築年数が経過すると物件資産価値が低下するため競争力が低下し空室が目立ち始めます。そのため物件稼働率が低下してきたタイミングでリノベーションを検討される貸主は多いと思います。
リノベーションを行うと従前と比べ利便性やデザイン性が向上するため早期客付けが期待できますが、人気物件にするにはどの壁紙/床材を使うかがカギとなってきます。
本投稿は築古アパートをリノベーションする際の壁紙/床材の選び方と実際にすぐに埋まった弊社リノベーション物件事例を紹介します。
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▼目 次
【本記事でお伝えする結論】
1.築古アパートをリノベで再生させるカギ
リノベーションすると従前と比べ「古臭さ」「使いにくさ」は一切感じられないため、入居促進効果は期待できるのはもちろんですが、リノベーションを機に家賃値上げも十分期待できます。
ただリノベーションを成功させるには下記ポイントが重要になってきます。
インテリアの黄金比を理解する
リノベーションコンセプトを明確にする
それではそれぞれのポイントを見ていきましょう。
インテリアの黄金比を理解する
リノベーション物件に入居される方は、自分らしい暮らしをしたいと考えています。そのため内見時リノベーション部屋が自分達が描く生活イメージに合っていないと他の物件に流れてしまう恐れがあります。
リノベーションで成功するには「インテリアの黄金比」を理解することが重要です。インテリアの黄金比とは「どんな色の組み合わせでも黄金比に合わせればバランスが取れる」配色割合の比率のことです。
理想的な配色割合は…
ベースカラー(70%):壁、天井など室内の大部分を占める色。
アソートカラー(25%):家具やカーテンなど大き目のインテリアを指します。
アクセントカラー(5%):クッションや小物など最も小さな色。
でこれを意識すると室内印象のバランスをよく見せることができます。
この内リノベーションで対応できるのはベースカラーのみ。つまりベースカラーの大本である壁/床材の配色を意識することで、リノベーション価値を最大化させることができます。
リノベーションコンセプトを明確にする
リノベーションで成功するにはコンセプト=方向性を明確にすることです。例えば同じ賃貸物件でも契約される方の性別/年齢が異なれば、好みのインテリアは全く異なります。そのためリノベーションを行う際は…
成約のカギを握る方の性別/年齢層/家族構成などをペルソナ設定した上でリノベーション
しなければ訴求効果が高められないため、客付けが難しくなってしまいます。
2.築古アパートをリノベで再生!壁紙・床材の新しい選び方
1)壁紙は明光性が高いもの選ぶ
壁紙を張り替えようと思っても様々な種類があるため、どれを選べばいいのか悩んでしまう貸主は多いです。
壁紙を選ぶ時は室内採光を意識することがとても重要です。賃貸物件は角部屋以外、部屋に窓は1つしか設置されていません。そのため壁紙次第で室内採光は大きく異なり内見時の物件印象も大きく変わってしまいます。
例えば新築物件を含む多くの物件では退去後の修繕を考え、向かって左側の織物調壁紙を採用することが多いですが、同壁紙は若干茶系が混じっているため全面張替えしても室内が若干暗めになります。
しかし同じ白の壁紙でも「石目調」を採用すると、室内採光は180度異なり明光性が期待できるため、内見時の物件印象を高めることが期待できます。
2)床材はクッションフロアがおススメ
築年数が古い賃貸物件には濃茶系の合板フローリングが施工されているケースが多いですが、若い世代は「明るい間取りを好む」傾向のため、リノベーションを機に明るめの床材に張り替えた方が内見時訴求効果を期待することができます。
賃貸物件で床材を張り替える際、フロアタイルが選ばれることが多いです。フロアタイルは塩ビ製のタイル状床材で、見た目は本物と見違えるぐらいクオリティーが高いため近年では施工する物件が多くなっています。
ただ賃貸物件は築年数/構造躯体関係なく「生活音問題」が発生+特に上階からの生活音(足音が多い)でトラブルになることがあります。フロアタイルは吸音効果が全く期待できないため、場合によっては階下の借主とトラブルになることも考えられます。
一方クッションフロアを選択すると、フロアタイルよりクオリティーは低くなりますが、吸音効果が期待できます。そのため内見時にクッションフロアのメリットを伝えれば「住みやすい物件」と認識してくれる可能性が高くなり入居促進に繋げられます。
3)統一感を意識する
壁紙/床材を変更する際、統一感を意識した配色にすることが重要です。基本的に室内に用いる色を3色以内に抑えることでバランスが取れたおしゃれな部屋を作ることができます。
