家賃1か月分相当の空室対策がどうして危険なのか?


不動産賃貸業界は、今後「人口減少」の影響によって、賃貸空室率は「悪化」してしてしまうことは、避けられません。特に地方都市における「賃貸市場」は、大都市圏と比べると、毎年急速に悪化していき、エリアによっては「空室率が30%台を超えている」ところも珍しくはありません。


空室率が多くなれば多くなるほど、募集しても「空室期間が長期化」してしまうので、集金管理システムになっている物件オーナー様はもちろんのこと、サブリース契約している物件においても、更新時において「大幅な家賃減額請求」を受けてしまうのは避けられない問題であることから、現在築浅物件を所有しているオーナー様であっても、数年後には「立場が逆転」している可能性もあることから、決して他人事のように傍観することはできません。


空室部屋を少しでも埋めるためには、物件の資産価値を上げるしか方法はありません。


そこで管理会社担当者は、退去された部屋において「リフォームやリノベーション提案」をしてくる可能性が高いのですが、お部屋の状況によっては、費用が100万円近くかかることも珍しくはなく、リノベーションに至っては、設備面も交換することになるので、200万円近い費用が発生することもあります。


オーナー様としてみたら「ここまでして、本当に客付け効果が期待できるのか」半信半疑な気持ちになってしまうと思われますが、近年の賃貸業界における空室対策として、家賃1か月程度の費用で客付けに成功しているコンサルタントの方々が、注目されています。



「ホームステージング」という言葉をご存知でしょうか?

ホームステージングとは、元々は分譲マンションを販売する際、モデルルームに実際の家具や家電などを置いて、購買意欲を高める手法のひとつなのですが、近年の賃貸空室対策においても、ホームステージングを取入れている物件は多く、実際にステージングをすることによって、早期成約が可能となった所もあることから、近年注目されています。


家賃1か月分のステージング程度で、募集中の部屋が成約になれば、賃貸オーナー様の立場で考えた際、費用対効果が期待できることから、さっそくコンサルティングを依頼したいと思いますが、ただこの空室方法は「賃貸経営上、あまりおススメができない」というのが、弊社の考えです。



どうして、低予算ステージングが空室対策で危険なのか?


理由①:お客様の目線をそらしている

しっかりとリフォーム/リノベーションをした部屋において、ステージングをすることに関しては、集客上とても有効的と言えますが、一番問題にしなければならない部屋とは、原状回復程度のお部屋において、「ステージングを強化」している物件。


残念ではありますが、築年数が経過している部屋において、原状回復程度の工事しかしていない場合、当然ながら「室内は古臭い」イメージが強くなってしまいます。しかし、ステージングをすることによって、古臭いイメージを「逸らす」ことができるため、見た目的には「おしゃれな部屋」に見えてしまいます。


しかし、ステージングを取ってしまうと「古臭い部屋」に戻ってしまい、更には使い勝手も悪い部屋となってしまうため、場合によっては「お客様をだます」ことになってしまう可能性が出てきてしまいます。



理由②:劣化を発見することができない

最低限のリフォームしかしていない物件は、最悪手遅れになる可能性大

築年数が経過してくると、目視できない部分において「劣化が急速に進んでいる」可能性が高いのですが、定期的にリフォーム工事を行っている物件では、リフォーム工事の際に「劣化部分を確認」することができるため、建物需要を長くすることが可能となります。


これは弊社物件で実際に合った事例なのですが、洗面脱衣所の床を新しくしようと、現在貼られているクッションフロアをはがしたところ、床材が腐っていました。原因としては、洗濯機置き場部分の配管が「何らかの理由」によってずれてしまい、その影響を受けて床材の一部が腐敗していました。


もしこのまま放置していた場合、最悪は「床が外れてしまう」可能性があり、もしこのような状況を引き起こしてしまったら、当然ご入居者様に迷惑が掛かることはもちろんですが、場合によっては退去してしまう可能性も出てきてしまいます。


定期的なリフォームをすることによって、今までわからなかった部分の劣化を「確認」することができ、万が一にも劣化症状を発見した場合、緊急修繕することで、これ以上の劣化を抑えることができますが、低予算空室対策では、最低限のリフォームしかしないはずであることから、これは別の言い方をすれば中高年になっても、一度も健康診断をしないようなもの」であり、場合によっては発見が遅れたことで「手遅れな状態」になる可能性もあり得ます。



