古くなったエアコンを交換してほしいと言われた場合、どうしたらいい?


原則的に、賃貸物件には必ず「エアコンが最低でも1台」は設置されています。

近年施工された1LDK以上の賃貸物件では、LDK+洋室すべてに「備え付けのエアコン」が設置されていることも珍しくはありませんが、大抵の物件ではLDKのみに設置されているケースが多いです。


エアコンの耐用年数は「10年」といわれているものの、実際にはそれ以上に使えることが多いものの、最新型のものと比べてしまうと、やはり「消費電力に圧倒的な差」が出てしまうため、最新型の方が結果的には「電気代を抑える」ことが可能となります。


これはお客様によってではありますが、内見時/入居期間中において

「備付エアコンを最新型のものに交換できませんか?」

とお願いされるケースは、意外にも多いと思われます。交換することによって、お客様にとっては「ラッキー」と思ってもらえるだけではなく、「入居や長期入居のきっかけ」となる可能性が高くなることから、オーナー様としては「交換した方がいいのでは?」とふと思ってしまいます。


それでは、もしこのような交渉が入った場合には、対応した方がいいのでしょうか?

 

目 次

1.オーナー様には交換義務がない

2.入居前における交換トラブル事例

3.入居後においては、あくまでも故障の場合のみ

4.残置物は一切対象外

5.まとめ

 

1.オーナー様には交換義務がない

オーナー様には交換義務がない

賃貸における修繕に関しては、民法上において「明確な規定」があります。

 

民法第606条(賃貸物の修繕等)

賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う

 

つまり、ご入居者様から「エアコンが不具合を起こした/故障してしまった」場合において、その原因が「経年劣化」によるものであれば、オーナー様は交換(対応)しなければならない義務が発生してしまいますが、「故障はしていないものの、エアコン自体が古いものなので交換してほしい」とお願いされても、設備がまだ使用できるものに対しては、修繕義務の発生がそもそもないことから、仮にご入居者様から提案されても、それを行わなければならない義務は、一切ありません。


また、「エアコンが故障してしまった」場合で、その責任が「完全にご入居者様」にあった場合は、当然ながらオーナー様には修繕義務はなく、ご入居者様の方で対応しなければならなくなります。(ただし状況によっては、家財保険で対応することが可能となります)

2.入居前における交換トラブル事例

例えば、築年数が10年以上経過している物件では、古いエアコンが設置されていることもあり得ます。一部の物件を除き「ご入居される前には、エアコンクリーニング」をしっかりと行い、また試運転も実施することから、エアコンの利きが悪くなることは、あまり考えにくいといっても過言ではありません。


ただ、お客様によっては「最新エアコン」の方が、やはりいいに決まっています。


オーナー様における客付け強化の一環として、内見されたお客様の方から「エアコン交換してくれたら、入居を決める」等といった交渉が入られた経験をお持ちのオーナー様も多いと思われます。


オーナー様の方で「エアコン交換してくれたら入居を決めてもらえそう」と判断し、交換することを認め、お客様が入居されれば、双方にとってメリットとなりますが、問題なのは「突然入居することは難しくなった」と、キャンセル連絡が入った場合です。


民法上「お部屋を借りる+貸すことを承諾」した時点で、「諾成契約」が成立していますので、今回のようなことが発生してしまうと、オーナー様としてみたら「本来交換する必要もないエアコンを購入した」ことになるので、一見すると「損害賠償請求」を起こすことも考えられます。


ただ、諾成契約の最大のデメリットは「口約束」であり、それを書面などで記録がない点。証明するものがなければ、諾成契約が成立していたとしても、裏付けることができないため、万一訴訟に発展しても、オーナー様の方が「不利」になってしまいます。



3.入居後においては、あくまでも故障の場合のみ

入居後においては、あくまでも故障の場合のみ

繰り返しになりますが、入居期間中において、ご入居者様から「エアコンが古いから新しいものに交換してほしい」と相談されても、エアコン自体がまだ使える(故障していない)のであれば、法律上オーナー様の方で交換する必要性がありません。


ただし、エアコンが製造された年が「今から10年以上前」であり、明らかに古いと感じられた場合、いつ故障してもおかしくはない事は「事実」であるため、サービスの一環として「交換」するのもアリだと思います。

(もしオーナー様の方で、エアコン交換費用を出したくはない場合、ガス供給会社に相談すれば、無償貸与してくれる可能性は、十分高いと思われます)



4.残置物は一切対象外

ごくたまに、備え付けられているエアコンが「残置物」であることがあります。

残置物は、前入居者様がオーナー様の許可を得て「そのまま置いて行ったもの」であることから、設備ではありません。


残置物が設置されている場合においては、ご入居される前に「必ず仲介会社の担当者から説明があり、了解を得て契約」していることから、もし残置物のエアコンが古いから交換してほしいとお願いされた場合でも、オーナー様には「交換する義務」は当然なく、さらに劣化によって故障した場合でも、設備ではないので、こちらも交換する義務はありません。



5.まとめ

いかがだったでしょうか?


備付エアコンを交換してほしいと、オーナー様に交渉が入った場合、原則論としては「使用できるもの」に対しては「たとえ製造年が古くても、交換する義務は法律上ありません」のでお断りしても大丈夫です。


ただ、エアコン製造年が「10年以上経過」していると、劣化症状が出始めてしまう可能性が出てくるので、ケースバイケースではありますが、サービスの一環=長期入居してもらうため、交換してあげるのも、ひとつの手かもしれません。



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