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築古アパートのリノベーション費用を抑えるコツ


近年の賃貸業界では、部屋探しに対する価値観が多様化しているため、物件の築年数が古くてもリノベーションが施されていれば、客付けで不利になることはほとんどありません。



さらにインフレの影響により、新築物件の建設費は高騰している状況から、出口戦略を検討している貸主の中には、建て替えよりコストが安いリノベーションを選択される方が多いと思われます。



しかしリノベーションは施工範囲が広いため、1室あたりのコストが高額になりがちで、貸主にとっては悩ましい問題になりますが、工夫次第ではリノベーションコストを効果的に抑えることは可能です。



本投稿は、築古アパートのリノベーション費用を抑えるコツについて、お伝えいたします。


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【本記事でお伝えする結論】



1.築古アパートのリノベーションについて


築古アパートのリノベーションについて

本題に入る前に、築古アパートをリノベーションする意義や種類について、改めておさらいしたいと思います。



物件築年数が経過してくると室内の機能性が低下したり、間取りが現代のライフスタイルとは合わなくなってきます。その結果、物件競争力が低下し、適正家賃で募集しても空室リスクが高まります。



リクシル住宅研究所が発表したリリースによると、借主の約8割は室内機能性に対し不満を感じており、築年数が古いほど、その不満を強く感じています。



さらに不満を感じている借主の約3割は、不満を解消するために住み替えを検討していることが明らかになっています。



このため築20年以上の物件では、リフォームを行うよりも、室内機能性の向上、ライフスタイルに合わせたリノベーションを行った方が、借主や内見者の不満を軽減させることができます。



結果的に空室期間の短縮や、長期的に安定した家賃収入を得られる可能性が高まるため、費用対効果においてもメリットが大きくなります。




賃貸アパートのリノベーションには、部分リノベーションとフルリノベーションの2種類があります。特徴とメリット、デメリットをまとめると以下の通りとなります。


部分リノベーション


フルリノベーション

部分的な改修

特 徴

スケルトンに近い状態から改修

コストを抑えられる、工期が短い

メリット

   新築並みのクオリティー   家賃値上げが期待できる

家賃値上げが難しいor限定的

デメリット

コストが高くなる、工期が長い


どちらを選択するかは、貸主次第になりますが、一般的にはコストを抑えながら現状家賃で客付けしたい時は部分リノベーションが適しています。一方で、リノベーション後の収益性を期待したい場合はフルリノベーションが選ばれることが多いです。



2.築古アパートのリノベーション費用を抑えるコツ


古くなったアパートをリノベーションする場合、施工面積や方法、使用する部材などによって費用は変動しますが、一般的に1戸あたりのリノベーション費用は約150~400万円程度となります。



将来的に複数の部屋をリノベーションする場合、1戸あたりのコストを抑えられれば、大幅にコストカットを図ることが期待できます。具体的には以下6つの対応を行うと効果的です。



  • 優先順位を明確にする

  • 既存設備を有効活用する

  • 水回りの位置を変えない

  • 設備や内装のグレードを落とす

  • 管理会社に依頼しない

  • 設備の一部を施主支給する



それではそれぞれの対策について、詳しく見ていきましょう。


優先順位を明確にする


優先順位を明確にする


リノベーションの対象箇所を増やすことで、よりクオリティーが高い住環境が生まれ、快適な部屋を提供することができます。ただしその結果として、リノベーション予算を超える可能性が高くなります。



予算の範囲内に抑えるには、事前に優先順位を明確に設定して、特に集客上重要となる設備、例えばキッチンや浴室などの入れ替えや、修繕が必要な部分のみを重点的に対応することにより、無駄な工事を抑えることができます。


既存設備を有効活用する


既存設備を有効活用する

リノベーション費用が高額になりやすい理由のひとつに、設備交換を挙げることができます。全ての設備を交換するとなると、150万円ほどの費用となります。



キッチンと浴室は、経年による古臭さが出てしまうため、リノベーションを機に交換は必須となりますが、トイレや洗面台に関しては、キッチンや浴室と比べ集客上の重要度が高くないため、状態が良ければ有効活用し、内装を張り替えるだけで古臭さは感じなくなります。



設備を有効活用することで、コストも20~30万円程度抑えることができます。


水回りの位置を変えない


水回りの位置を変えない


築年数が古い単身物件には、浴室と洗面台、トイレが一体になっている「3点ユニット」、ファミリー向け物件の場合、壁付けキッチンが設置されていることが多いです。



しかしこれらの設備は、賃貸物件を探している方からの評価が高くなく、場合によってはこれが原因で空室が長引くこともあり得ます。



これら水回りは移動させることが可能であり、対応することで反響が高まるため、客付けで有利になりますが、給排水管の新設や内装の張替え、解体費用などをが発生することから100万円~180万円近い費用が発生してしまいます。



コストを大幅に抑えたい場合は、水回りの位置を変更せず、従前と同型タイプの設備を設置する方法が効果的です。



例えば壁付けキッチンの場合、同型タイプを選ぶことで対面キッチン移設と比べコストを50%削減できます。また3点ユニットに関しては、バス・トイレ・洗面台を完全に分離するより、バス・トイレを分離させる、もしくは3点ユニットをリニューアルすることで、コストを半減させることが可能です。



なお3点ユニット分離に関しては、エリアによっては適切な対処方法が異なる場合がありますので、リノベーションする前に、管理会社や仲介会社の意見を参考にしながら進めることをおススメします。


