賃貸経営をするのであれば、地方都市より一定の需要がある大都市圏で行った方が安定した家賃収入を得ることができます。
後述しますが地方都市は人口減少+物件供給数過多のため空室率が悪化しています。そのため競争力が低下した築年数が古い物件では客付けに苦戦している所が多く目立ち、中にはキャッシュフローが悪化している所もあります。
ただし地方都市であっても空室対策を適切に行えば、安定した家賃収入を得ることができます。
弊社物件は日本一空室率が悪い山梨県に築30年の物件を所有していますが、空室対策を強化したことで2020年以降増収増益+満室継続させることに成功しています。
本投稿は地方都市でアパート経営を成功させる方法について、お伝えいたします。
▼目 次
【本記事でお伝えする結論】
1.賃貸経営と地方都市について
賃貸経営を成功させるためには、一定の需要(=借主)があることが求められます。大都市圏は成功条件をクリアしているものの、地方都市では需要と供給のバランスが崩壊しているため、エリア/物件によって苦戦を強いられる可能性が出てきます。
理由として以下の2つを挙げることができます。
空室率
家賃値下げ
それではそれぞれの理由を見ていきましょう。
1)地方都市は大都市圏と比べて空室率が悪い
「不動産投資は地方都市では止めたほうがいい」と言われる最大の理由は、大都市圏と比べ空室率が悪化しているからです。
LIFULL HOME'Sでは、都道府県ごとの「空室率」を確認することができます。
一都三県の平均空室率は17.38%に対し、地方都市では平均20%台が多く目立っていますが「福井県」「長野県」「山梨県」は空室率が約30%台となっています。
空室率が悪化すれば、募集しても客付けできない物件は確実に増え、特に競争力が低下している古い物件は空室期間が長期化してしまいます。
2)家賃値下げをしても、部屋が埋まりにくい
空室率が悪化すると客付けできない物件が増加してしまいます。賃貸経営は客付けができなければ家賃入金は一切発生しないため、一定期間空室が続いた場合家賃値下げを行います。
ただ賃貸市場は一部エリア以外需要と供給が逆転している+空室率悪化のため、家賃値下げしても客付けができないケースは今後確実に増加します。
募集部屋の家賃値下げを行うことにより…
他の借主からクレーム→更新のタイミングで家賃値下げ要求される
借主属性悪化→家賃滞納/騒音トラブル発生率が高くなる
可能性があり、仮に家賃値下げ集客で客付けできたとしても損益分岐点は非常に高くなり、安定した賃貸経営を継続することが難しくなってしまいます。
2.地方都市で生き残るためにはイノベーションを行う勇気が必要
賃貸経営で一番難しいのは、築年数の経過と共に資産価値が低下し
空室が目立つようになり収益が悪化する懸念
経年劣化の影響による修繕費の増加
によりキャッシュフローが低下する恐れがあることです。
築年数が古くなっても資産価値を高めるリノベーションを行えば、収益性を改善させることができます。ただリノベーションするとなると修繕費がさらに嵩むため、貸主によって対応が分かれます。
20世紀を代表する経営学者「ピータードラッカー」は、『マネジメント エッセンシャル版』の中で
現在というイノベーションの時代において、イノベーションができない組織は、たとえいま確立された地位を誇っていても、やがて衰退し、消滅すべく運命づけられている (『マネジメント エッセンシャル版』より)
つまりいつまでも現状維持を貫き通すような物件は、自然淘汰してしまうリスクが非常に高くなってしまいます。
地方都市では人口減少が急速に加速しています。そのため人気が高い新築/築浅物件であっても油断してしまうと客付けが難しくなる可能性は決してゼロではありません。
地方都市で今後賃貸経営で生き抜くためには、イノベーションは必須であり、築年数が20年以上経過している物件はリノベーションを行わないと賃貸経営そのものが難しくなってしまいます。
3.地方都市で成功するには差別化戦略
地方都市にある賃貸物件で生き残るためには、徹底した差別化=イノベーションを起こすしか方法はありません。
そこで重要となるのが、競合他社との差別化。
競合他社には提供することができない「差別化物件」を作ることによって、価格競争に巻き込まれなくなるばかりではなく、リノベーションを機に「家賃値上げ」も可能となってくるので、収益性を高めることは十分にできます。
差別化物件を提供すると、どのようなメリットがあるのかまとめてみました。
1)集客力のアップ
差別化物件を提供することができれば、物件資産価値が高まるため反響数&成約率は格段に向上します。
2)収益性が改善される
理論上貸主が家賃値上げすることは可能です。ただ家賃値上げするには借主の同意が必要となるため入居中の値上げはほぼ不可能と言っても過言ではありません。
しかしリノベーションを機に家賃値上げすることは可能であり、更にクオリティーが高いリノベーション部屋を提供できれば、たとえ家賃相場より高い家賃設定でも集客上不利になることはありません。
客付けに成功すれば…
収益性改善
長期入居に繋げられれば入居中にリノベーション費用を回収が可能
資産価値が高いため契約更新時の家賃値下げ要求が発生しにくくなる
ため、一石三鳥となります。
3)仲介会社が積極的に案内してくれる
不動産仲介会社は、成約に伴う「仲介手数料」が唯一の報酬となることから、成約に繋げることができそうな物件は、積極的に案内/紹介してくれます。
差別化したリノベーション部屋は
デザイン性が優れている
家賃予算の都合上、新築/築浅物件に入居できなかった
方が入居検討してくるため、仲介会社側も積極的に紹介/案内してくれます。
4.まとめ
今回は地方都市でアパート経営を成功させる方法について、お伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認してみましょう。
地方都市において賃貸経営で生き残るためには、競合物件との差別化は必須です。弊社物件は徹底した差別化戦略を2018年から打ち出したことで収益性を高めることに成功していますが、現状維持を貫いている同築年の競合他社物件は、集客に苦戦し空室期間が長期化しています。
今回ご紹介した内容を実践して頂ければ確実に効果は期待できますが、「こんなのどこから手をつけていいかわからない!」という方もいらっしゃるのではないかと思います。
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取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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▶︎〒400-0053 山梨県甲府市大里町2090
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