客付け仲介会社を増やせば、空室は埋まるの?
更新日:5月20日
賃貸物件を募集する際、お客様を紹介してくれる仲介会社に「募集依頼」を行わなければ、お部屋はまず埋まることはありません。
業界的には、三大ポータルサイトと言われている
SUUMO
at-home
HOME'S
に物件情報を掲載してもらうことは、当然のことと言われています。

確かに、現在のお部屋探しは「大手賃貸サイト」を活用されている方が圧倒的であることから、少なくとも「よく利用されているサイト」に物件情報を掲載してもらうことはもちろんですが、一部の専門家は「元付客付け仲介会社」以外にも、多くの仲介会社に協力してもらって、賃貸募集をしなければ、早期に部屋を埋めることができないと主張しています。
確かに、募集間口を広くすることができれば、その分物件情報をPRすることもできることになるので、集客上においては有利になると思いますが、ただこのやり方では、様々な問題点が浮上してきます。
①間口を広げたとしても、集客力アップとはならない
1つの募集物件を複数の仲介会社が、大手賃貸サイトを使って募集を行ったとしても、それを行ったことで、客付けが早期に決まるとは言えません。どうしてそのようなことが言えるのかというと、そもそも間口を広げたとしても、物件家賃やキャンペーン内容には相違点がないので、早期に部屋が埋まらなければ、それは仲介の営業努力が足りないというより、物件の魅力が低下している=お客様から敬遠されていることが問題であると思われます。
②仲介会社が違うと、審査自体も異なる
大手管理会社物件などでは、募集窓口を1本としている「専任媒介契約」を採用しています。専任媒介契約を採用することによって、仮に他社仲介会社で契約したとしても、元付仲介会社の契約書で契約手続きが行われるので、契約後の管理がとてもしやすいといったメリットがあります。
一方で、多くの仲介会社に募集を行いたいと思った時には、一般媒介契約の物件の方がメリットがあります。募集間口を広くすべきと考えている専門家の方は、こちらを推奨していますが、ただ一般媒介契約の場合では「一番手」で契約をとった会社が、その会社で使用している賃貸借契約書で契約手続きをすることができるため、当然ながら「契約内容が元付仲介会社とは異なる」ので、契約内容を他の方が知ってしまうと、トラブルになる可能性が出てきます。
さらに契約を勝ち取った仲介会社が審査することによって、仲介手数料をもらうあまり「入居審査が甘い」可能性が出てきます。特に家賃保証会社を利用している場合においても、提携している保証会社によっては、信用情報機関を使っていない所もあるので、過去に滞納歴や強制退去歴があったとしても、履歴が確認できなければ、入居を認めることもあり得るので、入居後の管理が難しくなる恐れも出ています。、
③現在のお部屋探しは
賃貸物件を探されている方は、予め「希望物件を数件にまでセレクト」した上で、募集を行っている仲介会社に物件予約をするので、一人の方が仲介会社に訪問する件数は、ほんの数件となっています。
専門家の方々は、物件に近い最寄り駅の前後3駅にある「仲介会社に訪問営業」を行うことを推奨していますが、まず担当者がその物件を見て「契約をとれそう」と思わなければ、そっぽを向いてしまう可能性の方が、逆に高くなってしまうのが正直な所です。

仲介会社の担当者は、1件でも多くの契約を取り、満額の仲介手数料をもらいたいのが本音であることから、担当者もしくは仲介会社にとって「案内をすれば契約が取れそう」な物件であれば、広告料が設定していなくても「最優先で案内」してくれます。
ただ、たとえオーナー様が「訪問営業」をして頂いて、物件PRをして頂いたとしても、その物件に魅力がなければ、広告料を設定してもらえない限りは、蚊帳の外状態になってしまいます。
(ただし広告料設定物件は、エリアによっては「問題あり物件」という認識が強いです)

