築年数が経過した物件をリノベーションする際、床材も変更するケースは多いです。床は壁同様「部屋全体に占める割合」が大きいため、床材を変えることで部屋の雰囲気が180度変わると言っても過言ではありません。
ただ床材は様々な種類があるのはもちろん、賃貸特有の生活音問題も配慮しなければならないため、どれを選択すればいいかわからない貸主も多いはずです。
本投稿は賃貸リノベーションの際床材はこだわるべきかについて、お伝えいたします。
▼目 次
【本記事でお伝えする結論】
1.床材の種類と特徴
賃貸リノベーションで採用されることが多い床材は「クッションフロア」もしくは「フロアタイル」のどちらかとなります。それぞれの床材の特徴を紹介します。
クッションフロア
クッションフロアとは塩化ビニール素材で作られた「シート状」の床材。最大の特徴は床材によって厚さが1.8mm~3.5mmある点。クッション性能があるため吸音効果が期待できると言われています。
また塩化ビニール素材でできているため防水性が期待できます。そのためトイレや洗面脱衣所で採用されるケースが多いです。
フロアタイル
フロアタイルとは塩化ビニール素材で作られたタイル状の床材。フロアタイルの最大の特徴は床材に凹凸があるため本物の床材と間違えしまうほどクオリティーが高いところです。
クッションフロアと比べクッション性がないため、重たいものを置いてもくぼみを抑えられる/張替え時の費用を抑えられる点はメリットと言えます。
そのためリノベーションで床材を変更する場合フロアタイルを採用する物件が多くなってきています。
クッションフロアとフロアタイルの特徴をまとめると以下の通りとなります。
| コスト | 吸音性 | クオリティー | 耐荷重 |
クッションフロア | 〇 | ◎ | ▲ | × |
フロアタイル | ▲ | × | ◎ | ◎ |
2.賃貸リノベーションで床材はこだわるべきか?
一般的に賃貸リノベーションで床材を変更する場合
トイレ、洗面脱衣所はクッションフロア
それ以外はクッションフロア
を採用するケースが圧倒的に多いです。しかし弊社代表は賃貸リノベーションで床材を変更する際は全てクッションフロアを採用すべきと考えています。その理由について解説いたします。
生活音問題
株式会社AlbaLinkが発表したリリースによると、賃貸物件に入居経験がある方の約7割は「入居したことを後悔」したとのことです。後悔した理由の中最も多かったのが「騒音問題」です。
また弊社物件を管理している管理会社担当者の報告によると、賃貸物件における騒音問題は「上階から発生する生活音(足音)」が最も多いとのことです。
騒音問題は「築年数、構造躯体関係なくどの物件でも起こり得る」問題である以上、築年数が古い物件は機能性が低下しているため、リノベージョン時にしっかりと対応しなければ入居後後悔→早期退去になる可能性も否定できません。
そこで弊社物件ではリノベーションで床材を変更する際は、フロアタイルではなくクッションフロアを全面採用しています。
クッションフロアを採用したことによって上階からの生活音問題は今まで発生していません。そのため費用対効果が期待できるだけではなく安定した家賃収入を得ることが期待できます。
コスト
クッションフロアは床材自体がシート状となっています。そのため1枚ずつ施工するフロアタイルと比べ平米単価が安くなっています。
クッションフロア | | フロアタイル |
2,200円~4,500円 | 平米単価(相場) | 4,000円~6,000円 |
上述の通りフロアタイルは吸音効果が期待できません。そのため…
リノベーションコストを少しでも抑えたい
生活音クレーム発生率を抑えたい
と考えている貸主はフロアタイルは不向きと言えます。
床材の色
一般的な賃貸物件は1部屋に窓が1つしかありません。そのため自然光があまり期待できないため、部屋全体が暗い印象となってしまいます。
しかしリノベーションで床材の色を「白系」にすることで…
白色は膨張色のため、部屋全体が広く見える/室内が明るくなる
白色はインテリアとの相性がいい
ため内見時における物件印象がとてもよくなります。
上の写真は弊社リノベーション部屋のビフォーアフターです。実はこちらの部屋は北側にあるのですが、床材を白系に変えただけで室内の明るさ/雰囲気がとてもよくなり、内見時お客様から「室内が明るいですね」とお褒めの言葉を多数頂戴しています。
3.まとめ
今回は賃貸リノベーションの際床材はこだわるべきかについて、お伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認してみましょう。
リノベーションで床材を変更する際、床材のクオリティーが高いフロアタイルを選択するケースが多いです。
ただ費用面/入居後の生活音問題を考えると、フロアタイルよりクッションフロアを選択した方が費用対効果の部分では十分期待できます。そのため床材を変更する際はこだわった方が結果的にプラスになることが多いです。
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取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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