
リノベーション費用を抑えつつも、おしゃれな部屋にする方法とは?
更新日:2022年9月19日
地方都市を中心に、近年問題となっている「賃貸空室率」の悪化。
賃貸市場における「需要=お部屋を希望されているお客様」と「供給=募集中の部屋」がうまくバランスがとれていれば、空室率が悪化することはありませんが、ただ需要より供給数が上回っていれば、当然ながら「募集してもなかなか埋まらない部屋」は出てきてしまい、空室期間が長期化すると、その分家賃収入が無くなってしまうため、オーナー様にとって空室率悪化は、決して他人事ではありません。
ただ空室率が悪化しても、室内の資産価値を高めることができれば、仮に築年数が経過している物件だとしても、改善の余地は十分に期待できます。
近年では、リノベーションを積極的に導入している賃貸物件が多くなってきています。
リノベーションすることによって、設備が内装、または間取り変更がされているため、お部屋探しをされている方にとっても、理想的な部屋となるので、入居して頂ける可能性は高くなりますが、その一方で「リノベーションするとなると、費用が高額」になってしまうことから、どうしても躊躇してしまうオーナー様はいるのではないでしょうか?
ただ、「工夫次第で費用をかけなくても資産価値を高める」ことができるリノベーションを展開することは、十分に可能です。
目 次
1.床の色を変えるだけで、明るさが違う
上の部屋は、同じ洋室ですが、床の色を変えることによって、室内の印象ががらりと変わっていますよね。
こちらのお部屋は、弊社のフルリノベーション部屋の洋室であるため、壁には漆喰が施工されていることもありので、通常の白の壁紙と比べると、室内がとても明るい印象となっているものの、築年数が経過している物件では「茶系統のフローリング」を使用しているため、どうしても室内が暗く感じてしまい、お客様が内見された際の「印象度」も悪くなってしまいます。
床材を変更する際、「クッションフロア」と「フロアタイル」のどちらかを使用すればいいのか、迷ってしまいます。本物志向を追求したいのであれば、フロアタイルの方が圧倒的に良くなりますが、コストが高くなってしまいます。一方「クッションフロア」は、フロアタイルと比べると、コストを抑えることができますが、「見た目」的にはフロアタイルよりも劣ってしまいます。
ただ、賃貸物件に求められているのは、「快適さ」であり、特に賃貸では「上下階における生活音問題」がよく頻発していることを踏まえると、吸音効果が期待できる「クッションフロアを採用」した方が、トータル的な視点で考えた際、最も良い床材と言えるのではないでしょうか?
2.玄関エントランスを低予算で劇的に変える
賃貸の玄関エントランスは、正直どの物件を見ても「画一的」な感じに見えてしまいます。
特に、築年数が経過している物件の玄関は、まず照明器具が「電球1個」の場合が多いので、電気をつけた瞬間「意外に暗い」印象がどうしても否定することができません。
さらに靴箱においても、今までのモノを使用しているケースが多いため、特にファミリー物件の場合では「靴箱に収納すること」ができずに、玄関周りに靴を置かざるを得なくなってしまいます。
賃貸にとって玄関は「顔」ともいうべきところであるため、可能であれば「生活感を払拭したおしゃれな空間」にしたいもの。
では、コストを抑えておしゃれな玄関エントランスにするためには、ポイントが3つあります。
①玄関照明を明るくする
玄関は暗いよりかも明るいほうがいいに決まっています。
ただ現状の照明では、仮にLED電球にしたとしても、電球1つだけでは、一部分のみしか明るくならないので、玄関全体が暗めとなってしまいます。
そこでおススメなのが、IKEAの照明。
弊社物件で、つい先日完成したばかりのリノベーション部屋で採用した玄関照明は、IKEA製のもので、照明本体価格がなんと999円(電球は別売り)。ただIKEA照明を取付けるとなると、工事をしなくてはならなくなるものの、それでも工事費用込みで5000円程度でこのクオリティー+明るさを出せるのであれば、投資をする意味は十分あります。
②アクセントとして、棚を設置する
賃貸の玄関エントランスは、出来ることであれば「おしゃれにしたい」もの。
ただ「棚を取付けてしまうと、退去時において現所回復費用」を請求させられる可能性が高くなるので、なかなか棚を取付けることは難しくなります。
