借主から更新料支払いを拒否された場合、どうしたらいい?

更新日:9月13日


賃貸更新料に関しては、エリアごとの慣習やまた管理会社の方針によって、更新料設定があるところとないところがありますが、一部の物件及びエリアを除ければ、基本的には賃貸更新する時には更新料を設定している所が多いです。


更新料そのものは「敷金や礼金と同じく慣習的」なものであり、法的な定義づけは特段ありません。また更新料を設定していることによって、オーナー様的には家賃以外における収入にもつながることから、メリットは大きくなります。


しかし、お部屋を借りられるお客様からしてみると、契約更新をするのに、「どうして更新料を支払わないといけないのか」といった懐疑点が大きくなってしまい、中には更新のタイミングで「更新料を支払うことをやめなければ、更新せずに退去する」といった交渉カードを切ってくる方も、数的には多くはありませんが、いるのも現実です。


では、更新料支払いを拒否された場合、オーナー様としては、どのような対応を取ればいいものなのでしょうか?


 

目 次

1.契約書に記載されていれば、更新料設定は有効

2.更新料を拒否することは不可能

3.もし更新料拒否した場合、どうしたらいい?

4.更新料拒否は、借主が不利になる

5.まとめ

 

1.契約書に記載されていれば、更新料設定は有効

実は賃貸更新料に関しては、過去にも法的闘争が行われていたことがあり、結論から言いますと、あまりにも法外な更新料でなければ、更新料設定自体は有効です。


では、更新料設定に関して、どのくらいまでなら法的に認められているのかについてですが、2012年7月27日の大阪高裁の判決によって、「1年更新で家賃約3か月の更新料設定」でも高過ぎないとの判決が出て、今ではこれが更新料の上限の目安となっています。


ただ借地借家法29条1項によって、賃貸借契約が1年未満の場合は「期限の定めがない契約」となってしまうことから、多くの賃貸借契約の期限は2年に設定している所が多く、また更新料に関しては、地域差があるものの、一般的には「家賃1か月以下」に設定されている所が多いです。



2.更新料を拒否することは不可能

更新料を拒否することは不可能

契約更新時に「更新料支払いが契約書に記載」されている場合、更新する際には更新料支払い義務が発生します。近年の賃貸市場は「借り手側が圧倒的に有利」となっているため、少しでも有利に交渉が進むように、ごく一部のお客様は「更新料支払いをゼロにしなければ、更新せずに退去する」といった「理論武装」を仕掛けてくることもあります。


オーナー様としてみたら、ここで退去になってしまうと、家賃収入が減少してしまうので、背に腹は代えられない気持から、更新料免除しようという気持ちになってしまいますが、更新料を免除することは、絶対にやめてください。


理由①:契約書ですでに支払い同意を示している

そもそも更新料支払いが嫌であれば、更新料支払いがない物件に入居すべき問題であり、さらに賃貸借契約を結ぶ前に「担当者から口頭で説明」を受けた上で、署名捺印をしている以上、「更新料支払いに同意」しているので、たとえお客様から指摘をされても、それに同意することはありません。


ただし、更新直後に「転勤など理由で退去することが明白」な場合においては、管理会社と協議した上で、更新料支払いを免除することは可能です。


理由②:管理上のリスクが発生する

お客様にとって、更新時における更新料が0円になれば、100%歓迎されますし、恐らく長期入居して頂ける可能性は高くなります。ただもし更新料無料を1件でも行った場合、その物件全体に対しても「同様の対応」を取らないといけなくなります。

更新料無料になったことによって、その情報は「他のご入居者様」にも伝わっていると考えてもよく、こうなってくると「管理上のリスクが発生し、収拾がつかなく」なってしまうため、これを機にさらなる理論武装を仕掛けてくる可能性が高くなります。



3.もし更新料拒否した場合、どうしたらいい?

もし更新料拒否した場合、どうしたらいい?

更新する意思は示しているものの、更新料支払いを拒否し続けていれば、当然ながら更新手続きが完了せずに、契約満了を迎えてしまいます。ではもしこのような状況になった場合、どのように対応すればいいものなのでしょうか?


近年では、約8割以上の物件で「家賃保証会社を契約時に利用」していることから、更新料支払いを拒否し、そのまま契約満了を迎えられた場合、契約自体が自動的に更新(法定更新)に切り替わってしまい、従前契約のままの状態で、部屋を借りることが可能となりますが、管理会社などでは保証会社に「更新料分を代位弁済請求」をかけるので、更新料はしっかりと支払われることになります。(当然ながら、保証会社はお客様に対して債権回収を行うことになります)


法定更新に切り替わると、「期限の定めがない契約」になってしまうので、更新料支払いそのものがなくなってしまいますが、契約時における契約書に「法定更新に切り替わったとしても、従前どおりに更新料支払いは発生する」といった記載がされていると、法定更新になったとしても、法的に更新料支払い義務が発生します。


また、更新料支払いを拒否するために、理論武装を仕掛けてくるお客様に対しては、契約書において「更新料支払いすることに同意」している以上、支払わってもらわないと困ると、粘り強く交渉するしか方法はなく、万が一にも強硬手段をとってきて、自分たちの主張を認めてくれないと、更新せずに退去すると言ってきても、賃貸住替えをするとなると「退去費用+引っ越し費用+初期費用」の支払いが一気に発生することから、普通に考えれば、更新料を支払った方が、結果的には安上がりになることは、恐らくお客様も理解しているはずです。



4.更新料拒否は、借主が不利になる

更新料拒否は、借主が不利になる

更新料支払いを拒否し契約満了となった場合においては、先程もお伝えした通り「法定更新」に切り替わりますが、ただ更新料支払わなかったことによって、借主側にとっては「大きなペナルティー」を負うことになります。


大きなペナルティーとは、保証会社における信用情報に登録=ブラックリスト入りが決定となってしまう点です。


更新料支払いをせずに、法定更新となった場合「管理会社は保証会社に対して、代位弁済請求」を行ってくることから、保証会社では「更新料分を管理会社に立て替え支払い」をすることになり、その後は保証会社の方からお客様に対して「費用支払いを請求」することになります。


ブラックリスト入りになってしまうと、向こう5年間は「履歴が残ってしまう」しまいます。

特に信用情報を確認することが可能な「信販系や信用系保証会社」を契約時に利用している場合、仮に他社物件で今後部屋を借りようと思っても、履歴があることによって「入居すること自体が難しくなってしまう」ので、お客様にとっては不利になります。もし更新料支払いを拒否した場合には、その旨を伝えてもらうと、頑なな態度が軟化すると思われます。



5.まとめ

借主から更新料支払いを拒否されてしまった場合でも、更新料支払いが「そもそも契約書に記載され、同意した上で署名捺印」している以上、更新したいのであれば、更新料支払いを免除することは出来ません。


近年では、保証会社を利用しているケースが多いため、万一法定更新に切り替わった際には、代位弁済請求をすることで、更新料はしっかりと支払ってもらうことができるので、安定経営を持続することができます。


 

有限会社 山長


取締役 長田 穣(オサダミノル)

アパート経営、空室対策コンサルタント


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