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なぜ2億円近い借財を相続したのか?




先日不動産系メディア「楽待」に弊社代表の密着動画が公開され多数の反響を頂きました。



コメントの中で「2億円以上の借財をなぜ相続したのか?」といったご意見を多数頂戴しました。動画内では詳細をお伝えしていなかったため、今回なぜ相続したのか?また相続を経験して得たことについてお伝えします。




家系図


家系図


本題に入る前に私の家系についてお伝えいたします。祖父は生前複数の土地を所有していました。もし何も対策を講じないまま亡くなると約3億円近い相続税が発生することがわかったため、像俗税対策として1993年に賃貸アパート3棟、1998年に1棟を建設しました。



当時は供給数が少なかったため建物完成前には満室、また退去が発生してもすぐに部屋が埋まっていたため安定した家賃収入を得ていました。



しかし2000年代に入ると競合物件が次々に参入。次第に空室が目立ち管理会社から全室家賃1万円値引きを提案され同意したものの、収益は右肩下がり。



2006年12月一家の大黒柱だった父親が56才の若さで病死、23日後には祖父が後を追うように亡くなりました。祖父は遺言書を作成していなかったため法定相続人による遺産分割協議を行うことになりました。



対象者は…


  • 祖母

  • 長女

  • 次女

  • 母(生前祖父母と養子縁組を行っていました)

  • 姉と私(父の代襲相続)



遺産分割協議で2億円の借財+債務超過がわかる


遺産分割協議で2億円の借財+債務超過がわかる

祖父が亡くなった当時私は一介のサラリーマン+アパートの詳細は全く把握していませんでしたが、遺産分割協議していくうちに…



  • アパートローンの借り入れが約2億円以上

  • 当時の物件稼働率は7割、家賃より銀行返済が上回っていた



ことがわかりました。長女と次女は…



  • 長女に遺留分として約2,000万円支払う(自宅改修した際同額を借りていたため)

  • 自宅とアパートは私

  • 駐車場賃貸として貸している土地は祖母



にしなければ遺産分割協議書にサインしないと主張しました。



あまりにも理不尽すぎる要求に私は相続放棄したいと母に相談しましたが、実は長田家が所有している土地は全て担保設定されていて、相続放棄すれば全てを手放すことになるため、やむなく遺産分割協議書にサインし全ての借財を相続しました。


相続を経験して分かったこととは?


相続を経験して分かったこととは?

①遺言書は必ず用意すること


相続をスムーズにするにはやはり遺言書は必要だと強く思いました。当時健在だった祖母に「相続でもめたくないから遺言書を作成してほしい」と依頼し、正確性を期すため公正証書遺言を作成し全財産を私に譲る遺言を残しました。





祖母は2014年2月に亡くなりましたが、遺言書があったことで相続手続きが楽になりました。


②対抗策をとる


祖父が亡くなった時遺産分割協議が一時期決裂しそうになりました。この話を知り合いの司法書士に相談したところ「祖母が亡くなった時ももめる可能性が高いから、私と姉は祖母の養子になったほうがいい」とアドバイスしてくれました。



何も対策を講じないまま祖母が無くなると、私と姉は法定相続人にはなるもの父の代襲相続となるため立場は非常に弱くなります。ただ祖母の養子になることで長女と次女と同等となり、また基礎控除額が増えるため節税対策にもつながります。



実際私と姉が祖母の養子になったことで相続税は発生することはありませんでした。




③相続に強い弁護士に依頼する


祖母が亡くなった後公正証書遺言に基づき相続手続きを行いましたが、遺言執行はプロに任せた方がいいと思い知人の弁護士に遺言執行者になってもらいましたが、今度は次女が弁護士を雇い遺留分請求を起こしました。



私は遺言執行者になった弁護士に依頼したかったのですが、公平性の観点から弁護はできないと言われたので「一番信頼できる弁護士を紹介してほしい」とお願いし別の弁護士に遺留分交渉をしてもらいました。



そこで分かったのですが、相続に強い弁護士に依頼するとこちら側の言い分が通りやすく、実際先方は早く遺留分が欲しかったため、こちら側の金額(先方が要求した金額より安い金額)で最終的に合意することができました。




 

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有限会社山長 長田 穣

取締役 長田 穣(オサダミノル)

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