賃貸空室対策リノベーションは本当に必要?
- 空室対策リノベーション コンサルタント ㈲山長

- 2025年11月6日
- 読了時間: 13分
賃貸物件の供給数は一部エリアを除き過剰状態となっています。特に築年数が経過した物件では、競争力が低下しているため適正家賃で募集しても客付けが難しくなっています。このため少しでも早期客付けを目指し、以下のような施策を導入する物件も見られます。
敷金、礼金を無料にする
フリーレントをつける
初期費用を軽減するために、完全無料にする
広告料を設定する
ただし、これらの対策は競合他社も同様に行っているため、以前ほど大きな効果を得るのが難しくなっています。
弊社物件は築年数が経過しているため、2018年以降、空室対策の一環として空き部屋を順次リノベーションを行っています。リノベーションを機に家賃8~10%値上げし、周辺家賃相場を無視した募集を行っていますが、次のような成果を挙げています。
2020年以降、4期連続で増収増益を達成
本執筆時の2025年7月30日現在満室稼働中
昨年度の物件稼働率は驚異の99%、家賃収入過去最高を更新
築年数が経過した物件を所有する貸主の多くは、リノベーションの必要性は認識しているものの、費用対効果/リノベーション費用の2点で躊躇していると思われます。
本投稿は賃貸空室対策でリノベーションは本当に必要なのかについてお伝えいたします。
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▼目 次
【本記事でお伝えする結論】
1.賃貸空室対策リノベーションが必要な理由

築年数が経過した物件において、空室対策リノベーションが必要とされる理由は、主に以下の3点に集約されます。
集客力の向上
収益性が改善される
長期入居に繋げられる
それではそれぞれの理由について詳しく見ていきましょう。
集客力の向上

近年の賃貸市場では「部屋探しの多様化」が進む中、物件を選ぶ際のポイントとして、築年数よりも部屋のクオリティーを重視する傾向が見られます。特にリノベーション物件は以下の点が魅力的です。
築年数は古くても室内がリニューアルされているため、新築同様の外観と居住性を備えている
新築より家賃がリーズナブルで、部屋探しの選択肢が広がる
リノベーション物件によっては、新築物件以上にデザイン性が高いケースもある
これらの理由から近年では、「最初からリノベーション物件」を探す方が増えています。その結果、築年数が20年以上の物件でも、リノベーションを行うことで競争力が高まるため、集客面において大きなメリットが得られる可能性があります。
収益性UPが期待できる

リノベーション物件は同築年の物件と比べ「資産価値」が向上するため、リノベーションを機に家賃値上げがしやすくなります。しかし家賃を大幅に上げた場合、本当に顧客が見つかるのかという不安を抱える貸主も少なくありません。
実は、リノベーション物件を選ぶ方の中には「新築/築浅物件を希望しつつも、家賃予算が合わず断念」した方が多く含まれます。近年のインフレの影響で建築部材や人件費が高騰し、新築物件の家賃は今までと比べて1~2割程度上昇しています。
そんな中で、リノベーション物件は新築物件と比べて、10~30%家賃が抑えられているため、家賃予算内に収まりやすいという大きなメリットがあります。このことで選択肢が広がり、結果として物件への需要が増加。
リノベーションを行うことで、収益アップにつながる可能性が非常に高いと言えます。
ただし、リノベーション後の家賃値上げについては「エリア内の新築家賃相場の8掛け以内」に抑えることが重要です。これ以上高くなると、リノベーション物件に入居する魅力が薄れ、客付けが難しくなる可能性があります。
長期入居に繋げられる

適切な物件管理を心がけることで、同築年の物件と比べデザイン性に優れているリノベーション物件は長期入居者を得られる可能性が高まります。
さらにリノベーションを行うことで従前と比べ資産価値が向上し、契約更新時に多くの貸主が直面する家賃値下げ要求が発生しにくくなるというメリットも得られるでしょう。
結果として長期入居者が多くなれば、安定した家賃収入を得ることができ、リノベーション前と比べると収益性は確実に向上します。
2.あまりおススメできない空室対策

近年では様々な空室対策が紹介されていますが、以下に掲げる空室対策は、一定の効果が期待できると言われています。
管理会社の変更
入居条件の緩和
広告料の増額
ステージング
これらの対策は一見有効に思える反面、貸主が考えている以上にリスクが伴うケースがあります。そのため正直なところ、あまりおススメできない空室対策です。
状況によってトラブルに発展する可能性がたかくなります。
管理会社変更

