近年の賃貸市場は物件供給数が飽和状態となっているため借り手側有利となっています。そのため築年数関係なく空室対策を強化しなければ客付けが期待できません。
空室対策と聞くとどのような対策を講じればいいのかわかりにくくなってしまいますが、ただ今回紹介する空室対策の基本をしっかりと理解すれば、早期に客付けは十分可能ですのでご安心ください。
本投稿は空室を作りにくくする効果的なアパート空室対策についてお伝えします。
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▼目 次
【本記事でお伝えする結論】
1.空室対策の重要性とは?
少なくとも2000年前までは賃貸需要と供給のバランスが保たれていた/需要の方が多かったため空室対策を強化しなくても早期客付けはできていました。
しかし2000年以降は物件供給数急増+人口減少により賃貸空室率は全国的に悪化。野村総研の予測では2040年に空室率が40%台に達するとのことですが、一部エリアはすでに空室率が30%台に達していますので、空室率40%時代は時間の問題と言えます。
空室率悪化は客付けできない物件が今より増加することを意味します。そのため確実に客付けするには「時代に合った空室対策」を強化しなければなりません。
2.空室を作りにくくする効果的なアパート空室対策とは?
賃貸市場は今後空室率悪化が加速するため競争が激化するものの、今回紹介する「空室対策の基本」を理解しておくことで空室を埋めることは十分期待できます。
空室対策の基本は以下の7つを挙げることができます。
ターゲットを見直す
募集条件の緩和
内見者を増やす
物件印象を高める対策をする
仲介会社を味方につける
設備増強を検討する
リノベーションして人気物件にする
それではそれぞれの空室対策を見ていきましょう。
1)ターゲットを見直す
今の賃貸市場はまさにレッドオーシャン。ブルーオーシャンにするにはターゲットを見直すのが一番の近道。
管理会社/貸主は入居後の借主トラブルを防ぐために、「ペット飼育」「高齢者受入れ」に消極的ですが実は潜在ニーズは結構多いため、これらを受け入れることで新規顧客開拓が期待でき入居促進効果が期待できます。
ただし両者を受け入れる場合、注意しなければならない問題があります。
ペット不可から可能にすると…
現借主からの反発が予想される
ペットによる汚損が発生するため原状回復費用が高額になる
トラブルが発生しやすくなるため、ペット可にする場合は丁寧な説明を行い、また募集時には敷金を最低でも1~2か月設定する必要があります。
高齢者は若い世代とは異なり住み替えリスクがないため、受け入れることで安定した家賃収入が期待できます。一方高齢者を受け入れると「突然死リスク」が高くなります。
ただ室内に見守りセキュリティー設備を増強するこで、死亡リスクを大幅に回避させることが期待できます。
2)募集条件の緩和
賃貸物件を探されている方は、費用が高額になる初期費用を何とか抑えたいと考えています。賃貸業界の商習慣により今でも敷金/礼金を設定している物件がありますが…
家賃保証会社を利用することで敷金設定する意味合いは少なくなる
謝礼金目的が強い礼金は今の時代には合わない
ため敷金/礼金を廃止することで初期費用が緩和され入居促進効果が期待できます。
3)内見者を増やす
物件探しされる方は賃貸検索サイトを利用し希望条件に合致した複数の物件を内見しています。そのため内見に繋げるためには掲載写真がとても重要になってきます。
不動産情報サイト事業者連絡協議会では毎年「不動産情報サイト利用者意識アンケート」を発表していますが、毎年同サイト掲載写真が多い物件は内見予約に繋げやすくなっています。
物件写真を掲載する際は、自然光が室内に入りやすい午前中に写真撮影すると、室内が明るく見えるため訴求効果が期待できます。
4)物件印象を高める対策をする
物件成約の可否は「物件の見た目で決まる」といっても過言ではありません。エントランス/ごみ置き場/駐輪場は清掃が行き届いていないと、雑草が生い茂りごみが溜まるため内見時の印象が悪くなり成約率が悪くなってしまいます。
また清掃が行き届いていない物件は顧客満足度が低下するため、物件稼働率が低下します。
部屋探しされる方は土休日に内見することが多いものの、繁忙期は平日でも内見しています。そのため最低でも月1回/可能ならば週1回は物件清掃を行うことで、入居促進効果を高めることができます。
5)仲介会社を味方につける
仲介会社は物件探しされている方に最適な物件を紹介するのが仕事です。そのため早期客付けを目指すならば仲介会社に紹介されやすい物件にするのが一番効果的です。
仲介会社が紹介したくなる物件とは…
物件清掃が行き届き、クオリティーが高い部屋となっている
ある程度の権限を担当者に与えている
土休日でも貸主に電話連絡できる体制になっている
仲介会社は契約報酬となる仲介手数料を1件でも多く獲得したいと考えています。そのため上位対策を講じることで「埋まりやすい環境」となるため、仲介会社から紹介されやすくなります。
6)設備増強を検討する
人気設備と言われているインターネット無料/宅配ボックスを設置することで賃貸検索に引っかかりやすくなるため反響数UPが期待できます。
しかし人気設備を増強しても最終的には「部屋のクオリティー」が勝負となってくるため、人気設備増強=早期客付けとは言えません。
設備増強する最も効果的なのは、成約プレゼントと称してエアコンを交換/増設することです。基本的に賃貸物件にはエアコン1台は設置されていますが、1LDK以上の物件の場合洋室にエアコンが設置されていないケースは結構多いです。
エアコンが設置されていなければ入居後借主が対応しなければなりませんが、内見時にエアコン交換/増設提案すると、従前と比べ機能性+利便性が高くなるため入居促進効果が期待できます。
7)リノベーションして人気物件にする
築年数が経過すると資産価値が低下するため空室が目立ち、家賃値下げしても供給数が多いため早期客付けは厳しくなってしまいます。
近年では部屋探しの多様化が進み築年数が古くてもリノベーションを行えば…
新築物件同様の部屋に住める
新築物件と比べ家賃が安い
ことから従前と比べ早期客付け効果が期待でき、さらに物件管理を強化すれば長期入居に繋げることも期待できます。
弊社物件は築年数が古いため2018年から空き室を随時リノベーションしています。リノベーションしたことで従前と比べ早期客付け+稼働率/家賃収入UPに成功しています。
▶弊社リノベーション詳細は、過去記事をご覧下さい。
3.まとめ
今回は空室を作りにくくする効果的なアパート空室対策についてお伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認しましょう。
空室対策で最も重要なのは客付けではなく、如何にして長期入居に繋げるかです。客付けできても短期間で退去となれば物件稼働率は低下するため、想定した家賃収入を得ることが難しくなります。
長期入居に繋げるには、クオリティーが高い部屋を作ることと物件管理を強化することです。両者を意識することで競争が厳しくなっても安定した賃貸経営を行うことができます。
今回ご紹介した内容を実践して頂ければ確実に効果は期待できますが、「こんなのどこから手をつけていいかわからない!」という方もいらっしゃるのではないかと思います。
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取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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