繁忙期前の効果的な空室対策とは?
更新日:2022年9月24日
賃貸の空室対策については、多くの専門家の方々が、様々な方法をアプローチしていますが、一般的によく言われている空室対策の出口戦略は、成約を最終ゴールと定めている所が多いのが特徴です。

確かに「成約をゴール地点」と定めることについては、決して間違いではありませんが、ただ賃貸経営は、成約していただく事が最終ゴール地点でしょうか?
賃貸経営における最終ゴールとは、ご入居されたお客様が「一日でも長くご入居して頂く」物件環境をご用意し、顧客満足度を高めることではないでしょうか?
つまり、ゴール地点を間違えてしまうと、空室対策すらも「間違った方向性」に行ってしまうので、要注意となります。
顧客満足度を高めるような部屋というと、募集部屋のクオリティーはもちろんのこと、募集家賃が適正相場になっているかが、非常に重要となりますが、ただ日本一空室率が悪い山梨県で、相場家賃を一切無視した募集方法で、全室満室にさせた一人のオーナーとしては、今までのような空室対策は「多くの物件で採用」していることから、早かれ遅かれ「価格競争」になるのは必然であることから、別の方法による空室対策を「繁忙期」では実施すべきだと考えます。
目 次
1.差別化した部屋を提供する

賃貸物件において「家賃相場が下落してしまう」最大の理由は、物件供給数が飽和状態になってしまい、差別化戦略を無視したことが、最大の要因であり、これは資産価値を意識した管理をしていない管理会社の「最大の汚点」と言っても過言ではありません。
家賃を値下げすれば、確かにお部屋探しをされている方にとっては、「歓迎」すべきことではありますが、ただ家賃を値下げするということは「リフォームの質を下げる」ことにつながってきますので、特に入居後において、お客様魔からクレームを頂戴する可能性が高くなるばかりではなく、家賃を値下げするということは、管理対応の質も下げることを示唆していますので、長期入居は期待することができなくなってしまいます。
築年数が経過すればするほど、募集を行っても早期契約を実現することができなくなってしまうため、特に「築20年以上」経過している物件においては、リノベーションを行うことで、家賃相場以上の家賃設定をしても、十分勝負することができますが、ただ費用面において高額になってしまうことから、投資には消極的なオーナー様もいるはずです。
このような場合には、最低でも「キッチン」だけは、新しいものに交換することをおススメします。
水回り部分において、キッチン部分は「特に古さが全面的に出てしまう」個所であるため、この部分が古いままだと、仮に壁紙交換したとしても、古い賃貸アパートの象徴的な部屋となってしまいますが、キッチンが一新していると、古さを感じさせないばかりではなく、女性のお客様からは、高い評価を頂ける可能性が高いので、キッチンだけは費用が掛かってしまいますが、交換されることをおススメします。
2.SNSを駆使した集客を強化する

賃貸物件を借りられる方が多い年代層は、主に10代後半から30代後半が多いと思われますが、上記の年代の方々は「日常生活においてSNSをを頻繁に利用」していることがわかっています。
室内をしっかりとリフォーム/リノベーションをしていたとしても、賃貸サイト上では「築年数や家賃」で物件判断されてしまうことから、特に築年数が経過している物件では、価格競争になりがちになり、さらに賃貸サイト上において「リノベーションページ」に掲載してもらおうと思っていても、賃貸最上における「リノベーション定義に合致」していなければ、ページ掲載ができなくなってしまうので、どうしても不利な立場になってしまいます。
そこで、オーナー様自らとなってしまいますが、リフォームやリノベーションをされた部屋を、ご自身でSNS投稿されることをおススメします。投稿の際に「ハッシュタグ」をつけることによって、ハッシュタグ検索をした方に「ダイレクトに情報が届く」ことから、拡散能力としては、賃貸サイト以上の効果が期待できます。
3.オトク感を前面に出す

賃貸物件に入居する際には、お部屋を紹介してくれた仲介会社に「初期費用」を支払わなくてはなりません。
初期費用の支払いに関しては、ほぼ全てのお客様が納得して頂けているものの、支払額が家賃4~6か月分といった大きい金額となってしまうため、多くのお客様が「初期費用負担を軽減させたい」と考えています。
そこで、お客様からのお問合せを「確実なもの」にするためには、初期費用の見直しがどうしても必要となってきて、実は初期費用が他社と比べて「安く提示」することができれば、お申込みをして頂ける確率は高くなります。
そこで、確実にご成約して頂く方法としては、家賃が一定期間無料となる「フリーレント」を2か月つけることをおススメします。フリーレントが2か月つく事になると、事実上前家賃分(ただし家賃のみで共益費などは別)は相殺されることになるため、初期費用を格段に安くすることが可能となります。
フリーレントが設定されている物件は、主に築年数が経過している物件には設定されていることが多いのですが、ただ大抵は1か月分が殆ど。しかし、フリーレントが2か月分ついていることによって、他社物件との差別化が図れるだけではなく、お部屋を紹介してくれる仲介会社にとっても、クロージング時における武器として活用することができる点は、オーナー様、お客様、仲介会社が「三方ヨシ」の関係を築くことができるので、個人的にはおススメしています。
4.まとめ

お部屋探しをされている方は、少なくとも数件の物件は「見学」されていて、初期費用の見積もりももらっている可能性は高いです。
このような条件下の中で、オーナー様の物件が「勝ち残る」ためには、他社物件と同じような空室対策をしていると、確実に価格面で負けてしまうか、もしくはAD設定物件では、仲介担当者の熱烈な営業トークに負けてしまう可能性が高くなります。
20世紀を代表する経済学者である「ピータードラッカー」も、顧客を創造することが重要であると訴えています。ただ単に家賃を値下げする集客をするのではなく、お部屋探しをされている方が、賃貸物件に「どのような要望があるのか」を、しっかりと創造した上で、対策を講じなければ、今後少子高齢化の波が急速に拡大していくので、自然淘汰していくのは間違いありません。

取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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