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空室問題を解決するリノベーションの秘訣


近年の賃貸市場は物件供給が飽和状態に達し、競争が激化しています。適切な空室対策(適正家賃、表装リフォームなど)を行っても、人口減少が著しい地方都市では客付けが難しくなっています。



築年数が20年を超えると設備の減価償却が終了し、競争力自体も低下するので、客付けハードルが高まりますが、リノベーションを行うことで空室問題を効果的に解決することができます。



本投稿は空室問題を解決するリノベーションの秘訣についてお伝えいたします。



▶︎お知らせ◀︎


私の経営する有限会社 山長ではアパートの経営改善、空室対策など賃貸経営者を支援するコンサルティングサービスを行なっています。自己破産寸前の状態から空室ゼロへ、そして安定した入居率を実現するまでに至った経験をもとにオーナー様と一緒になって改善のお手伝いをさせていただきます!

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【本記事でお伝えする結論】




1.空室対策の正しい考え方


空室対策の必要性とは?

一部の管理会社や空室対策コンサルタントは、空室対策を行う際「募集条件の見直しや内装張替えする際は、アクセントクロスは積極的に活用すべき」などと提案する場合がありますが、この考えは完全に間違っています。



その理由を以下で解説します。




理由①:安易な家賃値下げ


空室率

全国賃貸住宅経営者協会連合会では、総務省が5年毎に発表している「土地・住宅統計調査」の結果をもとに「民間賃貸住宅(共同住宅)戸数及び空き家戸数並びに空き家率の推計」を公表しています。



最新の統計によると全国の空室率平均は21%ですが、都道府県にごとの空室率にはかなりの差があります。最も空室率が低いのは沖縄県の10.1%、反対に和歌山県や徳島県では30%を超える高い数値となっています。



空室率が上昇すると、競争力が低下している古い物件は、空室が埋まりにくくなり、管理会社や仲介会社から家賃値下げを提案されることがあります。



しかし安易な値下げは必然的に価格競争につながることになり、以下のようなトラブルが発生しやすくなります。



  • 客付けできても家賃収益は減少する

  • 値下げが連鎖的に続き、歯止めがきかなくなる

  • 収益減少によりキャッシュフローが悪化



これらの要因が重なることで、「負のスパイラル」に陥るリスクが一層高まります。



理由②:人気設備を導入する


同質化


全国賃貸住宅新聞社では毎年10月に、「人気設備ランキング」を公表しています。このランキングは全国の不動産会社からのアンケート調査を集計したものなので、高い信頼性があると考えられます。



顧客からの支持が高い設備を導入することで、競争力が増すため、早期成約が期待できます。



しかし空室対策の一環として、人気のある設備を導入したり、またペット可能に切り替えるなどの募集条件の緩和は、競合する物件も同様の対応を取る可能性が極めて高くなります。



その結果、差別化を図ったつもりが、次第に同質化となり、最終的には家賃で部屋を決める可能性が高まり、価格競争につながってしまいます。


▶2025年度の人気設備ランキングの詳細は、過去記事をご覧下さい。




理由③:アクセントクロスの罠にはまる


アクセントクロスの罠

空室対策の一環として、リフォームを機にアクセントクロスを採用する物件は非常に多いです。アクセントクロスを活用すると、個性的でおしゃれな空間を演出させることができ、内見時の物件印象をより魅力的にする効果が期待できます。



ただし色の好みは人それぞれ異なり、特に奇抜な色や柄を選択してしまうと、家具やインテリアとの調和が取りづらく、部屋全体の統一感がなくなるため、逆効果になってしまいます。



そのためアクセントクロスを選ぶ際には、落ち着いたトーンのグレーやベージュを選ぶと失敗するリスクを抑えることができます。



空室対策の正しい考え方


空室対策で重要なこと

空室対策を成功させるためには、成約に至るまでの流れを把握することはとても重要です。近年の部屋探しの傾向としては、次のような特徴があります。



  • 希望条件に合致した複数の物件のみを内見し、その中から部屋を決める

  • 仲介店舗訪問件数は1~2件



にとどまっています。そのため競合物件にはない物件の強みがないと、内見者は最終的に家賃が安い部屋を選ぶ可能性が高くなります。



空室対策で重要なのは、単なる家賃や募集条件の見直しではなく、競合物件が簡単に追随できな個性や魅力を持たせる部屋を提供することです。



例えばデザイン性を高めたり、特徴的な設備を導入することで「ここに住みたい!」感じさせる物件づくりが求められます。



こうした工夫は内見者に強い印象を残し、結果的に選ばれる可能性が高まり、空室期間の短縮にもつながります。


2.空室問題を解消するリノベーションの秘訣とは?


.空室問題を解消するリノベーションの秘訣とは?

築年数が経過すると物件競争力が低下し、家賃下げ圧力や空室長期化が生じやすくなります。



しかしリノベーションを行うことで同築年の他社物件と比べ資産価値が向上するため、早期客付けや家賃値上げが期待でき仲介会社からの紹介率も高くなります。リノベーションすると空室問題は一気に解決できるのはこのことが理由です。



それでは空室問題を解消するリノベーションの秘訣についてお伝えいたします。



水回りリニューアルすることで、家賃値上げがしやすくなる


水回りリニューアルの効果


クックパッドのリリースでは部屋探しされる方は多少譲歩しても充実したキッチンを求めていることがわかっています。また、at-homeが発表したリリースによると、部屋探しされる方がインターネットで必ず見たい設備の写真は浴室が一番多く、以下「トイレ」「キッチン」の順となっています。



