家賃滞納者の家財搬出に関する司法見解
近年では大手管理会社では「家賃滞納リスク」を少しでも減らすために「家賃保証会社」を積極的に活用し、入居条件のひとつにもなっています。
家賃保証会社を利用することにより、万が一ご入居者様が家賃滞納した時、代位弁済が可能になったり、また強制退去(不動産明け渡し訴訟)に関する裁判費用全てを家賃保証会社が負担してくれるので、今後家賃保証会社を利用する物件はさらに多くなっていくものと思われます。

家賃保証会社においては、家賃を数か月間滞納した方に対して「部屋の明け渡し」に関する法的手続きに入りますが、この度大阪高等裁判所が…
●2か月以上の家賃滞納
●ご入居者様と連絡が取れない
●長期にわたり電気・ガスなどの使用がない
●客観的に見て再び住宅を使用する様子がない
の4要件を満たす状況では、借主がすでに「家財を守る意思を失っている」可能性が高く「占有権が消滅していると認められる」と指摘し、消費者利益の保護を定めた「消費者契約法」にも反しないと判断しました。
上記4要件を満たしていれば、部屋を明け渡したとみなされ、家財を処分することが可能となることから、今後の部屋明け渡し訴訟のひとつのガイドラインになるのでは思われます。
ただ今回引用した「産経新聞」によると、敗訴になった被告側は、最高裁に上告を検討しているとのことですので、正式な結論にはまだなりませんが、もしこれが確定した場合、家賃保証会社にとっては、家財処分に関してとてもしやすくなるのではと推察します。
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