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賃貸リノベーション空室対策は費用対効果は期待できる?


築20年以上のアパートを所有している貸主の中には、「リノベーションには多額の費用がかかるため、本当に費用対効果があるのだろうか」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?



私自身も1993年築20戸の自社所有アパートを運営しており、2017年の繁忙期に客付けへ失敗したことをきっかけに、2018年から空室対策リノベーションへ舵を切りました。



当初は工事費への不安もありましたが、ターゲット設定やデザイン性を見直したリノベーションを継続した結果、現在では20戸中15戸のリノベーションが完了し、入居率や収益性の改善につながっています。



この経験から実感したのは、リノベーションは工事費の金額だけで判断するものではなく、空室期間の短縮や収益改善、将来の賃貸経営まで含めて費用対効果を考えることが重要だということです。



本記事では、自社物件で実践してきた経験をもとに、賃貸リノベーションは本当に費用対効果が期待できるのかについて詳しく解説します。



なお、空室対策リノベーション全体の考え方や進め方について知りたい方は、「空室対策リノベーション完全ガイド」もあわせてご覧ください。


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私の経営する有限会社山長では、アパート経営改善・空室対策コンサルティングを行っています。かつて私自身が直面した「自己破産寸前」だった状態を、独自の高付加価値リノベーションで再生。入居率77%から、2020年以降は年間平均95%以上へ改善、年間収入430万円UPという自社物件で実践・検証してきたノウハウをもとに、オーナー様と二人三脚で改善サポートします。



その実績は『全国賃貸住宅新聞』『楽待』などのメディアにも多数紹介されています。まずはお手軽な無料相談からお気軽にご相談ください。 [→詳しいプロフィールと解決事例は記事末尾へ]




▼ 目 次




【本記事でお伝えする結論】


  • リノベーションは工事費だけではなく、空室期間や収益改善まで含めて費用対効果を判断することが重要。


  • 築20年以上の物件でも、ターゲットやコンセプトを明確にしたリノベーションにより競争力を高めることが期待できる。


  • 私自身も1993年築20戸の自社物件で実践した結果、入居率や収益性の改善につながり、費用対効果を実感した。


1.賃貸リノベーションは本当に費用対効果が期待できる?


賃貸リノベーションは本当に費用対効果が期待できる?


リノベーションは原状回復工事よりも工事費が高額になるため、「本当に投資する価値があるのだろうか」と不安を感じる貸主は少なくありません。



私自身も、リノベーションを行う前は同じ不安を抱えていました。



しかし実際に取り組んだ結果、工事費だけでは見えない収益改善や空室期間の短縮など、賃貸経営全体で見ると費用対効果を実感できました。



まずは、私がリノベーションへ踏み切った理由と、その後どのような変化があったのかをご紹介します。


1)2017年の客付け失敗から見直した賃貸経営


2017年の客付け失敗から見直した賃貸経営

弊社物件では、2016年までは原状回復工事や設備交換を中心とした募集でも、大きく客付けに苦戦することはありませんでした。



しかし翌年の繁忙期は状況が一変しました。4部屋を募集したものの成約は1部屋にとどまり、さらに3月下旬には転勤による退去が重なったことで、空室が増加してしまいました。



当時はキッチンや洗面台、浴室などの設備は交換せず、そのまま活用して募集を行っていました。しかし、繁忙期であっても思うように入居が決まらなかったことから、内装をきれいにするだけでは設備の古さを補うことができず、入居希望者に選ばれにくくなっているのではないかと考えました。



そこで私は、単に設備を新しくするだけではなく、「どのような入居者に住んでもらいたいのか」というターゲットを明確にし、その暮らし方に合わせたデザインや間取りを取り入れる必要があると考えました。