そこで弊社物件では、数年前から「玄関エントランスに棚」を設置するようになり、こちらのお部屋に設置されている棚も、IKEA製のものを採用しています。とてもリーズナブルな価格で販売されているので、他社物件との差別化を図りたいと考えているオーナー様には、ぴったりのアイテムと言えます。
③靴箱は変えたほうがいい
築年数が経過している物件において、当初より使用している靴箱は、今の時代には「合っていない」可能性が高いです。その理由は「今の時代では一人が持っている靴の数は多くなっている」ことから、既存の靴箱では「全てを収納すること」は難しくなってしまうため、リフォーム・リノベーションを機に「新しいものに交換」したほうがいいと思われます。
3.和室は和室をあえて採用
築年数が経過している物件では、和室部屋が標準となっている所がありますが、近年では「和室離れが深刻化」となっているため、洋室に間取り変更している物件が多くなっています。
ただ無理に洋室に間取り変更しても、どうしても「和室感は残ってしまう」ため、それならば和室をさらにおしゃれ空間にした方が、かえって面白みがあると思います。
弊社物件も、築年数が古いこともあり、新築時から和室部屋がありますが、弊社では通常の畳ではなく「和モダン空間が魅力的な琉球畳」を採用しています。
琉球畳に変更することによって、通常の畳と比べて「日焼け」がしにくく、退去時の表替えが原則不要となることから、お客様負担が基本的にはなくなります。
さらに和室部屋を残すことによって、畳自体が吸音効果が期待できるので、通常の洋室と比べて「生活音問題が起きにくく」なるのを踏まえると、和室部屋を残した方がかえっていいのではないでしょうか?
4.キッチンだけは、変えたほうがいい理由
リノベーションをするとなると、どうしても費用が高額になってしまうため、出来ることであれば「予算は抑えたい」と考えるのが普通です。予算的に厳しいのであれば、今までのものをうまく代用することによって、対応することができますが、キッチンに関しては「費用は掛かってしまうものの、交換される」ことをおススメします。
交換のタイミングは、築年数が20年を超えた物件です。
築年数が20年を超えてくると、たとえキッチン扉に「シート」を貼って「古さを誤魔化している」としても、キッチンパネルが古臭くなってしまうので、見た目から「古いキッチン」であることを主張しているようなもの。
更にお部屋探しをされているお客様にとって、キッチンは「使いやすいのはもちろんのこと、デザイン性もよくなければならない」と考えていることから、集客の視点で考えた際、キッチンは交換した方が、早期に部屋が埋まりやすくなります。
5.浴室はワンポイント変えるだけでOK
浴室に関しては、予算があるならば「交換」されたほうがベストです。
ただ交換となると、最低でも50万円以上はかかってしまうため、もし浴室が「バランス釜」だったならば、絶対に交換した方がいいのですが、それ以外であれば「既存の浴室でも、十分対応は可能」であると言えます。
ただし、築年数が経過している物件の「シャワー水栓」は、古いものとなっているケースが多いため、「サーモスタット水栓」に交換するだけでも、浴室の印象はガラリと変わります。
それと、浴室の明るさを変えるだけでも、印象度はガラリと変わります。
リフォームやリノベーションを機に、浴室電球をLEDに交換するだけ、交換前と比べると明るさが全く違ってくるので、見た目的にも違ってきます。
6.まとめ

築年数が経過している物件では、どうしても設備的に古くなってしまうため、家賃を維持することは難しくなってしまいますが、ただ予算をそれほどかけなくても「お客様に喜ばれるお部屋」を提供することは、十分可能です。
弊社物件は、日本一空室率が悪い山梨県にあり、さらに弊社物件は「和室アリの築29年2LDK」であることから、集客上では圧倒的に不利になりがちにと思われます。
しかし、ニーズに沿ったお部屋作りをしているため、家賃値下げはここ15年ぐらいは一度も行っておらず、むしろ家賃相場より「高い家賃設定」でも、集客することは可能となっています。
工夫次第でおしゃれな部屋を作ることは可能であり、更にしっかりとしたお部屋作りをしている物件では、仲介担当者が積極的に案内してくれるので、客付けの部分においても有利になることは間違いなさそうです。

取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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