リノベーションによる賃貸空室対策が今注目される理由は?
- 空室対策リノベーション コンサルタント ㈲山長

- 1月14日
- 読了時間: 16分
近年の賃貸市場は人口減少と供給過多の影響で、特に地方都市における賃貸物件の空室率が悪化の一途を辿っています。野村総研の予測によれば、この傾向はさらに深刻化し、2040年には空室率が40%前後に達する見通しが立てられています。
空室率悪化は今以上に客付けできない物件が増えることを意味します。この状況を踏まえ、生き残るためには築年数に関係なく物件の魅力を高め、効果的な空室対策を行うことが、ますます重要になるでしょう。
かつては競争力がある築浅物件が非常に人気でしたが、最近では部屋探しの多様化が進み築年数が古くてもリノベーションが施されていれば、高い競争力を持つケースも増えています。
単に築年数だけで物件を評価する時代は終わりつつあり、むしろ設備やデザイン、機能性といった要素が求められるようになってきています。これからの賃貸市場では、こうした変化に柔軟に対応できる物件運営が必要不可欠になりそうです。
本投稿はリノベーションによる賃貸空室対策が今注目される理由についてお伝えいたします。
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▼目 次
【本記事でお伝えする結論】
近年では全国的に空室率が悪化している。しかし部屋探しの多様化により、リノベーション物件が注目されている。
リノベーションをすることで資産価値が高まり、早期成約や収益改善が期待できる。
成約ターゲットに沿ったりのっベーションを行わないと、イメージに合致しない部屋となり逆効果となる。
1.リノベーションが空室対策に注目される背景とは?

1)日本の空室問題とその背景

日本の総人口は2008年をピークに減少し続けています。特に注目すべき点として賃貸物件を最も利用する15才~64才の生産年齢人口が、2050年には約5,200万人にまで減少すると予測されています。これは、2021年と比較して29.2%の減少です。
賃貸物件の利用者が減少すれば空室率の上昇は避けられない問題となるでしょう。その結果今後は客付けできない物件が確実に増加すると考えられます。また新規新築物件の供給に対する規制がないため、節税対策の一環で新築物件が建設されることが予想されます。
この問題は決して一部のエリアや他人事として片づけられるものではなく、全国的に発生し得る問題です。日本の人口動向と賃貸市場の変化を正しく理解し、それに対する適切な空室対策を講じることが、将来的な市場環境に対応するために不可欠となります。
2)リノベーションの需要増加の理由

エイブルが賃貸物件に住んでいる20代・30代男女にアンケート調査したところ、築年数の許容範囲について…
築年数にこだわりはない
リフォームされていれば気にならない
と回答した方が、全体の約3割に達していることが明らかになりました。
この調査結果から、物件を選ぶ際に築年数だけを基準に判断していない人が一定数存在し、リフォームによる物件の印象や機能性の向上が、築年数に対する懸念を軽減していると推察されます。
背景には、SDGsの浸透や部屋探しのニーズが多様化してきたことが影響していると考えられます。これらの要因が築年数に対する許容範囲を広げ、リノベーション物件の関心や選択を後押ししていると言えるでしょう。
3)インフレの影響

2022年からインフレが進行し、原油や原材料費の高騰が見られますが、この影響は賃貸業界にも波及しています。
新築物件の価格はインフレの影響で上昇しており、その結果、賃料はインフレ前と比べ約2割ほど高くなっています。ただ実質賃金は伸び悩んでいるため、一部の富裕層以外は、新築物件への入居は予算的に難しくなり、かつてのような建物完成前の満室は非常に厳しくなっています。
一方、ファミリー向けアパートに入居している20~30代カップルや新婚夫婦の中には、賃貸アパートで数年間生活した後に、戸建て住宅や分譲マンションを購入するのが一つの流れとなっています。
しかし、国土交通省の調査によると、令和6年新築住宅着工総戸数は、約79万戸で前年比3.4%の減少、持ち家は前年比2.8%減の約21万戸となり、過去10年の内で最も着工戸数が少ないことが明らかになっています。
着工戸数が減少した背景には、インフレによる販売価格の高騰に加え、日銀が2024年にいわゆるゼロ金利政策を見直し、利上げに踏み切ったことで、変動型住宅ローン金利が今後上昇する見通しとなっています。
その結果、返済負担を避けたいといった潜在的な心理が働き、住み替え需要が減少していると考えられます。
こうした状況から、新築物件よりも賃料がリーズナブルで快適な暮らしができる、リノベーション物件へのニーズはこれまで以上に高まり、長期入居者が増えやすくなるため、安定した賃料収入が得られやすくなります。
2.リノベーションによる空室対策の具体的な方法とは?

