
賃貸空室が埋まらないのは、築年数や家賃が問題?
更新日:2022年12月24日
賃貸物件は、築年数が経過すれば「資産価値が低下」してきますので、家賃を維持し続けることは難しくなります。よほどの好エリアではない限り、築10年/20年を超えてくると、一気に家賃が値下がり=家賃相場自体が下がるので、家賃収益に影響が出てきてしまい、更には募集をしても「空室が埋まりにくく」なってしまいます。
管理会社に管理委託しているのに、空室が埋まらないのは「管理会社の怠慢だ」と、憤りを感じる方がいます。本質をしっかりと理解しないまま空室が埋まらないのは「築年数」「エリア内に競合他社物件が乱立している」「家賃が高すぎる」からと決めつけていいものなのでしょうか?
本投稿は、賃貸空室が埋まらないのは築年数や家賃に問題があるのかどうかについて、お伝えいたします。
▼目 次
1.八ヶ岳にあるスーパーが超人気な理由
山梨県北杜市にあるスーパーマーケット「ひまわり市場」
こちらのスーパーマーケットは、多くのメディアから取材を受ける「超人気スーパー」でありますが、こちらで販売されている商品は、他のスーパーと比べて「価格が高く」なっています。
一般的なスーパーでは価格調整を行っていますが、こちらのスーパーでは「社長自ら店頭に出てマイク放送(ある意味パフォーマンスに近いですが)」を行い、商品の魅力を最大限伝えています。
商品の値段は高いですがクオリティーが非常に高く、お客様も「納得して購入」されているため、経営状態は「超黒字」で、毎年「増収増益」を達成しているとのことです。

賃貸業界では築年数で物件判断してしまうかたが多いため、競争力が低下している築年数が経過した物件はどうしても核競争になりがちです。ただ築年数が古くてもしっかりと魅力を伝えれば、築年数や家賃帯で物件判断する方は、さほど多くはありません。
後程詳細をお伝えしますが、弊社物件は築年数が30年を迎えているものの、顧客が創造できるようなリノベーションを展開した結果、増収増益&満室を達成するまでに至りました。
▶リノベーションで顧客の創造がどうして重要なのかについては、過去記事をご覧下さい。
【過去記事】顧客満足度を意識していない空室対策は、必ず失敗する
2.家賃値下げすれば埋まる時代は、もう終わり

昨今では「少子高齢化」「戸建て住宅住替え」の影響によって、需要より「供給数=募集部屋」が圧倒的に多いので、地方都市では空室率悪化が社会的問題となっております。
需要より供給数が上回っていれば、どんなに家賃を値下げしても空室が埋まらない部屋が出てきていしまうため二極化が進んでしまう懸念が生じてしまいます。
実際に弊社物件周辺にある築古物件では、家賃相場よりはるかに安くして募集していますが、リフォームなどは行っていないことから成約になる見込みはまずありません。また家賃を値下げしてしまうと、物件内の他の部屋と乖離が発生してしまうため、値下げ交渉が入りやすくなります。
このようなことが続いてしまうと、負のスパイラルに陥ってしまい、経営が悪化するのは時間の問題となってしまいます。
▶賃貸経営の負のスパイラルに関しては、過去記事をご覧下さい。
3.ターゲットに響くような部屋を作る必要性

山梨県甲府市にある弊社物件は
「築29年目の和室アリ2LDK」
「日本一空室率が悪い県」
「弊社物件周りには、競合他社物件が乱立」
「価格競争が激化」
正直に言うと、甲府市の中でも「賃貸激戦区」に物件があります。
このような状況下の中で、弊社物件は2018年以降家賃値上げを目的とした差別化リノベーションを展開しています。軌道に乗る前はなかなかうまくいきませんでしたが、2020年以降は満室&増収増益を達成することができ、今期(2023年)に至ってはアパート収入が過去最高を更新することができました。
弊社リノベーションが成功したのは、集客ターゲットを徹底的に絞ったことが要因であると考えています。
(1)集客ターゲットに響くような部屋を作る
賃貸集客する際「集客ターゲットを明確に定めた」上で行っているはずですが、ただ空室が埋まらない部屋は集客ターゲットがあいまいになっている可能性が高いです。
弊社リノベーション物件の集客ターゲット(ペルソナ設定)は
20代~30代後半の「カップル」「新婚さん」「子育て世代の夫婦」
とし、成約のカギを握っている「女性=奥様」が気に入るであろう、ナチュラルテイストに特化したお部屋作りを展開しています。
無垢材や漆喰といった「自然素材の材料」を室内に導入することによって、まるでおしゃれなカフェのお店にいる可能様な「雰囲気」を出すことで、家賃以上の価値を見出してくれる部屋となることから、家賃値上げしても「納得してご入居」して頂いております。
▶弊社リノベーションの詳細については、過去記事をご覧下さい。
【過去記事】【アパートのリノベーション】実体験をもとにメリットとデメリットを解説
(2)見込み客の心理状態を先取りしたリノベーション