そのため壁紙/床材を張り替える際は同色にまとめた方が、入居後の生活イメージを連想しやすくなるため物件訴求力を高めることが期待できます。
4)壁紙・床材を張り替える際注意する点
壁紙/床材を一新することで清潔感が感じられるおしゃれな室内空間となるため、内見時の物件印象を高めることができます。
ただ張替えを行う際、注意すべき点があります。
奇抜なアクセントクロスはNG
アクセントクロスを施工することで、室内空間をよりおしゃれに演出させることができます。
ただ色の好みは十人十色のため、奇抜なアクセントクロスを施工するとインテリアとの調和が難しくなるだけではなく、入居後確実に飽きられてる/疲れてしまうため逆効果になります。
アクセントクロスを採用する際は、薄いベージュ/ブルーを選択するとインテリアとの相性が良くなるため効果的です。
廃番には注意
壁紙/床材は数年に1度リニューアルするため、場合によっては今まで使用していた内装が使えなくなる可能性があります。
特に注意が必要なのがフロアタイルです。フロアタイルは1枚ずつ施工するため、もし今まで使用していたものが廃番になってしまうと補修することができなくなってしまいます。
3.築古アパートをリノベで再生!賃貸アパートのおしゃれな内装事例
弊社物件は築年数が経過しているため2018年から空き室を随時リノベーションしています。弊社物件はファミリー物件のため20~30代のカップル/新婚さんが多数入居されます。
そこで弊社物件は「賃貸でもおうちカフェが楽しめる」をコンセプトとしたカフェスタイルに特化したリノベーションを展開していますが、おかげ様をもちまして2020年以降物件稼働率が上昇し本執筆時の2024年5月14日現在満室状態となっています。
事例①:不人気3DKリノベーション前に入居が決定
弊社物件は1993年に施工された物件でそのうち1棟8戸の間取りは3DKでした。今の時代リビング空間がないと利便性が感じられないため、退去の度にLDKに間取り変更を行ってきました。
昨年5月に退去となったこちらの部屋は唯一残っていた3DKでしたので、2LDKにリノベーションをしようとしていたところ内見が入り、その日に入居が決まりました。
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LDKにすることで開放感が感じられる室内空間となり、さらに間取り変更したことで室内採光を多く取り入れることができたため明るめの部屋になっています。
また白を基調とした室内空間は、カフェスタイルキッチンの魅力を最大化させることに成功。
今回リノベーション前に入居申込を頂いたため、お部屋引き渡しは1か月半後となりましたが、リノベーション工事中進捗状況を随時LINEでお伝えすることができ、借主も部屋が生まれ変わる様子を見れてとても喜んでいました。
事例②:3年前にリノベした部屋が退去翌日に入居決定!
こちらの部屋は2LDK/最上階角部屋ですが、濃い目のフローリングを使用しているため思っている以上に室内があまり明るくありません。またアクセントクロスが施工しているものの、複数の色が混在しているためバランス感覚的にあまりよくありません。
こちらの部屋は家賃値上げを目的としているためフルリノベーションを行っています。カフェスタイルキッチンは標準ですが、照明器具(ダウンライトとペンダントライト)を標準としたことで、よりスタイリッシュな部屋になっています。
リノベーション投資の懸念は、時間の経過と共に価値が下落するため客付けが難しくなると思われがちですが、弊社リノベーションにおいては「自然素材」の材料を使用しているためリノベーション価値の目減りを最小限に抑えることができています。
その証拠にこちらの部屋は先月上旬退去となったものの、入居中に内見予約が2件入り退去翌日に内見された方がその日に入居申込をして頂きました。
また昨今の物価高/材料費の高騰によりこちらの部屋は従前と比べ2,000円値上げして募集しましたが、値上げの影響は全くありませんでした。
4.まとめ
今回は築古アパートをリノベーションする際の壁紙/床材の選び方と実際にすぐに埋まった弊社リノベーション物件事例をお伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認しましょう。
リノベーション物件に入居される方はデザイン性が高い部屋を望んでいます。先程もお伝えしましたが色の好みは十人十色+好きなインテリアテイストも異なることを踏まえると、内装を全面張替える際は白を基調とした室内空間にした方が結果的に反響数を増やすことができるため、早期客付けに結び付けやすくなります。
取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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