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賃貸オーナーが空室対策で優先すべき施策とは?


賃貸経営ではサブリース契約を除き、最終的な決定権は全て賃貸オーナーにあります。そのためオーナーの決断一つで、賃貸経営の命運は大きく分かれると言っても過言ではありません。



このような話をすると、多くの賃貸オーナーは委縮してしまいますが、実際には適切な空室対策を行えば、築年数が経過したとしても賃貸経営を成功させることは可能になります。



本投稿は、賃貸オーナーが空室対策で優先すべき施策について、解説いたします。


▶︎お知らせ◀︎


私の経営する有限会社 山長ではアパートの経営改善、空室対策など賃貸経営者を支援するコンサルティングサービスを行なっています。自己破産寸前の状態から空室ゼロへ、そして安定した入居率を実現するまでに至った経験をもとにオーナー様と一緒になって改善のお手伝いをさせていただきます!

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【本記事でお伝えする結論】


  • 空室率悪化の原因は、物件供給数飽和が原因。


  • 今後生き残りを図るためには、競合物件との差別化がとても重要


  • 弊社物件は、顧客目線に立った差別化リノベーションを展開することで、収益性アップさせることに成功

▼目 次



1.空室対策の全体像と基本的な方法


空室対策の全体像と基本的な方法


1)空室問題が多い原因


賃貸物件で空室が増える主な原因は、賃貸市場における需要と供給のバランスが崩れ、借り手側に有利な状況になっているからです。



部屋を探す方は賃貸系ポータルサイトを利用しており、同サイトには地域ごとの家賃相場が掲載されています。



希望する物件の家賃がエリアの家賃相場に乖離していると、家賃が安い物件が選ばれる可能性が高く、また家賃予算の範囲内で選べるのであれば、築年数が浅い物件が優先されてしまいます。



その結果、競争力が低下した築年数が古い物件は、空室が埋まりにくくなり、同築年の他社物件との競争が激しくなることで、収益性が低下しやすくなります。



2)物件の魅力をアピールする方法


物件の魅力をアピールする方法

at-homeが発表したリリースによると、賃貸物件を探す方が賃貸系ポータルサイトを利用する際の行動パターンについて、興味深いデータが明らかになっています。



  • ポータルサイト利用者の約半数以上は、水回り写真を確認している

  • 掲載写真枚数が多く、きれいで見やすい写真ほど、問い合わせにつながりやすい



一般的に募集部屋の写真撮影は、仲介会社が行っています。しかし撮影スキルが高い仲介担当者であっても、物件自体のクオリティーが低ければ、反響に繋げることは難しくなります。そのため賃貸オーナーが再募集を行う際には、築年数に応じたリフォームやリノベーションを行うことが重要になります。



また周辺環境を把握しやすい地図や、部屋の間取りも併せて掲載すると、物件の魅力を最大限アピールすることができるため、内見予約につながりやすくなります。


▶at-homeが発表したリリースの詳細は、こちらをご覧下さい。



3)効果的な設備改善とリノベーションのノウハウ


効果的な設備改善

一定期間募集しているのに空室が埋まらない理由としては、物件の資産価値が低下している可能性が考えられます。



特に築20年以上の物件では、設備の老朽化が目立ち、また機能性や利便性が低下しているため内見時の部屋の印象が悪くなります。



貸主によっては、設備の入れ替えを避けて、適正家賃以下で募集するケースがありますが、競争力が殆どない物件に住みたい方は少数派です。結果的に空室による家賃機会損失は、さらに大きくなってしまいます。



近年では部屋探しの多様化が進んでいることもあり、築20年以上経過した物件でも、設備や内装、間取りを現代のライフスタイルに合わせたリノベーションを行えば、築年数で物件判断されることが少なくなり、また資産価値が向上するため、結果的に収益性を改善させることができます。



さらにリノベーションに合わせて、ニーズが高い宅配ボックスやインターネット無料などの人気設備を導入すると、顧客満足度が高くなるため長期入居者を確保しやすくなり、費用対効果を十分に実感できます。


▶リノベーションのノウハウ、タイミングについては過去記事をご覧下さい。






▶最新の人気設備の詳細は、過去記事をご覧下さい。




2.費用対効果を考慮した空室対策


費用対効果を考慮した空室対策


1)家賃設定と賃料見直しの重要性


株式会社AZWAYが「部屋探しで欠かせないこと」について、10代から60代以上までの715名を対象にアンケート調査をしたところ、「家賃を重視している」と回答した方が最も多く、約4割いることが分かりました。