両リリースから、部屋探しされる方は水回りを非常に重視していることがわかります。視点を変えて考えると、築年数が古い物件で水回りをリニューアルしなければ、空室期間の長期化は避けられません。



一方で水回りのリニューアルには、高額なコストがかかるものの付加価値が向上します。リノベーションを機に家賃値上げが可能になることを踏まえると、貸主にとってはメリットが大きくなります。


▶キッチンリフォームの重要性については、過去記事をご覧下さい。


ライフスタイルに合った部屋を提供できる


ライフスタイルに合った部屋を提供できる

築20年以上のファミリー向け物件が、適正家賃以下で募集しているのに空室が埋まりにくい理由の一つに、インテリアスタイルや間取りが現代のライフスタイルに合っていない点があります。



部屋探しされる方は「自分が好きなインテリアで暮らしたい」「家具と部屋との相性」を非常に意識しています。



そのため募集部屋が内見者が希望するインテリア空間ではないと、「住みにくい」印象が強まり他の物件に流れてしまいます。



リノベーションを行う際は、ターゲットとなる層が好むインテリアテイストを取り入れることが効果的です。また間取りがDKや和室の場合は、それぞれLDKや洋室に変更することで、入居後の生活イメージが連想しやすくなるため、成約率を高めることが期待できます。



部屋探しの選択肢が広がる


リノベーションを行うと部屋探しの選択肢が広がる

賃貸物件を探している方の多くは、家賃予算さえ合えば、可能な限り築年数が新しい物件で新生活を始めたいと考えています。



しかし近年ではインフレの影響により、新築や築年数が浅い物件の家賃は高騰しています。弊社物件がある山梨県の場合、インフレ前と比べると2LDK新築物件家賃は約2割上昇しています。



こうした中、築浅物件に住みたいけど予算的に厳しい方にとって、リノベーション物件は魅力的な選択肢となるため、結果的に成約率を高める効果が期待できます。


3.空室問題をリノベーションで解決した弊社物件紹介


空室問題をリノベーションで解決した弊社物件紹介

弊社物件は築年数が古いため、2018年から空き室を順次リノベーションを進めています。



競合と比べ弊社物件では、表装リフォームに力を入れていたため、今まで客付けで苦戦することはありませんでした。しかし2017年の繁忙期において客付けで失敗し赤字になったことを受け、これを機にリフォームからリノベーションへと舵を切ることにしました。



リノベーションを行う決意をしたものの、どのようなコンセプトで進めればいいか悩んでいたところ、当時通っていた美容室のオーナーさんから「ファミリー向け物件なら、フェスタイルにリノベーションしたらどう?」とアドバイスをいただきました。



競合との明確な差別化を図るために、以下の工事を行いました。



  • 無垢材を取り入れたオリジナルのカフェスタイルキッチンを導入

  • キッチンの魅力を高めるため、ペンダントライトとダウンライトをLDkに設置(上級グレード)

  • 漆喰を居住スペースに施工し、室内機能性を改善させる

  • オーダーメイドの造作洗面台を設置(上級グレード)

  • 浴室フルリノベーション(上級グレード)

  • 和室の畳を琉球畳に変更

  • 一部の収納をクローゼットに改修



これにより、内見者にしっかりとリノベーション部屋をアピールすることができるものの、賃貸検索サイトのみの集客のままでは、築年数や家賃で検索条件に該当しなければ反響を増やすことが難しくなります。


独自集客の展開


そこでリノベーションを開始した2018年に、物件公式webサイトを立ち上げました。



おしゃれなリノベーション写真や物件の周辺にあるおすすめスポットや施設、地域の魅力を伝えるコンテンツを充実させ、ホームページやSNSを通じて積極的に発信したことにより、検索漏れのリスクから解放され、多くの潜在顧客にリーチさせることができました。




リノベーション実績

その結果、公式webサイトからの反響が増えたことにより、入居率は年々向上しました。リノベーション前の2017年と昨年2024年の入居率と年間家賃収入の数値を比較すると、驚くべき改善が見られました。



  • 入居率:約21%改善

  • 年間家賃収入:約40%UP



また競合との明確な差別化リノベーション行った結果、近年では他社仲介会社からの紹介を受けることが多くなり、募集時期に関わらず早期成約を可能にしています。



今回の弊社の事例は、単なるリノベーションだけにとどまらず、情報発信やマーケティングの工夫次第では物件価値を大きく高められることを示しています。


▶弊社リノベーション、集客の詳細は過去記事をご覧下さい、





4.まとめ


今回は空室問題を解決するリノベーションの秘訣についてお伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認しましょう。





最近では、最低限のリフォームだけを行いステージングを強化する物件が増加しています。この方法を取り入れた物件は早期に部屋が埋まりやすく、活用している物件は増えています。



しかし築年数が古い物件において、適切なリフォームやリノベーションを行わないと、室内機能性を高めることが難しくなります。その結果、機能性が低下している物件は借主からの不満が高くなり、長期入居に繋がりにくくなる可能性があります。



特に築20年が経過した物件は、適切なリノベーションを行った方が、長期的な視点から見ても安定した家賃収入を得られやすくなります。


▶ホームステージング集客の危険性、弊社リノベーション実績に関しては、過去記事をご覧下さい。




今回ご紹介した内容を実践して頂ければ確実に効果は期待できますが、「こんなのどこから手をつけていいかわからない!」という方もいらっしゃるのではないかと思います。


そんな時は私ども(有)山長の「お手軽無料相談」をご利用ください。


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空室対策コンサルタント 有限会社山長
有限会社山長 長田 穣

取締役 長田 穣(オサダミノル)

アパート経営、空室対策コンサルタント


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