アパート経営が厳しくなった場合の対処方法
更新日:6月20日
地方都市の賃貸市場は、すでに「物件供給数が需要を上回っている」と言われています。
今後日本の人口は確実に減少傾向となるので、地方都市ではもちろんのこと、大都市圏にある賃貸物件であっても空室率上昇は決して避けることができず「対岸の火事」的に見ることはできません。

アパート経営が悪化してしまう主な要因としては…
築年数経過による家賃下落
築年数経過による修繕費増加
によって、キャッシュフローが回らなくなってしまい、最悪自転車操業的な経営になってしまいます。
▶アパート経営の年収に関する詳細は、過去記事をご覧下さい。
【過去記事】見逃しがち?アパート経営の年収を左右する6つのポイント
ただ万が一経営が悪化した場合であっても、対応次第では十分回復することができます。
弊社物件もつい7年ぐらい前までは経営難の状態が続き、一時期は「自転車操業的な経営」をしていました。
しかし経営改善をした結果今では黒字改善を図ることができ、御陰様をもちまして2022年度の決算では「増収増益」を達成することができました。
本投稿は、アパート経営が悪化した場合の対処方法についてお伝えいたします。
▼目 次
1.損益分岐点をしっかりと確認する

アパート経営が厳しくなっているということは、損益分岐点が下がっている可能性があります。
つまり「収入と支出のバランスが取れなくなっている可能性」が高くなっているので、まずは現在の経営状態をしっかりと把握することが重要となります。
アパート経営に関わる支出
アパートの家賃収入はサブリースであれば毎月一定額/集金管理物件では現在入居中の借主からの家賃合計から、管理会社に支払う管理料を相殺された金額となります。
一方、アパート経営に関わる支出に関しても、基本的にはそれほど変動はないものの、主な費用に関しては下記の通りとなります。
共用部分の光熱費
(外部委託している場合)清掃費
管理会社に支払う管理料
修繕積立費
火災(地震)保険
仲介手数料
固定資産税
上記費用の内、火災(地震)保険料/固定資産税に関しては、年払いで支払っている貸主もいると思います。このような場合、月払いで計算するとお金の流れが把握しやすくなります。
損益分岐点の計算方法
所有物件の損益分岐点の計算方法は「毎月の支払額÷家賃収入」となります。
例えば、1部屋の家賃が6万円+共益費が3000円の部屋を10室所有し、毎月の諸費用が10万円/ローン返済を40万円とした場合、このアパートの損益分岐点は
上記物件の場合2部屋以上退去=空室が発生してしまうと、キャッシュフローが厳しくなることになります。なお、損益分岐点はあくまでも参考程度にとどめる必要があります。
アパート経営がマイナスにならないようにするためには、まずは損益分岐点をしっかりと把握することです。
毎月のキャッシュフローがプラスになった場合は、多少なりとも内部留保しておくといった対策を講じることによって、万が一損益分岐点が下回ってしまっても、一時的にしのげる可能性が高くなります。
2.メインバンクに相談する

収支のバランスが崩れてくると、自転車操業となるのは時間の問題。
自転車操業を改善しなければ、さらに経営状態が悪化するため負のスパイラルになってしまいます。
このような状態になると、支払い関係が滞ってしまう可能性が高くなります。そのためすぐにメインバンクの融資担当者に事情を伝え返済方法の見直し(リスケジュール)をしてもらうのが得策です。
リスケジュール(元金据え置き)が認めらえれば、月額の銀行返済の元本は据え置きになる(ただし利息分の支払いは以前のまま発生する)ため資金繰りがラクになり、財務状況を立て直すことが可能となります。
但しリスケジュールのデメリットとしては…
返済期間を延長した場合、月々の返済額は軽減できるものの利息を多く支払うことになる
元金据え置きの場合、半年~1年以内となるため期間内に立て直しをしないといけない
ので、注意が必要となります。
3.経営改善を行う

メインバンクからリスケジュールが承認された場合、経営改善を行わないと銀行評価が低くなります。
銀行評価が低くなれば、新規融資が認められない可能性が出てくるため、運転資金/設備資金を借りたいと思っても対応してくれません。
▶銀行がリスケジュールを行った場合の企業評価詳細に関しては、こちらをご覧下さい。
リスケジュールは金融機関側にとってはあまり歓迎されません。ただしっかりと経営改善計画を説明し経営改善ができれば、逆に正常評価に戻してくれることがあります。以下は弊社におけるリスケジュール承認後の対応です。
2020年に発生した新型コロナウイルスの発生により、弊社物件では内見者/問い合わせの激減によって一時期銀行支払いがショートしそうになりました。
すぐにメインバンクに急行し融資担当者に事情を話したところ、コロナ禍ということもあるので「支店長決済によるリスケジュール(元金1年間据え置き)」が認められました。
リスケジュールが認められた際、支店長及び融資担当者に対して
元金据え置きによる資金を使って新規リノベーション部屋を募集する
SNS集客を強化し、物件PRを行う
対応を取り経営改善を至急行うことを約束しました。
緊急事態宣言が解除になったことで次第に反響数が増加→成約数が増加し経営状態を改善させることに成功。リスケジュール終了後は収益が右肩上がりとなり昨年一部借入金の金利引き下げに成功しました。
▶弊社リノベーションに関しては、過去記事をご覧下さい。
【過去記事】【アパート経営】相続してから空室0にするまでやってきたこと②
【過去記事】【アパートのリノベーション】実体験をもとにメリットとデメリットを解説
4.アパート経営を成功させるためには

アパート経営は、築年数が経過することによって
空室リスク/家賃下落リスクが上昇
修繕費の増加
等の懸念材料が増えてしまい、当初の事業計画通りにいかない恐れがあります。
さらに「リーマンショック」「コロナウィルス」がきっかけによる世界的な不況などが突発的に発生してしまうと収益が一気に低下してしまう恐れが出てきてしまい、これに関しては予見することができません。
ただ、築年数が経過したとしても築年数に応じた空室対策を行えば、収益改善を図ることが十分期待できます。また経営体質にあった金融機関と取引を行うことによって、緊急事態が発生しても柔軟な対応をしてくれます。
▶金融機関との付き合い方に関しては、過去記事をご覧下さい。
弊社物件も築年数が古く、2017年及び2020年に経営状態が悪化しましたが、差別化リノベーションを展開することによって、収益性を高めることに成功。
その結果弊社事業取組(業績改善)は、不動産系メディアに多数掲載されるぐらい注目されるようになりました。
▶詳細は下記記事をご覧下さい。
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私たち有限会社 山長ではアパート経営をするオーナーさんの支援をさせていただいております。
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私の経営する有限会社 山長ではアパートの経営改善、空室対策など賃貸経営者を支援するコンサルティングサービスを行なっています。自己破産寸前の状態から空室ゼロへ、そして安定した入居率を実現するまでに至った経験をもとにオーナー様と一緒になって改善のお手伝いをさせていただきます!
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取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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