満室経営を実現するならば、家賃値下げはするべき?


サブリース契約ではない「集金管理」物件では、空室が発生してしまうと、その分の家賃入金はなくなってしまうことから、収益を少しでもよくするためには、空室期間を可能な限り「抑える」必要が出てきます。


昨今では様々な空室対策がありますが、最もポピュラーな対策としては、募集時/または更新時に「家賃値下げ」を行うことです。


家賃値下げを行えば、例え数千円であったとしても、お客様の立場で考えば「オトクに感じる」のは確かであることから、成約/更新しやすい物件になると思われますが、ただ満室経営を持続したいのであれば、家賃操作などをしていると、いずれ必ず行き詰ってしまい、経営が難しくなってしまいます。


 

目 次

1.家賃値下げは、収益を悪化させるだけ

2.家賃値下げは、入居者の質を悪くする

  1)入居審査が甘くなる

  2)家賃滞納リスクが上昇

3.家賃値下げ物件は、いずれ誰も住まなくなる

  1)キャッシュフローが回らなくなり、設備投資ができない

  2)告知義務対象物件になるかも?

4.価値を上げることが、満室経営の基本

5.まとめ

 

1.家賃値下げは、収益を悪化させるだけ

家賃値下げは、収益を悪化させるだけ

募集し続けていても、部屋がなかなか決まらない場合、管理会社担当者から「このままでは空室が長期化してしまう可能性が高いので、この際家賃を値下げしてみたらどうでしょうか?」といった相談をされることがありますが、仮に家賃を値下げして成約ができたとしても…

  • 家賃を値下げすると、元の家賃に戻すことができない

  • ネット上でも確認できるので、他の入居者様からクレームが発生してしまう

家賃値下げの一番怖いところは、値下げした情報を他のご入居者様が「確認」されてしまうと、自分達が住んでいる部屋より「安くなっている」ことから、不公平さがどうしても発生してしまい、強硬な方は「管理会社にすぐクレーム連絡」をしてしまいます。


さらに家賃値下げをしてしまうと、結果的には他の部屋にも「同様の対応」をとることになるので、結果的に「成約できたとしても、収益が悪化」するだけとなってしまいます。


賃貸業界における「家賃下落」に関しては、「築年数が1年経過するたびに、家賃1%下落する」と言われています。もしこのような対応をとってしまうと、年間家賃収入はどうなってしまうのでしょうか?


仮に、家賃5万円の部屋が10戸、満室状態が続いていて、毎月のアパートローン返済が10万円とした場合

新築

築10年目

築20年目

振込家賃

50万円

45万円

40万円

アパートローン

10万円

10万円

10万円

手取り家賃

40万円

35万円

30万円

上記はあくまでもシミュレーション上のことであるものの、家賃値下げをし続けていけば、当然ながら収入そのものが減少してしまうので、利益を確保することが「年々難しく」なってしまいます。アパート経営における固定費としては、「固定資産税」「火災保険料」が最も大きい支出となるため、これらを月割りにして計算した場合、アパート家賃収入が減少してしまうと、手取り額も少なくなってくることから、満室を達成するために家賃値下げする行為をしてしまうと、ご自身でご自分の首を絞めているようなものです。



2.家賃値下げは、入居者の質を悪くする

家賃値下げは、入居者の質が悪くなる

家賃が値下がりとなれば、誰もが喜びます。

ただその代償として、入居者の質が確実に低下してしまいます。


1)入居審査が甘くなる

家賃値下げばかりしているような物件は、まず収益が悪化してきます。

オーナー様としては、「早く次の方に住んでもらわないと、家賃収入が発生」しないので、管理会社などに「客付けの強化」をお願いすることになりますが、誰でもいいから早く入居してもらいたいのであれば、入居審査を甘くするしか方法はありません。


入居審査を甘くしてしまうと、質を落とすことになるので、入居者同士によるトラブル件数が増加してしまいますが、この様なトラブルが発生し続けてしまうと、物件全体の評判が悪くなり、口コミで広まってしまうので、要注意となります。


2)家賃滞納リスクが上昇

近年では「約8割の物件で家賃保証会社」を使っているので、過去5年間に「家賃滞納」もしくは「クレジットカード滞納」があると、信用情報機関に登録されてしまい、保証会社によっては信用情報を確認することができるので、入居審査時における判断材料のひとつとなります。


入居審査に厳しい管理会社(仲介会社)では、信用情報が確認できる「信販系」及び「信用系」保証会社と提携しているので、仮にどちらかの保障会社審査で「落ちてしまった」場合でも、別の保証会社を使って再審査を行い、そちらでは審査通過することもあります。


ただ、管理会社としては「保証会社審査で問題がある」方に対しては、しっかりと家賃を支払ってもらえるかどうか、懐疑的な目で見ることがあり、場合によっては「管理サイドとしては入居は断りたい」と、オーナー様に相談/決済をお願いすることがありますが、オーナー様がOKを出してしまえば、問題ありと認定された方でも「入居させる」ことができてしまうため、管理上におけるリスクが増えてしまいます。



3.家賃値下げ物件は、いずれ誰も住まなくなる

家賃値下げ物件は、いずれ誰も住まなくなる

1)キャッシュフローが回らなくなり、設備投資ができない

家賃値下げばかりしていると、当然ながら利益を確保することが難しくなってしまいます。さらに今の時代、需要より物件供給数が飽和状態となっているエリアが多いため、家賃値下げをし続けてしまうと、募集をしても「部屋が埋まりにくく」なってしまい、最悪キャッシュフローが回らなくなってしまいます。


こうなってくると、設備投資をしたくても「資金」がないため、さらに空室期間が長期化してしまう「負のスパイラル」状態が続く事はもちろんのこと、値下げばかりし続けたことによって、物件を処分しようと「売却」しようと思っても、売却できない/売却できても二束三文程度の値段しかつかない恐れがあります。


2)告知義務対象物件になるかも?

家賃値下げ集客のデメリットとして、「入居者の質が悪くなる」ことを、先程お伝えさせてもらいましたが、弊社物件を管理している管理会社担当者の話によると、とあるエリアにある物件1階に入居中の方は、「迷惑行為(騒音)」をしている方で、その物件の2階は常に募集を行っていますが、誰も入居しません。


その理由は、迷惑行為に関して「管理会社が何度も注意しても改善できない」ため、やむを得ずに、その物件の2階に内見された方に対しては、「告知を事前に行い、それでも良ければ入居してほしい」と事前に伝えているそうです。



4.価値を上げることが、満室経営の基本

価値を上げることが、満室経営の基本

堅実な満室経営を行いたいのであれば、物件の価値を上げるしか、方法はありません。


家賃値下げは、オーナー様の一存で簡単に対応することができます。

ただ家賃値下げすることによって、「収益悪化」「物件及び入居者の質が低下」してしまうだけとなるので、誰も得することはありません。


価値を上げる方法としては、退去後に「リフォームやリノベーション」を行うのが最適と言われています。リフォームやリノベーションを行うことによって、築年数を感じさせないばかりではなく、ターゲットを絞った部屋を作ることによって、場合によっては「新築物件に入居したい」お客様を取り込むことができ、更に家賃値上げも可能となってくることから、全ての方がメリットを感じることができます。



5.まとめ

満室達成するために、ただ単に家賃を値下げしても、最終的にはオーナー様の物件価値を下げるだけとなってしまい、募集しても空室が埋まりにくい物件になるだけです。


築年数が経過したとしても、しっかりと設備投資を行い、ニーズに沿った部屋を提供することができれば、家賃値上げ募集も可能となり、築年数関係なく収益物件を作ることは十分可能です。


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