賃貸空室対策をするにあたって重要な考え方とは?

更新日:9月24日


人口減少や戸建て住宅住替えなどによって、地方都市における賃貸空室率は、深刻化となっています。一部のエリアにおいては、すでに空室率が30%になっている所もありますが、ただこの数字は、立て替え以外における新規物件を規制しない限り、悪化の一途をたどるのは、もはや避けられなくなっていることから、近い未来において「空室率50%時代」を迎える可能性は、現実的になってきています。


空室率悪化を避けるためには、どのような物件でも「空室対策」は行わなければならないのは、物件を所有されているオーナー様は、十分認識されているはずではあるものの、その一方で「管理会社などから空室対策に関するアドバイスをもらっているが、なかなか効果が出ない」と訴えるオーナー様も、恐らくいらっしゃるはず。


では、どうして管理会社などが提案している「空室対策」が、あまり効果的ではないのかについて、お伝えさせていただきます。


 

目 次

1.空室対策に効果的と言われているものとは?

2.なぜ空室対策をしたのに、うまくいかないのか?

3.バリュープロポジションという考え方

4.まとめ

 

1.空室対策に効果的と言われているものとは?

賃貸空室対策をする時に、効果が出やすいものとして、管理会社/空室対策コンサルタントの方々が「提案」するものとしては…

  • 人気設備を導入して、需要を挙げる

  • 不動産仲介会社に広告を出してもらい、物件PRをする

  • 家賃を下げる

  • プチリフォームをする

  • 管理会社を見直す

があります。


確かに「人気設備を導入」したり、仲介会社に広告料(AD)をつけたり、家賃を下げたりすることによって、お部屋探しをされている方にとっては「借りやすく」なるため、対策を講じることによって、お問合せや見学予約につながる確率が高くなりますが、ただ上記対策を空室で悩んでいるオーナー様が「全て行った」と仮定した場合、本当に埋まるのかというと、そうとは言い切れない可能性の方が高くなります。


どうして専門家などがおススメする空室対策をしても、効果が出にくいのでしょうか?



2.なぜ空室対策をしたのに、うまくいかないのか?

指摘通り「空室対策をした」のに、どうして部屋が埋まらないのか…。


こんな悩みをお持ちのオーナー様は、結構多いのではないでしょうか?

では、どうして空室対策をしたのに、部屋が埋まらないのか?

先程の対策を例に出して、解説していきたいと思います。


1)人気設備=必ずしも集客アップとは限らない


「インターネット無料化」「オートロック」「浴室乾燥機」などは、単身/ファミリー向け賃貸物件において、人気が高い設備であることには間違いありません。ただ、これらの人気設備を導入したからと言って、必ずしも集客に効果があるのかというと、そういうことではありません。(もちろん、あればお客様からは喜ばれますが…)


例えば、インターネット無料化について。

インターネットは今や仕事&プライベートにおいても「必ず使うもの」であることから、利便性を追求したほうが、集客的に貼メリット大と言えます。そのため、今では飲食店や美容院、コンビニなどでは「Wi-Fiが無料」で使えるのが当たり前となっています。


賃貸物件においても、利便性追求が求められていることから、インターネット無料化は急速に進んでいます。近年施工された新築賃貸物件は当然ですが、築年数が経過している物件においても、インターネット無料化となっています。


インターネットが無料に使える物件では、面倒な回線工事が不要となるため、入居初日から使用することができ、回線工事はもちろんですが、毎月の使用料金も「無料」となるため、入居する側にとっては「メリット」であることは間違いありません。


ただその一方で、インターネット無料物件では「一つの回線を複数の部屋で共有」していることから、多くのご入居者様がお部屋で一斉に「動画を視聴」した場合、回線が渋滞してしまうことから、どうしても速度低下を招いてしまいます。


