入居者の虚偽記載が発覚した場合、貸主が取るべき行動とは?

更新日:9月9日


不動産投資は、「部屋を貸す貸主」と「借主」との信頼関係が成立しなければ、賃貸経営を行うことができません。もし信頼関係を破綻するような行為をしてしまった場合には、契約上においては、貸主は事前予告なく賃貸借契約を解除することができます。


賃貸物件を募集する時には、一般的に不動産仲介会社が対応してくれるので、入居審査~賃貸借契約までを行ってくれます。当然ながら「家賃支払い能力がない方」「入居モラルがないと判断された方」などは、入居審査時において「入居不可判定」を下すことがありますが、ただごく稀に「入居申込書に虚偽記載」をする方がいて、担当者などがそのウソ情報を確認することができずに、契約に至ってしまうこともあり得ます。


貸主としては「虚偽記載をした人」をそのまま入居させてしまう行為は、明らかに裏切られた気持ちとなってしまいので、契約を直ちに解除して退去させたいと考えるはずですが、もし実際に虚偽報告をした人が入居してしまった場合、退去させることができるのか?また貸主が取るべき行動とは、一体何なのかについて、お伝えさせてもらいます。


 

▼目 次

1.虚偽記載でよくあるパターンとは?

2.虚偽記載が発覚した場合、退去させられるか?

  1)契約そのものは解除させることができるが…

  2)正当事由がなければ、退去させることはできない

  3)最終的には、司法判断

3.不正入居を防ぐ方法

  1)会社発行の「源泉徴収票」「在籍証明書」を提出してもらう

  2)在籍確認を行う

  3)担当者の相談を聞く

4.仲介+管理一体型に委託する

5.まとめ

 

1.虚偽記載でよくあるパターンとは?

虚偽記載でよくあるパターンとは?

どうして賃貸に入居する際に、虚偽記載をしてしまう方がいるのかというと、本当のことを記載してしまうと、入居審査上において不利になることがわかっているからです。


一般的な賃貸物件では、所謂「水商売系」や「フリーター」と呼ばれている方は、「家賃支払い能力がないのでは?」「昼夜逆転しているので、他の入居者に迷惑をかけるのでは?」「収入が安定していない」等の理由で、断られる可能性が高くなってしまいます。


最近では、水商売系の方でも入居しやすい物件があるものの、少なくとも大手管理会社物件が管理しているところでは、入居を断れる可能性が高くなります。


そこで、どうしても入居したい方は、「身元を隠す」ために、アリバイ会社に料金を支払って、「在籍確認や源泉徴収票」を作ってもらい、あたかもその会社に勤務しているようにみせかけます。


近年では、家賃保証会社を利用する物件が多くなってきたため、入居審査時においては、保証会社も審査を行います。保証会社審査では、入居申込に記載した会社が「本当に実在」するのか、また記載された年収で、家賃支払い能力があるのかを確認し、問題がなければ審査をパスすることができ、管理会社審査においても、「家賃支払い能力」「契約者の人柄」等を総合的に判断して、入居可否を決めています。


仲介会社及び管理会社では、アリバイ会社を使って入居してくる方を「敬遠」するので、もしアリバイ会社を使っていた場合や、少しでも不審な点があると、その時点で徹底的に調査して、結果的にグレーからクロという判定になった時には、入居を許可しない可能性が高くなるものの、アリバイ会社の対応が「精巧しすぎてしまう」と、虚偽を見破ることが難しくなってしまうため、入居を許可してしまう可能性があり得ます。



2.虚偽記載が発覚した場合、退去させられるか?

虚偽記載が発覚した場合、退去させられるか?

入居後に「虚偽記載した事実」が発覚した場合、貸主の立場から考えれば「裏切られた」気持ちがいっぱいになり、今すぐにでも退去してもらいたいのが本音です。


では、虚偽記載したからと言って、「退去をさせること」ができるのかというと、結論から言いますと、非常に難しいです。


1)契約そのものは解除させることができるが…

賃貸借契約書に、「虚偽記載があれば即契約を解除できる」といった記載があれば、貸主は契約を解除することは可能です。ただし契約を解除することができても、退去させることはできません。それは借家権の問題があるからです。