設備や内装のグレードを落とす


設備や内装のグレードを落とす


リノベーション費用が予算を超えた場合、設備や内装のグレードをワンランク下げることにより、コストを調整することができます。



賃貸リノベーションでよく行われている、設備や内装のグレードを落とす方法をまとめると以下が挙げられます。



よく利用される設備、内装

グレードを落とす場合

キッチン

システムキッチン

セクショナルキッチン

床材

フロアタイル

クッションフロア

浴室

システムバス

内装張替え、水栓・鏡交換

トイレ、洗面台

設備の入れ替え

既存設備を活用


これは弊社物件でも採用している方法ですが、浴室を入れ替えする際、システムバスを導入するのではなく、内装の張替えと鏡と水栓を交換するリフォームを行っています。これを行うことで、施工費用を約3分の1に抑えることができます。



また壁紙を張り替える際、多くの物件では一面にアクセントクロスを採用することが一般的です。しかし顧客の好みは異なるため、流行に左右されない白を基調としたインテリアデザインにした方が、結果的に受け入れられる可能性が高いです。



そのため壁紙を張り替える際は、白色の量産品を使うことで、デザイン性を損なわず予算を抑えることができます。



貸主の中には設備や内装のグレードを落とすことに抵抗感を感じる方もいると思いますが、グレードを下げてもリノベーション全体のクオリティーが著しく低下するわけではありません。



そのため予算オーバーになった場合は、積極的に見直しをすることで、合理的かつ費用対効果が高いリノベーションを行うことができます。


管理会社に依頼しない


管理会社に依頼しない


管理会社に管理委託している貸主の中には、リノベーションも管理会社に依頼するケースがありますが、管理会社は修繕を直接行わず外部に委託することが圧倒的に多いです。



そのため管理会社にリノベーションを依頼すると、請求額に中間マージンを上乗せされる可能性が高くなります。仮にリノベーション費用の総額が300万円で、管理会社が10%の中間マージンを10%を設定した場合、総支払額は330万円となり、その差額30万円分は貸主の損失となります。



中間マージンを避けるには、貸主が直接リフォーム会社に工事を依頼するしか方法はありません。


設備の一部を施主支給する


設備の一部を施主支給する

リノベーション時に設備を設置する際、施工会社は設備本体費用に利益を加算しますが、設備の一部を貸主が直接発注し、施工会社に取付だけを依頼する「施主支給」を行うことで、コストを調整することができます。



施主支給の最大の魅力は、自分好みの設備を自由に選べるため、好みに合った部屋を作ることができます。



ただし施主支給を行うと、貸主は商品の受け取りや不具合が発生した際、貸主自身が責任を負うことになります。さらに施工会社によっては、施主支給を断る場合もあるため、事前確認が重要です。



施主支給したい場合は、早い段階で施工会社にその意向を伝え、また設備を限定することにより承認される可能性が高くなります。


3.築古アパートのリノベーションで失敗しないための対策とは?


築古アパートのリノベーションで失敗しないための対策とは?


弊社物件は築年数が経過しているため、2018年から空き室を順次リノベーションをしています。2025年9月末時点で、全20戸のうち15戸リノベーションを完了しています。



現在ではリノベーションで安定した家賃収入を得ることに成功していますが、開始当初は試行錯誤を繰り返し、多くの失敗を経験しました。失敗に気づき改善策を講じるまでに約2年かかりました。



築古アパートのリノベーションで失敗を防ぐためには、どのような対策を講じればいいのかについて、弊社の具体的な失敗事例を交えながら、そのポイントについてお伝えいたします。


リノベーションによる家賃値上げには限度がある


リノベーションを行うことで、従前と比較して物件の資産価値が向上するため、家賃相場より高い設定で募集しても早期成約が期待できます。



ただし、リノベーションによる価値向上には限界があり、新築物件の価値を上舞ることはできません。そのためリノベーション予算をしっかりかけたとしても、新築物件より高い家賃設定すると、顧客は築年数が浅い物件を選んでしまうため、早期成約が難しくなります。



リノベーションを検討する際には、家賃値上げには一定の限度があることを予め認識しないと、客付けで苦戦してしまいます。


リノベーションで家賃値上げする場合は、コスト削減しない


リノベーションを機に家賃値上げを行う場合、フルリノベーションをしっかりと行わないと、顧客に「家賃が高いわりに価値が見合わない」印象を与えてしまい、客付けで不利になる可能性があります。



これは実際に弊社物件であった事例ですが、2019年に行ったフルリノベーション部屋において、コストを抑えようと、本来ならば造作洗面台を設置するところ、既存のシャワー付き洗面台を残したまま募集を行いました。



内見された方は、Instagramで造作洗面台を見て期待を膨らませていましたが、洗面台が変わっていなかったため、不満を口にされる場面がありました。最終的に入居申込をされましたが、お詫びとして家賃を数千円値下げしました。



この経験を通じて、家賃を値上げして募集する場合は、リノベーション予算を削らず、クオリティーが高い部屋を提供する必要があることを痛感しました。


▶弊社がリノベーションで失敗した事例と対策の詳細は、過去記事をご覧下さい。



4.まとめ


今回は、築古アパートのリノベーション費用を抑えるコツについて、お伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認してみましょう。




リノベーションコストを効果的に調整することは、費用対効果を向上させるだけでなく、結果としてリノベーションの失敗リスクを抑えることができます。



しかし今後リノベーションを行う物件は増加することが予想されるため、極端にコストを抑えるリノベーションを展開してしまうと、物件の魅力を大きく損なわれてしまう可能性があります。



その結果、物件の訴求力が低下してしまうため、客付けに影響を及ぼす恐れがあります。






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空室対策コンサルタント 有限会社山長
有限会社山長 長田 穣

取締役 長田 穣(オサダミノル)

アパート経営、空室対策コンサルタント


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