こうした考えのもと、2018年から空室対策リノベーションへ取り組むことを決断しました。



▶2017年の繁忙期に客付けへ失敗した当時の状況や、空室がゼロになるまでに実践した取り組みについては、関連記事で詳しくご紹介しています。




2)リノベーション後に感じた費用対効果


リノベーション実績

リノベーションは工事費が高額になるため、施工前は「本当に費用を回収できるのか」という不安は当然ありました。しかし実際にリノベーションを進めた結果、私自身が最も変化を感じたのは、単純な家賃アップだけではなく、賃貸経営全体が改善できたことです。



弊社物件では現在までに20戸中15戸のリノベーションを実施しています。その結果、リノベーション前と比べて…


  • 入居率・収益性の改善


  • 空室期間の短縮による家賃機会損失の抑制


  • 借入返済期間を調整することでキャッシュフロー悪化を抑制


  • 収益改善による金融機関からの評価向上



につながりました。実際に、弊社物件では入居率が77.9%から99.04%へ改善し、年間家賃収入も約430万円増加しています。(上図参照)



もちろん、すべての物件で同じ結果になるとは限りません。



しかし、弊社物件がある山梨県は、かつて賃貸空室率が全国でも高い地域とされており、物件周辺にも同年代のアパートが数多く立ち並ぶ競争の激しいエリアです。



こうした市場環境の中でも成果を上げることができた経験から、ターゲット設定や募集方法まで含めて計画したリノベーションであれば、費用対効果は十分期待できると私は考えています。



▶実際にどのようなリノベーションを行い、入居率や収益改善につながったのかについては、「空室対策リノベーション実績」で詳しくご紹介しています。




3)なぜリノベーションで費用対効果が高まったのか?


なぜリノベーションで費用対効果が高まったのか?


私がリノベーションで費用対効果を実感できた理由は、単に設備を新しくしたからではありません。



入居者ニーズを意識したコンセプトづくりを行い、ターゲットを明確にしたうえで、間取りやカフェスタイルキッチン、造作洗面台、漆喰などを取り入れ、競合物件との差別化を図ったことが大きな要因だったと考えています。



さらに、リノベーション後は公式ホームページやSNSを活用した情報発信を行い、施工事例や実際の暮らしをイメージできる写真だけではなく、実際に住んでいる借主からいただいた感想も内見者へ伝えるようにしました。



入居を検討している方にとって、実際の入居者の声は暮らしを具体的にイメージできる情報の一つです。その結果、内見時の安心感につながり、成約率の向上にも役立ったと感じています。



また、このような自然素材やデザイン性を重視したリノベーションは、弊社物件周辺ではほとんど見られなかったことから、仲介会社からも積極的に紹介していただけるようになり、成約までの期間短縮にもつながりました。



このように、工事そのものだけではなく、「競合物件との差別化」「入居者の声の活用」「募集戦略の見直し」を一体で取り組んだことが、費用対効果の向上につながったと私は考えています。



▶実際にどのようなリノベーションを行い、入居者から反響があったのかについては、「【2025年】弊社アパート人気№1リノベーションルームを大公開」で詳しくご紹介しています。



私自身の経験では、リノベーションは工事費だけを見ると高額ですが、空室期間の短縮や収益改善、金融機関からの評価向上など賃貸経営全体で考えると費用対効果は十分期待できます。



ただし、設備を新しくするだけでは、期待した成果につながらない場合もあります。費用対効果を高めるためには、築20年以上の物件がなぜ選ばれにくくなるのかを理解したうえで、適切なリノベーションを行うことが重要です。



次章では、自社物件での経験と賃貸市場の変化を踏まえながら、築20年以上の物件でリノベーションが必要になる理由を解説します。


2.なぜ築20年以上の物件はリノベーションが必要なのか?


なぜ築20年以上の物件はリノベーションが必要なのか?


