空室対策で大切なこととは?
これからの賃貸市場は人口減少の影響により全国的に賃貸空室率は悪化し二極化が鮮明になります。
競争が厳しくなる賃貸市場で生き残るためには空室対策は必須ですが、空室対策を行う際「顧客が創造できる賃貸アパート」を意識することがとても重要となってきます。
近年の賃貸空室対策は「人気設備」を増強させることが求められますが、競合と同じ空室対策を行えば確実に同質化となるため価格競争に巻き込まれてしまいます。
賃貸物件を探している方が求めているのは設備増強より「室内機能性向上とデザイン性がいい部屋」です。この部分を間違えてしまうと客付けに苦戦してしまいます。
このような空室対策はNG
①適正家賃を意識する
物件を募集する際、適正家賃に設定することで反響数を高めることができるため早期客付けが期待できます。
ただ近年の賃貸市場は価格競争が激化し、家賃相場は事実上値崩れしています。また賃貸物件供給数は飽和状態となっているため、適正家賃を意識した家賃設定しても昔と比べると早期客付け効果は期待できません。
また適正家賃を意識してしまうと、同一物件内で家賃乖離が発生し他の借主から家賃減額請求が発生する可能性が高くなり、負のスパイラルに陥ってしまうリスクが高くなります。
②リノベーションなどをしないホームステージング
近年の賃貸業界では物件募集時に入居後の生活のイメージを連想させる「ホームステージング」を行う物件が増えています。
ホームステージングを行うと購買意欲が高くなるため、集客効果を高めることが期待できます。
ただ一部物件では最低限のリフォーム+ステージングを行っているところがありますが、築年数が古くなると「目視出来ない部分で劣化が進んでいる」可能性が高くなり場合によっては「建物寿命が短くなる」「入居中に建具トラブル」が発生する恐れが出てきます。
またステージングを行ったとしても資産価値は高くなっていないため、客付けできても収益性を伸ばすことはできません。
③家賃を安くしないと成約できないは、まったくのウソ
客付けに苦戦し空室期間が長期化すると、募集家賃に問題があると判断して家賃値下げをお願いされるケースは多いと思います。
ただ客付けできないのは家賃や築年数に問題があるのではなく、募集部屋のクオリティーに問題がある可能性が高いです。
近年では空室率が悪化しているため、家賃値下げしても早期客付けできる可能性はあまり期待できません。
弊社リノベーション部屋の家賃は家賃相場より1万円以上高い家賃設定していますが、早期客付けに成功しています。
④インターネット無料化
インターネット無料で使えると、毎月のインターネット使用料が無料となるため空室対策上有効的と言われています。
そのため最近では築年数が古い物件でもインターネット無料にしているケースがあります。
ただインターネット無料物件はひとつの回線を各部屋で供給するため利用者が多い夜間帯は場合によっては速度低下が発生しやすいため費用対効果は正直期待できません。
若い世代はネット使い放題プランに加入しているケースが多いため、インターネット無料化は昔と比べると効果は期待できません。
⑤アクセントクロスに依存している部屋
リフォーム時におしゃれな壁紙(アクセントクロス)を施工する物件が非常に増えてきています。
アクセントクロスを施工するとデザイン性が良くなるため、内見時の物件印象を高める効果があります。
しかし人の好みは十人十色であるため、アクセントクロスが必ずしも内見者から受け入れられない/アクセントクロスに飽きてしまう可能性が出てきます。
これは住宅販売会社でも同様のケースが発生していて、最初自分達が選んだアクセントクロスが、次第に飽きてきて(色が強すぎて)部屋とマッチしなくなったから、シンプルな色に交換してほしいと依頼する方が多いとのことです。
そのためアクセントクロスを施工する際は、室内インテリアを意識することが重要です。