賃貸空室対策の真の目的とは?
更新日:9月20日
不動産賃貸経営を安定させるためには、空室を可能な限り発生させないことです。
ただ現実的には転職や転勤、戸建て住宅住替えなどの理由で、100%退去を防ぐことはできません。そこで重要となってくるのが空室対策です。
大多数の貸主は「空室対策=成約」と捉え、低コスト+早期に成約させるように対策を講じてきます。
弊社代表が考える空室対策の真の目的とは、成約がゴールではなく長期入居に繋げ安定した家賃収入を得られやすくする部屋作りをすることです。
本投稿は賃貸空室対策の真の目的について、お伝えいたします。
▼目 次
【本記事でお伝えする結論】
"真の目的における空室対策で重要なポイント”
1.賃貸空室発生原因

賃貸物件において空室は必ず発生してしまうものですが、問題なのは空室期間が長期化してしまうことです。その原因としては次の3点を挙げることができます。
物件供給数の飽和
設備投資しない
募集部屋がターゲットにあっていない
それぞれの理由についてみていきましょう。
1)物件供給数飽和
株式会社野村総合研究所の調べによると、住宅の減築など抜本的な対策を行わなければ全国の空き家は2033年度には約2200万戸(2013年と比べて約3倍増加)にまで上昇するとのことです。
物件供給数が飽和になると必然的に空室率が悪化してしまいます。特に築年数が経過している物件は競争力が低下しているため、家賃値下げしてもなかなか客付けに結び付けることが難しくなってしまいます。
▶野村総合研究所が発表したリリース詳細は、こちらをご覧下さい。
住宅の除却・減築などが進まない場合、2033年には空き家が2000万超へと倍増
2)設備投資しない
GMO賃貸DXが調べた所によると、部屋探ししている方は築年数より家賃帯を気にしている傾向が強いとのことです。
築年数が経過しても設備投資することで資産価値が高まるため集客上有利になりますが、設備投資しなければ当然ながら物件印象が悪くなり空室が長期化してしまいます。
▶GMO賃貸DXが発表したリリース詳細は、こちらをご覧下さい。
【アンケート調査】賃貸住宅を選ぶ際に最も重視しているポイント5選
3)ターゲットにあっていない
空室対策強化の一環として、人気設備を増強する物件が非常に多くなってきています。
ただ人気設備を取付けたとしても部屋のクオリティーが低ければ、他の物件に流れてしまう可能性は非常に高くなってしまいます。
2.今までの空室対策の欠点

今までの空室対策として有効的と言われているものというと
広告料を設定する
ホームステージング集客を強化する
恐らくこの二本立てを行えば集客強化ができると言われていました。
ただこの二つの空室対策の大きな落とし穴は、物件資産価値を高めていない点です。
賃貸空室率が今後さらに悪化することは明白となっている以上、今までと同じような空室対策を講じてしまうと「差別化」が難しくなり客付けすること自体が難しくなってしまいます。
そのため空室対策を根本的に改めなければ、淘汰されてしまう可能性が強くなってしまいます。
▶広告料、ホームステージング集客の危険性に関しては、過去記事をご覧下さい。
3.賃貸空室対策の真の目的とは?

弊社代表が考える空室対策の真の目的とは、設備投資を行い長期入居に繋げれられるような賃貸経営を行うことです。
最小限のコストで客付けに成功しとしても
短期間で退去してしまう
家賃値下げによる収益性低下
借主トラブル増加
してしまえば家賃収入を安定させることが難しくなり、場合によってはキャッシュフローの低下を招きやすくなってしまいます。
一方設備投資を行うことで資産価値が高めることができるため、家賃値上げや長期入居に繋げることができるため安定的な家賃収入を得ることができます。
また築年数が経過したとしても価格競争からの脱却を図ることが可能となります。
4.弊社リノベーション事例
弊社物件は築年数が経過しているだけではなく、物件がある山梨県は「日本一空室率が悪い」ため価格競争が激化しています。
弊社代表は家賃値下げ集客を行い客付けができたとしても、安定的な収益を確保することは難しいと判断し、2018年から空き部屋を随時リノベーションを行い家賃値上げ集客を行っています。
徹底的に差別化戦略を打ち出したことにより、収益性+稼働率UPができるようになり直近2年間は増収増益+満室を実現させることができました。
また弊社代表の空室対策は不動産賃貸業界でも注目され、多くのメディアにも取り上げられるようにいなりました。
▶弊社代表が取り上げられた取材記事に関しては、こちらをご覧下さい。
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5.まとめ
今回は賃貸空室対策の真の目的について、お伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認してみましょう。
空室対策を考える際「コスト」がどうしても気になってしまうものです。
ただコストをあまりにもかけない空室対策は長期的な視点から見て、長期入居に繋げられにくくなることから安定的な家賃収入を得られにくくなってしまいます。
今後の賃貸市場は空室率悪化に伴い、賃貸経営そのものが難しくなってしまう物件が多くなるはずです。生き残るためには空室対策を抜本的に改め「顧客目線」で考えることが重要となってきます。