【アパート経営】相続してから空室0にするまでやってきたこと①

更新日:10月4日


有限会社山長 取締役社長 長田穣

私は山梨県甲府市を拠点にアパート経営者さんの空室対策をお手伝いする会社、有限会社 山長を経営している長田 穣(オサダミノル)と申します。



本記事は

  • これからアパート経営に携わる

  • これからアパートを相続する


といったような方に多く読まれるのではないかと思います。


一般的にアパート経営と聞くと、とても華やかなイメージが強いのですが、その一方で「経営自体が苦しい」と日々悩み続けている賃貸オーナーさんは決して少なくありません。


事実、私も3年前まではその一人でした。


しかし、さまざまな勉強や試行錯誤を繰り返した結果、近年ではようやく黒字での決算を迎えることができるようになりました。


昨年度は増収増益を達成し、本記事を執筆している今期(2023年度)においても、すでに昨年の家賃収入を超える見通しです。そんな私が祖父からアパートを相続し、現在の空室ゼロの経営状態にするまでに取り組んできたことを本記事のまとめてみたいと思います。


私の体験を通じて一軒でも多くのアパート経営の改善に繋がれば幸いです。



 

▶︎お知らせ◀︎


私の経営する有限会社 山長ではアパートの経営改善、空室対策など賃貸経営者を支援するコンサルティングサービスを行なっています。自己破産寸前の状態から空室ゼロへ、そして安定した入居率を実現するまでに至った経験をもとにオーナー様と一緒になって改善のお手伝いをさせていただきます!

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アパート経営に携わる方のキッカケとして「もともと家族がしていて相続した」もしくは「不労所得」を目指して中古物件や新築物件を購入されたといった感じではないでしょうか。


私の場合は前者のパターンでもともと祖父が経営していたアパートを相続しました。


祖父が「相続税対策」として、賃貸経営を開始したものの、祖父、父と相次いで病死し、私が急遽2代目のオーナーとして就任しました。


当時は、「家賃収入よりも銀行返済」の方が上回っており、税金や火災保険などの支払いは、他の部分から回さなければとても支払うことができない経営状態でした。


その状態からどのような流れを経て現在の状態に至ったのか順を追って見ていきたいと思います。



 

▼目 次

1. 祖父世代の経営状態とその背景

 1-1. 土地神話が盲信された90年代

 1-2. さらに苦境に立たされる2000年代

2. 父と祖父の病死で賃貸経営が他人事ではなくなった

3. 管理会社を責め続けた日々

4. きっかけは一件の緊急修繕

5. 物件清掃から得たもの

6. リフォームの学び

7. 大雪の奇跡

8. 喜びはつかの間、再度赤字へ転落

 



祖父世代の経営状態とその背景

まずは先代が創業した時の状況を調べるところから始めました。

アパート経営を相続した物件の外観

土地神話が妄信された90年代

1980年代後半〜90年、ちょうど私が小学生の頃です。


株価や地価といった資産価値が急上昇し「土地神話」と言われる言葉が生まれ、「土地の価格が上昇すれば家賃も上昇する!」という考えから、「田畑や休耕地を使ってアパートを建てれば不労所得を得られる」と考えられていました。


当時、祖父は1000坪程度の畑を所有しており、そのまま祖父が亡くなった場合、相続税だけで「3億円」程度の課税が発生すると顧問税理士からのアドバイスを受け、93年にファミリー向け賃貸アパート(3棟20戸)を建て、その後98年にワンルーム賃貸アパート(1棟14戸)を建てました。



アパート経営を相続した物件の外観

当時は、需要と供給のバランスが保たれていたことから、建物の完成前に満室状態となり、空室が発生したとしても、すぐに次の方が入居していたので、キャッシュフローはとてもよい状態でした。


しかし同様の流れを踏む賃貸オーナは意外なほど多く、1990年代後半からは次々に賃貸アパートが建設され、築年数的に古くなった弊社物件は、徐々に空室が目立つようになっていきました。

さらに苦境に立たされる2000年代

2000年代に入ると周辺には次々と賃貸アパートが建設されました。


またこの時期から「サブリース契約」を売りに出す物件が増加し、空室が何件発生しても「毎月必ず同額賃料が支払われる」ことから、築年数が古くなってしまった物件は、資産価値が低下してしまうので、空室が目立ち始めるようになりました。