1)空室リノベーションの具体的な工事内容
賃貸設備の減価償却は長くても20年で完了し、機能性も低下してしまいます。また経年に伴い間取りが現在のライフスタイルに合わなくなることで、空室が埋まりにくくなります。
こうした空室対策を解決するためには、付加価値を高めるリノベーションが効果的です。ここでは空室リノベーションの具体的な方法を紹介します。
水回り交換
水回りを一新することで、利便性やデザイン性、さらに機能性が向上し、魅力的なリノベーション物件としての価値が高まります。at-homeが発表したリリースによると部屋探しされる方はの約半数以上は、インターネット検索時に、水回り写真を確認していることが明らかになっています。
そのため水回りのリニューアルは物件の魅力を大幅に引き上げ、より多くの反響を得ることが期待できます。
室内内装の張替え
築年数が古い物件では、ダークブラウン系の合板フローリングが採用されていることが多いですが、住環境研究所の調査では若い世代は明るい間取りを好む傾向があるようです。
そのためリノベーションを機に室内内装を明るめのトーンに変更し、さらに室内配色を2色以下に抑えることで、洗練されたデザイン性の高い空間を作り出せます。
DKからLDKへの変更
ファミリー向け物件を検討される方は、リビングを広く使ってリラックスできる空間を求めています。そのため間取りがDKタイプの場合は、リノベーションを機にLDKに間取り変更することをおススメします。
これにより、部屋全体に開放感が生まれ、物件の魅力をさらに高める効果が期待できます。
2)内装及びフローリングのリノベーションとコスト
【内装張替】

内装張替えを行う場合、施工費用は施工面積/選択する内装グレードによって大きく異なります。
内装グレードは主に「量産型」と「1000番」タイプの2つに分類されます。
量産型は大量生産された壁紙で、1000番タイプと比べてデザイン性や機能性は劣るものの、単価が安いためコストを抑えたい場合には最適な壁紙です。相場は1㎡あたり1,500円前後となります。
一方1000番タイプはアクセントクロスとも呼ばれ、量産型と比べ機能性やデザイン性が優れており、部屋のデザイン性を高めたり、アクセントとして活用するのに適しています。単価は量産型より高めで1㎡あたり2,000円前後が相場です。
内装グレードにより費用は大きく変わるため、予算や用途に応じた選択が重要です。ただしリノベーション物件に入居される方は、基本的にシンプルなインテリアをが好まれるため、デザイン性が高い量産型を採用しても、特に問題はありません。
【フローリング張替】

リノベーションを機にフローリングを張り替えることが多いです。その中でもクッションフロアとフロアタイルは非常に人気があり、それぞれの特徴を理解することで、物件の魅力や価値を最大限に引き出すことが出来ます。
クッションフロア
クッションフロアは塩化ビニール素材で作られたシート状の床材で、施工が比較的容易で、コストを抑えられる点がメリットになっています。施工方法はカーペットを敷く感じで、耐水性に優れているためトイレや洗面脱衣所と言った水回りに適した素材です。
コスト:1㎡あたり2,200円~4,500円
メリット:低コストかつ高い耐水性
用途:水回り最適
デメリット:フロアタイルと比べると安っぽい、家具などを置くと凹みやすい
フロアタイル
フロアタイルは塩化ビニール素材から作られたタイル状の床材で、高いデザイン性が特徴です。本物のフローリングと見間違うほどのリアルな木目デザインが再現されているため、空間に高級感を持たせます。
さらにキズが付きにくく耐久性に優れ、10年以上のケースが多く、結果的にコストパフォーマンスが優れています。
コスト:1㎡あたり4,000円~6,000円と割高。
メリット:上質なデザイン性と優れた耐久性
用途:LDK、廊下、洋室に最適
デメリット:コストが高めで、吸音性能はあまり期待できない。
クッションフロアはフロアタイルと比較すると、質感や耐久性では劣るものの、デザインも一定の水準を満たしており、コストを抑えながら実用性を重視したい方には、十分選択肢となる素材です。
目的や予算に応じて最適な選択をすることで、快適な空間づくりが実現します。
▶クッションフロアとフロアタイルの詳細については、過去記事をご覧下さい。
3.リノベーションによる空室対策の効果とは?

