専門家の指摘通りの空室対策を行ったら、本当に空室が埋まるのか?


地方都市においては、賃貸空室率が年々上昇傾向となっているため、築年数問わず、空き部屋が発生した場合においては、空室対策をしなければ、部屋を埋めることは難しくなってしまいます。


築年数が10年未満の物件は、比較的設備的にも「新しい」部類に入るので、空室対策を強化しなくても、比較的制約しやすいのですが、築10年以上が経過してくると「設備的」にも劣化してくることになるので、本腰を入れて空室対策を行わなければ、部屋が埋まりにくくなります。


専門家の指摘通りの空室対策を行ったら、本当に空室が埋まるのか?

近年では、空室対策を専門とするコンサルタントの方が多くなってきていて、コンサルを依頼した物件では、早期に部屋が埋まっていることもあり、空室対策でお悩みのオーナー様からの依頼が多くなってきているとのことです。


コンサルタントを行っている専門家の方が推奨する「空室対策」として…

  • 家賃の適正相場の把握

  • 管理会社や客付け業者の現地ヒアリングの実施

  • 現状把握をもう一度行い、改善策を練る

  • 募集部屋をステージング→2週間で内見者確認→家賃設定の見直し

  • それでも反響がない場合には、客付け業者にマイソクをもって営業する


確かに、物件を募集する際には、エリア内の相場と募集している相場が「合っている」ことが求められます。さらに、エリア内の賃貸状況を確認するためには、仲介会社の担当者に確認をしなければ、状況把握することは難しいのですが…



実は上記の空室対策について、弊社所有物件を管理している管理会社の仲介部門の責任者に話したところ、上記対策をしても、果たして効果が出るのかは「懐疑」的ではないかと、話していました。


疑問点①:ポータルサイトの影響

現在の賃貸集客方法は、大手賃貸サイトによる集客が圧倒的なシェアをもっていることから、基本的に物件を募集する際には、大手賃貸サイト3社~4社に物件掲載を行います。


ただ、多くの物件が「賃貸サイト上に物件掲載」していることになると、空室を1日でも早く埋めたいと「家賃を値下げしてくる」物件が必ず出てきます。


そうなると、当然相場にも影響が出てきて、エリア内で1つの物件で値下げをしてくると、競合他社も「対抗処置」として、家賃値引きをしてきます。


値引きを行えば、確かに「お客様にとってはメリット」になるものの、家賃を値下げしたことによって「オーナー様の収入」は確実に減ることを意味し、さらにネット情報で家賃が下がった事実は、物件に現在ご入居されている方は「必ずご覧になっている」ので、更新のタイミングで「家賃値引き交渉」をしてくるのは、想定の範囲内となってしまいます。


今の賃貸業界は、借り手市場となっているため、交渉条件が認められなければ「退去」するといった交渉カードを切られてしまうと、オーナー様としては「ここで退去となるより、条件をのんだ方が得策」と考え、値引きを受け入れざるを得なくなってしまいます。


さらに、値引きが成功したことは、当然ながら「他のご入居者様」にも伝わってしまうのがオチとなってしまうため、家賃値引きを認めることになると「必然的にオーナー様の収入は減ること」を意味してしまいます。



疑問点②:ステージングの効果

募集している部屋において、ホームステージングを行えば、確かに部屋の印象は良くなります。この点においては仲介担当者も認めていますし、賃貸サイト上においても、効果的であると言っています。


ホームステージングは、リフォームやリノベーションをした部屋であれば「効果は期待」できるのですが、ただコンサルタントの方々は「最低限のリフォーム+ホームステージング強化」を打ち出しているため、お部屋が正式に契約となり、ステージングを撤去した部屋を見たお客様が「本当に気に入ってくれる」かどうかは、懐疑的。



疑問点③:賃貸経営で一番重要なことが抜けている

空室対策コンサルタントの方々の特徴として、空室対策=客付けに関するノウハウは、しっかりと教えていますが、客付けが終わった後=契約成立後に関しては、殆どと言ってもいいぐらい「アドバイス」をされていません。