当時は、管理会社に全て丸投げ状態としていたことから、管理会社の主張を全面的に受け入れ、全世帯の家賃を値下げするなどして、場つなぎで的な空室改善を図りましたが、全世帯の値下げとなると、その損失は大きく、このときを境に経営状態の悪化がハッキリと目に見える形で現れ始めました。


ここからは「悪化の一途」を辿ります。


父と祖父の病死で賃貸経営が他人事ではなくなった

経営状態の悪化が続く2006年12月、父が56歳という若さで病死しました。さらに、そのわずか20日後、後を追うように祖父までも病死してしまい、本来であれば父が後を継ぐはずだった賃貸オーナーを、急遽、私が継ぐことになってしまいました。


オーナーと所有しているアパート

ここで初めて不動産の経営が他人事ではなくなったのです。


正直、父との関係はあまり仲の良いものではなかったので、私自身、不動産賃貸業を継ぐという気持ちが全くなく、賃貸経営に関する知識も全く持っていませんでした。


父と祖父の急死からいきなり賃貸オーナーに就任した私が初めて理解した現状・・・


それは・・・


すでに家賃収入より銀行返済の方が完全に上回っている「債務超過」状態になっていた


ということ。 当然、税金や火災保険などの支払いができる状態ではなかったため、母にお願いして援助してもらっていました。状況としてはかなり深刻でいつ自己破産してもおかしくはない状態でした。


その後体調を崩し、勤めていた会社を退職することになってしまいました。


当時は「自分が不幸になったのは、全て父や祖父、また管理会社のせい」と一方的に決めつけ、自宅に帰っては母や管理担当者に罵詈雑言を浴びせるのが、唯一のストレス解消法となっていました。



管理会社を責め続けた日々

不動産管理会社の仕事は、管理を任せられたオーナーさんの物件資産価値を可能な限り高め、収益性を高める物件に導く事です。


当時の私は

  • 全て管理会社に任せ、空室が埋まらないのは全て管理会社の能力不足

  • 担当者のミスはどんな些細なものでも徹底的に追及

など管理会社に対し、とてもひどい態度で接していました。


これは管理会社では有名となっていますが、一番すごかった罵詈雑言は、管理会社が運営している仲介会社に、アポなしで訪問、お客様がいる前で「店長さんを徹底的に罵倒した」なんてこともありました。


