賃貸で子供が落書きした場合、減価償却は考慮されるの?


賃貸物件における退去時の原状回復費用に関しては、明確な基準が設けられています。


一般的に「経年劣化」の影響によって、設備や内装が劣化してしまった場合は、貸主負担となり、一方で「故意過失」による破損や汚損に関しては、借主負担となります。


ファミリータイプ向け賃貸物件で、小さなお子さんと一緒に生活されている方は、多いと思いますが、ただお子さんが小さいうちは「あちらこちらに落書きをしてしまう」もので、場合によっては「壁」にも落書きをしてしまうことは、十分にあり得る話です。


もし落書きしてしまった場合、当然ではありますが「お子さん的には故意」ではないものの、一般的には「故意による(壁紙)汚損」に該当してしまうため、退去時における原状回復費用は「借主負担」となってしまいます。


ただ壁紙の減価償却は「6年」と設定されていることから、ご入居期間が6年を経過していた場合、壁紙価値的には「わずか1円」となってしまうため、長期入居すればラッキーになるのではと、考える方は多いと思われます。


では、もし入居期間が6年以上経過すれば、借主負担は1円で済むものなのでしょうか?


目 次

1.減価償却の考え方

2.賃貸借契約書では、落書き=借主負担と明記

3.落書きはれっきとした故意による汚損

4.まとめ

1.減価償却の考え方

減価償却の考え方

そもそも減価償却とは、年数が経過すればするほど「モノの価値」が減少していくことを言います。


壁紙を例に出すと、入居前に張り替えていた場合、当然ながらおしゃれで清潔感が出ていますが、時間の経過と共に「日焼け」していきますので、徐々にその精彩さは欠けていきますよね?


わかりやすい例だと、入居当時から壁にポスターを掲示し、5年ぐらい放置した状態でいると、ポスターが貼ってあったか所とそうでない箇所とでは、壁の色が異なっているはずです。つまり、知らずの内に設備や内装は「劣化」=価値が減少していきます。


ですので、賃貸物件においては「通常使用における劣化」が認められた場合には、借主負担は求めずに「貸主負担」となります。




2.賃貸借契約書では、落書き=借主負担と明記

賃貸借契約書では、落書き=借主負担と明記

賃貸借契約において、落書きに関しては「特約事項」に明記されていることが多いです。


特約とは、通常の賃貸借契約書において「不十分な個所を補足・補充」する意味合いで付け加えられる「特別な約束」というイメージで、落書きに関しても、一般的な賃貸借契約書には記載がないため、特約事項に記載があります。


特約事項に記載されている内容に関しては、あまりにも法律からかけ離れているものならば、無効になる可能性が高いものの、妥当性が認められるものに関しては、有効と見做すことが多いです。



3.落書きはれっきとした故意による汚損

落書きはれっきとした故意による汚損

小さなお子さんが、壁に落書きをしてしまっても、大人たちは「その行為が故意で行ったもの」といった認識はしないはずです。


ただ、賃貸において壁に落書きをしてしまった場合、通常使用で発生するものではなく、お子さんが(故意過失関わらず)書いてしまったことによって発生したものと認識されることから、これを減価償却の考え方で原状回復費用を算出することは、非常に難しくなってしまい、たとえ入居期間が6年を超えていたとしても、落書きを書いてしまった箇所に関しては、全面張替え費用を借主に請求する可能性が高くなります。



4.まとめ


賃貸における原状回復について、100%借主負担となるケースとしては、今回取り上げた落書きの他に「ネジが釘を使って壁などに穴をあけた」「タバコやお香のニオイが壁などに染み付いていた」「結露などを放置したことによって発生した壁紙のカビ」「通常のクリーニングでは除去不能な換気扇の油汚れ」などがあります。


これらは、通常使用においては「絶対に発生することがない破損や汚損」であることから、減価償却では一切考慮されず、修繕費用を請求されてしまう可能性が高くなるので、要注意となります。



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