空室対策の同質化がもたらす危険性とは?
更新日:1月2日
賃貸物件は、お客様が成約して頂けない限り、家賃入金が一切発生しません。
そのため、募集中の部屋をいかにして早期に埋めるかが勝負となり、空室期間が長期化してしまうと、集英にも影響が出てしまうため、1か月募集しているのに反響が少ない場合には、何かしらの対策をとる必要があります。
賃貸の空室対策を成功させるためには、お部屋を借りる方が「喜ばれる」ような部屋を作ることが重要となります。ただこれは築年数に応じて、方法が異なってきます。

例えば、築年数が10~20年程度であれば「原状回復+α」程度でも、十分集客することは可能となります。
一方で築年数が20年以上経過してしまうと、同じ規模の新築物件と比べた際、「20年前の部屋VS現在の細心の部屋」との戦いになることから、原状回復程度のリフォームのみでは、「家賃維持は非常に困難」であり、家賃値下げは覚悟しないと、集客することができにくくなってしまいます。
家賃値下げすることによって、部屋が埋まれば「まだいい方」と言えます。
近年では、家賃を値下げしても「部屋が早期に埋まりにくく」なっていて、エリアによっては「家賃を下げても半年以上部屋が埋まらない」物件が多くなってきています。
この現象は決して他人事のように「静観」することはできません。

近年の賃貸空室対策として、ホームステージングが注目されています。
賃貸におけるホームステージングとは、募集中の部屋に「おしゃれな家具や雑貨」等を置いて、入居後のイメージを持ってもらおうとする手法のひとつ。
もともとは「戸建て住宅や分譲マンション」の購買促進ツールとして用いられたものが、賃貸業界にも波及した結果となりますが、実際ホームステージング集客をすることによって、早期に部屋が埋まっている事例が沢山あります。
更に上記にかける費用は「家賃1か月分」程度となるため、空室対策としては「費用を抑えることができる」ので、集客に苦戦しているオーナー様にとっては、理想的な対策方法と言えるのですが…
日本一空室率が悪い山梨県で、家賃相場無視&家賃値下げに何度も成功している弊社の見解は、ホームステージングに強化しすぎる空室対策は、とても危険と言わざるを得ないのが、正直なところです。
実はマーケティングから見えも、おんぶにだっこ状態の集客は、大変危険行為であることは、すでに証明されていますが、どうして危険行為になってしまうのでしょうか?
理由①:同質化戦略に巻き込まれる

同質化戦略とは、主に業界におけるリーダー的企業が「資本力」を武器に、成功している商品やサービスに対して「同じようなもの」を展開し、結果的には成功している商品やサービスを無力化する戦略のことを言います。
賃貸業界において、リーダー的企業というと、大手管理会社が挙げられますが、ただ現実問題として、大手管理会社が「賃貸空室対策」として同質化戦略を展開することは、殆どないといったところ。
ホームステージング集客は、リノベーションと比べると、圧倒的に費用が掛かりませんので、オトクであることには間違いありません。しかし、エリア内において「同じようなホームステージングを展開」する物件が、沢山あったらどうでしょうか?
同じようなステージング部屋が複数あれば、差別化することが難しくなってしまうので、どの部屋も「同じ=同質」になってしまうことから、結果的には「価格競争」が生まれる原因になります。
ホームステージング集客を推奨している「空室対策コンサルタント」の方々は、将来同質化になってしまうリスクがあることを「認識」していません。
少ない費用で早期に部屋が埋まる方法があれば、誰もが真似したくなるのは、自然なことであるため、仮に現在は成功するとしても、同じような部屋が沢山出てしまえば、家賃値下げ競争になってしまうので、大変危険な行為と言えます。
▶同質化の懸念に関しては、過去記事をご覧下さい。
【過去記事】マネジメントとイノベーションなき賃貸物件は確実に衰退します
理由②:コンビニと同じ運命をたどる可能性

