築年数が経過すると資産価値が低下するため収益性が低下してきますが、収益性の他にも経年劣化による修繕費増加/建物減価償却終了に伴う税負担UPなどが発生しやすくなります。
そのため築年数30年以上経過している物件では「出口戦略」を本格的に検討しなければなりません。
一般的な賃貸出口戦略は「物件売却」「建替え」「物件を維持しリノベーションする」の3つあり、多くの貸主が迷うのは建替えするかリノベーションの2択だと思われます。
結論から先に申し上げますと、賃貸物件を再生するのであれば建替えよりリノベーションを選択したほうが圧倒的に有利です。最大の理由は近年では部屋探しの多様化が進んでいるため、築年数だけで物件判断されなくなったからです。
本投稿は築古物件を再生するなら建て替えかリノベーション、どちらがいいのかについてお伝えします。
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▼目 次
【本記事でお伝えする結論】
1.建て替えのメリット
本題に入る前に築古物件を建替えするメリットをお伝えいたします。
高い家賃で貸すことができる
築年数が経過すると減価償却が減少するため物件価値が下落します。そのため家賃値下げしなければ客付けが難しくなってしまいます。
しかし新築物件を建てることで物件資産価値が最大化となるため、高い家賃設定でも早期客付け+収入アップが期待できます。
支出を抑えられる
築年数が経過すると経年劣化の影響により修繕費が増加してきます。特に突発的な修繕トラブルが発生することもあるので、場合によってはキャッシュフローが悪化する可能性もあります。
しかし新築物件は最新設備を設置しているため、従前と比べ修繕費用が少なくなります。そのため安定した家賃収入を得ることができます。
節税対策になる
賃貸物件を建てること毎年減価償却費を計上することができ、不動産所得を抑えることができるため節税効果が期待できます。
ただし減価償却は期限があるので、減価償却が終了する前にアパートローンが完済していないと「税務上の帳簿の利益」が大きくなり所得税が高額になる「デッドクロス」状態となってしまいます。
そのため減価償却が終了するタイミングで、節税効果が期待できる建替えを決断される貸主が多いのが現状です。
2.【築古物件再生】建替えかリノベーションどっちがいい?
築古物件を再生させる方法として、建替えor物件を維持しリノベーションを行うかのどちらかを選択する貸主は多いと思います。
物件構造躯体の劣化状態/貸主のキャッシュ状況によって判断が分かれますが、構造躯体に特段問題がなければ建替えよりリノベーションの方がメリットが大きくなります。
その理由は以下の4つを挙げることができます。
建築費高騰
新築神話が崩壊?
部屋探しの多様化
内部留保
それではそれぞれのメリットを開設します。
1)建築費高騰
一般社団法人建築物価調査会の調査によると、資材及び工事費は過去10年間価格が上昇しています。
資材/工事費が上昇すれば従前と比べ建設費用が高くなるため、建替え前と同規模で行えば手元に残るキャッシュが少なくなる可能性が高くなります。
(キャッシュを増やすにはアパートのグレードを落とす/自己資金(頭金)を増額するしかありません)
2)新築神話が崩壊?
部屋探しされている方の中には「新生活は新築物件で暮らしたい」と考える方が多いため、募集が開始されると建物完成前に満室になることはよくあります。
ただ建築費用が高騰し続けたことで、新築家賃設定が高くなりすぎています。そのため今までと比べると物件入居率が低下し建物完成後も募集を続けている物件が散見されます。
3)部屋探しの多様化
2019年にat-homeが発表したリリースによると、部屋探しされた方が家賃以外に重視した点で「築年数」と回答した方は社会人で約2割程度でした。
つまり築年数が古くても使い勝手を改善させたリノベーションを行うことで、部屋探しの選択肢が増えるため早期客付けが期待できます。
4)内部留保
アパートローン完済後は、家賃収入全てが貸主の利益になります。
物件によっては減価償却が終了し所得税が高額になる可能性が高くなりますが、リノベーションを行い稼働率を保つことができれば税金を支払ってもキャッシュが確実に残ります。
残ったキャッシュを内部留保に回す/将来のアパート建替えor中古物件購入頭金として活用する/株式投資資金に回すなど資産運用を拡大させる資金として活用できます。
3.収益改善させた弊社リノベーション物件紹介
弊社物件がある山梨県は日本一空室率が悪い県です。さらに物件があるエリアは1990年代に施工された物件が乱立しているため過当競争となり、物件によっては空室が長期化するところもあります。
弊社物件は1993年築の2LDK物件。
2017年の繁忙期客付けに失敗/赤字転落したため、同年を機にリフォームからカフェスタイルに特化した差別化リノベーションを行う決意をしました。
無垢材を使用した温かみがあるカフェスタイルキッチン、自然素材の漆喰を居住スペースに施工したことで、築年数の古さは一切感じられないおしゃれな部屋を提供する事ができました。
その結果、リノベーション前と比べ入居率/家賃収入は大幅に改善させることに成功。
2023年度は5月に2件退去が発生したものの退去後すぐに入居申込が入ったため「事実上年間満室状態」となり、家賃収入が過去最高を更新することができました。
▶弊社リノベーションの詳細は、過去記事をご覧下さい。
4.まとめ
今回は築古物件を再生するなら建て替えかリノベーション、どちらがいいのかについてお伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認しましょう。
築年数が経過すると建物躯体に影響が出ている可能性が高くなりますが、定期的なメンテナンスをしっかりと行えば、50年前後は十分使用することができます。
SDGsが社会的に普及されていることを踏まえると、無理しして建替えするのではなくリノベーションで物件を再生させ内部留保を強化した方が、貸主にとってメリットが大きいと言えます。
今回ご紹介した内容を実践して頂ければ確実に効果は期待できますが、「こんなのどこから手をつけていいかわからない!」という方もいらっしゃるのではないかと思います。
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取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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