このことから、募集家賃と相場に乖離が発生していると、家賃が安い物件が選ばれる可能性が高くなることが推察できます。



安定した客付けを目指すためには、適正家賃での募集が鍵となりますが、適正家賃を確認する際には、以下の3つの方法があります。



  • 賃貸事例比較法

  • 積算法

  • 収益分析法



このうち、管理会社が良く家賃設定する際によく利用しているのが「賃貸事例比較法」で、エリア内に存在する類似条件の家賃を比較して相場を算出します。



ただし、この方法は手間がかかる点がデメリットですが、SUUMO賃貸経営サポートを活用すれば簡単にエリア内の家賃相場を調べることができます。



家賃相場に近い設定で募集することで、賃貸系ポータルサイト内での反響数が増加し、早期成約が期待できます。


▶株式会社AZWAYが発表したリリースは、こちらをご覧下さい。




▶家賃相場と賃貸集客の詳細については、過去記事をご覧下さい。



2)礼金・敷金の条件見直しとその効果


礼金・敷金の条件見直しとその効果

賃貸物件に入居する方は、契約前に初期費用を支払う必要があります。初期費用の中には、昔からの商習慣が今でも残っており、その代表的なものは敷金と礼金です。



敷金は、借主が家賃滞納や夜逃げが発生した際に相殺できる「担保金」の要素が強いもので、一方、礼金は入居許可を出してくれた賃貸オーナーへの謝礼金の要素が高いものです。



しかし近年では家賃保証会社の普及により、敷金とある程度同じぐらいの保証が得られるようになり、また現在の賃貸市場は、借り手有利な状況が続いているため、感謝を表す意味が強い礼金を支払うことは、現在の価値観には合わなくなっています。



そのため現在も敷金と礼金が設定されている物件は、この際見直しを行うと、初期費用の圧縮につながるため入居促進効果が期待できます。


3)コストパフォーマンスに優れたリフォーム・リノベーションアイデア


コストパフォーマンスに優れたリフォーム・リノベーションアイデア

近年の賃貸業界は物件供給数が飽和状態となり、築年数が古い物件を中心に競争が厳しくなっています。この状況下で、早期に部屋を埋めるには、築年数に応じた効果的な空室対策を講じることが重要です。



一般的に設備の償却期間が終了する築20年を目安に、20年以下の場合はリフォーム、20年を超えたタイミングで、リノベーションを行うと、競争力が高まるため早期成約につながりやすくなります。



しかし改修箇所が増えるほど、その分コストも膨らみやすいため、費用を抑えたいオーナーにとっては悩みの種になります。



そこでおすすめなのが、リフォームやリノベーションを行う際、改修箇所を部分的に限定したり、使用する材料やグレードを調整することで、比較的コストを抑えながらも改修工事を進めることができます。



この手法では、資産価値が高まらないため、収益に関しては期待できないものの、家賃を維持したまま募集を行えば、早期に部屋は埋まりやすくなります。


▶リフォーム/リノベーションアイデアの詳細は、過去記事をご覧下さい。



3.空室対策における物件管理


空室対策における物件管理


日本トレンドリサーチが飲食店の清潔感に関する調査を行ったところ、店内の汚さが理由で二度と行かなくなった」と回答した方は約6割いたとのことです。



この結果から、どんなに料理がおいしくても、お店の第一印象が悪ければリピーターを獲得するのは難しいことが推察できます。これは賃貸物件でも同様です。



建物の周りや共用部分の清掃が行き届いていないと、清潔感は全く感じられないため、内見者が内見した際に抱く印象は、非常にマイナス。たとえ適切な空室対策が施されていたとしても、第一印象が悪ければ成約率は低下してしまいます。



また適切な清掃が行われていないと、入居者満足度も低下するため、物件稼働率までも影響が出てしまいます。



物件清掃は賃貸オーナーでもできる簡単な仕事です。もし物件が自宅から近い場合、定期的に掃除するだけで物件印象は大きく改善され、成約率や稼働率にも良い影響を与えます。



そしてオーナー自身が掃除を行えば、外部委託に任せる必要はなくなるため、コストも抑えられます。一石二鳥で負担もしくないこの方法は、ぜひ積極的に取り入れてもらいたいところです。



4.物件の魅力を最大限に引き出すアイデア


物件の魅力を最大限に引き出すアイデア

賃貸経営を行っているオーナーにとって、一番の悩みと言えば「物件の魅力」をどう高めるかではないでしょうか?