築20年以上の物件では、設備の老朽化だけでなく、入居者ニーズやライフスタイルの変化によって、物件の競争力が低下しやすくなります。



そのため、原状回復工事だけでは十分な反響が得られず、適正家賃で募集しても競合物件に埋もれてしまうケースも少なくありません。



ここでは、築20年以上の物件でリノベーションが必要になる理由について、賃貸市場の変化と自社物件での経験を踏まえながら解説します。


1)築20年以上の物件が選ばれにくくなる理由


築20年以上の物件が選ばれにくくなる理由


築年数が経過した物件は、設備の老朽化だけが原因で空室になるわけではありません。近年の部屋探しの傾向としては、築年数だけではなく…


  • 室内デザイン


  • 間取り


  • 設備


  • 暮らしやすさ



などを総合的に比較して物件を選ぶ方が増えています。



LIFULL HOME'Sが実施したアンケートでは、「賃貸物件を選ぶ際に築年数を気にする」と回答した方は全体の約7割に上りました。



一方で、実際に入居している物件は築25年以上という回答が最も多く、「リフォーム・リノベーションがされていれば快適に感じる」「設備が充実していれば築年数は気にならない」といった意見も紹介されています。



このことから、築年数は物件選びの判断材料の一つではあるものの、それだけで入居を決めているわけではなく、室内のデザインや設備、住みやすさなども含めて総合的に比較されていることが分かります。



そのため、築20年以上の物件は、DK中心の間取りや古い設備、建築当時のデザインのまま募集されているケースでは、現在の入居者ニーズとのズレが生じやすくなります。



私自身も、1993年築のファミリー向けアパートを運営する中で、2017年までは原状回復工事を中心とした募集を行いました。クロスや床材などの表装リフォームを強化すれば早期成約につながる状況が続いていたため、従来の空室対策でも十分対応できると考えていました。


オーナーである私が「十分選ばれる」と考えていた部屋と、入居希望者が求めていた部屋の価値にズレが生じていたのです。


ところが、その募集では思うように反響が得られず、「なぜ空室が埋まらないのか」という原因が分からないまま試行錯誤を繰り返していました。



当時を振り返ると、設備交換をほとんど行わず、建築当時の間取りや室内デザインのままで募集していたことが、当時の入居者ニーズとのズレを生み、競合物件との比較で選ばれにくくなっていた大きな要因だったと考えています。



つまり、オーナーである私が「十分選ばれる」と考えていた部屋と、入居希望者が求めていた部屋の価値にズレが生じていたのです。



この経験をきっかけに、原状回復工事だけでは現在の入居者ニーズに応えられないと考えるようになり、リノベーションによって「選ばれる理由」をつくる空室対策へ取り組むことを決意しました。



リノベーションが空室対策につながる理由

リノベーションが空室対策につながる理由は、大きく2つあります。一つ目は、築年数だけで物件が選ばれる時代ではなくなってきていることです。



前述したLIFULL HOME'Sの調査でも、「築年数を気にする」と回答した方は多い一方で、「リフォーム・リノベーションがされていれば快適に感じる」「設備が充実していれば築年数は気にならない」といった意見が紹介されています。



このことから、築年数だけではなく、室内のデザインや設備、暮らしやすさなども含めて総合的に比較されていることが分かります。



二つ目は、近年の賃貸市場を取り巻く環境の変化です。建築費や資材価格の上昇などを背景に新築物件の家賃は上昇傾向にあります。一方で、家賃負担とのバランスを重視しながら部屋探しをする方も少なくありません。



そのため、室内のデザインや設備を現代のライフスタイルに合わせて改善したリノベーション物件は、「新築ほど家賃は高くないものの、快適に暮らせる住まい」として比較対象になりやすくなります。新築や築浅物件を検討している方にとっても、有力な選択肢となる可能性があります。



このように、リノベーションは単に設備を新しくする工事ではなく、現在の入居者ニーズに合わせて物件の競争力を高める取り組みです。その結果、競合物件との差別化が図られ、空室対策につながることが期待できます。


3)リノベーションは費用ではなく投資として考えることが重要


リノベーションは費用ではなく投資として考えることが重要


リノベーションを検討する際、「できるだけ工事費を抑えたい」と考える貸主は少なくありません。



そのため、退去後は原状回復工事を中心に行い、反響が少なければ家賃を下げて募集を続ける方法が選ばれることもあります。このような考え方は、工事費という「費用」だけに着目した判断とも言えます。