リノベーションを行うことで資産価値が向上し、空室対策として高い効果が期待できます。その結果従前と比べ以下のメリットが期待できます。
家賃収入の増加
入居率の向上
長期入居の実現
他社物件との差別化
それではそれぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
1)家賃収入のアップと入居率の向上

リノベーションでは設備や内装交換、間取り変更を行うことで部屋全体の付加価値を高めることができます。これにより同築年の他の物件と比べ資産価値が向上し、物件募集を行うと従前と比べ家賃値上げや早期客付けが可能となり、収益性や入居率の改善が期待できます。
ただし、リノベーションを行うことで物件資産価値は向上するものの、その価値は新築物件以上になることはありません。そのため家賃を新築並みに設定すると、リノベーションの魅力が薄れてしまい、逆に借り手が見つかりにくくなる可能性があります。
リノベーション後の家賃設定については、新築物件の家賃の8割程度を目安とするのが一般的です。
▶リノベーション家賃設定の詳細/失敗談は、過去記事をご覧下さい。
2)長期的な経営安定の可能性

リノベーションを行うと物件資産価値が大幅に向上します。特に従前/同築年の物件と比べると室内機能性/利便性が劇的に改善されるため顧客満足度が高まり、以下のメリットが期待できます。
【安定した家賃収入】
リノベーション物件は、新築物件と同等のクオリティーを持ちながら、家賃が10~30%程度安く設定されています。物件管理を徹底することで顧客満足度が向上し、その結果長期入居につながりやすく、安定した家賃収入を確保しやすいというメリットがあります。
【家賃値下げ要求の回避】
リノベーションを行うことで従前と比べ価値の目減りが抑えられるため、家賃相場の変動に左右されにくくなります。その結果、契約更新時に家賃値下げ要求を求められる可能性が低くなります。
【仲介会社からの紹介が多くなる】
リノベーションを行うことで物件の魅力や訴求力が向上し、仲介会社からの紹介件数が増加する傾向があります。その結果従前と比べ早期成約が可能となり、空室による家賃機会損失を最小限に抑えることが期待できます。
3)物件の魅力の向上と差別化

リノベーションを通じて安定した家賃収入を得るには、競合リノベーション物件との差別化がカギとなります。
今後リノベーション物件の市場は拡大し、供給量も増加することが予測されます。この動きに伴い、競争は激化し、いわゆる「過当競争」のステージに突入する可能性があります。
こうした状況で生き残るには、競合物件との差別化を図ることが必須で、他社が簡単にまねできない独自の魅力を備えたリノベーション物件を生み出すことです。
▶差別化戦略の詳細は、過去記事をご覧下さい。
4.リノベーションに関する重要ポイント

1)リノベーションローン
リノベーションは設備/内装変更を伴うため、費用が高額になる傾向があります。そのため全額キャッシュで支払うのは難しくなる可能性があります。
金融機関からリノベーション資金を借りる場合、一般的にはプロパー融資となります。金利は2%台と低めですが変動金利型であることに加え、審査基準が厳しいため、場合によっては融資が受けられない可能性があります。
また返済期間が短めに設定されているため、毎月の返済額が高くなる点も懸念材料と言えます。
そこでおススメしたいのが、公的融資を効果的に活用する方法です。居住地の市区町村役場では公的融資制度が用意されており、その主な特徴は以下の通りです。
金利が安く固定金利
プロパー融資と比べ低金利で設定されているうえ、固定金利が採用されているため、金利上昇リスクを回避することが可能です。また返済期間もプロパー融資より長く設定されているため、毎月の返済負担を軽減することができます。
融資が下りやすい
公的融資は税金滞納がなければ融資が承認されるので、プロパー融資と比べ借りやすいと言えます。
利子補給がついていることもある
この融資は「保証協会付き融資」のひとつに該当しますが、市区町村によっては利子補給が設定されることがあります。また保証協会に支払う保証料の一部が補助される場合もあるため、非常に利用価値の高い資金調達手段と言えます。
公的融資はリノベーションの資金調達において非常に便利で、その存在を認識していない貸主も少なくありません。そのため、資金借入を検討する際には、公的融資を積極的に活用することをおすすめします。
保証料を払う点のみ唯一のデメリットと言えますが、ただ支払った金額が20万円以下ならば全額損金計上できるため、節税効果が期待できます。
なお申し込み手続きは各金融機関を通じて行うことになりますので、詳細については地元の金融機関に相談して下さい。
▶リノベーション融資の詳細は、過去記事をご覧下さい。
2)リノベーションのポイントとは?