今考えれば確実にハラスメント認定で普通に考えれば管理契約解除という感じだと思います。


しかし当然のことながら管理会社にひたすら文句を言い続けたところで経営状態は改善されるわけもありません。


一体何をどうしたら改善するのか・・・。長期間、自問自答していました。


しかしある出来事をきっかけに、状況が変わり始めます。 



きっかけは一件の緊急修繕

私の物件は大手管理会社が施工したこともあり、5年ごとに建物点検を無料で行ってくれます。


点検を依頼した箇所や外壁のコーキングなど多数の劣化がみつかり、

「このままの状態を放置」しておくと、建物構造に悪影響を及ぼしてしまうと指摘されました。


壁紙のクロス貼り替え作業の様子

急遽、緊急修繕を行うことに。


しかし問題はどうやって費用を捻出するか?ということ・・・


この当時も「自転車操業」的な経営は続いていたため、新たな借り入れを起こしてしまうと、さらに支払いがきつくなってしまう・・・。どうしようかと悩んでいました。


そんな時、担当者が「月に1回行っている外部委託清掃」を解約して、そのお金を返済に回せば「実質的に借り入れは発生しないのでは??」とアドバイスしてくれました。


私はアドバイスに従って清掃委託契約を解約し、そのお金を講じ返済費用に回しました。


ただここで新たな問題が発生します。


そうです。「一体だれが物件掃除を行うの??」


当然、誰もなり手がいるわけもなく、「オーナー」である私が対応することになりました。



物件清掃から得たもの

「どうしてオーナーが物件清掃をするのか?!」


最初は責め心が強い状態で物件掃除を行っていました。

しかし徐々に心境に変化が現れ始めました。


「どうせ掃除をするなら自分の所有物件なんだしどこよりもキレイにしたい!」


そんな風に思うようになり、次第に掃除をすることが楽しくなっていきました。


物件清掃をしているオーナー

最初は月に1回行っていた物件清掃が・・・


週1回に変わり・・・


気づけば平日の午前中は、毎日物件掃除に行くほど、掃除が好きになりました。


掃除が好きになると、徐々に賃貸経営に関しても「もっと知りたい」という気持ちになり、本格的に学ぶことへと繋がっていきます。



リフォームの学び

さまざまな学びをきっかけにそれまで管理会社にまかせっきりだった退去後のリフォームについても、参加しようと考え、打ち合わせ現場へも行くようになりました。


リフォーム途中の物件

しかし、当時はリフォームに関する知識がなかったので、どのような対応をすればいいのか全くわかりませんでした。


そんな中、壁紙を選定するという場面があり、担当者が「好きな壁紙を選んでみてはいかがですか?」と、丁寧にアドバイスしてくれたことから、自分が選んだ壁紙でリフォームをすることになりました。


すると意外にもお客様からの評判が良く、入居の決め手のひとつにもなったことから、これ以降、退去連絡を頂いた際には、オーナー自ら積極的にリフォーム提案をするようになっていきました。


自分自身の心が変われば、行動も変わってくるもの。


退去リフォームを積極的に行うことによって、客付けの方もよくなってきました。


しかしアパートのローン返済は、この時点でも赤字状態から脱却することができずきびしい状況、さらにリフォーム費用に関しては、管理会社に直接発注していたものの、当時は返済することができなかったので、買掛金として対応してもらっていました。

(※当時は「ツケで支払う」ことができましたが、今はできません)


そこで、メインバンクの融資担当者にお願いして、返済条件の見直し=返済期間を延長して、毎月の支払額を抑えていただくことに成功。


毎月少しずつではありますが、管理会社に溜まっていた買掛金を返済することができました。



大雪の奇跡

2011年2月に、関東地方に発生した「南岸低気圧」の影響によって、関東地方は災害級の大雪が降り、弊社物件がある山梨県甲府市では、一晩で1メートル級の積雪を観測しました。




山梨県甲府市は、年に数回程度雪が降ることがありますが、降ったとしても10㎝程度、1メートル級の雪が降ることはまずありません。


賃貸借契約において、アパート駐車場の雪かきは「ご入居者様」が行うことになっているのですが、さすがに1m級の積雪を人が作業するには、どう考えても不可能・・・誰の目から見ても明白です。


私は、業者さんに依頼して「ユンボを使って除雪」をしてもらいました。


こんな話をしてしまうと、信じてもらえないかもしれませんが、業者さんにお願いして除雪作業を行った後、部屋が面白いように次々と埋まっていき、同年6月には念願の満室を達成。


さらに同年8月には、管理会社の買掛金をすべて支払うことができたことから、翌月には今まで見たことがないような金額の家賃が振り込まれ、一気に黒字化することができました。



喜びはつかの間、再度赤字へ転落

ここまでの経験で学んだ大切なポイント

  • 退去リフォームを徹底的にする

  • 管理会社との連携強化/腹を立てない

  • 物件掃除を徹底的にする

以上のことを行えば、賃貸経営はの、また数字としても結果を残せると確信したこともあったので、物件を満室にさせた翌年の4月、アパートの一部を法人化し、会社の代表取締役に就任、念願だった「アパート収入のみで生活」することができるようになりました。



リフォーム後のLDK


しばらくは満室状態が続き、また退去が発生しても、今までの成功事例をそのまま行えば、すぐに次の方が入居してもらっていたので、これで「ようやく安心して生活することができる」と思っていました。


しかし、2017年の繁忙期(1月~3月)。


その当時2部屋程度空室が発生していたので、今まで通りの対応を行い「繁忙期だからすぐに埋まる」とつい過信していました。


ふたを開けてみると、募集中の部屋が埋まらないどころか、3月下旬に「転勤による退去が同時に2件発生」これら原因により、損益分岐点を下回ってしまい、4月以降赤字となってしまいました。


「今までの成功事例が、どうして通用しないのか?」

「やはり家賃を値下げしないといけないのか?」


と、頭をよぎりました。


ただ家賃を値下げして募集をして満室にさせたとしても、今までと同じ金額をキープすることはできなくなり、さらに入居者の質が低下することは明白であったことから、経営方針を大転換、リフォームからリノベーションに舵を切ろうと決心を固め、同年夏から本格的に始動しました。



続きは後半の記事をご覧下さい。


 

有限会社 山長


取締役 長田 穣(オサダミノル)

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