また、働き方改革の一環として「テレワークに切り替わった」方もいると思います。

一見すると、インターネット無料物件は「魅力が感じられる」と思われますが、ただその一方で「オンライン会議」をすると、状況によっては「速度低下」も懸念されるので、仕事上において支障をきたしてしまう可能性があり、所謂ヘビーユーザの方は「インターネット無料物件をあえて選ばない」方もいますので、必ずインターネット無料にすることが集客上効果があるというのは、正直懐疑的です。



2)広告を出す物件=集客に苦戦している物件

不動産仲介会社における「賃貸契約時」にもらえる報酬は「仲介手数料」のみで、最大でも家賃1.1か月分までとなってしまうので、仲介会社にとっては契約本数を伸ばすことが売り上げに直結しているので、担当者には当然ながら「契約ノルマ」が課せられています。


ただ、もし募集をしている物件に「広告料」が設定されていると、契約が決まった際にもらえる仲介会社の報酬は「仲介手数料+広告料」となるため、1件の成約で2~3件分を契約したことになることから、仲介会社にとっては広告料が設定されている物件と、お部屋探しをされているお客様が希望されているお部屋が「近い場合」には、広告料がついた物件を積極的にPRしてきます。


広告料をつけることによって、仲介会社では「積極的に声がけ」をしてくれるので、少なくとも物件を見ていただける確率は「高く」なることは間違いありませんが、そもそもお部屋がしっかりとしている物件においては「広告料をつけなくても決まる」ものであることから、業界的に広告料設定がある物件=集客に苦戦している物件という認識をもってしまい、また広告料設定物件は「他社管理物件」である場合が多いので、その物件が本当にお部屋探しをされているお客様に「おススメできる」物件かどうかは、正直未知数であることには間違いありません。


3)家賃値下げは最後まで取っておく

これはよく賃貸空室コンサルタントの方々が、よく主張していることですが、家賃を現状維持のままで「空室期間が長期化」するよりも、家賃を値下げして集客して、早期にご契約になれば「空室による機会損失を防ぐ」ことができると言われています。


実際に事例を出してご紹介したいと思います。

 

【単身向けアパート 家賃5万円 3年間入居したと仮定】

●1年間空室が続き、その後成約となった場合の家賃合計額

  5万円×(36か月分−12か月分の空室)=120万円

●家賃を4.5万円に値下げして、2か月後に成約となった場合の家賃合計額

  4.5万円×(36か月分−2か月分の空室)=153万円

 

計算上にはなってしまいますが、家賃を値下げして早期にご成約させた方が、結果的には効果としては期待大ということを、言いたい気持ちはよくわかりますが、ただしこの方法はオーナー様の家賃収益を「確実に悪化させてしまう」要因になってしまいます。


当然ではありますが、このやり方をする時、募集方法は「大手賃貸サイト」がメインとなります。賃貸サイト上における家賃検索は「5000円刻み」となっているため、5万円から4.5万円に値下げしたことによって「4万円~5万円のお部屋を探されてる方」もしくは「4万円から4.5万円のお部屋を探している方」には、オーナー様の物件が検索画面上に掲載される可能性が高くなるので、反響などがすぐに出やすくなることは、間違いではありません。


ただし、賃貸サイト上において「家賃訂正されたお部屋」は、誰でも閲覧できる環境となっていることから、同じ賃貸物件に現在ご入居されているお客様が、その情報を確認してしまった時、現状の家賃より5000円下がってる事実を知ってしまった時、当然ではありますが「激怒」してしまうことが予想され、場合によっては管理会社にクレームを言うことも考えられます。


管理会社的には「今回の値下げはキャンペーンだから」と主張しても、同じ賃貸で設備的も同じ部屋なのに、こちら側だけが「家賃が高い部屋」であるというのは、納得することはできるはずもなく、仮に沈静化になったとしても「契約更新時」において、家賃減額交渉をしてくるのは必定。


もし要求が受け入れなければ「退去する」と主張されれば、さすがにオーナー様としてみても「見過ごすことができない」ので、オーナー様の考え次第になってしまいますが、最終的には「退去になってまた空室が続くよりも、値下げして事態を鎮静化させた方が得」と考えざるを得なくなり、最終的にはご入居者様の要求を受け入れてしまう可能性が高くなります。


