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多くの貸主が勘違いしている空室対策とは?

更新日:9月15日


賃貸経営を行っている貸主にとって、最も悩ませる課題のひとつは、空室率の問題ではないでしょうか?



日本の人口は2008年をピークに減少傾向にあり、特に地方都市ではその現象が加速しています。このため多くのエリアでは、賃貸需要と供給のバランスが崩れ、今後二極化がさらに進むことが予想されます。




日本総人口グラフ


こうした状況下で賃貸経営を成功させるためには、時代にの変化に合わせた空室対策を強化することが欠かせません。



しかし現実には、今まで同じような空室対策を行っている物件が多く、その結果として空室の長期化や家賃値下げを繰り返すケースが多く見られます。



弊社物件は築年数が古く、物件がある山梨県は賃貸空室率が約3割という厳しい状況に直面しています。しかし従来とは全く異なる空室対策を講じた結果、本執筆時の20254年8月6日現在満室を継続しています。



本投稿は多くの貸主が勘違いしている空室対策、また弊社物件が実際に行っている空室対策をお伝えいたします。


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【本記事でお伝えする結論】


"勘違いしない空室対策をする上で重要なポイント”



1.多くの貸主が勘違いしている空室対策とは?


近年の賃貸市場では供給過多の状況が続き、借り手が圧倒的に優位な状況となっています。このような市場環境では、物件の築年数に関係なく、空室対策を徹底的に行うことが不可欠となります。



しかし空室対策を行っているのに、なかなか客付けができない物件の多くには、貸主が勘違いした空室対策をしている可能性が高いです。



貸主が陥りがちな「勘違いしている空室対策」として、以下3点が挙げられます。



  • 顧客目線に立った空室対策ができていない

  • 家賃値下げすれば成約できると過信している

  • 広告料を増やせば解決できると短絡的に捉えている



これらの問題点について、順に見ていきましょう。


1)顧客目線に立った空室対策ができていない


顧客目線に立った空室対策ができていない


新築物件は募集開始と同時に、すぐに満室になることは決して珍しいことではありません。



この現象には20世紀を代表する経営学者、ピーター・ドラッカーの理論が、ある程度関係していると考えられます。彼の著書『マネジメント』に記された一節が、この状況を説明するカギとなるでしょう。



マーケティングの目的は、販売を不必要にすることだ。マーケティングの目的は、顧客について十分理解し、顧客に合った製品やサービスが自然に売れるようにすることなのだ


マーケティングの目的は、「販売を不要にすること」、すなわち顧客を深く理解した上で、顧客に自然と選ばれる製品やサービスを提供することにあります。



新築物件は、まさしくドラッカーが提唱するマーケティングの理論に基づいた「魅力的な商品」と言えるため、たとえ家賃が割高であっても、早期の満室化が実現できるのです。





一方築年数が古い物件は、設備投資に消極的な傾向が見られる上、多くの競合物件が市場に供給されています。その結果、顧客は予算内でできる限り「築年数が新しい物件」を選ぶ傾向が強まります。



この影響で競争力が低下した古い物件では、仮に適正家賃以下で募集しても、十分な反響が得られず、空室が長期化しやすい状況となってしまいます。



しかし近年の物件探しにおける顧客ニーズの多様化に伴い、築年数が古い物件でも、リノベーションを通じて資産価値を高めることで、改善の余地が生まれます。リノベーションした古い物件には、以下のメリットがあります。



  • 新築物件より家賃が安く、住居費を抑えられる

  • ターゲット層に訴求するデザイン性や独自性を備えた居住空間が提供できる

  • 顧客にとって部屋探しの選択肢が広がる



これにより、ドラッカーが主張する「顧客に自然と選ばれる製品やサービス」を提供する形となり、従前と比べて早期客付けができるだけでなく、収益の拡大も期待できるようになります。



2)家賃値下げすれば成約できると過信している


家賃を下げれば成約できると本気で思っている


賃貸物件の需要と供給のバランスが取れている状態であれば、家賃を下げることで募集部屋は早期に埋まりやすくなります。



しかし現在の賃貸市場における空室率は、一部のエリアを除き全国平均で約2割に達しています。



この状況では、部屋探しを行う顧客の選択肢が増えるため、競争力が低下した築年数が古い物件は、家賃値下げしても敬遠される可能性が高くなります。その結果、空室状態が長期化し、場合によっては6か月以上も空室が解消されないケースも見受けられます。



さらに同じエリア内で競合物件が家賃値下げを行うと、それに対抗して、他の物件も値下げに踏み切り、市場全体で価格競争が激化します。このような価格競争の中で、客付けができたとしても、従前と比べ家賃収入は減少します。



また、同一物件内で異なる家賃設定が発生すると、他の借主からクレームが寄せられたり、契約更新時に家賃値下げを要求されたりするリスクが高まります。



加えて、安易な家賃値下げは借主属性を低下させる恐れがあります。その結果として、騒音トラブルや家賃滞納といった新たな問題が発生し、物件管理の負担が増す可能性があります。



要するに、家賃値下げは短絡的には空室対策となり得ますが、それが引き金となって市場や物件管理において負のスパイラルに陥り、一度のその流れに巻き込まれると、抜け出すことが非常に難しい状況を招いてしまうのです。



3)広告料を増やせば解決できると短絡的に捉えている


年代別の物件見学数/仲介店舗来店数

仲介会社にとって仲介手数料は主な収入源となり、また報酬の上限は家賃1ヵ月分までとなっているため、他社物件も含めて契約本数を増やさなければなりません。



貸主が客付け強化のために、広告料を設定すると、成約に繋げられば1件分の契約で実質2件分以上の報酬を得られるため、他社管理物件であっても優先的に紹介される可能性が高くなります。



