賃貸サイトで集客している限り、家賃値下げ競争から脱却することができません。
更新日:2022年9月22日
賃貸物件を募集する際、多くのオーナー様は、不動産仲介会社にお願いして「物件情報」を掲載してもらっています。専門家の方々は、可能な限り「複数の仲介会社にお願いして、物件情報を大手賃貸サイト」上に掲載してもらうことができれば、反響を得ることが楽になると、主張しています。

一般的に、築年数が浅い物件では「家賃値下げをせず」に、賃貸集客しても、早期に部屋が埋まりやすいと言われています。その一方で「築年数が経過している」物件では、設備投資をされない物件が多いため、どうしても価格競争が激化し、その結果「家賃相場までも下落」してしまいます。
一部の空室対策コンサルタントの方々は、築年数が経過している物件であったとしても…
ペルソナ設定をしっかり行えば、埋まらない部屋はない
最低限のリフォーム+ホームステージングでOK
集客強化が必要な場合は、必要に応じて広告料追加
といった手法を提唱しています。
大多数のコンサルタントの方は、集客媒体を「賃貸サイト」にしていることから、仮に上記の方法で成約が取れたとしても、物件の資産価値は向上していない(場合によっては、下落している)さらには、賃貸サイト上においては「築年数や家賃」など、お客様が好きな希望条件を入力することができるので、家賃値上げ集客は「非常に難しい」と言っても過言ではなく、さらに同じような空室対策を「エリア内にある競合他社」が行えば、同質化となってしまうため、確実に価格競争に陥ることが懸念されてしまいます。
1.ステージングマーケティングは、一時的なもの

賃貸業界における空室対策として、近年脚光を浴びているのが「ホームステージング」
確かに、募集している部屋に「家具や雑貨」等が置いていない部屋より、少しであったとしても、家具などが配置されていると、室内の印象ががらりと変わってくるので、お客様が見学に来られた際「入居後のイメージ」がしやすくなるので、成約率が向上することが期待できます。
ただし、募集する部屋が「原状回復工事」程度で、しかも築年数が経過している物件の場合、仮に室内をおしゃれにステージングしたとしても、設備や内装が変わっていなければ、ステージングだけが強調されてしまい、室内空間に「違和感」を感じてしまいます。
さらに、エリア内において「同じような空室対策」をしている物件があるならば、当然ではありますが「家賃勝負」となってしまいます。良いお客様に入居してもらいたいのであれば、最低限の室内リフォームは行うべきです。
2.同質化戦略がどうして危険なのか?

誰にでもできるような空室対策が、どうして危険なのか?
マーケティング上における理論では、リーダー的企業に対抗するためには、徹底した差別化戦略を行うことが求められます。
2007年に某有名ハンバーガー店が、日本で圧倒的なシェアを持つ「マクドナルド」に対抗するため「ビックサイズのハンバーガー」を開発・販売を行おうとしたところ、マクドナルドでは半年以上前から、しっかりと差別化したハンバーガーを発売し、差別化戦略を封じ込めました。
つまり、差別化戦略として「ステージングして成功した」としても、競合他社が「それを上回るステージング」を行い、さらに「キャンペーン企画」を打ち出しをした場合、立場が逆転してしまう恐れが高くなります。これは賃貸業界でも同じことが言えます。
3.顧客満足度を上げることが必要

誰にでもできるようなものは、いつか必ず「誰かが真似」をしてしまい、さらに価格帯を下げてしまえば、そのビジネスモデルは終了となります。
今後の賃貸業界は、人口減少+戸建て住宅住替えなどが多くなることから、賃貸空室率はさらに上昇するものと思われます。このような状況下であったとしても、賃貸物件を所有している以上は、経営をしっかりとしなければなりませんが、この様な時代だからこそ、原点に戻る対策=顧客満足度を高めることが、非常に重要となります。
例えば…
お客様の要望に対して、可能な限り対応する
設備不良連絡が入った時には、すぐに対応し早期に解決できるように、対策をとる
どれか一つでもいいので、他社には負けないような設備を導入する
物件清掃をしっかりと行い、建物環境をよくする
契約時及び退去時には、粗品を用意し、感謝の気持ちを伝える
今回取り上げたものは、決して難しいものばかりではありません。
オーナー様の心次第で、すぐに対応することができるものばかりであり、しっかりと対応することで、長期入居はもちろんのこと、場合によっては「新しいお客様を紹介」してくれる可能性が高くなります。
4.まとめ

賃貸サイトに固執している=気に入られるような集客をしていると、ほぼ確実的に「築年数が経過すればするほど、相場自体が下落」してしまうので、価格競争になりがちになります。
価格競争になってしまうと、例えば「同じようなオレンジ」があれば、エリア内にあるスーパーマーケットにおいて「一番安いオレンジ」を購入すれば、損をするようなことにはなりません。
つまり、価格競争をし続けてしまうと、オーナー様は「いつまでもキャスティングボード」を握ることはできませんので、お客様の「言いなりにならなければ、お部屋を埋める」ことができなくなってしまいます。

取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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