それでは、仲介会社の担当者が「オーナー様の物件を積極的」に営業したくなる物件とは、どのような部屋を言うのかについて、お伝えさせてもらいます。
①最低限のリフォーム・リノベーションをしている
不動産賃貸物件の供給数は、地方都市においては「供給過多」状態となっていることから、完全な借り手市場となっています。
一日でも早く部屋を埋めるためには、まずは募集してる部屋のクオリティーが良くなっていることが求められます。
室内リフォームやリノベーションを行うと、費用がかさんでしまうので、無理に行う必要もありませんが、ただ最低限のリフォームやリノベーションを行わないと、他社との差別化を図ることができません。
②ホームステージングに頼り過ぎの物件はマイナス印象
近年の賃貸集客において、ホームステージングを行っている部屋が多くなってきています。ステージングを行うと、室内印象が「ガラリと変わる」ので、確かにステージングを行った部屋の写真を、賃貸サイト上に掲載することによって、反響を得られやすくなります。
ただし、室内リフォームが甘い部屋において、ステージングをしてしまうと、問題なのは成約が決まり「家具類を撤去」した後、元々の部屋がそこに出現することから、その部屋を見てお客様がどのように思われるのか?
室内リフォームやリノベーションを行っていれば、ステージング前後の部屋の印象が、それほど大きくはないと思いますが、ステージング頼み集客をしていると、所謂ギャップが激しすぎてしまうので、その点は注意が必要です。
③現場に権限をある程度認めている
お部屋探しをされている方は、ダメ元でも「見学時」「入居申込時」において、交渉を持ち掛けてきます。このような情報はネット上に掲載されてきますので、仲介担当者もこの点は、十分把握しています。
ただ「家賃値下げ」「フリーレント新設」等といった条件が入った場合、現場担当の独断では「判断することはできません」ので、どうしても管理会社(オーナー様)に確認する必要があります。
お客様から入居交渉が入ったということは…
契約に前向き
競合他社物件と比較検討に入っている
事が予想されるので、担当者としては「一気にクロージングをかけて」成約にもっていきたい所ですが、ただお部屋案内をした時が「土休日」だと、場合によっては管理会社がお休みだったりするので、折角の成約チャンスを取り逃がすことになってしまいます。
賃貸経営を熟知しているオーナー様は、その点は十分理解していて、募集開始と同時に「家賃交渉が入った時には、○○円まではOK」「フリーレント追加は状況次第でOK」等と伝えています。この権限があるかないかで、担当者のモチベーションは180度違ってくるので、もし現在お部屋募集をしているオーナー様は、すぐにでも対応して頂けると、現場サイドでは歓迎されます。

弊社所有物件がある山梨県は、
日本一空室率が悪い県で、エリアによっては空室率30%台
さらに弊社物件は
築29年目の2LDK賃貸
和室アリ
家賃相場完全無視の家賃設定
を貫いていますが、この様な状況下であっても、昨年9月末に全室満室を実現し、現在も満室状態が続いています。
このような集客方法は、賃貸業界では「まず受け入れられない」ものであり、さらに賃貸サイト上においては「反響を得ることが難しい」のですが、どうして満室を実現できたかというと…
物件専用HP/Instagram、Twitter集客強化
バリュープロポジション戦略による独自集客強化
徹底した差別化したリノベーション提供
物件の見える化をお客様に紹介
など、今までの賃貸集客では「まず行わなかった」ことを積極的に採用することによって、賃貸集客における「イノベーションのジレンマ」を引き起こしたことによって、他社との差別化を図ることに成功しました。
また弊社リノベーション部屋は、家賃相場よりかもはるかに高い家賃設定で募集しています。この点に関しても、お部屋探しをされているお客様は「事前把握」しているものの、それでも入居してくるのは、やはり「賃貸の見える化」を徹底して追及しているからです。
弊社物件は、20~30代のカップル、新婚さん、子育てしているご夫婦をターゲットにして集客していますが、賃貸のお部屋探し/見学をされる時、お客様が「なんとなくこんな生活ができるのかな?」といった漠然な思いが先行してしまいますが…
弊社では、プロモーションビデオを製作することによって、よりリアルな入居後の暮らしに関して、具体的に説明することができます。
これはまさに賃貸の見える化のひとつとして言えることであり、実際にこちらのビデオをお部屋見学時に見せたことによって、成約して頂いたこともありました。
また賃貸物件において、冬の季節に「雪が降った」時、原則としてお客様自身で雪かきを行わなければなりませんが、弊社物件ではオーナーである自分が率先して、雪かきをしています。
この事実に関しては、弊社物件を管理している管理会社直営の仲介会社では、十分承知しているので、弊社物件にご案内が入った時「即答で説明」することができることから、お部屋探しをされている方が、弊社物件と同じような部屋を探していた時には、優先してご紹介して頂いている=見方を変えれば、客付けがしやすい物件であることを証明しています。
客付け仲介会社を多くしたとしても、現在の賃貸サイト上においては、希望条件に全て合致しなければ、次のステップには行けませんし、さらに検索画面上に掲載できたとしても、条件が全て同じような部屋がずらりと並んでいると、どうしても価格競争になりがちになってしまうので、反響は多いものの「お部屋見学に行く回数」が少なくなってしまいます。
客付け仲介会社を増やす前に、担当者が「客付けしたくなるような部屋」にすることが、最優先であると考えます。

取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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