内見に来た時点で少なくとも、見込み客の分類でいうと「そのうち客」もしくは「お悩み客」のどちらかとなります。
内見時において「部屋の魅力を伝えられる」ことができれば、成約率は高くなりますが確率的には10%を切ってしまうため、どのようなアプローチをすれば「今すぐ客」になってくれるか、悩んでいる貸主は多いと思われます。
弊社物件では公式サイトを開設しているため、物件独自の見学会を開催しています。
この見学会の特徴は、「今入居するとオトクですよ」などといった「営業トーク」「追客」は基本的にNGとしており、あくまでもお部屋紹介に徹した見学会としていますが、見学会に来られた方の約8割は、そのままご成約して頂けるという、驚異的な見学会になっています。
どうして弊社見学会に来られた方の多くがそのままご成約をして頂けるのかというと、お客様の悩みをしっかりと説明することができるためです。
【お悩み客を今すぐ客に変える方法】
お悩み客に共通しているのは、「入居したいけれど、理由があって諦めている」「入居したいけれど、今ではない」といった考えを持たれている可能性があります。
弊社リノベーション部屋(上級グレード)においては、LDK・和室・洋室の全ての部屋(壁に、自然素材の漆喰が施工されています。漆喰を施工すると、生活上の悩みを可能な限り「改善」してくれることができるのですが、お悩み客を今すぐ客に変えてしまう「究極の方法」を伝えさせてもらっています。
(1)光熱費を下げることができる
弊社リノベーション部屋の中で、上級グレードの部屋では、自然素材の漆喰が施工されていますが、漆喰には調湿効果が期待できるので、少ない冷房でも効率よく室内を快適にしてくれます。
実際に弊社リノベーション部屋にご入居されているお客様のお話では、以前入居してた部屋と比べて「夏場の電気料金が2000円安くなっていた」と報告してくれたことから、そのお話を見学会時にお伝えすることによって、物件PRをすることができます。
(2)住みにくい築古を住みやすくする
漆喰を採用することによって、機能性改善が期待できます。
漆喰を導入することで、「調湿性の改善」はもちろんのこと「保冷保温効果」「吸音効果」がそれぞれ期待できるため、一般的な賃貸より快適な暮らしをすることが可能=説明することができます。
これは実際に弊社物件にご入居されているお客様に「入居後の暮らし」に関して取材をしていることから、「お悩み客を今すぐ客に変える」ことは、十分可能となります。
【そのうち客を今すぐ客に変える方法】
そのうち客の特徴は、「入居したいが、そのうち考える」であるため、それを打破=理解してもらうためには、具体的な提示をすることが必要となります。
弊社では「指定仲介会社で賃貸借契約」していただくだけで、初期費用が大幅にお安くすることができると伝えてあります。
一般的な初期費用の平均は、「家賃4~6か月」ぐらいとなります。初期費用は原則として一括支払いとなるため、多くのお客様は「高額となりやすい初期費用を何とか抑えたい」と考えますので、入居申込時などで「交渉したい」と考えます。
しかし、弊社公式サイトからお問合せをされたお客だけは、
敷金無料
礼金無料
仲介手数料無料
フリーレント1か月付
保証会社の初回保証料
とお伝えし、あらかじめ用意した「初期費用の見積書」を提示すると、お客様の顔が朗らかになります。
どうしてかというと、弊社でご用意した初期費用は「相場の約4分の1程度」となっておりますので、浮いた費用で『「引越費用」や「新生活費用」に回すことができますよ』とお伝えすると、お部屋や家賃に満足して頂けているお客様であれば、一気に入居したいと考えてくれます。
4.きれいにすれば、仲介会社は紹介してくれる

物件紹介してくれる仲介会社にとって、成約に繋げられる物件があると積極的に紹介/案内をしてくれます。
近年ではリノベーション物件が社会的にも認知されているため、築年数が経過していたとしても、室内が奇麗であれば、集客上プラスとなります。
余談ではありますが、弊社物件では2022年3月後半から5月にかけて3件退去が発生してしまいましたが、4月から6月にかけて3件とも埋まり満室になりましたが、3件とも他社仲介会社のご紹介によるものでした。
その内の1社は、弊社リノベーション部屋の存在を把握していたとのこと。
つまり、顧客が創造できるような部屋を提供することができれば、仲介会社は必ずと言ってもいいほどマークしているため、お部屋を探している方はもちろんですが仲介担当者にも気にいるような部屋を提供すれば、時期に関係なく客付けしてもらえる可能性は高いと言えます。
5.まとめ

今回は、賃貸空室が埋まらないのは、築年数や家賃が問題なのかどうかについて、お伝えしました。
賃貸市場は確実に供給数が飽和状態となっているため、特に築年数が経過している物件は集客が難しくなると言わざるを得ません。
しかし、顧客の創造ができるような部屋を提供することができれば、築年数関係なく入居してもらえる可能性が高く、実際築30年を迎えようとしている弊社リノベーション物件は、家賃相場より高い家賃設定となっているものの、顧客が創造できるようなリノベーション部屋になっているため、満室を達成することができています。
今回ご紹介した内容を実践して頂ければ確実に効果は期待できますが、「こんなのどこから手をつけていいかわからない!」という方もいらっしゃるのではないかと思います。
そんな時は私ども(有)山長の「お手軽無料相談」をご利用ください。
過度なメール配信、強引な営業活動等は一切行なっておりませんのでどうか安心してご相談ください。


取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
あなたのアパート経営を支援させていただきます!
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