また、家賃値下げ交渉が成功したという情報は、当然ながら「他のご入居者様」にも筒抜け状態となってしまうため、今後別のご入居者様からも「値下げ要求」が続いてしまえば、年間家賃収入は「確実に減る」ことになることから、経営上マイナスになってしまうことは避けられません。


さらに追い打ちをかけることを言ってしまうと、管理会社の提案通り「家賃値下げ」をした結果、利幅が減ってしまったことによって、アパートローン返済がきつくなってしまったとしても、管理会社は「オーナー様と一緒にメインバンクにいって、金利見直しや返済額の変更」等をサポートすることはありません。


つまり、管理会社は「成約によって発生する管理料」が、ただ欲しいだけであり、家賃が安くなったとしても、それはあくまでもオーナー様の問題という考え方を持っている可能性が高いので、家賃の値下げは安易にするべきではありません。


4)子供だまし的なプチリフォームは、効果は薄いです

子供だまし的なプチリフォームは、効果は薄いです

そもそも空室期間が長期化している理由の大部分は、家賃の割には部屋のクオリティーが低すぎることが最大の問題であり、この様な物件は「プチリフォームではなく、ある程度のリフォームやリノベーション」は行わないと、家賃値下げしても埋まらない可能性はあり得ます。


最低限行うべきリフォームとは…

  • 壁紙交換(まだ使用できるものはそのままでもOKです)

  • 床の張替え(白系のクッションフロアを施工すると、室内が明るくなります)

  • 収納の一部をクローゼット化

  • 浴室の水栓を新しく交換する

  • 備付の電球をLEDに変える(これだけでも明るさは全く違います)

  • キッチン扉をダイノックシートなどを使って張り替える

多少費用は発生してしまいますが、最低限でもここまでのことをしないと、家賃帯で比較されてしまった場合、オーナー様の物件が選ばれる可能性は低くなります。


5)管理会社を見直す前に、担当者のスキル判断が先

管理会社を見直す前に、担当者のスキル判断が先

ご入居後における建物全般に関する対応は、全て管理会社となります。

客付けが悪い場合、当然ながら「管理会社の管理能力」が問われてしまいます。


オーナー様としてみたら、毎月家賃分から管理料を管理会社に支払っているのに、結果が中々でないとなると、当然管理会社のせいにしたくなる気持ちは、十分良くわかります。


ただここで「すぐに管理会社を交代」させるのは、時期尚早です。


どうしてすぐ替えることがダメなのかというと、管理会社を交代させるということは、ご入居者様にもご負担(特に家賃支払い部分)を強いられてしまうことになるので、もし結果が中々でない場合には、上長に相談して「担当者に結果を出すように注意」してもらい、それでも結果が出ない時には「担当者を変えてほしい」の一言で、簡単に変えることができます。


もしかすると担当者を変えることで、状況が良くなることもあり得る話です。ただそれでも効果が出ないと判断した場合には、管理会社交代もやむを得ないことになってしまいます。



3.バリュープロポジションという考え方

空室対策を行う時、まず前提として

お部屋探しをされている方が、どのような部屋に興味を持っているのか?

を把握しなければ、対策を練ること自体ができません。


1)どのようにして調べるのか?

Googleなどを使って「地名+賃貸」と入力すると、トップページ下部に「関連キーワード」が表示されます。これは特定ワードを入力した方が「このようなモノにも興味を持っている」ことを示唆しています。


弊社物件は山梨県にあるので「山梨+賃貸」と入力すると、トップページには「大手賃貸サイトのドメイン」がずらりと表示されていますが、下部の所にある「関連キーワード」を見てみると「リノベーション」「デザイナーズ」という表記が出てきます。


つまり「山梨+賃貸」で入力した人の中には、おしゃれなリノベーション賃貸やデザイナーズ賃貸を探している方が多いことがわかります。


2)競合物件を見て、お部屋の様子を確認する

オーナー様が所有している物件周辺には、当然ながら競合他社物件があるはずであり、多少であったとしても、競合他社物件であったとしても「募集している部屋」はあるはずですよね?