近年は地域によって状況に違いはあるものの、人口減少や新築物件の供給などにより、築20年以上の物件を取り巻く競争環境は以前より厳しくなっています。



かつてのように、最低限のリフォームと適正家賃だけで早期成約できるとは限らず、原状回復工事だけでは競合物件との差別化が難しいケースも見られます。



空室期間が長くなると、その間の家賃収入が得られないだけでなく、競合物件との比較が続くことで、仲介会社から優先的に紹介されにくくなる場合もあります。その結果、家賃を下げても十分な反響が得られず、さらに空室期間が長期化する可能性があります。



一方で、現在の入居者ニーズに合わせたリノベーションを行うことで、物件の競争力を高めることができます。室内デザインや設備、間取りを改善した物件は、新築と比較して家賃を抑えながらも快適に暮らせる住まいとして選択肢になりやすく、早期成約や家賃維持・向上につながる可能性があります。



このように、リノベーションは単に工事費の高い改修工事ではありません。将来の家賃収入や入居率、物件の競争力を高めるための「投資」という視点で判断することが重要です。適切な計画のもとで実施すれば、その投資が長期的な賃貸経営の安定につながることも期待できます。



築20年以上の物件では、築年数そのものではなく、現在の入居者ニーズとのズレによって競争力が低下しやすくなります。リノベーションは、物件の魅力を高めて競合物件との差別化を図るだけでなく、将来の収益性を見据えた投資として考えることが重要です。



では、実際にどのようなリノベーションを行えば空室対策につながるのでしょうか。次章では、私が自社物件で実践したリノベーション事例をもとに、入居者から選ばれる部屋づくりのポイントについてご紹介します。


3.費用対効果を高める4つのポイント


費用対効果を高める4つのポイント

前章でお伝えしたように、私自身は空室対策リノベーションを行うことによって、費用対効果を実感することができました。



しかし、それは単に設備を新しくしたからではありません。



リノベーションは工事費をかければ成果が出るものではなく、入居者ニーズや募集方法まで含めて計画することが重要です。



ここでは、自社物件で実際に取り組み、現在も継続している4つのポイントをご紹介します。


1)ターゲットを明確にしてからリノベーションを計画する


ターゲットを明確にしてからリノベーションを計画する


リノベーションで最も重要なのは、設備やデザインを決める前に、「どのような入居者に選ばれる物件を目指すのか」を明確にすることです。ターゲットが曖昧なまま工事を進めてしまうと、設備や内装に統一感がなくなり、物件の魅力が伝わりにくくなる可能性があります。



私自身も、2018年に空室対策リノベーションへ取り組む前に、どのような入居者へ提供したいのかを整理することから始めました。弊社の物件はファミリー向けの間取りで、入居者は20~30代のカップルや新婚世帯が中心です。また、内見や部屋探しでは女性が住まい選びを主導する場面が多いと感じていました。


さらに、インテリアに関する調査では、男女で好みのインテリアスタイルに違いが見られることも紹介されています。そのため、室内は女性にも受け入れられやすいシンプルナチュラルを基調とし、白をベースにした明るい空間づくりをコンセプトにしました。


また、今後リノベーション物件が増えても埋もれないよう、競合との差別化も重視しました。そこで、一般的な設備交換だけではなく、無垢材や漆喰などの自然素材を取り入れ、「この物件ならでは」と感じてもらえる住まいづくりを目指しました。


このように、ターゲットを明確にしたうえでコンセプトを決め、一貫性のあるリノベーションを進めた結果、自社物件では2020年以降、入居率95%以上を維持しています。



私自身、この経験から、空室対策では設備を新しくすること以上に、「誰に、どのような暮らしを提供したいのか」を最初に明確にすることが重要だと実感しています。



▶ターゲット設定の考え方については、競合他社物件に絶対に勝つための差別化戦略とは? で詳しく紹介しています。


2)現在のライフスタイルに合わせて間取りを見直す


現在のライフスタイルに合わせて間取りを見直す


築20年以上のファミリー向け物件では、DK(ダイニングキッチン)を中心とした間取りが多く見られます。これは建築当時、リビングよりも部屋数を重視する考え方が一般的で、家族それぞれの個室を確保できる間取りが好まれていたためです。



