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リノベーション価値の目減りを抑えるテクニックとは?


築年数が古い賃貸物件では、設備や間取りが現在の入居ニーズと合わなくなり、家賃を下げても空室が埋まりにくくなることがあります。そのため、空室対策としてリノベーションを検討する貸主もいると思います。



一方でリノベーションにはまとまった費用がかかるため…



  • 「完成直後は家賃を上げられても、年数が経てば価値が下がり、結局は家賃を下げなければならないのでは?」


  • 「それなら無理をしてまでリノベーションする必要はないのでは?」



と考える貸主もいるのではないでしょうか?確かに、リノベーションを行っても時間が経過すれば設備や内装は少しずつ古くなるため、施工直後の状態をそのまま維持することはできません。



しかし視点を変えれば、リノベーション価値の低下そのものをなくすのではなく、その目減りを可能な限り抑えることはできます。



価値の目減りを抑えることができれば、退去が発生して再募集する際にも、築年数が古くなったという理由だけで家賃を下げるのではなく、少なくとも従前家賃を維持した募集を目指しやすくなります。



実際に弊社物件では、リノベーションから数年経過して退去した部屋を再募集する際、家賃を下げるのではなく値上げして入居申込につながった事例があります。



今回は1993年築のファミリー向け賃貸アパート3棟20戸を実際に所有・運営し、2018年から空室対策リノベーションを行ってきた弊社の経験をもとに、リノベーション価値の目減りを抑えるために重視していることをお伝えします。



▶空室対策リノベーション全体の考え方や費用、投資判断については関連記事「空室対策リノベーション完全ガイド」をご覧ください。



▶︎お知らせ◀︎


私の経営する有限会社山長では、アパート経営改善・空室対策コンサルティングを行っています。かつて私自身が直面した「自己破産寸前」だった状態を、独自の高付加価値リノベーションで再生。入居率77%から年間平均95%以上への改善、年間家賃収入約430万円増加という、自社物件での実績をもとに、オーナー様の経営改善をサポートしています。


その実績は『全国賃貸住宅新聞』『楽待』などのメディアにも多数紹介されています。まずはお手軽な無料相談からお気軽にご相談ください。 [→詳しいプロフィールと解決事例は記事末尾へ]





▼ 目次




【本記事でお伝えする結論】


  • リノベーションは、工夫次第でその価値の目減りを抑えることができる。


  • 設備だけで差別化せず、ターゲットに合わせた複数の魅力を積み重ねることが重要。


  • 価値の目減りを抑えられれば、数年後の再募集でも従前家賃を維持しやすくなる。


1.リノベーションしても年数が経てば価値は下がる?


リノベーションしても年数が経てば価値は下がる?


リノベーションを行う大きな目的のひとつは、築年数の経過によって低下した室内の機能性やデザイン性を改善し、物件の競争力を高めることです。




キッチンや洗面台などを新しい設備に交換すれば、施工直後は「新しい設備」であること自体が部屋の魅力であり価値になります。



しかし住宅設備は、時間が経過すれば使用感が出たり、新しい製品が登場したりするため、「新品である」魅力をそのまま維持することはできません。



そのため、設備や内装を新しくすることだけを目的にリノベーションすると、完成直後を基準にすれば、時間の経過とともに室内の魅力が薄れていく可能性があります。



貸主にとって問題となるのはここです。



多額のリノベーション費用をかけても、数年後の退去時に室内の魅力が大きく低下し、再募集のたびに家賃を下げなければならないのであれば、長期的な投資効果は低くなってしまいます。



もちろん、人が生活する以上、設備や内装の使用感を完全になくすことはできません。そのため、「リノベーションすれば室内価値が永久に下がらない」と考えるのは現実的ではありません。



重要なのは、時間が経過しても室内の魅力が大きく落ちないように、価値の目減りをできるだけ抑えることだと弊社では考えています。



リノベーション直後の室内と数年後を比較。魅力が低下した部屋では家賃見直しを検討し、魅力を維持した部屋では従前家賃での再募集を目指す様子。


たとえば、リノベーション直後の室内価値を100と考えた場合、数年後にその魅力が大きく低下すれば、再募集時には家賃の見直しが必要になる可能性があります。



一方、時間が経過しても入居希望者から見た室内の魅力を維持できれば、年数がさらに古くなったとしても、従前家賃を維持して募集できる可能性があります。



そこで弊社では、「リノベーション直後にどれだけ家賃を上げられるか」だけではなく、「数年後の再募集でも家賃を維持できる部屋をつくれるか」という視点も重視しています。



