
家賃相場並みの家賃設定をしていると、確実に収益悪化をもたらします。
賃貸物件は、年数が経過すればするほど「資産価値が低下」していくので、それに伴い「新築時の家賃を維持」することは、非常に困難です。
大都市圏や一部のエリアなどは、賃貸物件の需要が高い=借り手が多いことから、家賃相場は極端に下がりにくくなる一方で、地方都市においては「物件供給数が飽和状態」となっていることから、家賃値下げが続いているような状況です。
家賃相場が下落してしまう「最大の理由」は、需要と供給のバランスが崩れていることが最大の要因ではあるものの、ただそれ以外にも「設備の老朽化」によって、物件資産価値が下落しているも要因となっています。
1.家賃値下げは簡単にできますが…

築年数が経過してくると、修繕費がどうしても多くなってしまうことから、オーナーさんの中には「設備交換などのリフォーム」は限定的にして、家賃相場並みに家賃を設定すればいいとお考えの方もいますが、ただそれをしてしまうと「競合他社物件が、オーナー様の家賃以下に家賃設定」をしてきた場合、集客することが難しくなってしまいます。
当然ではありますが、家賃値下げをし続けていると「アパートローン返済」が厳しくなってしまい、仮にアパートローンを毎月返済し続けることができたとしても、固定資産税や火災保険料の支払いがきつくなってしまい、アパート収入だけでは対応することが難しくなると、ポケットマネーから支払わなければならなくなり、この様な状況になると「自転車操業的な経営」になってしまいます。
【例:家賃6万円、20戸、入居率8割、5年ごとに家賃5000円値引きした場合の月額家賃総額】
家賃値引きなし | 5年後 | 10年後 | 15年後 | 20年後 |
96万円 | 88万円 | 80万円 | 72万円 | 64万円 |
さらに家賃値下げをして集客をした場合で、繁忙期に成約ができなかったら、下手すればしばらくは「空室のまま」となってしまうので、機会損失が多くなることから、経営的には火の車状態となってしまいます。またアパートローン返済額は、利息と共に返済しているものの、毎月の返済額は新築時と大幅に違いはない事から、家賃値下げ集客がいかに経営的にマイナスであるか、これでよくお分かりになるはずです。
築年数が経過している物件において、家賃相場を気にせずに集客をする方法は、ズバリ「物件の資産価値を上げる」この一点以外しかありません。
2.物件資産価値を高めるとメリットが大きくなる

物件の資産価値を上げる方法としては、外壁塗装を実施し、物件の印象をよくすることによって、物件見学に来ていただいたお客様が「築年数の古さを感じさせない」ことが非常に重要となってきます。
また室内においては、人気設備を取付けるというよりは「その物件にしかないオリジナリティーな部屋を提供」することが最も重要なことです。
室内をリノベーションすることによって、室内の資産価値は向上するものの、リノベーションは費用が高額になりがちになるので、予算カットの目的で「既製品の設備を導入」するケースが殆ど。
ただ、既製品を導入するということは、他社リノベーション物件でも行っていることから、物件の色=オリジナリティーを見出すことができません。もしリノベーション物件が方々にあった場合、お客様は「確実に家賃で部屋を決めてくる」ことから、価格競争に巻き込まれる可能性が高くなります。
3.日本一空室率が悪い山梨県で、すでに結果を出しています

弊社がある山梨県は、日本一空室率が悪い県。
弊社が所有している物件は、築28年目の物件で、周りには賃貸アパートだらけという激戦区。周りにある競合他社は「相続税対策と称したアパート建設が過熱」だった、1990年代後半に建てられた賃貸アパートが多く、弊社物件のエリアでは、供給過剰状態になっているので、古い賃貸アパートは軒並み値下げしているものの、それでも空き室は多く発生している状態です。
このような状況下の中で、弊社所有物件では「ナチュラルテイストに特化」したリノベーションを展開、また賃貸サイト上においては「築年数だけで物件判断されてしまう可能性が高い」ことから、物件独自HPとTwitter、Instagramを2018年に開設して、独自集客をした所、2021年10月に「リノベーション部屋」が全て埋まり、現在募集する部屋がないような状態です。
| 家賃相場 | リノベ前家賃 | リノベ後家賃 | 成約期間 |
家賃 | 5.1万円 | 6.0万円 | 6.6万円 | 約2か月 |
また弊社のリノベーション家賃は、相場より高くさらに、リノベーション前と比べると約10%値上げしていることから、明らかに集客上では不利と考えられましたが、ほぼ全てのお客様は、賃貸サイト経由でお問合せをされた方ではなく、公式サイト上からのお問合せだったので、家賃相場で物件を比較されるようなことにはなりませんでした。
4.まとめ

賃貸需要が見込まれるエリアであったとしても、築年数が経過してくれば、当然ながら新築当初の家賃を維持することは難しくなってしまいます。
一括借り上げをしている物件では、借地借家法によって「借り上げている管理会社」が「借主」の立場となるので、家賃減額請求を起こした場合、減額に対して全面拒否することは難しくなることから、一括借り上げをしている/していない関わらず、どのような物件でも、年数が経過すれば、家賃を維持することは非常に難しくなってしまいます。
一方、しっかりと資産価値を高めることができれば、相場家賃を気にしない家賃設定をすることはもちろん、お客様自身が物件を気に入ってもらえれば「家賃相場と乖離していたとしても、入居して頂ける可能性は高く」なります。
日本一空室率が悪い山梨県において、実績を残した弊社リノベーション事業は、他県でも十分対応できるはずですので、もし現在空室でお悩みのオーナー様は、お気軽にお問い合わせください。