物件空室率が上昇したり、管理クオリティーが低下している場合、原因は管理会社のマネジメント能力に問題があることが考えられます。
このような状況が直面すると、よりクオリティーの高い管理会社への変更を検討するのは、自然の流れでしょう。しかし、管理会社を変更する際には、いくつかの注意点があります。
特に懸念されるのが、家賃保証会社との保証契約や、借主が利用している提携家財保険の扱いです。
通常、管理会社を変更するとこれらの契約が、自動的に終了するケースがあるため、借主側が再度契約手続きを行わなければなりません。再加入は可能ですが、新しい手続きに不備や遅延がある場合、家賃滞納や保険未加入といったリスクが発生します。
他社の家賃保証会社を利用する場合、借主は再度初回保証料を負担しなければならないため、支払いを拒否されるリスクが生じることがあります。
このような場合、最終的に貸主が費用を負担することで、保証契約自体は成立する可能性がありますが、物件に対する評価が下がることが避けられません。その結果、長期的な入居へと繋がりにくくなる可能性が高まります。
▶管理会社変更に関しては、過去記事をご覧下さい。
入居条件緩和

近年では空室対策の一環として、入居条件を緩和する取り組みが注目されています。例えば外国人受け入れやペット飼育を許可することで、賃貸ニーズを引き出し、入居率の向上が期待できるでしょう。
入居条件を緩和している物件はまだまだ少ないため、これにより潜在的な顧客層を狙うことが可能になります。さらに高額な費用をかけずに効果的な空室対策が実現できる点は、貸主にとって大きなメリットと言えるでしょう。
ただし入居条件の緩和は、住環境に変化をもたらす可能性があります。
例えばペットによる騒音問題や、文化的背景による生活習慣の違いからくる管理トラブルが増える懸念があります。場合によっては、これらの問題が原因で退去者が増える可能性も否定できません。
▶入居条件緩和詳細は、過去記事をご覧下さい。
広告料

広告料とは貸主が仲介会社に支払う広告費のことで、物件成約を促進するための主要な手段のひとつです。広告料を設定することで、以下のメリットが期待できます。
成約時、仲介会社は仲介手数料と広告料を獲得できるため、優先的に物件紹介してもらいやすくなる
内見者から値引き交渉があった場合でも、広告費を調整することで柔軟に対応ができ、成約率を高められる
一方で、近年の部屋探しの傾向として、仲介店舗への来店数は年々減少傾向にあります。また広告料を設定している物件は、客付けに苦戦している物件に集中しています。
築年数が古い物件は供給数が多く競争が激しいため、昔と比べると広告料付き物件に対する費用対効果は、あまり期待できなくなっています。
▶賃貸広告料に関しては、過去記事をご覧下さい。
ステージング
近年の空室対策として「低予算リフォーム+ホームステージング」が注目されています。
これは、最低限のリフォーム(主に原状回復)を施した部屋にホームステージングを加えることで、早期客付けを目指す手法です。
このアプローチにより成功例となる物件も多いとされていますが、弊社代表は、この空室対策には実際には効果が乏しいと断言しています。その理由は以下4点に集約されます。
同質化による過当競争
ホームステージングは導入コストが低いため、多くの物件で採用されやすく、結果的に市場での差別化が困難になりがちです。この状態はコモディティ化を引き起こし、それに伴って過当競争が生じやすくなります。
競争力の低下
部屋探しされる方は平均3件内見しています。そのため、低予算リフォームとホームステージングだけで整えられた物件は、費用をかけてリフォームやリノベーションされた物件と比較した場合、競争力は低下してしまいます。
その結果、内見者から魅力的な選択肢として認識されにくくなり、空室期間の長期化に繋がる可能性があります。
見えない劣化による管理トラブル
適切なリフォーム/リノベーションを行っている物件では、施工中に経年劣化からは発生した破損や不具合を発見・修繕する機会があります。これにより、入居後の管理トラブルを大幅に抑えることができます。
一方でホームステージングに依存している物件では、「見えない劣化を放置」する傾向が強くなるため、結果的に建物寿命を縮め、トラブルを引き起こすリスクが高まります。
資産価値と収益性の限界
低予算リフォームしか行わない物件は、物件資産価値の向上が見込めないため、結果として収益性を伸ばすことができません。長期的な視点で見ると、適切な投資を行い物件価値を高めた方が、安定した収益を得られやすくなります。
▶ステージングの詳細は、こちらをご覧下さい。
3.賃貸空室対策リノベーションで成功するには?

