賃貸物件の資産価値は築年数の経過と共に下落します。そのため年数が経過すると空室が目立つ→客付けのために家賃値下げを余儀なくされてしまうため収益性が低下してしまいます。
しかし資産価値を高める「リノベーション」を行うことで早期客付け/家賃値上げが期待でき、さらに近年では部屋探しの多様化によりリノベーションがされていれば「築年数の古さ」は部屋探しにおいてあまり重要視されません。
▶リノベーションのメリットについては過去記事をご覧下さい。
そのため近年ではリノベーション物件が増加傾向となっていますが、リノベーションで成功するには今回紹介するポイントをしっかりと把握することが重要です。
本投稿は築古アパートをリノベーションする際の注意点について、弊社事例を交えながらわかりやすく解説いたします。
▶︎お知らせ◀︎
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▼目 次
リノベーションする際の注意点①:ターゲット戦略
リノベーションする際の注意点②:金融機関借入/融資期間
リノベーションする際の注意点③:リノベーション後の家賃設定
リノベーションする際の注意点④:差別化戦略
【本記事でお伝えする結論】
リノベーションする際の注意点①:ターゲット戦略
リノベーション物件に興味/入居したい方は、室内デザイン性/機能性を期待しています。そのためリノベーションコンセプトと顧客ニーズがマッチしていないと訴求効果が期待できないため、早期客付けが難しくなります。
リノベーションを手掛ける際、ターゲット戦略をしっかりと行うことが求められます。つまり…
入居される方の年齢層は?(現在入居されている借主年齢層は?)
部屋探しの主導権は誰?
主導権を握っている人はどのようなインテリアに興味があるのか?
をペルソナ設定するとリノベーションコンセプトが明確になるため、リノベーションで失敗する可能性は低くなります。
リノベーションする際の注意点②:金融機関借入/融資期間
リノベーションは全面改修が基本となるためリフォーム時と比べ倍以上の費用が発生します。そのため金融機関から借入を起こすケースが多いです。
リノベーションローンは主に公的機関/金融機関で借りることができ、融資条件や特徴をまとめると以下の通りとなります。
政府系金融機関の日本政策金融公庫は中小企業/個人事業主を対象としているため、金融機関のリノベーションローンと比べると「低金利」「融資限度額が多い」のが特徴で、審査に通りやすい点もメリットと言えます。
金利に関しては担保有無/返済期間によって設定が異なるものの概ね1~3%台となっています。
金融機関融資
金融機関で借り入れができるリフォームローンは担保/保証人が不要なため審査が早く借入しやすいのがメリットです。
ただし金利は政府系金融機関より高めとなっているため、リノベーション費用が高額になる場合はあまりおススメはできません。
▶弊社代表がおススメする融資とは?:公的融資
居住地にある市区町村役場には「公的融資制度」があります。同融資の最大のメリットは
金融機関のリフォームローンより低金利
税金滞納がなければ基本融資は下りる
市区町村によっては「利子補給」「保証料」が一部公費負担
となっているため使い勝手が良い融資と言えますが、自己資金を用意しないといけないのが唯一のデメリットと言えます。
※なお市区町村によって融資条件は異なります。詳細は各市区町村役場までお問い合わせください。
▶リノベーション融資借入に関しては、過去記事をご覧下さい。
リノベーションする際の注意点③:リノベーション後の家賃設定
築年数が古い物件をリノベーションすると付加価値がつくため…
従前と比べ資産価値が高くなる
同築年の物件と比べ物件価値が向上している
ことから、リノベーションを機に家賃値上げができ収益改善が期待できます。
ただし付加価値を高くしてもリノベーション後の家賃を新築物件と同等にすることはできません。
理由は新築物件の方が資産価値が高いからです。新築物件並みに設定してしまうと「オトク感」がなくなるため敬遠されてしまいます。
弊社失敗談
弊社物件は築年数が古いため2018年からリノベーションを随時行っています。リノベーションを機に家賃8~10%値上げして募集しています。
数年前収益性をさらに高めようと資産価値を最大化させたフルリノベーション部屋を作り、従前と比べ12%家賃値上げして募集しました。
しかし12%値上げすると新築家賃と比べ6,000円しか差がないため客付けに苦戦→数千円値下げしてようやく成約させることができました。
▶上記詳細は過去記事をご覧下さい。
リノベーションする際の注意点④:差別化戦略
リノベーションすると資産価値が高くなるため、価格競争から脱却することが期待できます。しかし今後競合リノベーション物件は多くなることが予想されるため、価格競争から完全脱却を図るには「差別化戦略」を行うしか方法はありません。
クックパッドのリリースによると部屋探しされる方は、多少譲歩してもキッチンの充実度を優先させたいと考えており、また賃貸物件を最も利用している20~30代は「リアルな本音と時短検索」を求めています。
そのため今後の差別化戦略としては
顧客が喜ぶ差別化キッチン
SNS媒体を活用した集客
を強化することが重要となります。
弊社リノベーションの集客ターゲットは20~30代女性です。同年代の女性はおしゃれなカフェで寛ぎたい/調べ物をする際Instagramを活用するケースが多いことから…
2018年から空き室を随時カフェスタイルに特化した差別化リノベーションを行い、また検索で有利になるようInstagramを含めた独自集客を展開。
その結果2年後から満室状態をほぼ継続できるようになり増収増益を達成。昨年度はアパート収入が過去最高を更新することができました。
▶弊社差別化戦略の詳細は、過去記事をご覧下さい。
まとめ
今回は築古アパートをリノベーションする際の注意点についてお伝えいたしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認しましょう。
リノベーションを行うと資産価値が高くなるため、収益性を伸ばす効果が期待できます。ただ近年の賃貸市場は供給数が飽和状態のため、借り手側が有利となっています。
そのためリノベーションをする際はターゲット戦略をしっかりと行わないと顧客に響かない部屋となるため客付けが難しくなってしまいます。
今回ご紹介した内容を実践して頂ければ確実に効果は期待できますが、「こんなのどこから手をつけていいかわからない!」という方もいらっしゃるのではないかと思います。
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取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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