2)正当事由がなければ、退去させることはできない

法的に「部屋を借りる借主」は、貸主からの不当退去を防ぐために、借家権という法的な権利が与えられています。そのため貸主が「更新拒絶や退去をさせたい」場合には、正当事由を示さなくてはなりません。


虚偽記載をしたことは、重大な問題であり、貸主側から見ると「信頼関係を破綻させた」という認識になるのは普通なことです。ただ虚偽記載をしたからと言っても、家賃を毎月支払っていて滞納などはなく、また社会常識を超えるような騒音被害を出していなければ、虚偽記載をしたからといって、信頼関係が破綻しているとは言えない可能性があります。


3)最終的には、司法判断

「家賃滞納を連続して3か月以上続けていた」「騒音被害を出して、他の入居者に被害を与えた」等といったケースでは、提訴すれば「正当事由が認められる」可能性が高くなることから、退去を命じてもらえる可能性は出てきます。


虚偽記載が悪質と見做した場合は、弁護士などに相談して、司法判断を仰ぐことになりますが、正直退去まで持って行くことができるかどうかは、非常に難しいところです。



3.不正入居を防ぐ方法

不正入居を防ぐ方法

虚偽記載を防ぐ方法としては、契約前に確認することが重要となりますが、一般的には仲介会社が対応することになっています。


1)会社発行の「源泉徴収票」「在籍証明書」を提出してもらう

虚偽記載を防ぐ方法としては、契約者となる方が「本当に会社に在籍しているのか」「家賃支払うだけの能力があるのか」を確認することが重要となります。


そのため、仲介会社では「在籍証明書」「源泉徴収票」「住民票」を、契約する前に提出してもらうことによって、その方が確かに在籍しているかどうか、またしっかりとした収入があるのかを、把握することができます。


2)在籍確認を行う

在籍証明書を提出されても、本当に契約者となられる方が「在籍」しているかどうかまでは、把握することができませんので、仲介会社では「事前に断りを入れた」上で、契約者となられる方が、本当に会社にいるのかどうか、確認するために電話連絡を行います。


3)担当者の相談を聞く

仲介担当者は、毎日のように物件案内~契約手続きを行っているので、少しでも怪しいと感じた場合には、すぐに気づくことができますので、場合によっては貸主に「入居動機が不明」等といった相談をすることがあります。貸主の立場で考えた際、折角入居申込が入ったのに、担当者が怪しいからと言って「入居拒否」にしてしまうと、家賃入金がなくなってしまうと「不満に感じる」かもしれません。


ただ、入居後に虚偽記載が発覚した場合、原則的には「退去させることは難しくなる」ことから、もし担当者が「怪しい」と判断した時には、熟考の上判断しないと、あとで後悔してしまいます。



4.仲介+管理一体型に委託する

仲介+管理一体型に委託する

大手管理会社物件に管理委託している場合、直営の仲介会社を運営していることから、契約自体が「専任媒介契約」となる可能性が高くなります。


専任媒介契約になると、他社仲介会社でも募集することができますが、契約スタイルは全て「媒介先のもの」を使用することになります。


そのため、専任媒介契約を結んでいる仲介会社が、審査に厳しいと言われている「信販系」「信用系」保証会社と提携していれば、仮に他社仲介会社を利用していたとしても、利用する保証会社は、媒介先が提携している保証会社となるため、家賃/クレジットカード滞納が過去にあると、審査時において発覚するため、虚偽記載入居を予防することが可能となります。


5.まとめ

虚偽記載が入居後に発覚しても、家賃等がしっかりと支払われていて、また特段問題行動を起こしていなければ、契約は解除することができたとしても、退去させることに対しては、正直ハードルが高くなってしまいます。


契約解除になっても、司法判断を仰がなければ「退去させる」ことは難しいため、裁判で決着をつけない限りは、借主はそのまま住み続けられることが可能となるため、賃貸管理上のリスクが発生してしまいます。


アリバイ会社が精巧に書類を作ってしまうと、虚偽書類であることを見破ることは難しくなってしまいますが、ただし予防策として「家賃帯を安くしない」「審査に厳しい保証会社を利用する」ことによって、入居者の質を高めることができるため、虚偽入居を回避することが可能となります。


 

有限会社 山長


取締役 長田 穣(オサダミノル)

アパート経営、空室対策コンサルタント


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