リノベーションを機に家賃値上げしても集客上大丈夫?
更新日:4月5日
賃貸の家賃は「1年ごとに1%ずつ下落していく」と言われていますので、余程の好エリアではない限り、家賃値下げは覚悟しなければなりません。
特にサブリース契約では、その影響をダイレクトに受けてしまいます。
現在募集中のお部屋の家賃と、家賃相場に乖離が発生した場合においては、更新のタイミングをもって「借地借家法第32条1項」を要求され家賃減額請求を受けてしまう可能性があり得ます。

家賃減額になってしまうと、キャッシュフロー低下が懸念されてしまいますが、一番怖いのは家賃値下げを行ったことで他の部屋の借主から、同様の家賃値下げを要求されてしまうことです。
近年の賃貸市場は、完全な借り手市場。
値下げ要求に応じないと最悪退去のきっかけを作ってしまう可能性があるため、値下げに踏み切らざるを得なくなってしまいます。
その結果家賃値下げ連鎖が止まらなくなり、キャッシュフローが低下してしまう「負のスパイラル状態」になってしまいます。
▶賃貸経営の負のスパイラルに関しては、過去記事をご覧下さい。
家賃値下げを行っても市場自体が飽和状態になっていれば、家賃値下げしても空室が埋まりにくくなってしまいます。特に築年数が経過している物件は、競争力が低下しているため上記が顕著に見られてしまいます。
この部分をしっかりと把握していない貸主は、確実と言ってもいいほど賃貸経営がマイナスとなり、最悪売却を余儀なくされてしまいます。
▶アパート経営を左右するポイントに関しては、過去記事をご覧下さい。
【過去記事】見逃しがち?アパート経営の年収を左右する6つのポイント
築年数が経過している物件の収益性を高めるためには、資産価値向上を目指すしか方法はなく、唯一の方法はリノベーションを行うことです。

弊社所有物件は1993年築で、さらに物件があるのは日本一空室率が悪い山梨県です。
山梨県の賃貸市場は、相続税対策で1990年代に建てられた物件が多いことから、需要と供給のバランスが崩壊しています。築年数が経過している物件では軒並み家賃値下げを行っているものの、物件によっては相場以下に設定しているに部屋が埋まらない所があります。
このような最悪の状況下ではありますが、弊社物件では2018年以降空き部屋を随時ナチュラルテイストに特化したリノベーションを展開。リノベーションを機に家賃値上げを行っていますが、差別化リノベーションを行ったことがプラスとなり、本記事を執筆中の2022年12月13日現在満室状態となっています。
どうして家賃値上げしたリノベーション部屋が埋まり、満室状態が継続しているのか?

(1)徹底した差別化戦略
築年数が経過している物件の最大のデメリットは、設備が古く室内空間が暗くなっていることです。リノベーションを行えば、その点は解消することはできるものの、競合他社と同じようなリノベーションを行えば同質化となってしまい、最終的には家賃値下げを要求されやすくなります。
そこで弊社物件では、成約ターゲットを定めて「ターゲットが気に入る」ような差別化リノベーションを展開しました。
自然素材に囲まれた空間は、温もり&居心地を楽しめることから、特に20~30代の女性にとっては理想的な部屋と言えます。家賃を多少値上げしたとしても「リノベーション部屋の価値に共感」して頂ければ家賃相場の影響は受けにくくなるため、成約率が上昇しました。
自然素材の材料を使用すると、コストが高くなってしまいますが、長期入居して頂ければ入居期間中に費用回収→利益をしっかりと確保することができるため、安定した家賃収入を得ることができます。
(2)内見時に借主の声をしっかりと届ける
部屋が再生させていたとしても、築年数が古ければ「住みにくい」イメージはどうしても持たれてしまいます。
そこで弊社物件では、上記懸念を払拭するためリノベーション部屋に入居された借主に取材を行うことによって、借主がどのような気持ちで生活しているのかをダイレクトに知ることができ、生の意見を内見された方に伝えることによって、入居後のイメージを持たせることに成功しています。
(3)集客方法の見直し
物件募集を行う際、大手賃貸検索サイトに物件情報を掲載してもらうように仲介会社にお願いされる貸主は多いと思いますが、同サイトは「希望条件を入力」することができるため、必然的に競争力が低下している古い物件は、価格競争に巻き込まれやすくなり、家賃相場を非常に気にしなければなりません。
先程からお伝えしている通り、家賃相場を意識した集客は「負のスパイラル」に陥りやすくなってしまうため、キャッシュフローの悪化を招くだけとなってしまいます。
そこで弊社物件では2018年のリノベーション事業開始と同時に、公式サイトを開設することによって価格競争からの脱却を試みました。

差別化リノベーションを展開していることもあるので、SNSからの反響はそれなりにありましたが、HPからの反響は正直言ってあまりよくありませんでした。
その理由としては、自分自身がSEOに関して未熟で、自己中でサイト運営をしていたからです。
2020年度から知人にパソコン管理を委託し、SEO対策を強化した結果、表示回数とクリック数が右肩上がりとなり、今ではご成約された方の約8割は公式サイト経由からとなりました。
公式サイトのメリットは、家賃や築年数で物件評価されないので、しっかりとクロージングができれば内見当日に入居申込を頂く事も可能で、実際に内見当日にお申込を頂いた事例は複数回あります。
▶弊社SEO対策の顛末に関しては、過去記事をご覧下さい。
【過去記事】日本一空室率が悪い山梨県で、満室経営を実現できたのは、徹底したSEO対策をしたからです。
(4)築古でも収益性を高めることはできる
今回は「リノベーションを機に家賃値上げ」しても可能かどうかについて、お伝えいたしました。
築年数が経過している物件は、「新築や築浅」物件に完敗してしまいます。しかし上述の通りに…
徹底した差別化戦略を行ったリノベーションを展開
リノベ部屋に入居している借主の声をしっかりと伝える
価格競争回避するために、独自集客を展開
することによって、リノベーションを機に家賃値上げ集客は十分可能です。
弊社物件では2018年からリノベーション事業を開始し、2020年から黒字決算が続くようになり、今期は過去最高売上を達成することができました。
▶新築物件に対抗できる方法については、過去記事をご覧下さい。
今回ご紹介した内容をを実践して頂ければ確実に効果は期待できますが、「こんなのどこから手をつけていいかわからない!」という方もいらっしゃるのではないかと思います。
そんな時は私ども(有)山長の「お手軽無料相談」をご利用ください。
過度なメール配信、強引な営業活動等は一切行なっておりませんのでどうか安心してご相談ください。


取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
あなたのアパート経営を支援させていただきます!
▶︎〒400-0053 山梨県甲府市大里町2090
▶︎まずはお気軽にお問い合わせください
055-241-2218
090-8514-3562