賃貸市場は今後、人口減少と物件供給過多が進むため、全国的に賃貸空室率は上昇することは避けられなくなっています。特に競争力が低下した古い物件ほど、その影響を受ける可能性は高くなります。



築年数が古い物件が生き残るためには、物件の魅力を高めることが必須となります。この問題を解決しようと思う際、人気設備の導入や老朽化した設備を入れ変えることを連想するオーナーは多いと思います。



しかし、それ以上に重要なのは、入居希望者が求める「インテリア空間」をどう提供するかだと弊社では考えています。見た目や設備以上に、居住空間全体が持つ雰囲気やデザインが、人々の心を惹きつける大きな要素があるからです。



賃貸入居者の約7割は好きなインテリアテイストを実感できていない

株式会社一条工務店では、全国の男女1,097名を対象に「住まいのインテリアに関する意識調査」を実施したところ、賃貸物件に入居している人の約7割は「好きなインテリアテイストを実感できていない」ことが分かりました。



このリリースから、多くの賃貸物件が顧客が好むインテリアデザインを提供できていないことが分かります。ただ視点を変えれば、リフォームやリノベーションを行う際、ターゲット層が好むインテリアテイストにすれば、必然的に物件の魅力が増すため、客付けに有利になってきます。


▶一条工務店が発表したリリースは、こちらをご覧下さい。


5.リスクを避けるための空室対策


リスク分析と問題回避のためのチェックリスト


賃貸経営で一番難しいのは、退去を予測することが難しいことです。学生向けアパートの場合では、ある程度のサイクルが想定できますが、それ以外の物件ではいつ退去が発生するか分からず、オーナーにとって悩ましい問題となります。



さらに閑散期に退去が発生すると、需要自体が少なくなるため、空室期間が長くなる可能性があります。このような時、以下の空室対策を行うと効果的と言われています。



  • 広告料増額

  • 客付けに強い仲介会社に定期的に訪問営業する

  • 家賃を下げる

  • ホームステージング



これらは「低予算でアプローチできる」点ではメリットと言えますが、一方で、競合物件も同様の対策を行うことが多くなるため、物件間の競争が激しくなります。



また、部屋探しされる方は事前に内見する部屋を決めているため、仮に上記対策を講じたとしても、他社物件のクオリティーが高ければ選ばれる可能性は低くなります。



6.宣伝と募集方法による空室対策


宣伝と募集方法による空室対策

賃貸系ポータルサイトは、家賃や築年数などの条件を入力して内見したい物件を絞りこむことができます。そのため、人気があまりない築年数が古い物件は、検索に引っかかりにくくなり、反響数を高めることが難しくなります。



またリノベーションを施したとしても、サイト内の「リノベーション定義」に一致しなければ専用ページの掲載ができないことも、宣伝効果を拡大する上で大きな障壁となってしまいます。



そこでおすすめする宣伝手法とは、賃貸オーナー自身がSNSを活用して物件情報を投稿することです。賃貸市場の中心層であるい20~30代は「リアルな情報と時短検索」を求めているため、この戦略がターゲット層と直接つながる鍵となってきます。




実際に一条工務店の調査によると、若い世代が室内インテリアやデザインを参考する際、最も活用している媒体がInstagramであることが分かっています。



このことから、ターゲット層に訴求するデザイン性が高い部屋を作り、その魅力をSNSを通じて発信することで、ハッシュタグ検索によってダイレクトに届き、反響数や成約率をアップさせることが期待できます。



仲介会社を味方につける



仲介会社における収益の主軸は仲介手数料ですが、内見からの成約率は約2割と低めです。そのため売上を伸ばすには契約件数を増やすと同時に、魅力的な物件を以下に紹介できるかが鍵となってきます。



そこでおすすめなのが、SNSなどで賃貸オーナー自ら物件紹介し客付けに成功した場合、仲介会社にお客様を紹介し契約手続きを代行してもらうことです。



仲介会社側の立場になれば、自ら営業しなくても契約件数と仲介手数料収入の2つが得られるため、今後積極的に物件紹介される可能性が高まります。




7.成功事例から学ぶ空室対策


成功事例から学ぶ空室対策


1)成功したアパートの事例紹介


ここで、空室対策に成功したアパートの具体的な事例をご紹介します。



弊社が所有する物件は山梨県にありますが、山梨県の賃貸空室率は全国平均と比べて約4%ほど高い25%となっています。またエリアの特徴としては、1990年から2000年にかけて建設された物件が多く、その多くが原状回復程度のリフォームしか行っていないため、価格競争が激化しています。



弊社物件も築年数は経過しているものの、競合物件と比べ表装リフォームを強化していたため、2016年まで客付けに苦戦することはありませんでした。



しかし翌年の繁忙期、これまでの空室対策が通用せず、客付けに失敗しました。この経験から表装リフォームのみでは資産価値の低下は抑えられないと判断し、リフォームからリノベーションへと方針転換しました。



翌年からカフェスタイルに特化した差別化リノベーションを展開したところ、2年後から4期連続で増収増益を達成し、年間稼働率は95%以上を維持しています。


▶弊社がリノベーションへと方針転換した詳細については、過去記事をご覧下さい。



2)空室対策リノベーションが成功したワケとは?


