ることや、ご入居されているお客様から「インターネットを無料にしてほしい」というお声は頂いてはいません。
お部屋探しをされている方で、インターネット無料物件に入居希望されている方は多いと思いますが、そもそも管理会社またはオーナーが「タダでインターネットを利用できるようにしよう」という考えはまずありません。
経営上、ただにすることはできませんし、インターネット無料物件において、1部屋当たり月々数千円程度の使用料が発生していることから、この部分は当然家賃に上乗せされていることから、実質は有料となります。
インターネット無料に切り替えることは、無駄ではありません。
ただインターネット無料化にするより、室内設備や内装に力を入れた方が、空室を早く解消できると思いますので、もし現在インターネット無料化にしようと考えている方は、一度冷静になられたほうがいいのかもしれませんね。