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原状回復するか、リノベーションするかの基準について

更新日:2022年9月19日


築年数が経過している物件は、どうしても新築や築浅物件と比べると、資産価値が低下してきますので、家賃の維持はもちろんのこと、集客上においても「不利」になってしまいます。


そこで、退去後に行う「原状回復工事」に関して、果たして「原状回復程度で募集してもいいのかどうか」迷うオーナー様もいると思います。


そこで、今日のブログは「退去が発生した際、原状回復すべきか、もしくはリノベーションをすべきかどうか」について、解説していきたいと思います。

 

目 次

1.築年数が20年以下であれば、原状回復でも可能

2.築年数が20年以上経過している物件は、リノベが最適

3.今流行りのホームステージング特化集客の危険性

 (1)劣化を見つけること自体が難しい

 (2)居住性の部分で問題

 (3)真似しやすい=同質化物件となる

4.まとめ

 

1.築年数が20年以下であれば、原状回復でも可能

築年数が20年以下であれば、原状回復でも可能

エリアの特性によって、多少の差異は発生してしまうものの、築年数が20年以下の物件においては、原状回復程度+αの工事だけで、集客することは可能です


ただし、これはあくまでも「家賃相場を意識した家賃設定」をした場合で、なおかつ「家賃値上げをしない」ことが条件となります。


築年数が10年~20年程度では、新築物件と比べると「設備が若干劣ってしまう」のは、避けられませんが、それでも「外壁塗装工事」を行っていれば、物件資産価値的にも、まだまだ劣っているとはいえず、集客上において「フリーレント」「敷金礼金無料」といった「オトク度」をPRすることができれば、集客に苦戦を強いられることは、あまりないのではと分析しています。


なお、家賃を値上げしたいと考えているオーナー様の場合、原状回復程度の工事では、お客様にとっては「家賃以上の価値を見出すことができない」と判断してしまうため、リノベーション工事をした方が得策と言えますが、ただ正直なところ、そこまでしなくても、初期費用の面で対策すれば、大丈夫と思われます。



2.築年数が20年以上経過している物件は、リノベが最適

築年数が20年以上経過している物件は、リノベが最適

築年数が20年以上経過している物件は、残念ではありますが「資産価値がさらに低下」してしまいます。特に「設備」に関しては「古さが顕著」にわかってしまい、例えると「20年前の車と最近モデルチェンジした車」では、どちらの車がつがいがってがいいのかといえば、誰もが「モデルチェンジした車」を選んでしまいます。


しかし、仮に古くなったとしても、リノベーションを行うことによって「築年数はどうすることもできません」が、室内空間を新築物件並みに蘇らせることは、十分可能。



さらに、リノベーションすると「同築年の競合他社」物件と比べると、物件のクオリティーが高くなっているので、家賃相場の影響を受けにくく「家賃値上げ集客」も可能となることから、収益性を確保したいと考えているオーナー様によっては、リノベーションをした方が、結果的には正解という場合の方が多くなります。

 

近年では、リノベーション物件が「社会的にも認知」されつつあるので、お部屋探しをされているお客様によっては、あえてリノベーション物件を探している方もいます。

一方で「築年数が20年以上経過している」物件において、原状回復程度の工事しかしていない物件では、家賃値下げを余儀なくされてしまいますが、物件供給数が飽和状態のエリアでは、家賃を値下げしても「空室が長期化となってしまっている」物件が、多くなりつつあるので、家賃を下げただけでは、もう部屋が埋まる時代ではないことを、証明しています。

 

3.今流行りのホームステージング特化集客の危険性

今流行りのホームステージング特化集客の危険性

現在、賃貸業界において「脚光を浴びている空室対策」として

最低限の原状回復+ホームステージング集客

が人気+結果が出ていると評判となっています。


これは、最低限の原状回復(壁紙張替え程度)を行った上で、ホームステージングを行うことで、「室内空間がおしゃれに変身」「入居後の生活イメージがつきやすくなる」ことから、募集開始後「早期に部屋が埋まっている」ので、多くのオーナー様から高い評価を頂いているとのこと。


しかし、築年数が20年以上経過している物件で、ホームステージングを強化しただけでのお部屋は、正直なところ「成約するまで」はいいのかもしれませんが、問題なのは「成約後」において、本当にお客様が納得して頂けるかどうかです。


(1)劣化を見つけること自体が難しい

例えば、築年数が20年を超えてくると、目視できない部分において「劣化が進んでしまい、場合によっては入居後にトラブル」になる可能性があり得ること。


弊社物件は、1993年築ということもあるので、2018年以降「空き部屋を順次リノベーション」を行っていますが、昨年リフォームを行った部屋において、脱衣所の「クッションフロア」を交換しようとした際、根太の部分が腐っていました。


原因としては「洗濯機置き場」の下水配管が「ずれてしまい」、そのことによって根太が劣化・腐食してしまった可能性が高く、たまたま見つけることができたため、緊急修繕を施したことによって、事なきを得ることができました。


工事業者さんに「もしこのまま放置していたらどうなっていたか?」確認したところ「恐らく床がずれてしまい、大事故になる可能性が高かった」とのことでした。


(2)居住性の部分で問題

リクシル住宅研究所が2015年に発表したリリースによると、築年数が経過すればするほど、賃貸機能性(断熱・湿気・防音)に対する不満点が多くなり、その内の約3割の方は「居住性不満が解消されないことを理由に、住み替えを検討している」ことがわかっています。


築年数が経過したとしても、適切にリフォーム工事(エアコン交換も含む)を行っていれば、居住性の部分で不満を感じる方は、早々にいないと思われます。


しかし、リフォーム工事を最小限度にとどめ、早期に成約を急ぐような集客をしている物件は、残念ではありますが「居住性の部分」は、満足して頂ける可能性は低くなってしまいます。さらに居住性に関しては、「入居後」でなければ把握すること自体ができないため、入居後「住みにくい!」と思っていても、もう後戻りすることができません。


あまりにも不満点が大きくなってしまうと、「退去のきっかけ」を作ってしまい「更新のタイミング」で退去するか、家賃値下げを要求してくる可能性が高くなってしまいます。


(3)真似しやすい=同質化物件となる

恐らくではありますが、ホームステージング集客を強化している物件では、「リフォーム費用を抑えつつも、差別化しを徹底したい」と考えているはずです。


ただ、これはマーケティングの世界では常識となってしまいますが、誰でも真似ができるような対策を講じていると、確実に「他社物件」でも同様の対策を講じてくることから、同じような部屋が沢山提供されれば、確実に「価格競争」が生まれてしまいます。



4.まとめ

いかがだったでしょうか?


近年では「賃貸物件数が供給過剰」状態となっているため、よく言われているような空室対策を行っても、差別化を図ることができにくくなっているため、どうしても価格競争に巻き込まれてしまうか、または「空室が長期化になりやすくなる」のどちらかとなってしまいます。


築年数が経過している物件は、集客上不利になることは避けられません。

しかし、「お客様がどのような賃貸物件を希望されているか」を考えた上で、対応することによって、築年数が経過した物件であったとしても、十分勝負することは可能です。


誰にでもできるような対策は、一時的には結果が出たとしても、長続きはしません。






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