バリュープロポジション


弊社の空室対策リノベーションが成功した最大の要因は、顧客が求める価値と弊社が提供する価値が一致したことが大きいです。





弊社物件の間取りは2LDK~3LDKで、借主属性は20~30代の新婚夫婦やカップルが全体の約8割を占めています。ファミリー物件の場合、女性が部屋探しの主導権を握っていますが、次のようなニーズを抱えている傾向があります。



  • 自宅でリラックスして、落ち着ける空間を求めている

  • シンプルで統一感のあるデザインを好む



これらの嗜好は花王が発表したリリースでも裏付けられています。そこで弊社物件では、カフェスタイルに特化した差別化リノベーションを展開し、具体的なニーズに応える空間づくりを行っています。



カフェスタイルキッチン


ホワイトインテリアに囲まれたすっきりとした空間


その中でも特に人気なのが、温かみのあるおしゃれなカフェスタイルキッチンです。シンプルでナチュラルなデザインは、日々の料理を楽しい時間へと変え、さらに「おうちカフェ」としてリラックスできるとして、とても喜ばれています。




また、全体的に白を基調としたシンプルなデザインを採用することで、統一感を重視する方にも理想的な空間となります。自然素材を活用した本格的なリノベーションを通じて、競合物件との明確な差別化を図ることができ、その結果従前より最大10%の家賃値上げに成功しています。


3)改善結果と課題


リノベーション前後の入居率/家賃収入

競合物件との明確な差別化を図ったことにより、弊社物件ではリノベーション前と比べ入居率や家賃収入とも大幅に向上させることに成功しました。ただし、いくつかの課題も依然として残っています。



その中で特に挙げられるのが、築年数の古さが影響して、新築物件と比べると「収納力」が圧倒的に劣っている点です。



既存の収納スペースを拡張する方法もありますが、費用が高額になってしまいます。そこで弊社の取り組みとしては、今後リノベーションを行う際には、洋室の一部に長めのハンガーパイプを設置することで、収納力強化を図りたいと考えています。


**お役立ち情報**


ハンガーパイプ設置

2025年8月末、5年前にフルリノベーションした部屋が退去となりました。



退去後、浴室の一部に長めのハンガーパイプを新設しました。






▶弊社リノベーションの詳細については、過去記事をご覧下さい。




8.まとめ


今回は賃貸オーナーが空室対策で優先すべき施策についてお伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認してみましょう。


  • 空室率悪化の原因は、物件供給数飽和が原因。


  • 今後生き残りを図るためには、競合物件との差別化がとても重要


  • 弊社物件は、顧客目線に立った差別化リノベーションを展開することで、収益性アップさせることに成功


近年ではインフレの影響により、新築物件の家賃が上昇しています。しかし実質賃金が伸び悩んでいる現状では、以前のように建物完成前の全室満室が難しく、物件によっては広告料を設定してやっと借り手が見つかるケースもあります。



こうした新築物件の集客状況を踏まえると、従来通りの空室対策だけでは早期成約は厳しいと言えます。その中で成功するためには、柔軟な戦略が求められます。



安定した賃貸経営を目指すためには、賃貸オーナー自身が顧客ニーズをしっかりと理解し、危機感をもって空室対策を講じることが求められます。


部屋を探す方が「住みたい」と思える物件づくりやサービスの提供により組まなければ、客付けはさらに厳しくなるでしょう。現状を冷静に分析し、変化に対応した工夫を行うことが成功への鍵となりそうです。






今回ご紹介した内容を実践して頂ければ確実に効果は期待できますが、「こんなのどこから手をつけていいかわからない!」という方もいらっしゃるのではないかと思います。


そんな時は私ども(有)山長の「お手軽無料相談」をご利用ください。


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空室対策コンサルタント 有限会社山長
有限会社山長 長田 穣

取締役 長田 穣(オサダミノル)

アパート経営、空室対策コンサルタント


あなたのアパート経営を支援させていただきます!


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