空室対策をする際、賃貸サイトだけでは収益性を確保することはできません。
更新日:2022年9月27日
賃貸物件を募集する際、多くのオーナー様は、不動産仲介会社に協力してもらい、大手賃貸サイト上に物件情報をアップされていると思われます。また余力があるオーナー様や、一日でも早く空室を埋めたいオーナー様は、広告料を別途設定されていると思われますが、弊社では、空室対策を行う際、賃貸サイトだけで対応することに対しては、反対の立場をとっています。
確かに、賃貸物件を探している方は、大手賃貸サイトから、自分達の条件に合った部屋を探し出して、その中から物件見学に行ってもいい部屋を絞り出して、見学に行って、最終的に1つの部屋と決めて契約されます。
ただ、空室対策=賃貸サイト頼みにしていると、様々な部分において悪影響を及ぼす可能性が出てくるので、注意しなければなりません。
目 次
1.賃貸サイトのデメリットとは?

お部屋探しをされる方にとって、賃貸サイトは「自分達が希望している入居条件」を自由に設定でき、希望条件に合った部屋のみが掲載されることから、物件候補を数件に絞り込むことができる点においては、メリットと言えます。
一方、お部屋を貸す側=管理会社/オーナー様の立場で考えてみると、お客様の希望条件が一つでも該当しない物件は、その時点において「成約候補」から脱落することを意味しています。
競争力が低下している築年数が経過した物件では、家賃を値下げ=相場並みにしなければ、検索画面に掲載されてこないことになるので、エリア内にある競合他社物件の家賃が「値下げ」をしてくると、なだれ込むように次々と値下げ合戦をしてくることから、価格競争に飲み込まれてしまい、結果的には「成約ができても利益が出ない」物件になってしまいます。
2.部屋探しをされた方の約7割~8割は、後悔・不満に

驚くべきデーターがあります。
2015年にリクシル住宅研究所が出したリリースによると、賃貸入居者の約8割は「室内の機能性(断熱、湿気、防音)」に対して不満を持っていて、これは築年数が経過すればするほど、不満に感じているとのこと。また不満に思っている人の約3割は、機能性解消のため、引越しを検討していることです。
また株式会社AlbaLinkが2021年に出したリリースによると、賃貸に入居して後悔したことについて、アンケート調査を行ったところ、約7割は後悔していることがわかり、詳細について確認したところ「騒音問題」が最も多いことがわかりました。
リリース元 | 不満理由 | 不満と回答した割合 |
リクシル住宅研究所 | 室内の機能性 | 約8割 |
株式会社AlbaLink | 入居して後悔 | 約7割 |
データーでもお分かりの通り、賃貸の空室対策を講じる際、室内の機能性を可能な限り改善するべきことと、入居者/物件の質を高めないと、不満を感じてしまい、このことが退去のきっかけとなってしまうことから、空室対策をする時には、上記2点を無視することはできません。
3.空室対策の本質とは?

現在空室で親並みのオーナー様にとっては、お部屋探しをされている方の悩みを、募集部屋において可能な限り「改善」させるよりも、少しでも空室期間を減らす=家賃値下げなどして対応したほうが、機会損失を最小限に抑えられると考えている方が、圧倒的に多いと思いますが、賃貸物件の主役は「オーナー様」ではなく、お部屋を借りられる「お客様」です。
お客様の意向を完全に無視した「空室対策」を行っていれば、必ずその振り子はオーナー様にもむけられるので、もし不祥事などが発覚したら、一発でオーナー様の物件は、信用を無くされると思われます。
空室対策の本質とは、予算をかけてフルリノベーションをすることではありません。
オーナー様がお客様の立場に立って考えていただければ、よくわかると思いますが、古くなった設備や、ありきたりの壁紙を使用しているような部屋に、お金を出してまで入居したいと考えますか?
恐らく大多数の人は「平凡な部屋に入居するより、快適な暮らしができるような部屋に入居したほうがいい」と、誰もが思うはず。もし都合によって「あまり部屋に予算をかけられない」場合、例えば「浴室のシャワー水栓を最新のものに交換」するだけでも、お客様は喜ばれます。
またトイレは、賃貸の部屋の中で「最も狭い部屋」であることから、壁紙を全て変えたとしても、数万円程度となることから、壁紙の一部を「消臭効果が期待できる機能性壁紙」に変えるだけでも、お客様は喜ばれますし、またこのようなことを行っている賃貸は、ごくわずかですので、差別化にもつながります。
つまり、少しでもいいので「設備を交換することによって差別化が図れるような部屋作り」を行えば、今のお客様は「複数のお部屋を見学されている」ことから、差別化された部屋に入居したいと思うはずですし、何より機能性を改善された部屋は、お部屋をお客様に紹介する仲介担当者にとっても、歓迎すべきことなので、優先してお部屋紹介をして頂けるはずです。
4.ホームステージング頼みの集客は、一長一短

最近の賃貸空室対策のトレンドとして、募集している部屋に「ホームステージング」を行い、少しでも室内印象をよくする=入居後のイメージを作りやすくする方法が流行っています。
確かに、室内空間に「おしゃれな家具や雑貨」などがあれば、お部屋探しをされている方にとっては、「おしゃれな部屋」といった印象が残りますので「お部屋見学に行きたい」という気持ちになります。
ただ、上記空室対策を強化している物件では、室内設備のクオリティーに関しては、正直差別化ができていないので、物件が成約した時は、当然展示してあったステージングは撤去することになります。何もなくなった時に、果たしてお客様がその部屋に「本当に住みたい」という気持ちになるのか、また入居ご満足した生活が送れるのかについて、残念ながら未知数的な要素が満載となっているので、後悔しないか個人的には心配です。
ホームステージング集客を「賃貸物件」で行っている所は、正直少ないので、現時点においては、成功しているかのように思えますが、ただもしホームステージング集客をする物件が、エリア内において増加傾向となったら、どうでしょうか?
恐らくまた価格競争になってしまい、収益性が悪化することは、間違いありません。
弊社所有物件においては、他社が真似することができないぐらいの「リノベーション」を行っているので、家賃相場の影響を受けにくく、またSNS集客を行っていることから、ハッシュタグ検索をされた方に、ダイレクトに当物件の情報が流れることから、近年ではSNS経由で物件お申込みをされる方が増えてきています。
5.まとめ
賃貸サイトからの集客では、希望条件に合致した方のみしかターゲットとならないことから、家賃設定をする際には「相場」を気にしなければならなくなり、家賃相場は一部エリアを除き、下落することはほぼ間違いない事から、賃貸サイトのみの集客だけでは、利幅は確実に減少し、経営的にもマイナスとなります。
しかし、やり方次第では家賃相場を無視したとしても、成約させることは可能となることから、現在空室対策でお悩みのオーナー様は、ぜひ一度弊社に相談してみてはいかがですか?

取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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