築年数が経過してくると、物件の資産価値は低下していきます。大都市圏の「好エリア」以外では、築年数と共にエリア内の家賃相場は下落していくので、そのままの状態で貸し出してしまうと、空室期間の長期化、家賃値下げ交渉などでキャッシュフローが悪くなってしまう可能性があります。
そんな中、リノベーションを行うことで、資産価値の向上が期待できることから、家賃値上げ集客が可能となると言われています。しかし、その一方で、内装や設備の交換で一定の費用が掛かることから、理解はできるものの費用対効果に対して懐疑的に思うオーナーさんも少なくないのではないでしょうか。
弊社物件は「1993年築」「家賃相場より家賃が高い」「和室部屋がいまだにある2LDK」でありながら、リノベーションのメリットを活かすことで、従前家賃と比べて「最大10%値上げ」することに成功し、2023年1月20日現在、満室状態となっております。
本投稿では、私自身の実体験をもとにリノベーションすることの「メリット」と「デメリット」について、まとめてみたいと思います。
▶︎お知らせ◀︎
私の経営する有限会社 山長ではアパートの経営改善、空室対策など賃貸経営者を支援するコンサルティングサービスを行なっています。自己破産寸前の状態から空室ゼロへ、そして安定した入居率を実現するまでに至った経験をもとにオーナー様と一緒になって改善のお手伝いをさせていただきます!
まずはお手軽無料相談からお問い合わせください。
▼目 次
1.アパートをリノベーションするメリット
1)入居率向上
古くなった物件であっても、新築同様に蘇らせることが可能となるリノベーションを行うことによって、「入居したい」と考える方は増加しますので、入居率改善が期待できます。
リノベーションは、もともと「新築物件や築浅物件に入居したい」と考えている方を、入居ターゲットにしてリノベーションしていることから、物件によっては「新築より室内のデザイン性が優れている」ことがあり、さらに家賃面においても、新築よりもリーズナブルとなっていることから、近年では「あえてリノベーション物件を選択」される方が増えてきています。
2)家賃値上げが可能に
賃貸物件の家賃が維持できない最大の理由は、資産価値が低下してしまう点にあります。これは、車の価値と同じで、新車時と5年落ちの相場で考えれば、100%新車時の方が相場的には高いですよね。
しかし、たとえ古くなったとしても、賃貸物件の場合「資産価値を高める」ことができれば、家賃値上げすることは可能であり、周辺相場より高い設定であったとしても、一定の価値を提供できれば、相場の影響は受けにくくなり、成約に繋げることは十分可能です。
家賃値上げすることができれば、その分家賃収入が増加することを意味するので、キャッシュフローの改善や、収入増加が期待できます。
3)入居者の質の改善
リノベーションを行うことによって、家賃値上げが可能となり、また家賃相場の影響を受けにくくなることから、安定した賃貸経営を行うことが可能となってきます。
家賃相場の影響を受けにくくなるということは、「入居者の質」もその分良くなることを、意味しています。
賃貸業界的には、家賃が安くなればなるほど、「入居者の質は低下する」と言われていて、入居者同士によるトラブルや、家賃滞納問題が発生しやすくなります。
4)仲介会社が協力してくれる
リノベーションを行うことによって、築年数が経過していたとしても、集客力がアップすることから、お部屋紹介をする仲介会社にとっても、案内がしやすくなります。
更にはリノベーションすることで、従前家賃より家賃値上げを行っていれば、仲介手数料もその分高くなることから、担当者としても「お客様に勧めたい物件」という認識をもってくれるので、早期に部屋が埋まりやすくなります。
5)長期入居が可能に
リノベーション部屋のクオリティーが高く、また管理の質が良ければ、当然ながら「長期入居」してもらえる可能性は高くなります。
長期入居してもらえることができれば、リノベーションをする前と比べると、収入が増加することになることから、安定した賃貸経営を行うことができます。
また、リノベーションは「年数が経過した」としても、資産価値は低下しにくくなることから、家賃値下げ交渉が起こりにくくなるという点も、リノベーションのメリットのひとつと言えます。
2.リノベーションで発生するデメリット
1)多額の費用が発生する
どのくらいリノベーションをするかによって違いは出てきますが、一般的なリノベーションは、内装はもちろんのこと、設備交換や間取り変更なども行うため、費用が高額になってしまう可能性が極めて高くなります。
自己資金で対応できればいいのですが、一般的には「金融機関から借入を起こす」ことになるため、新たな借金が増えてしまうことになります。キャッシュフローがうまく回っていないオーナーさんの場合、新たな借り入れを起こすのは、抵抗を感じてしまう可能性が高いです。
2)差別化しにくくなる
築年数が経過している物件を「リノベーション」することによって、資産価値向上が期待できることから、「成約率向上や家賃値上げ」が期待できます。
ただ、リノベーションコスト削減のため、多くのリノベーション物件では「既製品」を導入していることから、他社リノベーション物件との差別化が「難しく」なってしまい、もしエリア内に「同質化リノベーション部屋」が多数あると、価格競争が生まれやすくなってしまうので、要注意となります。
3.リノベーションしてどうなったのか?
