更新日:2022年9月16日
築年数が経過すればするほど、物件の資産価値は低下してしまうので、「家賃維持」をすることは非常に難しくなってしまいます。特に築年数が「10年目」「20年目」を迎えると、エリア内の家賃相場が一気に値下がりする傾向となるため、しっかりと空室対策をしないと、家賃を維持することは難しくなってしまいます。
資産価値を少しでも高める方法としては、「適度な設備投資」をするのが有効的と言われています。その代表例が「リノベーション」。
築年数が経過している物件の「内装」「設備」を一新することによって、築年数を感じさせない「新しい価値」を見いだせることができ、近年では「リノベーション物件」が社会的にも認知されていることもあるので、リノベーション物件に入居したいお客様の数は増加傾向となっております。
しかし、リノベーションをするとなると「新たな借り入れ」を起こす必要が出てくることから、「キャッシュフローがうまく回らなくなる危険性が強い」と判断するオーナー様もいると思われますので、リノベーションに対する考え方そのものは理解できるものの、つい躊躇してしまうオーナー様の方が多いのではないでしょうか?

近年では、途中から「サブリース契約」に切り替えることができる管理会社が出てきました。サブリース契約にすることによって、空室が発生したとしても「毎月の家賃支払い」は一定となっているため、オーナー様としてみたら「空室発生による賃料減少」を心配することが無くなるので、案して賃貸経営を行うことができますが、ただサブリース契約に切り替えたからと言って、安心することはできません。
1.サブリース契約のメリット

先程からお伝えしている通り、サブリース契約に切り替えることによって、管理会社がオーナー様物件を「借り上げ」を行い、それをお部屋探しをされている方に貸し出す(転貸)することになることから、例え空室が全室発生していたとしても、毎月の家賃支払い額は一定となります。
さらに通常では、退去後に行うリフォームや設備交換などは、オーナー様負担となってしまいますが、サブリース契約になると「それらも全て管理会社負担」となることから、キャッシュフローがしっかりとできる点も、メリットと言えます。
2.サブリース契約のデメリット

借地借家法がオーナー様立場を苦しめる
借地借家法という法律があるのですが、この法律は「法的弱者」となってしまう「借主を保護」するために、民法よりも「手厚く保護」できるように定められた法律です。
このような説明があると、「これはお部屋を借りられている入居者様のことを言っている」と思われがちですが、管理形態が「集金管理」「サブリース」によって、借主の立場が180度変わってきます。
集金管理の場合は、貸主=オーナー様で、借主=ご入居者様という構図になりますが、これがサブリース契約となると、貸主=オーナー様ですが、借主が管理会社となり、管理会社=借主は、入居者様に転貸していることになります。
つまり、サブリース契約で契約してしまうと、借地借家法による借主は管理会社ということになるので、管理会社の意向が、とても強くなってしまう可能性が出てきてしまいます。
借地借家法第32条1項=伝家の宝刀を切る可能性
余程の好エリアでない限りは、家賃相場は「築年数が経過」するごとに値下がり傾向となってしまいます。サブリース会社は「たとえ空室が発生していたとしても、毎月の家賃は固定で支払う」ことになるので、「稼働率が悪い」「家賃相場と現在の家賃に相違がある」と、明らかに管理会社側が不利にになってしまいます。
そこで「家賃相場と設定家賃とに大きな乖離」が発生していることが分かった場合には、更新のタイミングで「借地借家法第32条1項に基づく家賃減額請求」をオーナー様にお願いすることになります。
管理会社側から「家賃減額請求」を求められた時、「そんなものは断ってしまえばいい」とふと強気な態度をとってしまいがちになりますが、もし交渉そのものに対して拒否をし続ける=交渉のテーブルにも立たない場合においては、最悪管理会社が「賃貸借契約の解除」を通告してくる可能性が出てきます。
つまり、解約を申し出されてしまうと、家賃保証そのものがなくなってしまうので、ローン返済ができなくなってしまう可能性が出てきてしまいます。さらに管理会社によっては「現在入居されている方を、エリア内にある物件に住替え」させてしまうところもあるので、無人状態になったまま引き渡されることも、あり得る話。
さらにオーナー様が家賃値下げに応じたとしても、物件によっては「従前家賃」を比べて大幅減となる可能性も高くなることから、キャッシュフローがうまく回らない可能性が出てきてしまいます。
3.集金管理/サブリースどちらがいいのか?

集金管理/サブリースのどちらがいいのかについては、一長一短といったところです。
集金管理ではオーナー様の権限が強いので、家賃設定/礼金取得などができることから、ハイリスクハイリターンにはなってしまうものの、収益拡大を考えているのであれば、集金管理の方がメリットと言えます。
一方サブリース契約は、「賃貸リスクを軽減したい」「本業に集中したい」方にとっては、ベストな契約方法と言えます。管理会社が「借地借家法」を盾に「家賃減額請求」をしてくる可能性は高いものの、需要がある地域に物件を構えれば、値下げ額を抑えられることも期待できます。

取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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