家賃下落がどうして発生してしまうのか?
更新日:2022年9月15日
賃貸物件を所有しているオーナー様にとって、現在募集している家賃が「可能な限り値下げしないようにすること」ができれば、安定した賃貸経営を行えるはずです。
ただ現実問題としては、一部のエリアを除けば「家賃値下げはどうしても発生」してしまいます。

特に「築年数が経過している物件」を所有しているオーナー様は、家賃相場下落に関して「危機意識」をもっていると思いますが、そもそもどうして家賃値下げが発生してしまうのでしょうか?
家賃値下げが発生してしまうのは、当然ではありますが「建物の資産価値が低下してしまう」ことも要因として挙げられますが、ただこれだけが原因ということではなく、最大の要因としては、大手賃貸サイト上に物件情報をアップしていること+物件供給数がすでに飽和状態になっているからです。
目 次
1.どうして賃貸サイトが原因と言えるのか?
たまたまYouTube上において、わかりやすい動画を見つけたので、取り上げさせてもらいます。
賃貸仲介会社が、大手賃貸サイト上にオーナー様の物件掲載する以上、当然ではありますが「結果」=問合せ/内見予約などがあまりなければ、空室期間が続いてしまいますので、管理会社に管理委託している物件では、賃貸サイト上における反響結果を総合的に判断して、家賃値下げや設備増強をお願いすることになります。
もし、ここで管理会社提案=家賃値下げを受け入れた場合、どのような結果が待っているのかというと、反響の面では「非常に取りやすくなる」のですが、その代償としては、「周辺家賃相場が下落してしまう」「現在入居されているお客様の家賃と、募集している部屋の家賃の乖離」が発生してしまうので、更新時に「家賃減額交渉」をしてくる可能性が極めて高くなってしまいます。
2.家賃下落を防ぐためには?

「家賃相場が下落したから、相場並みに家賃値下げをお願いしたい」
と管理会社からお願いされ、仮に受け入れたとしても、待ち構えている現実は…
全てのお部屋において、今後同じ家賃設定をしなければならない
築年数が経過すれば、必然的に修繕費増加→キャッシュフローが回りにくくなる
入居者の質の低下が懸念され、トラブルが発生しやすくなる
つまり、この様な集客を続けていれば、確実に利益が出にくい物件となってしまいますので、アパートローンの支払いがきつくなることが懸念されます。
一番理想的なのは、家賃値下げを可能な限り「食い止める」こと。
値下げを食い止めることができれば、経費を少なくすることは「やろうと思えば可能となる」ため、キャッシュフローが回りやすくなり、収益物件になる可能性は高くなります。
では、家賃値下げを食い止めるには、どのような方法があるのかというと、賃貸サイトには依存しない集客を確立することです。
賃貸サイトに依存しない集客の方法としては、SNSなどに物件情報をアップさせて、ハッシュタグをつけることにより、相手側が「ハッシュタグ検索」をした時、オーナー様投稿情報が、ダイレクトに閲覧できるので、拡散効果としてはものすごく期待できます。
ただし、SNS投稿をしても、お部屋自体のクオリティーが低ければ、物件情報を相手方が見ても、反響を得られにくくなってしまうため、最低限のリフォームは行うべきです。
3.価値を見いだせれば、相場を気にすることはない

家賃値下げが発生してしまう要因としては
家賃相場が下落している
物件の資産価値が低下している
この2点が問題であるため、多くのエリアでは「家賃相場が値下がり」しています。
ただ、モノの考え方を変えれば、たとえ世間一般的に「同じような価値」であったとしても、価値を見出すことができれば、高い料金設定にしても「購入してくれる」はずです。
これは、マーケティングの世界では有名となっていますが、超・高級ホテル内における「ルースサービス」で提供されている「瓶のコーラ」が1本1000円で販売されています。
詳細に関しては、こちらのページを読んでいただきたいので、ここでは割愛させてもらいますが、どこにでもある瓶コーラが、1000円で販売されていると聞くと、最初は「誰もが騙されているのでは?」という考えに至ってしまいます。
ただこちらのホテルで提供されている瓶コーラは、最高の状態にして提供していることから、注文された方が「クレームを言うこと」はないとのこと。
つまり、モノの価値を最大限高めることができれば、設定料金を高くしても「納得して頂けるはず」という新たな考え方が生まれますよね。
弊社物件があるのは、日本一空室率が悪い「山梨県」にあり、しかも物件がある甲府市大里町は、1990年代に発生した「土地神話」の影響をダイレクトに受け、多くの地主が「賃貸アパート」を次々と建設したこともあるので、周辺にある競合他社は「築年数が20年以上」経過している物件ばかりとなっているので、価格競争が激化しています。
弊社物件は、祖父が相続税対策として、1993年に2LDK賃貸アパートを3棟・20戸を建設。当初は周辺に賃貸アパートも少なかったので、比較的順当に言っていましたが、2000年以降は「賃貸物件数の増加」によって、価格競争の波に巻き込まれ、2006年に自分がオーナーに就任(この時祖父と父が相次いで病死したので、急遽オーナーに)した時には、すでに債務超過状態で、自転車操業的な経営をしていました。
債務超過を脱するため、物件清掃/リフォーム強化/借入金の支払い延長などといった経営努力をしたことで、2014年に黒字経営を実現、2015年には法人化に移行し、順調に言っていましたが、2017年の繁忙期に「部屋が殆ど埋まらず赤字に転落」。
そして現在のスタイルとなる「ナチュラルテイストに特化したリノベーションを展開」することによって、次第に収益性が高い物件に成長し、2021年9月末に全室満室を実現。そして、同年の家賃収入は「オーナー就任後過去最高」を記録しました。
弊社リノベーションは、他社が真似することができない「ナチュラルテイスト」に特化した部屋を提供しています。そのため、自然素材の漆喰や無垢材をふんだんに使用したナチュラルキッチンを導入することで、室内の資産価値を高め、さらに漆喰を用いることにより、室内の機能性の部分が向上したため、顧客満足度を高めることに成功したことから、家賃相場を一切無視した集客をしても、価格競争に巻き込まれる心配がなくなりました。
4.賃貸集客のイノベーションのジレンマが進んでいます

今までの賃貸集客は、大手賃貸サイトが圧倒的なシェアを独占していましたが、近年においては、イノベーションのジレンマが発生し、賃貸サイト以外における集客を強化しようとする動きが出てきています。
例えば、今ではオーナー様とお部屋探しをされている方が「直接やり取り」ができ、なおかつ同サイトを利用して「賃貸借契約」に持ち込むことができれば、本来ならば「借主負担となってしまう仲介手数料」が無料(ただし貸主であるオーナー様が仲介手数料1か月分のご負担となります)となる「ウチコミ」や、モバイル端末向けショートビデオプラットホームのTikTokを使った集客をしている物件、また弊社でも積極的に行っているSNSを活用した集客を行っている物件が増加していますが、これらは全て「賃貸に入居するであろう若い世代が日常生活において活用しているツール」であることから、訴求効果としては「賃貸サイト以上」であると言っても過言ではありません。
5.まとめ

今までの賃貸集客は、大手賃貸サイトに絶対に掲載してもらわなければ、早期に部屋が埋まることは「あり得ない話」でしたが、集客上におけるイノベーションのジレンマが、急速に進んでいることから、「リノベーションやリフォームをしっかりしているのに、家賃値下げをされては困る」と悩んでいるオーナー様は、この機会にご自身で集客をされることを、強くおススメします。

取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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