リノベーションを行うと収益アップや早期客付けが期待できますが、費用対効果を最大化させるためには、以下の3つの対策を行うと効果的です。
集客ターゲットの明確化
差別化戦略
集客の見直し
それではそれぞれの対策について詳しく見ていきましょう。
集客ターゲットの明確化
近年の賃貸市場は完全に借り手有利な状況帯が続いています。そのためリノベーションを行う際は「明確な集客ターゲットの設定」が重要になります。
物件があるエリアの分析
リノベーションを行う前に、物件があるエリアの利便性や住環境を調べるとターゲット層の特定が容易になります。物件から最寄り駅までの距離、周辺の商業施設や公園の存在、学校までの距離を確認することでターゲット層を絞りやすくなります。
入居している借主属性の把握
現在の借主年齢層、家族構成を調べることで、リノベーションの方向性が明確になります。
例えばファミリー物件では、20~30代のカップルや新婚さんが多く入居するため、水回りや収納スペースの充実が必須です。一方単身者の場合は家具家電付き、インターネットの無料化が求められます。
成約のカギとなる要因の決定
リノベーションを成功させるためには、成約に影響を与える要素を理解することが不可欠です。例えばファミリー物件の場合、女性が部屋探しの主導権を握っているため、水回りのリニューアルはもちろんですが、興味を示すインテリアテイストを取り入れることが重要です。
▶集客ターゲットに関しては、過去記事をご覧下さい。
差別化戦略
集客ターゲット/リノベーションコンセプトが明確になっても、競合物件と重複してしまうと意味がありません。
リノベーションで成功するには、リノベーションコンセプトを軸にした差別化戦略を打ち出すことが重要です。具体的には以下の4点となります。
ブランドイメージ
商品
サービス
流通チャンネル
▶差別化戦略の詳細は、過去記事をご覧下さい。
集客の見直し
物件募集する際には、賃貸検索サイトを利用するのが一般的です。しかし同サイトは希望条件を入力できるため、条件に1つでも該当しない物件はその時点で成約対象外となります。
リノベーション物件の場合、同サイト内のリノベーション定義に合致すれば専用ページに掲載できますが、定義から外れると通常掲載になり、反響数を伸ばすことが難しくなります。
そこでおススメなのがSNS媒体を使った独自集客です。SNS集客には以下メリットが期待できます。
ターゲット層へ直接的なアプローチができる
賃貸物件を最も利用している20~30代は日常的にSNSを利用しています。物件情報をハッシュタグをつけて投稿することで、ターゲット層に直接アプローチすることが可能です。
物件の認知度向上
SNSは拡散力が高く、多くのユーザーに物件の存在を知ってもらうことができます。SNSには検索機能がないため投稿することで、賃貸検索サイト以上の反響を得やすくなります。
ビジュアルを重視したプロモーション
SNSでは写真や動画を用いたビジュアルプロモーションがしやすく、物件の魅力を視覚的にアピールすることができます。
▶SNS集客に関しては過去記事をご覧下さい。
弊社事例

2018年から弊社物件ではリノベーション事業を展開しています。全20戸中15戸は改修済みで、上述した「集客ターゲットの明確化」「差別化戦略」「集客の見直し」を行ったことで…
2020年以降増収増益
2025年6月末現在満室稼働
を達成しています。競合物件との徹底的な差別化を打ち出したことが、弊社リノベーションの成功に大きく寄与したと考えられます。
▶弊社リノベーション詳細は、過去記事をご覧下さい。
4.まとめ
今回は賃貸空室対策でリノベーションは本当に必要なのかについてお伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認してみましょう。
物件立地が悪いとリノベーション効果が得られないと考える貸主がいます。しかし資産価値が低下すると状況はさらに厳しくなり、手の付けられない状態に陥る可能性があります。
地方都市では車社会となっているため、多少立地が悪くても「物件クオリティーを高めSNS媒体を使って物件告知」することで、立地の問題は十分カバーできます。
今回ご紹介した内容を実践して頂ければ確実に効果は期待できますが、「こんなのどこから手をつけていいかわからない!」という方もいらっしゃるのではないかと思います。
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取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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