しかし現在は、ライフスタイルの変化に伴い、家族や夫婦が一緒に食事をしたり、くつろいだりできるLDKを希望する方が増えています。そのため、DK中心の間取りでは入居希望者の選択肢に入りにくくなり、家賃を下げても反響が伸びにくいケースがあります。



弊社では1993年築のアパートを3棟所有していますが、そのうち1棟8戸は建築当時の3DKの間取りでした。そのため、退去のたびに3DKから2LDKへの間取り変更を進めてきました。



そして2023年5月、最後に残っていた3DKの住戸が退去したことを機に、LDKへ変更するとともに部分リノベーションを実施しました。その結果、退去後の募集では早期に成約となり、現在では3DKの住戸はすべて2LDKへ変更しています。



もちろん、間取り変更には追加費用がかかります。ただ、現在のライフスタイルに合った住空間へ改善することで、内見時に「ここに住みたい」と感じてもらいやすくなり、結果として空室期間の短縮や収益改善につながる可能性が高くなります。



▶ 実際の施工内容や募集から成約までの経緯については、「【空室対策事例】不人気3DKから2LDKリノベーション前に成約」をご覧ください。


3)キッチンは部屋全体の印象を左右する重要な設備


キッチンは部屋全体の印象を左右する重要な設備


リノベーションでは浴室や洗面台などの水回りを新しくするケースが多く見られます。しかし、私が特に重要だと考えたのはキッチンです。



クックパッド株式会社の調査では、部屋探しをする際に、多少ほかの条件を譲歩してでもキッチン環境を重視する方が多いことが紹介されています。このことからも、キッチンは単なる調理設備ではなく、住まい選びに影響を与える重要な設備の一つと考えられます。



一方で、賃貸物件ではスペースに限りがあるため、戸建て住宅のような大型キッチンを設置することはできません。そのため、既製品へ交換するだけでは見た目は新しくなっても、使い勝手まで大きく改善できない場合があります。



そこで弊社では、既存のキッチン本体を活用しながら、無垢材の扉やカウンターを組み合わせたオリジナルのカフェスタイルキッチンを採用しました。さらにカウンターを設置することで、調理スペースと収納スペースを拡充し、デザイン性だけでなく機能性も高めています。



その結果、LDK全体に統一感が生まれ、実際の入居者からも使いやすいという声をいただいています。私自身も、リノベーションでは設備を新しくするだけではなく、日々の暮らしやすさまで考えて設計することが、空室対策では重要だと実感しています。



▶ カフェスタイルキッチンを採用した理由や施工内容については、「弊社アパートの人気№1リノベーションルームを大公開!キッチン編」をご覧ください。


4)和室はなくすのではなく価値を高める


和室はなくすのではなく価値を高める


築20年以上のファミリー向けアパートでは、和室が設けられている物件も少なくありません。そのため、リノベーションでは和室を洋室へ変更するケースが多く見られます。



その背景には、退去時の畳の表替え費用を気にする方がいることや、洋室を希望する入居者が増えていることがあると考えられます。



一方で、住環境研究所の調査では、戸建て住宅を購入した若い世代ほどタタミスペースを採用している割合が高いことが紹介されています。このことから私は、和室そのものが敬遠されているのではなく、古さを感じさせる和室が選ばれにくくなっているのではないかと考えました。



そこで弊社では、すべての和室を洋室へ変更するのではなく、リノベーションを機に琉球畳を採用しました。畳を市松模様に敷くことで和モダンな印象を演出し、白を基調とした室内デザインとの統一感も高めています。



また、管理会社へ確認したところ、和室を洋室へ変更する場合の工事費は約11万円とのことでした。一方、弊社では管理会社を介さずリフォーム会社へ直接発注しており、琉球畳へ変更した場合の工事費は約16万円でした。