ここまで、アパートをリノベーションした場合における「メリット」と「デメリット」についてまとめてみました。ここからは私の実体験をもとにリノベーションを通じてどのような変化があったのか見ていきたいと思います。
弊社物件は、日本一空室率が悪く、さらに築30年目、和室部屋がある2LDK、家賃相場より家賃が高いといった条件から、集客上不利な物件ですが、2018年以降、空き部屋をリノベーションすることにより2020年以降、増収増益となり、念願の満室を達成しました。
▶︎筆者の取り組みに関する詳細は下記の過去記事をご覧ください
1)入居率増加
弊社では、他の物件と比べると「退去リフォーム」は積極的に行っていたこともあり、比較的早期に部屋は埋まっていたものの、2017年の繁忙期、それまで行っていた成功事例が全く通用しないばかりではなく、3月末に転勤による2部屋同時退去が発生してしまい、一気に赤字になってしまいました。
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「今までのリフォームではもう通用しない」と判断し、リフォームからリノベーションへと舵を切ったところ、お客様から高い評価を受け、物件専用HP のSEO対策を強化した2020年以降、高入居率を維持することができ、満室を達成しました。
2)家賃相場の影響を受けにくくなる
賃貸物件を募集する際、大手賃貸検索ポータルサイトに物件情報を掲載してもらうようお願いすることになりますが、同サイトを利用すると「希望条件を好きに入力」することができるため、競争力が低下している「築年数が経過した物件」は、価格競争になりがちです。
また、リノベーションをしたとしても、同サイト内が定める「リノベーション定義」に合致していないと、専用ページに掲載できないため、同サイトを活用して集客した場合、どんなに頑張っても収益低下は避けられません。
そこで、弊社では物件の公式サイトを立ち上げることで多くの方に物件周知させることに成功しました。また2020年からSEO対策も強化し特定のキーワードで検索するとトップページに掲載させることができるようになりました。
そのため家賃値上げのリノベーションをしても、家賃相場の影響を受けにくく、また物件自体のクオリティーも高くなるため、気に入ってもらえれば内見当日にお申込をしてくれる方も急増しました。
【弊社物件公式サイト】
3)入居者の質が高くなった
不動産賃貸業界にとって、一番避けなければならない問題とは「家賃滞納」と「入居者間のトラブル」
家賃滞納と入居者トラブルには、ある共通点があります。
それは「入居者の質」です。
賃貸業界的には、入居者の質が悪い物件では、家賃滞納や入居者間のトラブルが発生しやすいと言われていますが、管理担当者の話では「家賃が安い物件」ほど、トラブルは発生しやすいとのことです。
弊社物件は、自分がオーナーに就任した2007年当時から、家賃相場よりも高い設定で募集をしていたことから、家賃滞納や入居者トラブルは、殆どないといっても過言ではありません。
リノベーション事業を本格化させた2018年以降においても、家賃滞納は2件だけ発生したものの、入居者間トラブルはここ数年は、1件も発生していません。
4)仲介会社が紹介したくなる
弊社リノベーションは、ナチュラルテイストに特化した仕様となっていることから、通常のリノベーション部屋と比較してクオリティーが高めです。
そのため仲介会社の担当者目線で言えば、「弊社の物件を紹介すれば、成約に繋げられるのでは?」と、期待を持って紹介してもらえるようになりました。
また、弊社リノベーション部屋は、家賃相場と比べると1万円以上高い家賃設定となっているので、弊社物件を成約させれば、同築年の物件と比べて「仲介手数料が高い」ことから、仲介会社にとっても「オイシイ物件」と言えます。