そこで、同築年で間取りも同じ競合他社物件/リノベーション部屋のお部屋を「賃貸サイトで確認」すると、ある共通点がわかるはず。


それは、どの物件/リノベーション物件も「同じような部屋」が多い事


つまり、差別化するものが殆どない事から「価格競争」に陥ってしまうことになっていることから、空室がなかなか埋まらないという仮説が生まれてきますよね。


そこで弊社が一番言いたいこととは、

もしお客様が望んでいて、他社が提供することができなくて、自社だけが提供することができる商品があれば、家賃を安くしなくても購入することができるはずではありませんか?


このことを「バリュープロポジション」と言いますが、お客様が望んでいることを徹底的に調べ、他社が提供することができないぐらいの差別化を図ることができれば、同じ商品であったとしても、付加価値は向上しているので、価格競争には陥ることはまずなく、価値を知っていただければ、購入して頂く可能性は高くなります。


3)賃貸物件におけるバリュープロポジションとは?

では、賃貸物件的にバリュープロポジションを使って集客する場合、どのようなことが考えられるのでしょうか?


先程の「山梨+賃貸」を例に出し、弊社における集客を例に出してみると…

・顧客が望んでいる部屋とは?

おしゃれなリノベーション部屋/デザイナーズな部屋

・競合他社が提供できる部屋とは?

おしゃれなリノベーション部屋/デザイナーズな部屋

・弊社が提供できる部屋とは?

ナチュラルテイストに特化したリノベーション部屋

初期費用が相場の4分の1程度

他社ではまずしない顧客サービスの充実化



弊社が手掛けているリノベーションは、ナチュラルテイストに特化した部屋です。

自然素材の漆喰や無垢材を、室内空間に可能な限り使うことによって、賃貸では決して味わうことができない「温もりや温かみ」をいつまでも感じられて、おうちカフェをいつでも楽しむことができることもあり、ご入居者様から「高い評価」を頂いております。


また、リノベーションに関して、他社物件では「完成した部屋」のみを公開していますが、弊社では「リノベーション工事中の模様」から、公式InstagramやTwitterなどを使って、随時配信することによって、現在工事進捗状況を確認することができたり、またどのように室内が変わっていくのかを、誰もが確認することができるので、入居したとしても安心して生活することができますよね。


またリノベーション賃貸は、おしゃれになっているので「住みたいと考える人が多い」と思いますが、ただ本当に住みやすいのかどうかは、その部屋にご入居されているお客様でしか、わかりません。


そこで弊社では、実際にご入居されているお客様に「直接取材」をすることによって、本当に住みやすいのかどうかを、インタビュー形式でネット上においてアップしています。リノベーション賃貸物件を手掛けている管理会社さんで、工事の裏側やお客様の声をアップしている所は、あまりないと思いますので、この部分においても差別化を図ることが可能となります。



4.まとめ


賃貸の空室対策をする上で大切なこととは…

①価格競争に巻き込まれないように、徹底した差別化を図った部屋を作る

②家賃を下げるのではなく、価値が高い部屋を作る

③賃貸サイト集客から脱却し、SNSや物件専用HPを開設し、独自集客する

④初期費用の見直しを図ることで、オトク感を出す


上記のような取り組みをすれば、まず間違いなくオーナー様の物件は、人気物件になるはずであり、集客に苦戦を強いられることはありません。


因みに上記の対策は、日本一空室率が悪く、築28年目・和室アリの弊社所有物件において、実践し続けたことで、2021年9月末に満室となったことから、おそらく他県でも十分通用できるはずです。


 

有限会社 山長


取締役 長田 穣(オサダミノル)

アパート経営、空室対策コンサルタント


あなたのアパート経営を支援させていただきます!


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