大手コンビニ業界においては、「ドミナント戦略」を採用しています。
これは、チェーンストアが「一定のエリアに集中して出店」することによって、競合他社の入り込む余地をなくすことができますが、ただこの考え方は、競合他社も同じであり、A社のコンビニ店がエリア内で開店したとしても、B社コンビニ店もA社コンビニ店を潰すために、わざと近い場所に出店する可能性がありえます。
▶ドミナント戦略に関しては、下記記事をご覧ください。
ドミナント戦略とは?メリット・デメリット、戦略の限界について解説
更にコンビニ業界では、配送コストの削減のため、A社コンビニ店がエリア内にあるにも関わらず、そこからわずか数百メートル離れた場所に、A社コンビニ店を出店することもあるので、結果的に「カニバリゼーション(共食い)」が起こることが懸念されます。
A社コンビニ店が「エリア内に複数」あると、当然ではありますが「お客様が分散」してしまい、今までの売り上げを確保することが難しくなるばかりではなく、差別化することが難しくなってしまうため、どうしても「カニバリゼーション」が起こりやすくなります。
ではこのことを賃貸業界に当てはめて考えると、どうでしょうか?
同じような部屋/同じようなホームステージング部屋が「エリア内に複数」あれば、差別化を図ろうと思っても、同質化となってしまうため、家賃帯を下げなければ、集客することができなくなってしまいます。
理由③:重大事故が発生しやすくなる

退去後に「定期的なリフォームやリノベーション」を行うことによって、劣化している部分を発見することができるため、その時にしっかりと対応することによって、建物寿命を延ばすことができ、何より入居後の重大事故の発生リスクを軽減させることができます。
しかし、近年における「ホームステージング集客」においては退去後に行うリフォームなどは「最低限」しか行わないことが多いため、場合によっては「劣化症状が始まっていた個所」を見逃してしまう可能性があります。
これは、人間に例えていうと、中高年の方が「自分は今まで健康体」であるから「健康診断は受けなくても大丈夫」と言っているようなもの。
若い時は「病気になるリスク」は少ないといっても過言ではありませんが、中高年になるにつれて「病気になるリスクは上昇」していきますが、早期に対応すれば、完治することは十分に可能となります。
しかし、毎年行う健康診断を無視し続けてしまうと具合が悪すぎて検査した時には「すでに手遅れ」になってしまうことも、十分に考えられますが、賃貸においても「同様」のことが言えます。
同質化戦略をされてしまうと、どの商品やサービスも「同じ」に見えてしまうため、価格競争が生まれやすくなります。それでは、価格競争に巻き込まれないようにするためには、どうしたらいいのかというと、「徹底した差別化戦略」をする以外方法はありません。

弊社物件がある山梨県は、「日本一空室率が悪く、さらに弊社物件は和室アリの2LDK」賃貸アパートであるため、集客上「不利すぎる」と言っても過言ではありません。
しかし「差別化戦略」を展開することによって、「家賃相場を無視した家賃値下げ」にも成功し、更には2022年度の決算では「増収増益」を達成しました。
▶弊社が行ってきた空室対策の全貌は、過去記事をご覧下さい。
【過去記事】【アパート経営】相続してから空室0にするまでやってきたこと①
【過去記事】【アパート経営】相続してから空室0にするまでやってきたこと②

弊社物件では、20~30代のカップル/新婚さんを集客ターゲットにしています。
ファミリータイプの賃貸アパートでは、女性(奥様)がお部屋の決定権を握っていることが多いため、女性(奥様)が気に入るような部屋を作ることが、とても重要となります。
弊社では「ナチュラルテイストに特化したリノベーション」を展開することによって、競合他社物件が「真似することができない」ぐらいにクオリティーが高い部屋を提供することができ、更には家賃も最大で10%値上げしています。
弊社物件家賃は、もともと家賃相場は無視していますが、リノベーションを機にさらに値上げを実施してしまうと、集客上不利になりがちになります。
しかし、弊社では公式サイトを運用していることからダイレクトに情報拡散させることができ、結果的にはご入居される約8割の方は公式サイト経由となりましたので、家賃相場の影響を受けにくくなり、収益性を確保することができました。
今回は「空室対策の同質化がもたらす危険性」について、お伝えしました。
同質化戦略を推進してしまうことによって…
ただ、差別化戦略を推進することによって、他社が真似する余地を与えないことから、家賃値上げを実施しても、十分集客させることができ、収益性を改善させることができます。
弊社物件は今でこそ、収益性を確保することができましたが、そこに行きつくまでは、様々な失敗を重ねてきました。
▶弊社リノベーション失敗に関しては、過去記事をご覧下さい。
【過去記事】【2022年】実体験をもとに賃貸リノベーションの失敗と対策を解説
繰り返しになりますが、弊社物件がある山梨県は、日本一空室率が悪いエリア。そのエリアで家賃値上げを行い、収益性を確保することができたことから、他県であってもこのやり方は通用するはずであり、効果を期待することができます。
ただ「こんなのどこから手をつけていいかわからない!」という方もいらっしゃるのではないかと思います。
そんな時は私ども(有)山長の「お手軽無料相談」をご利用ください。過度なメール配信、強引な営業活動等は一切行なっておりませんのでどうか安心してご相談ください。


取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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