実際、2022年3月~5月にかけて、3件退去が発生しましたが、3件とも6月までには全て埋まり、3件とも仲介会社からのご紹介だったことを踏まえると、弊社リノベーション部屋は、仲介会社側にも浸透していることが推測できます。
5)物件ファンが急増
2018年以降、空き部屋を随時リノベーションしていますが、他社リノベーション物件とは、一線を画す部屋となっているため、お客様自身が納得した上で、ご入居してもらっていますが、ご入居後においても、内見時における説明通りの部屋となっているため、「暮らしやすい」「友達から羨ましいと言われる」などといった、嬉しいコメントを多数頂戴しています。
実際、リノベーション部屋にご入居されている方の中には、お友達が2LDKアパートを探していると相談された際、「それならばグレイスロイヤルがいいよ」と紹介したと、後日教えてもらいました。
6)早期入居が可能+公的融資をうまく活用
リノベーションすることによって「資産価値が高く」なることから、「成約率向上」「家賃値上げがしやすくなる」というメリットがありますが、その一方で「リノベーションは、設備なども交換しなければならなくなる」ため、費用が高額となってしまいます。
リノベーションしたいけれど、躊躇してしまうオーナーさんの大多数は、高額な費用をかけて本当に利益を確保することができるのか、懐疑的な見方をしています。
弊社物件のリノベーション費用は1室あたり概ね200万円程度としていますが、公的融資制度を利用して実質金利1.0%で借りていることから、毎月の返済額を抑えることができています。
さらに弊社が使っている公的融資は、年1回、利子補給が受けられるため、返済がきつくなることもありません。
また、差別化リノベーションを展開+公式サイトを使った集客強化することで、多くの方に物件情報を拡散できることから、タイミングが合えば、募集開始直後に「内見予約」が入ることも珍しくはなく、公式サイトから内見予約をされた方の約8割は、そのままご入居して頂いているので、多額の費用が掛かったとしても、費用対効果は十分期待できます。
7)差別化することによって、メディアにも取り上げられている
差別化リノベーションを展開することによって、家賃相場を無視しても、入居率は高くなりますが、この様なリノベーション事業を展開している物件は、皆無であることから、近年では地元メディアを中心に、多くのメディアから取材をされるようになりました。
4.まとめ
今回は、弊社リノベーションの実体験をもとにした、メリットとデメリットをお伝えしました。
弊社物件がある山梨県は、日本一空室率が悪く、さらに賃貸物件の供給数が飽和状態となっているため、築年数が経過している物件を中心に、家賃値下げが横行し、家賃値下げをしても部屋が埋まらない物件もあることから、市場そのものが「負のスパイラル」状態となっています。
このような状況下であっても、弊社物件は
他社リノベーション物件との徹底的な差別化
ニーズに合ったリノベーション部屋の開発
公式サイトの開設・運用
入居後のイメージを伝えることができる
ことから、家賃相場より高い家賃設定になっていますが、現在満室状態が続いており、今期(2023年)アパート収入は、過去最高売上を達成することが可能となりました。
私たち有限会社 山長では本記事で紹介したような手法でアパート経営をするオーナーさんの支援をさせていただいております。
「空室対策をしているのに、なかなか結果がでない・・・」
とお悩みの方は、まずはお気軽にお問合せ下さい。
取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
あなたのアパート経営を支援させていただきます!
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