理由③:同じ家賃帯であれば、設備重視の部屋が勝つ

上の写真は、弊社リノベーション前後のキッチン。

同じキッチンでありながら、向かって左側は「よく見かける築古キッチン」に対して、右側は「キッチン本体は同じですが、ナチュラルキッチンにリメイク」したもので、家賃帯が同じであれば、どちらの部屋に入居したいかといえば、99.9%右側の部屋を選択しますよね。

(ちなみに右側の部屋は、リノベ前と比べて家賃10%値上げしましたが、すぐに成約となりました)


低予算空室対策を行っている物件では、ステージング+クロスの張替えがメインとなり、設備投資は可能な限り「避ける傾向」であるため、どうしてもフルリノベーションした部屋と比べると、天と地ほどの差が生じてしまい、更にはフルリノベーションした部屋の方が、圧倒的な支持を受けるので、物件自体の差も歴然としてしまいます。



理由④:仲介会社の本気度も違ってくる

仲介会社の本気度も違ってくる

不動産仲介会社の担当者は、毎日のように物件紹介をしています。

つまり、同じ家賃帯/築年数の物件が複数あったとしても、「この物件はリフォームやリノベーションをしっかりしてるから、お客様に紹介すれば成約してもらえる」と考えていますので、他社物件であったとしても、積極的に紹介してくれる可能性は高いです。


一方、低予算空室対策をしている物件では、設備投資に消極的+ステージングでごまかしている印象が強いことから、担当者としては「積極的に紹介したくはない」と判断してしまう可能性が出てくるばかりではなく、もし設備不良が発生した場合、しっかりと対応してくれるのか、非常に気になってしまうので、担当者としても「おススメ物件のひとつ」に加えることが難しくなってしまいます。


更に低予算空室対策をしている物件では、「伝家の宝刀ともいうべき、広告料を別途設定」している可能性が多いのも特徴です。


エリアによっては「全賃貸物件に求めている」所もあるとのことですが、一部地域を除いた場合で考えた際、通常であれば「広告料をつけなくても、普通に成約につなげることは可能」であるのに、広告料をつけているということは「担当者としては何か問題がある物件なのでは?」といった疑念が先行してしまいます。


もちろんではありますが、賃貸業界において「広告料が別途設定」されている物件では、優先的に紹介してもらえるのですが、地方都市においては「賃貸空室率が悪化」しているので、広告料をつけた所で「即効性が期待できるのか」というと、昔と比べるとあまり効果は期待できません。



理由⑤:管理会社の態度が違う

管理会社の態度が違う

管理会社としても、オーナー様に「無理してまで設備投資」をしてほしいとは思ってはいません。あくまでも可能な範囲内で対応してもらえることによって、担当者のやる気も180度違ってきます。


入居率が高い物件と低い物件との大きな違いのひとつに、「賃貸経営の本気度」があります。築年数が経過している物件でも、「家賃値下げをしないまま成約につなげることができる」物件では、設備投資に積極的であり、さらに「お部屋探しをされている方の気持ち」を第一に考えた部屋作りをしているので、当然ながら反響数も多くなるので、管理担当者としても、積極的に仲介担当者に「物件紹介してもらうようにプッシュ」してくれます。


一方、リフォームに消極的な物件は、担当者が「何度お願いしてもリフォームなどはしない」ので、当然ながら資産価値は低下してしまい、家賃を維持することも難しくなってしまいます。


低予算空室対策は、仲介会社及び管理会社としては、あまり評価しない対策方法であり、さらに、この方法の隠されたデメリットは「エリア内において、同じような対策」を競合他社が展開してしまった場合、差別化を図ることができなくなってしまうことから、確実に価格競争に巻き込まれてしまう可能性が出てきます。


一旦家賃値下げをしてしまうと、もう元の家賃に戻すことができないのですが、残念ではありますが「低予算空室対策」を積極的に行っているオーナー様は、この事実に気づいていません。低予算で空室対策ができるならば、誰もが実践するはずであることから、価格競争が生まれやすくなってしまうのは、もはや明白となるといっても過言ではありません。


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