確かに、入居後のお客様フォローに関しては、基本的に「管理会社」の仕事になってきますが、ただ賃貸経営にとって、一番大切なことは「入居後の管理体制」がしっかりとしているかどうかです。


賃貸管理上において、よくある問題点として「生活音問題」「設備不良問題」があります。


賃貸管理に精通している方は「問題解決が遅くなればなるほど」、お客様満足度は低下してしまうことを認識しています。

生活音問題や設備不良問題は、どの物件でも起こり得る問題で、この問題に対して、オーナー様がしっかりとした知識や解決方法を認識していないと、この時点で「退去のきっかけ」を作ってしまうことになってしまいます。


ただ、コンサルタントの方々は「入居後の対策」(=生活音問題や設備不良問題)に関しては、殆どアドバイスをされていないので、個人的には懐疑的にならざるを得ないというのが、正直な気持ちです。



疑問点④:広告料をつければいいという問題ではない

賃貸物件の集客において、一日も早く「結果=成約」させたいと考えた場合においては、広告料を別途設定することによって、お部屋探しをされている方が、広告料設定物件に近い部屋だった場合には、仲介会社は「積極的」に、広告料物件をPRしてきます。


広告料物件が成約した場合における、仲介会社の報酬は

仲介手数料+広告料

となりますので、1件の成約で2~3件分を成約させたことになることから、仲介会社としては、広告料物件は積極的にPRしてきます。


ただ賃貸業界的に、広告料が設定されている物件は「集客に苦戦を強いられている」ことを意味しているので、広告料物件が「本当にお客様にとってベストな部屋」かどうかは、正直わからないのが本音で、もし広告料物件を担当者から勧められ、契約したものの、入居後における生活に「不自由さ」を感じてしまった場合には、長期入居はまず期待できません。




ベストな空室対策とは一体何?

ベストな空室対策とは一体何?

では、ベストな空室対策とは一体どのようなものなのかが、非常に重要となってきますが、長期入居が多い物件とそうでない物件の差は

「顧客満足度が高いかどうか」

ただこの一点のみです。



はっきりと言えることは、募集を行っている競合他社は「どれも同じような部屋」=同質化となっているため、正直に言えば「価格勝負」となっています。そのような状況下の中で「顧客満足度を高める部屋」にするためには、どうしても「他社にはないプレミアムな部屋」を提供するのが一番有効的。


ただ、プレミアムな部屋を作るとなると、事実上リノベーションに近いような部屋となってしまうため、費用をかけたくないオーナー様としては「難しい話」になってしまいます。


そこで、最低でも1つの設備だけでも良いので、他社に負けないようなものを導入するだけでも、十分差別化が可能となります。




入居後アフターフォローも、顧客満足度を高めるためには、とても重要です。

賃貸物件におけるクレームで最も多いのは、生活音問題と設備不良問題。


上記の問題は「デリケートな問題」だけに、100%解決は非常に難しいのですが、できる限り100%解決に近づけることは十分可能です。


生活音問題でよく発生するのが、上階からの生活音(とりわけ足音)が、階下のお部屋に響く事によってトラブルが発生してしまいます。この問題を可能な限り解決するためには、床材を吸音性が期待できるクッションフロアに変更すること、また生活音は「入居者の質が悪い物件」ほど、発生しやすい傾向となるため、家賃を安くしないことが求められます。


また、設備不良問題に関しては、設備の所有権はオーナー様にあるので、お客様から管理会社に連絡が入った際には、オーナー様に設備交換(修理)許可を求めてきますが、工事費用が高額にならな限りは、現場に決定権を与えた方が、スムーズに対応することが可能となるため、ある程度の決定権は与えた方が、担当者も楽に対応することができます。


賃貸の空室対策=成約のみと考えてしまうと、今後の賃貸経営は非常に苦しくなりますので、要注意です。


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