築年数が経過してくると物件資産価値が低下→空室率悪化&修繕費増加するためキャッシュフローが厳しくなる可能性が出てきます。
▶アパート経営の年収を左右するポイントについては、過去記事をご覧下さい。
不動産投資は満室になっても「家賃収入には上限」があるため、キャッシュフローを改善するには可能な限り「空室率&支出を抑える」ことが求められます。
私は身内の不幸により2007年に祖父から相続する形で2代目オーナーに就任しました。
物件があるのは日本一空室率が悪い山梨県で、更に相続時家賃収入より返済の方が完全に上回っている債務超過状態でしたが、今回紹介する方法を行ったことで現在完全黒字化+増収増益を達成することができています。
本投稿は築古物件を黒字化するためにはどのような対策を講じればいいのか、弊社事例を交えながらお伝えいたします。
▶︎お知らせ◀︎
私の経営する有限会社 山長ではアパートの経営改善、空室対策など賃貸経営者を支援するコンサルティングサービスを行なっています。自己破産寸前の状態から空室ゼロへ、そして安定した入居率を実現するまでに至った経験をもとにオーナー様と一緒になって改善のお手伝いをさせていただきます!
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▼目 次
【本記事でお伝えする結論】
”築古物件を黒字化する上で重要となるポイント”
1.築古物件を黒字化にするためには、どうしたらいい?
赤字になった築古物件を黒字に転換するには資金繰りを改善させ収益物件を作ることが重要です。具体的には…
アパートローン返済を見直す
リノベーションを行い家賃値上げを行う
集客強化し早期客付けを目指す
仲介会社を味方に入れる
ことです。それではそれぞれの対策を見ていきましょう。
1)アパートローン返済を見直す
新築物件を建設する前、大手管理会社では必ず「物件の収支計算書」を作成しますが経済情勢は日々変化するためシミュレーション通りの収支にならないと思っていた方が正解です。
特に近年の賃貸市場は人口減少+物件供給数が飽和状態のため、競争力が低下する築年数が古い物件はシミュレーション以上に空室率が悪化する可能性が高くなります。
空室による家賃機会損失を減らすため多くの物件では家賃値下げを行います。ただ家賃値下げは貸主の家賃収入を減らすだけではなく、過当競争になるため負のスパイラルに陥ってしまうことがあります。
▶家賃値下げによる収益悪化の詳細は、過去記事をご覧下さい。
利幅が減少すればアパートローン返済にも影響が出てきてしまい、最悪「自転車操業」的な経営を強いられてしまうことも考えられます。
そのためキャッシュが焦げ付く前に金融機関に相談し返済見直しをすることで、資金繰りを一時的に改善させることができます。
主な方法としては
他行で借り換えを行い、金利を安くしてもらう
返済期間を延長して、月々の負担額を抑える
一定期間元金据え置き対応をしてもらい、内部留保をためる
などがあります。
▶弊社がローン返済がきつくなった時に行った対策については、過去記事をご覧下さい。
2)資産価値を高めるリノベーションを展開する
アパートローン返済がきつくなった場合、金融機関に相談することでリスケジュールしてくれる可能性が高くなります。
ただリスケジュールを行う場合「事業再建計画」を示さないと、再度キャッシュが焦げ付いた時リスケジュールしてもらえない可能性があるため注意が必要です。
弊社物件では、2017年の繁忙期部屋が殆ど埋まらない状態となり、一気に赤字となってしまいました。そこで募集方法を全面的に見直し、リフォームからリノベーションへと舵を切ることにしましたが、この話をメインバンクに伝えたところあまりいい返事をしてもらえませんでした。
そこで弊社では融資担当者及び支店長に対して、リノベーションの事業計画をプレゼンし、リノベーション実施に対する理解を求めました。
2018年から本格的にリノベーション事業を展開し、最初の数年は集客に苦戦を強いられたものの、2020年以降は黒字&満室を達成しやすくなり、その結果メインバンクからの評価は毎年高くなってきています。
▶弊社リノベーションの詳細に関しては、過去記事をご覧下さい。
3)賃貸集客を見直す
一般的に物件募集する際、仲介会社に賃貸検索サイトに物件情報を掲載してもらいます。
ただ同サイト内には検索画面があるため「築年数」「家賃帯」で検索されてしまうと、築年数が古い物件は反響数を伸ばすことが難しくなります。またリノベーションを行ったとしても同サイト内のリノベーション定義に合致しなければ専用ページに掲載してもらえません。
そこで弊社物件は、リノベーション事業を開始した2018年から公式サイトを立ち上げました。
立ち上げた理由は、弊社リノベーション物件は家賃相場より高い家賃設定にしているため、賃貸検索サイト上のみの集客では「検索上明らかに不利」になってしまうからです。
物件専用HP/SNSを積極的に展開することで、検索された方に確実に物件情報が届くため反響数や内見数も右肩上がりとなり、その結果今では入居される方の約8割は「公式サイト」から問合せをされた方です。
▶SNS集客の効果に関しては過去記事をご覧下さい。
4)仲介会社を味方に引き入れる
募集を行っても客付けできなければ貸主には家賃収入が入りませんが、これは仲介会社も同じです。
不動産仲介会社は、成約に伴う報酬=仲介手数料が唯一の売上となることから、成約に繋げられそうな物件は積極的に紹介してくれます。
▶仲介会社担当者の本音に関しては、こちらをご覧下さい。
資産価値が高い新築/築浅/リノベーション物件は顧客ニーズが高いため、仲介担当者は必ず意識していると言われています。
ただ確実に客付けするにはクロージングしやすい環境にすることが重要です。例えば・・・
家賃値下げを要求された場合、○○円までなら対応可能
初期費用を下げてほしいと言われた場合、フリーレントを〇か月つけてもいい
といった権限を事前に仲介担当者に与えておくと、クロージングがしやすくなるため紹介されやすい物件となります
2.まとめ
今回は築古物件を黒字化するためにはどのような対策を講じればいいのか、お伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認してみましょう。
築古物件を黒字化にすることは正直ハードルが高いです。
ただ近年の賃貸市場は部屋探しの多様化が進んでいるため、差別化リノベーションが展開出来れば収益性を伸ばすことは十分期待できるため、黒字化転換は十分可能と言えます。
金融機関側も黒字化転換した物件は高く評価します。収益物件を作れば金利の引き下げ/新規融資をしてくれる可能性が高くなるため事業拡大も夢ではありません。
今回ご紹介した内容を実践して頂ければ確実に効果は期待できますが、「こんなのどこから手をつけていいかわからない!」という方もいらっしゃるのではないかと思います。
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取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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