適正相場に家賃設定するのが、どうしていけないのか?

更新日:9月26日


賃貸物件を募集する際、現在設定されている家賃が、家賃相場よりかけ離れていると、賃貸サイト上においても、オーナー様の物件が検索されにくくなるばかりではなく、今のお客様は「事前にエリア内の家賃相場を把握」している可能性が高いので、お部屋見学時において「家賃相場より高いので、安くしてほしい」などと、相談を持ち掛けられる可能性が出てきます。


確かに、現時点における家賃相場と、実際募集している家賃に「大きな差」が生じていれば、お部屋を借りられる方の立場に立ってみると「損をしてしまう」可能性が高くなります。


グラフは、弊社所有物件がある甲府市大里町における「2LDK・家賃相場」ですが、築年数が経過すればするほど、相場自体は下落してしまいます。特に築15年を過ぎてくると、相場平均が「一気に下落」してしまうことかよくわかります。


賃貸業界的に、募集している部屋の家賃と、家賃相場に乖離がなければ、比較的早期に成約になると言われています。


ただ、賃貸物件を所有しているオーナー様の殆どは

アパートローンを借り入れ

していることから、家賃相場並みに家賃設定をした場合、確実に利幅が狭くなることは確実となり、当然ながら「退去後には最低限のリフォーム」を行う必要性があり、さらに築年数が経過すればするほど、修繕費はかかってくることから、否応なく毎月の固定費は多くなることから、家賃相場並みの家賃設定をするというのは、最悪なケースで考えると「黒字倒産」を招いてしまう恐れすら出てきます。


金融機関の一部では貸し倒れのリスクがあると回答しています

この部分については、融資している金融機関も危惧している問題で、2018年7月28日付『朝日新聞』では、アパートローンを貸し付けている地方銀行に「融資の実態」に関するアンケート調査を行っていますが…


将来の貸し倒れリスクの懸念について、約3割の金融機関は「ある」と回答し、その詳細に関しては「融資物件の空室率上昇」「家賃の低下」を挙げています。


アパートローン返済が難しい場合には金融機関も対応してくれますが…

万が一、金融機関において「貸し倒れ」等が起きた場合には、抵当権が設定されている家屋などを売却したとしても、ローン完済できる保証がない事から、最悪なケースとしては金融機関が泣き寝入りをせざるを得なくなってしまいます。


昔と比べると、今の金融機関は「柔軟に対応してくれる」可能性が高いことから、収益が改善するまでは「元金据え置き」等といった対応をしてくれる可能性があるものの、ただこのような物件は、全国的にはおそらく多い=経営的に厳しいと感じているオーナー様は多いことから、決して対岸の火事的な感じでとらえることはできません。




地方都市においては、今後確実に人口減少が多くなることから、賃貸物件の供給数はさらに飽和状態となることから、賃貸の空室率及び家賃値下げはますます加速していくものと推察できるので、今までのような賃貸経営(サブリース契約も含む)は、もはや通用しなくなってしまいます。



ただ、経営のやり方を変えることによって、たとえ需要が少なくなってしまったとしても、他社と差別化することができる賃貸物件ならば、生き残れる可能性は十二分にあります。



①単身向け賃貸にシフトする

日本の人口は年々減少傾向となっていくものの「世帯数」で比較すると、単身世帯数は2015年では1764世帯だったのが、2030年になると1872世帯まで増加することが予想されています。また近年における離婚率は「3組に1組」となっていることから、単身向け専用の賃貸アパートは、需要が落ち込まない可能性があります。



②差別化したリノベーション賃貸を提供する

昔も今でも新築物件は「非常に価値がある」ため、物件がまだ完成していない状態であっても、先行契約を希望される方が多くいるため、エリアによってはすぐに部屋が満室になることは珍しい事ではありません。しかし、新築物件は「築1年未満で、入居履歴がない部屋」となっているため、一度でも入居履歴があると、物件の資産価値は減少傾向となり、概ね10年を一つのスパンとして、家賃下落が一気に加速することから、資産価値を向上させるような対策を行わないと、価格競争に巻き込まれてしまう可能性が出てきます。


築年数が経過したとしても、室内を再生させるリノベーションは、資産価値を向上させることができる唯一の方法で、他社にはないオリジナルのリノベーションを展開することができれば、価格競争に巻き込まれにくい部屋になります。


③脱・賃貸サイト集客を行う

築年数が経過した物件では、どうしても価格競争となってしまいますが、これは賃貸サイト上において、競合他社が「空室を埋めるべく」家賃値下げを行うことによって、その情報を知った他社仲介会社が、一斉に家賃値下げを行うことによって、価格競争が生まれてしまいます。

ただ、家賃値下げ物件をよく見てみると「室内の設備が古すぎる」「室内がおしゃれではない」など、誰が見ても「借りたくないような部屋」ばかりとなっているため、家賃値下げをせざるを得なくなっています。ただ、近年では「家賃を相場以下に下げた物件でも、成約することが難しい」ことから、今まで見たいな集客方法では、もう通用することはできないかもしれません。


これは弊社でも行っていることですが、賃貸サイトよりSNSを用いた集客をした方が、物件情報をダイレクトに拡散することができるため、波及効果としてはSNSの方が圧倒的に効果的です。

賃貸物件を借りる方が多い20~40代は、日常生活上においてもSNSを利用しているため、ハッシュタグをつけた投稿を行うことで、ダイレクトに情報を確認することができ、さらに家賃・築年数設定をすることができないため、投稿した物件がおしゃれな部屋だったならば、お問合せ件数が増加することは間違いありません。



④高齢者向け賃貸にシフトする

賃貸物件は、若い世代が借りるものとは言い切れず、近年では高齢者が「賃貸に入居したい」と入居申込される方が多くなってきてますが、ただ高齢者を入居させることによって「突然死」のリスクが高まってしまうので、貸し手側が入居を許可しない恐れが出てきます。


ただ、日本における高齢者の健康寿命(通常に暮らすことができる年齢)は、年々上昇傾向となっているため、有料老人ホームなどに入所する前の住み家として、賃貸物件を提供できれば、まだまだ需要としては期待することは可能です。


近年では、一部の家賃保証会社では「高齢者向けの保証商品」を設定しているため、突然死が万一発生したとしても、保証が充実していることから、安心してお貸しすることができます。



募集家賃を適正相場に設定することは、とても重要なことではあるものの、安易な気持ちで適正相場に近い設定にしてしまうと、大都市圏以外では、確実に相場自体が下落するので、そのままにしてしまうと、収益が悪化するのは時間の問題。


収益を改善するためには、相場以上の付加価値を付けた部屋を提供することと、家賃相場の影響をダイレクトに受けやすい「賃貸サイトでの集客」に依存しないことが、築古物件が生き残れる唯一の方法です。



 

有限会社 山長


取締役 長田 穣(オサダミノル)

アパート経営、空室対策コンサルタント


あなたのアパート経営を支援させていただきます!


▶︎〒400-0053 山梨県甲府市大里町2090

▶︎まずはお気軽にお問い合わせください

055-241-2218

090-8514-3562


 




閲覧数:0回0件のコメント