競合他社物件に絶対に勝つための差別化戦略とは?
更新日:5月2日
一部の地方都市では「物件供給数が飽和状態」となっているため、空室率が40%台になるのは時間の問題となります。
マーケティング的に、市場が飽和している状態の中で「勝ち抜く」ためには、差別化戦略が重要と言われていますが賃貸業界では「まだまだアナログ的な集客」を展開している所が多いため、物件によっては集客に苦戦している所もあるはずです。
弊社物件がある山梨県は、日本一空室率が悪い県。さらに弊社物件がある甲府市大里町は1990年代に建てられた物件が多いため、価格競争が激化し競争が激しくなっています。
このような状況下の中築30年目を迎える弊社物件では、差別化戦略が功を奏し家賃相場よりも高い賃料設定をしていても現在満室経営を継続中です。
本投稿は競合他社物件に絶対に勝つための差別化戦略について、弊社事例を交えながらお伝えいたします。
▼目 次
【本記事でお伝えする結論】
"差別化戦略で重要なポイント”
1.差別化戦略を始めようとした理由

弊社物件では、他の物件と比べると「退去リフォームを積極的」に行っていたこともあったので、比較的早期に部屋が埋まっていました。
しかし、2017年の繁忙期。今まで通りの集客をしても部屋が殆ど埋まらなかったため、集客方法を全面的に見直しました。
その後キッチンと畳を試験的に変えて募集したところ、すぐに成約となったことから2018年に新しいリノベーションブランド:エレガントルームを立ち上げ、収益性の改善を図ろうと決意しました。
▶弊社物件が再生するまでの過程については、過去記事をご覧下さい。
【過去記事】【アパート経営】相続してから空室0にするまでやってきたこと①
【過去記事】【アパート経営】相続してから空室0にするまでやってきたこと②
2.物件専用公式サイトの開設で価格競争回避

物件募集を行う際、一般的には主要賃貸検索サイトに物件情報を掲載してもらうよう、仲介会社にお願いすることになります。
ただ物件情報を掲載する場合、仲介会社側は掲載料を支払うことになります。
そのため空室期間が長期化(=反響数が少ない)している物件は仲介会社側の判断で掲載自体を取りやめてしまうことがあります。
特に築年数が経過している物件は「家賃帯」で探している方が多いため、反響数を伸ばすために家賃値下げする物件が多くなってしまいます。またリノベーションを行ったとしても「同サイト上におけるリノベーション定義」に合致していなければ、専用ページに掲載することができません。
弊社代表は同サイト集客では早期成約/収益性を高めることができないと判断し、リノベーション事業を立ち上げた2018年に、物件公式サイトを立ち上げました。
ホームページ集客の最大の欠点はページを上位表示させるのに時間がかかる点です。弊社専用ホームページも、特定ワードを入力しても上位表示させることができず苦慮していました。
その後SEO強化すべくパソコン管理を外部委託した結果、反響数が多くなり当方が希望する家賃(家賃相場より1万円以上高い設定)で契約される方が急増し、価格競争からの脱却に成功しました。
3.徹底した差別化戦略
価格競争に巻き込まれないようにするため弊社では公式サイトを立ち上げましたが、募集部屋が競合他社より優れていなければ成約に繋げることはできません。
そこで弊社代表は、集客ターゲットを徹底的に分析することで閑散期であっても成約に結び付けられる部屋を開発しました。
(1)集客ターゲットを絞り込む
弊社物件の間取りは2LDKが多いのですが、一般的に1LDK以上の物件に入居される方の大半は20~30代のカップル/新婚/子育て世代の家族が多いのが特徴で、成約のカギを握っているのはほぼ女性
です。
そこで弊社代表は、成約のカギを握っている20~30代女性が必ず気に入る「カフェスタイルに特化したリノベーション」部屋を作ることを決意しました。
ターゲットを完全に絞り込むこの作戦は成功し、内見された方の約8割は契約してもらうことができました。
▶集客ターゲットを明確にする重要性に関する詳細は、過去記事をご覧下さい。
【過去記事】アパート経営で成功したいなら、しっかりとした顧客を選ぶべきです
(2)お客様の声で実現した「セカンドライン」
弊社リノベーション部屋は、収益性を高める目的からフルリノベーション対応となっており家賃も値上げして募集しています。
内見された方からは「部屋がおしゃれでいいですね」と褒めていただくことが多いのですが、一部の方から「部屋自体は申し分ないが家賃帯が合わない」とお声を頂くことがありました。
そこで一部の部屋のみリノベーションを限定的にすることで家賃帯をリーズナブルにした「セカンドライン」を開発し募集を行ったところ、多くの反響を生むことができました。
昨年度セカンドラインの部屋を2つ募集を行いましたが、募集開始してから1か月もしないうちに成約に繋げることができました。
▶セカンドラインに関する詳細は、プレスリリースをご覧下さい。
築古物件を魅力的にする「Elegant Room」セカンドラインを始動 甲府市の賃貸アパート「グレイスロイヤル」
(3)暮らし方のご提案ができるリノベ部屋
弊社リノベーション部屋は、家賃相場と比べると1万円以上高い設定となっていますが、募集時期関わらず早期に部屋が埋まります。
部屋が埋まりやすいのは、リノベーションの質が高いことと「暮らしの方の提案」をすることができる点だと思います。
弊社代表は、フルリノベーション部屋に入居された方に「入居後の暮らし」について直接取材させてもらっているため、借主の生の声を聞くことができます。
借主の声を内見された方に伝えることで、入居後のイメージを膨らませることができることから、早期成約に結び付けることができています。
▶借主のリノベーション部屋の感想に関しては、過去記事をご覧下さい。
【過去記事】おしゃれな部屋に生まれ変わったリノベーション後の暮らし。ご入居者にオーナー初取材してきました。
【過去記事】おしゃれリノベーション部屋に生まれ変わったグレイスロイヤルでの暮らし。第2弾!
4.差別化戦略した結果、どうなったか?