初期費用だけを比較すると洋室へ変更した方が安く施工できます。しかし私は、工事費だけではなく、部屋全体のデザイン性や他のリノベーションとの統一感、さらに競合物件との差別化まで含めて総合的に判断し、あえて琉球畳を選択しました。



2018年以降で交換が必要となった唯一の琉球畳。凹みが大きかったため、この1枚のみ交換しました。


さらに、畳で最も気になるのが家具などによる凹みや退去時の維持管理費です。



自社物件では2018年から本格的に琉球畳を採用していますが、これまで交換が必要となったのは1件のみで、交換したのも写真のように凹みが大きかった1枚だけでした。



私自身の経験では、通常の使用で頻繁に交換が必要になることはなく、ランニングコストが大きな負担になったことはありません。



このように、初期費用だけを見ると洋室への変更にもメリットがあります。しかし、デザイン性や維持管理のしやすさ、物件の独自性まで含めて総合的に判断すると、琉球畳を採用したことは費用対効果の高い選択だったと考えています。



リノベーションでは、既存のものを活かしながら新たな価値を加えることも、競争力を高めるための重要な方法の一つといえます。



▶ 琉球畳を採用した理由や施工内容については、「弊社アパートの人気№1リノベーションルームを大公開!和室編」をご覧ください。



リノベーションで重要なのは、工事費の大小や設備交換の数ではなく、物件全体のコンセプトに一貫性を持たせることです。



私自身が自社物件で取り組んだ中で感じたのは、「誰に選ばれる部屋をつくるのか」を明確にし、そのコンセプトに合わせて間取りや設備、デザインを一体で考えることが費用対効果を高める鍵になるということです。



もちろん、物件の立地や築年数によって最適な方法は異なります。しかし、入居者目線で部屋づくりを行うという考え方は、多くの築20年以上の物件にも共通する重要なポイントだと考えています。


4.まとめ



今回は、自社物件で実践してきた経験をもとに、賃貸リノベーションは本当に費用対効果が期待できるのかについてお伝えしました。



築20年以上の物件では、原状回復工事だけでは現在の入居者ニーズに対応しきれず、空室が長期化することがあります。



私自身も2017年の客付け失敗をきっかけに空室対策リノベーションへ取り組み、ターゲット設定や間取り、キッチン、和室などを見直した結果、入居率や収益性の改善につながりました。



リノベーションは工事費だけを見るのではなく、将来の収益や競争力まで含めて判断することが、費用対効果を高める重要なポイントだと考えています。



今回ご紹介した内容は、私自身が1993年築のアパートを運営する中で実践し、試行錯誤を重ねながら取り組んできた空室対策です。



しかし、「何から始めればよいのかわからない」「自分の物件でも活用できるのか判断できない」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。



そのような場合は、(有)山長の無料相談をご利用ください。






空室対策コンサルタント 有限会社山長

有限会社山長 長田 穣

取締役 長田 穣(オサダミノル)    空室対策コンサルタント


1993年・98年に祖父が建設した計4棟のアパートを、2007年に突如相続。当時は赤字経営に陥り、修繕費すら捻出できない絶望的な状況からのスタートでした。


暗中模索の中、2018年より独自の「高付加価値リノベーション」を本格開始。


その結果、2020年以降はリノベーション前の入居率77%から、年間平均95%以上へと大きく改善しました。築30年以上の物件ながら、周辺相場より10%以上高い家賃設定で「年間収入430万円アップ」を達成しています。


この逆転劇は『全国賃貸住宅新聞』などの業界メディアでも大きく取り上げられました。


現在は、山梨県内を中心に空室対策コンサルタントとして活動。自ら苦境を乗り越えた「大家の痛みがわかる専門家」として、コストを抑えつつ物件収益を最大化する、持続可能な満室経営をサポートしています。


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▶︎〒400-0053 山梨県甲府市大里町2090

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