つまり貸主にとって重要なのは、「リノベーション価値が下がるか、下がらないか」ではなく、「その目減りをどこまで抑えられるか」という考え方です。


2.競合物件の参入でもリノベーション価値は下がる


差積化


リノベーションした部屋の価値が低下する原因は、設備や内装の経年変化だけではありません。



完成当初は周辺物件にはない設備やデザインを導入し差別化できていたとしても、その後、競合物件が同じようなリノベーションを行えば、その特徴は次第に珍しいものではなくなります。



つまり、自分の物件が変わっていなくても、競合物件の参入によって相対的な魅力が低下することがあります。



マーケティングには「差積化」という考え方があります。単に他社との違いをつくる「差別化」だけではなく、簡単には模倣できない違いを少しずつ積み重ねていくという考え方です。



これは賃貸リノベーションにも当てはめることができます。



たとえば、人気の設備や流行しているデザインを導入すれば、完成直後は競合物件との差別化につながります。しかし、それだけであれば競合物件も同じ設備やデザインを取り入れることができます。



一方、入居ターゲットの設定、間取り、設備、素材、デザイン、募集方法など、複数の違いを積み重ねていけば、競合物件が一部分を模倣しても、部屋全体の魅力まで簡単に再現することは難しくなります。



そのため、リノベーション後の価値の目減りを抑えるには、「何を新しくするか」だけではなく、競合物件が増えた後でも選ばれる理由をどれだけ積み重ねられるかという視点も重要だと弊社では考えています。


3.リノベーション価値の目減りを抑えるために弊社が行っていること


カフェスタイルキッチン ビフォアフター


弊社では1993年築のファミリー向け賃貸アパート3棟20戸を所有しています。


以前から表装リフォームを強化していたこともあり、2016年までは比較的早期に成約できていました。しかし翌年の繁忙期に客付けで苦戦し、その後の退去も重なったことで、年間入居率は77%まで低下しました。



これをきっかけに、2018年から空室が発生した部屋を順次リノベーションしています。



リノベーションを進める中で意識してきたのが、競合物件と同じような設備を導入するだけではなく、時間が経過しても「この部屋ならでは」と感じてもらえる特徴をつくることです。ここまで差別化を意識する理由のひとつに、弊社物件があるエリアの競争環境があります。



山梨県は賃貸住宅の空室率が高い地域であり、弊社物件の周辺にも同年代の競合物件が多くあります。さらに近年は新築物件の供給も見られるため、築年数が経過した物件が設備を新しくするだけでは、長期的な競争力を維持することは簡単ではありません。



そこで弊社では、前章で紹介した考え方をもとに、主な入居ターゲットである20~30代のカップルや新婚世帯を意識しながら、間取り・設備・素材・デザインを組み合わせた部屋づくりを行っています。


弊社ではカフェスタイルを基本とした室内デザインを採用し、キッチンや洗面台などに無垢材、壁の一部には漆喰を取り入れています。

ただし、競合物件との差別化そのものが目的ではありません。



競合と違う部屋にしようとするあまり、入居希望者のニーズから外れた個性的なデザインや設備を採用してしまえば、かえって客付けが難しくなる可能性があります。



あくまで入居ターゲットが暮らしやすく、魅力を感じてもらえることを前提に、競合物件との違いをつくることが重要だと考えています。



その具体策のひとつとして、弊社ではカフェスタイルを基本とした室内デザインを採用し、キッチンや洗面台などに無垢材、壁の一部には漆喰を取り入れています。



無垢材や漆喰などの自然素材は、一般的な賃貸リノベーションで必ず採用される素材ではありません。弊社がコストをかけてでも採用してきたのは、単に自然素材がおしゃれだからという理由だけではありません。



一般的な住宅設備は、導入直後の「新品」であること自体が魅力のひとつになりますが、時間の経過とともにその新しさは失われていきます。



一方、無垢材などの自然素材は、使用状況やメンテナンスによって状態は異なるものの、色合いや風合いの変化を素材の特徴として活かせる場合があります。



つまり弊社では、「新品だから魅力的」という価値だけに依存するのではなく、時間が経過した後にも別の魅力を感じてもらえる可能性がある素材を取り入れることも、リノベーション価値の目減りを抑える方法のひとつと考えています。