(1)黒字決算が続く
先程もお伝えした通りホームページ集客が軌道に乗る前では成約期間が長期化していましたが、専門業者に委託してから反響数が右肩上がりとなりました。
その結果2年前から増収増益を達成し、さらに昨年(2022年度)はアパート収入が過去最高を更新することができました。
(2)メディアからの取材が多くなる
弊社が推進しているリノベーション戦略は今までの空室対策とは一線を画すものであり、さらに空室率が日本で最も悪い山梨県で結果を残すことができたため、メディア取材が多くなりました。
昨年度は
2022年度においては
から取材依頼がありました。
(3)客付けがしやすくなる
弊社物件が独自集客を行うようになったことから、閑散期であっても早期成約を実現させることができるようになり、また価格競争からの脱却を図れることができたため売上/利益を伸ばすことが可能となりました。
徹底した差別化リノベーションを行うことによって、他社仲介会社からも注目され客付けを積極的にしてもらうことができるようになりました。
昨年度は3月後半から5月にかけて3件退去が発生したものの、わずか2か月足らず3件とも他社仲介会社からの紹介で成約となりました。
5.まとめ

今回は競合他社物件に絶対に勝つための差別化戦略について、弊社事例を交えながらお伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認してみましょう。
不動産賃貸業界は今後人口減少の影響を受け空室率がさらに悪化することが予想され、競争力が低下している築年数が経過している物件は、ダイレクトに影響が出てしまいます。
しかし徹底した差別化戦略を打ち出すことによって、集客上不利になりがちな築年数が古い物件でも集客が楽にできるだけではなく収益性の部分においても安定させることができます。
弊社が展開している差別化戦略は、競合他社が追随することが難しいため、イノベーションを起こしたいと考えている貸主にはとても参考になる方法だと自負しています。
▶弊社が推奨するイノベーションに関しては、過去記事をご覧下さい。
【過去記事】賃貸業界における「イノベーションのジレンマ」とは?
【過去記事】マネジメントとイノベーションなき賃貸物件は確実に衰退します
今回ご紹介した内容は空室対策上とても有益な情報です。
ただ本記事を読んだだけでは「こんなのどこから手をつけていいかわからない!」という方もいらっしゃるのではないかと思います。
そんな時は私ども(有)山長の「お手軽無料相談」をご利用ください。
過度なメール配信、強引な営業活動等は一切行なっておりませんのでどうか安心してご相談ください。


取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
あなたのアパート経営を支援させていただきます!
▶︎〒400-0053 山梨県甲府市大里町2090
▶︎まずはお気軽にお問い合わせください
055-241-2218
090-8514-3562