リノベーションを成功させるポイントは、コストをうまく抑えながらも物件資産価値を最大限に引き出すことです。その目標を達成するためには、以下のポイントをしっかりと押さえることが重要です。
キッチン交換は必須
クックパッドのリリースによると、部屋探しされている方は多少妥協してもキッチンの充実度を優先させたいと考えているとのことです。そのため築20年以上経過している物件をリノベーションする際には、キッチン交換は不可欠であり、それを怠ると客付け自体が極めて難しくなります。
▶キッチン交換の有効性に関しては、過去記事をご覧下さい。
既存設備を有効活用させる

リノベーションはその施工範囲が広がるほど、費用が高額になりがちです。多くの貸主にとってリノベーション予算には限りがあります。そんな中でもコストを抑えつつも、資産価値が高い部屋を作るには、既存設備をうまく活用することがカギとなります。
先程もお伝えした通りキッチンは部屋探しされる方にとって非常に重要なポイントであり、資産価値を高めるためにも交換が必要になります。
一方で、トイレ本体や洗面台については、使用状況が良好であれば全面的な交換を行わず、表装リフォームを強化するだけで、古さをそれほど感じさせることなく、物件の印象や集客力をキープすることができます。
なお築年数が古い物件の浴室には「2ハンドル」水栓が採用されていますが、同水栓は古さが目立ちすぎてしまい物件全体の印象がとても悪くなってしまいます。最新型のサーモスタット水栓に交換することで、現在的で快適な使い心地をアピールでき、物件の魅力を大いに向上させることが可能です。
限られた予算内で再体現の成果を引き出すためには、こうしたポイントを押さえながら、計画を立てていくことが成功への道と言えます。
▶既存設備を生かしたリノベーション事例については、過去記事をご覧下さい。
3)ターゲット設定

部屋探しされる方は平均3件内見し、内見からの成約率は約2割とされています。
成約率を高めるにはリノベーション時に、成約ターゲットに合ったインテリアデザインを取り入れた室内空間を作ることが重要です。部屋探しされる方は室内インテリアとの相性をとても意識しています。
特に、インテリアが与える第一印象は内見者の入居意欲を高める上で、大きな役割を果たしています。そのため、ターゲット層にマッチした魅力的なインテリア空間を提供することで、反響が増え、結果的に成約率の向上が期待できます。
▶室内インテリアの重要性は過去記事をご覧下さい。
5.まとめ
今回はリノベーションによる賃貸空室対策が今注目される理由についてお伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認しましょう。
近年では全国的に空室率が悪化している。しかし部屋探しの多様化により、リノベーション物件が注目されている。
リノベーションをすることで資産価値が高まり、早期成約や収益改善が期待できる。
成約ターゲットに沿ったりのっベーションを行わないと、イメージに合致しない部屋となり逆効果となる。
部屋探しのスタイルが多様化する中で、築年数が古くても、工夫次第では魅力的な選択肢になる時代が訪れています。
特に所謂「映える」リノベーションを施した部屋は、築年数という要素を気にする人を減らし、新しい価値を生み出しています。
とはいえ、リノベーション物件の増加が確実視される今後においては、単なるリフォームでは淘汰されかねません。他社物件と差別化された独自性のあるリノベーションを意識することが、早期客付けや安定した家賃収入のためには、欠かせない時代となりそうです。
アイデアと個性が、これからの勝負のカギとなるでしょう。
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取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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