もちろん、無垢材や漆喰を採用すれば、必ず家賃を維持できるわけではありません。家賃や成約までの期間は、立地、間取り、競合物件、募集時期、設備、物件管理、募集方法など複数の要因から影響を受けます。



弊社としても「自然素材を使えば価値が下がらない」と考えているわけではありません。



自然素材も部屋の魅力を長く活かすための選択肢のひとつと捉え、設備の新しさだけに頼らない部屋づくりによって、リノベーション価値の目減りを可能な限り抑えることを目的としています。



▶弊社が無垢材、漆喰を採用している理由については、以下の関連記事をご覧ください。





4.5年前にリノベーションした部屋でも再募集時に家賃値上げ


では、リノベーションから年数が経過した部屋を再募集したとき、家賃はどうなったのでしょうか?



弊社では2018年から空室を順次リノベーションし、2026年9月25日現在、全20戸のうち15戸で施工を完了しています。ここでは、2021年にフルリノベーションした2階角部屋の事例を紹介します。



この部屋の家賃は、リノベーション前が60,000円。2021年の施工後は64,000円で募集しました。

2024年には、入居者が戸建て住宅へ住み替えるため退去しました。室内はほぼ原状回復のみで再募集でき、家賃を66,000円に上げて早期に成約しています。



その後、2026年に家庭の事情による退去がありました。この部屋には、それまで造作洗面台を設置していなかったため、再募集に合わせて新たに設置。家賃をさらに4,000円上げて70,000円で募集し、約1か月後に成約しました。



つまり、2021年のリノベーション直後の64,000円から、約5年後には70,000円へ。再募集時の設備追加も含め、家賃は約9.4%上がりました。



主な内容

募集時期

家賃

既存の部屋

リノベーション前

60,000円

フルリノベーション後

2021年

64,000円

ほぼ原状回復のみで再募集

2024年

66,000円

造作洗面台を追加して再募集

2026年

70,000円


注目していただきたいのは、2024年の再募集です。 リノベーションから約3年が経過しても、ほぼ原状回復のみで従前家賃より2,000円高く募集し、早期に成約できました。



少なくともこの部屋では、施工直後だけでなく、数年後の再募集時にも入居希望者に選ばれる魅力が保たれていたと考えています。



2026年の家賃は、リノベーション直後の64,000円から6,000円、約9.4%の上昇です。ただし、この年は造作洗面台を追加しています。周辺の家賃相場なども成約に影響し得るため、リノベーション当時の施工内容だけで9.4%値上げできたとは言えません。



それでも、2024年に大きな設備追加をせず値上げして成約し、2026年にも必要な箇所に手を加えて再び値上げできたことは、リノベーション後の魅力の目減りを抑えるという弊社の考え方に沿った結果です。年数が経過したら必ず家賃を下げる、という結果にはなりませんでした。



▶リノベーション後に再募集した別の部屋の客付け結果については、関連記事「空室対策に効く!賃貸リノベーションの成功事例3選」をご覧ください。


5.自然素材はメンテナンスしないと価値を維持できない?


自然素材はメンテナンスしないと価値を維持できない?

ここまで、弊社がリノベーション価値の目減りを抑えるために、無垢材や漆喰などの自然素材を採用していることをお伝えしました。



ただ、貸主の立場からすると、「自然素材はメンテナンスに手間や費用がかかるのでは?」と気になる方もいると思います。確かに、自然素材を採用すれば何もしなくても状態を維持できるわけではありません。



弊社でも退去時には室内の状態を確認し、必要に応じて補修を行っています。


漆喰はクラックが入っても部分補修しやすい




リノベーションした部屋の壁の一部には、漆喰を採用しています。



漆喰はクラック(ひび割れ)が生じることがあり、退去時に細かなクラックを確認することがあります。ひび割れは壁紙にも起こり得るため、漆喰だけの問題ではありません。



クラックが見つかった場合は、その都度、状態を確認して部分的に補修しています。補修後は目立ちにくくなるため、細かなクラックだけで壁全体を施工し直す必要はありません。



壁紙も部分補修できる場合があります。ただし、汚損や破損の程度、既存の壁紙との色柄の違いなどによっては、張替えが必要です。



退去時に傷んだ箇所を補修しながら使い続けられることが、漆喰を採用する理由のひとつです。 施工費用だけでなく、その後の補修まで考えて素材を選ぶことが、リノベーション後の魅力の目減りを抑えることにつながると考えています。