しかし株式会社リクルートの調査によると、部屋探しにおける物件見学数や仲介店舗来店数は、年々減少傾向となっています。そのため広告料を設定したとしても、紹介する物件の条件が顧客の希望と一致しない場合は、早期の成約は難しくなります。





弊社物件では築年数が古いため2018年から空き室を随時リノベーションしています。2025年1月末、1件退去が発生し、同時期にエリア内ある築20年の競合物件(間取りは弊社物件と同じ2LDK)も募集していました。



弊社物件は築30年越えですが、広告料は設定せず、リノベーションによって物件価値を高めることを意識しています。一報、競合物件は広告料を0.5ヵ月設定し、原状回復のみで募集していました。



その結果、弊社物件は退去3日で成約に至ったのに対し、競合物件は昨年の11月末ごろから募集を開始していたにも関わらず、成約までに約4か月を要し、最終的には3月頃になってようやく客付けができました。



このことから、広告料を設定しても物件そのものの魅力が乏しければ、期待した効果を得ることは難しいことが言えるでしょう。


▶株式会社リクルートが発表したリリース詳細は、こちらをご覧下さい。




▶広告料詳細に関しては、過去記事をご覧下さい。




2.弊社が成功した空室対策とは?


山梨県にある弊社物件は、築30年を超えていて、エリアの賃貸空室率が30%台という厳しい状況の中にあります。このような条件下では、一般的に適正家賃以下で募集しても集客が難しいというイメージが根強いでしょう。



しかし弊社では、2018年から空き室のリノベーションを順次進めた結果、2年後から4期連続で増収増益を達成しています。この成功要因は、冒頭でお伝えしたドラッカーのマーケティング哲学を実践したことにあります。



マーケティングの目的は売ることではなく、顧客を深く理解して、顧客に自然と選ばれる製品やサービスを提供すること



その考え方に基づき、具体的な施策を展開した結果、大きな効果を得られました。では具体例をもとにその取り組みをご紹介します。



顧客について理解する


顧客について理解する


まずは、ターゲット顧客について深く知ることから始めました。



部屋探しされる方が、Google検索などで「地域名+賃貸」と検索すると、多くの場合大手賃貸検索サイトが上位表示されます。その際ページ下部の「関連キーワード」を確認すると、「おしゃれ」に関連するワードが複数出てきます。



これから推測できるのは、多くの人が部屋探しで「おしゃれさ」や「スタイリッシュな空間」を求めているということです。



弊社物件の間取りは2LDK~3LDKのファミリータイプで、入居者層は20~30代のカップル、新婚夫婦が約9割を占めています。



特にファミリー物件は、女性が部屋探しの主導権を握るケースが多く、内見時には「入居後の生活イメージ」を連想しながら見学している傾向があります。



そこで弊社では、女性から支持されやすい「白を基調とした、シンプルでナチュラルなインテリアデザイン」を採用しました。その結果、温かみや調和感のある空間づくりが可能となり、内見者に「ここなら自分らしい生活ができそう」と感じてもらいやすい部屋になりました。



顧客にあった製品やサービス


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リノベーションによる価値向上には、差別化が欠かせません。成功のカギとなったポイントは、キッチンの改装でした。



実は部屋探しをする多くが、立地や広さなどある程度の条件を妥協してでも、魅力的なキッチン設備を重視する傾向があります。



ただし既製品の入れ替えのみでは、他社物件との差異化が難しく、価値の目減りも早いため独自性が必要です。




そこで弊社物件では、オリジナルのカフェスタイルキッチンを各部屋に導入しています。また差別化を図るべく、上級グレードの部屋には、LDKにダウンライトとペンダントライトを標準装備。これにより、キッチンの美観性と機能性を高めました。



壁面には自然素材の漆喰を採用し、内装全体に高品質な雰囲気を演出しています。また内見時にも工夫を凝らしています。



例えば、入居後にすぐに使える日用品(トイレットペーパーやティッシュボックス、指定ごみ袋)を部屋に用意しておくことで、細かな配慮がアピールできました。



このような取り組みは他社物件でもないため、「この物件なら住んでからでも安心感がある」と感じてもらいやすくなり、成約率が大幅にアップしています。



リノベ前後の家賃収入アップの差

顧客のニーズに合った製品やサービスを提供するリノベーションを強化した結果、実施前と比べると、入居率や年間家賃収入が大幅に向上させることができました。



▶弊社リノベーションの結果に関しては、過去記事をご覧下さい。



3.まとめ



今回は多くの貸主が勘違いしている空室対策について、また弊社が成功した空室対策についてお伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認してみましょう。





賃貸市場は今後、人口減少の影響で空室率がさらに悪化することが予想されます。そのため、空室対策を行う際には、顧客のニーズを深く理解し、自然と選ばれるような魅力的な部屋づくりをすることが重要です。



弊社リノベーション物件では、広告料を設定せず、さらに家賃相場を無視した家賃で募集しているにも関わらず成果を上げています。



これは、リノベーション部屋が家賃以上の価値を提供していることを顧客が認識し、その結果自然と選ばれる物件となっているからだと考えられます。





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空室対策コンサルタント 有限会社山長
有限会社山長 長田 穣

取締役 長田 穣(オサダミノル)

アパート経営、空室対策コンサルタント


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