▶漆喰壁の補修内容や実際にかかった費用については、関連記事「漆喰の補修工事は高いのか?」をご覧ください。



無垢材は入居者の使い方にも左右される


無垢材は入居者の使い方にも左右される
入居者が丁寧に使ってくれないと、黒ずみなどが発生してしまいます。

一方無垢材は、入居中の使い方によって退去時の状態に差が出ます。



弊社ではキッチンや洗面台などに無垢材を使用してきましたが、これまでの入居者の多くは丁寧に使用してくれていたため、退去後に無垢材そのものを大きく原状回復するケースはほとんどありませんでした。



ただし、ごく一部では、使い方や日常的な手入れの状況などによって、汚れやカビが発生したこともありますが、このようなケースは1割未満にとどまっています。



そのため、自社物件での経験に限れば、無垢材を採用したことで退去のたびに高額なメンテナンス費用が発生しているわけではありません。



もちろん、これは弊社物件での実績であり、すべての賃貸物件で同じ結果になるとは限りません。

それでも、実際に複数の退去を経験する中で、自然素材は「何もしなくても価値が維持できる素材」ではなく、「適切に補修・メンテナンスしながら長く活用していく素材」だと考えるようになりました。



リノベーション価値の目減りを抑えるためには、完成時のデザインだけを見るのではなく、数年後の退去時に補修できるのか、再募集時にもその素材を活かせるのかまで考えて選ぶことが重要です。



▶無垢材の造作洗面台に汚れが生じ、退去後に一部を交換した事例については、関連記事「2026年の賃貸市場を自社物件で振り返る|5件の退去・修繕・募集で分かったこと」をご覧ください。


6.まとめ


今回は、リノベーション後の価値が時間の経過によってどう変化するのか、弊社の実例をもとにお伝えしました。



リノベーションをしても設備や内装は少しずつ古くなり、競合物件の参入によって相対的な魅力が低下することもあります。



しかし、入居ターゲットを明確にしたうえで、間取り・設備・素材・デザインなど複数の魅力を積み重ね、退去後の補修まで考えた部屋づくりを行えば、リノベーション価値の目減りを抑えることは可能だと弊社では考えています。



実際に弊社では、リノベーションから数年経過した部屋でも、再募集時に従前家賃を維持するだけでなく、値上げして成約できた事例があります。



リノベーションは、ただ空室を埋めるためだけの工事ではありません。数年後の退去時にも選ばれる部屋をつくる視点を持つことで、再募集時の家賃維持を目指しやすくなります。リノベーションを検討する際は、完成直後だけではなく、数年後の再募集まで見据えて施工内容を考えることが重要です。



▶弊社が2018年から行ってきた空室対策リノベーションの入居率や家賃収入など、具体的な運営結果については「空室対策リノベーション実績」をご覧ください。



今回ご紹介した内容は、私自身が1993年築のアパートを運営する中で実践し、試行錯誤を重ねながら取り組んできた空室対策です。



しかし、「何から始めればよいのかわからない」「自分の物件でも活用できるのか判断できない」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。



そのような場合は、(有)山長の無料相談をご利用ください。






空室対策コンサルタント 有限会社山長

有限会社山長 長田 穣

取締役 長田 穣(オサダミノル)    空室対策コンサルタント


1993年に祖父が建設した3棟のアパートを、2007年に突如相続。当時は赤字経営に陥り、修繕費すら捻出できない絶望的な状況からのスタートでした。


暗中模索の中、2018年より独自の「高付加価値リノベーション」を本格開始。


その結果、2020年以降はリノベーション前の入居率77%から、年間平均95%以上へと大きく改善しました。築30年以上の物件ながら、周辺相場より10%以上高い家賃設定で「年間収入430万円アップ」を達成しています。


この逆転劇は『全国賃貸住宅新聞』などの業界メディアでも大きく取り上げられました。


現在は、山梨県内を中心に空室対策コンサルタントとして活動。自ら苦境を乗り越えた「大家の痛みがわかる専門家」として、コストを抑えつつ物件収益を最大化する、持続可能な満室経営をサポートしています。


あなたのアパート経営を支援させていただきます!


▶︎〒400-0053 山梨県甲府市大里町2090

▶︎まずはお気軽にお問い合わせください

055-241-2218

090-8514-3562



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