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アパートオーナーが知っておくべき、リノベーション基本情報


築年数が経過した賃貸物件では、退去後にクロスや床を張り替えるだけでは、以前のように反響が得られなくなることがあります。



そのような状況になると、「家賃を下げるべきか」「設備交換やリノベーションを行うべきか」と迷う貸主も多いのではないでしょうか?



私自身、1993年築・3棟20戸のファミリー向けアパートを経営しています。弊社物件でも原状回復や設備交換を中心に対応していましたが、2017年には入居率が77%まで低下しました。



そこで翌年から、入居希望者に「選ばれる理由」をつくるリノベーションを開始。その結果、2020年以降は年間入居率95%以上を継続しています。



ただし、空室だからすぐにフルリノベーションを行えばいいわけではありません。



本記事では、空室対策としてリノベーションを検討するアパートオーナーに向けて、最初に知っておきたい基本的な考え方を、自社物件での経験をもとに解説します。



▶︎お知らせ◀︎


私の経営する有限会社山長では、アパート経営改善・空室対策コンサルティングを行っています。かつて私自身が直面した「自己破産寸前」だった状態を、独自の高付加価値リノベーションで再生。入居率77%から年間平均95%以上への改善、年間家賃収入約430万円増加という、自社物件での実績をもとに、オーナー様の経営改善をサポートしています。


その実績は『全国賃貸住宅新聞』『楽待』などのメディアにも多数紹介されています。まずはお手軽な無料相談からお気軽にご相談ください。 [→詳しいプロフィールと解決事例は記事末尾へ]





▼ 目次




【本記事でお伝えする結論】


  • 空室原因を確認し、ターゲットと競合物件を明確にしてからリノベーションを検討する


  • 人気設備だけに頼らず、ターゲットから「選ばれる理由」をつくることが空室対策では重要


  • 家賃アップだけでなく、工事費・空室期間・借入返済を含めた費用対効果から判断する



1.空室対策リノベーションが必要かを判断する


空室対策リノベーションが必要かを判断する

築年数が経過し、以前より部屋が決まりにくくなった場合、「リノベーションすれば空室を改善できるのでは?」と考える貸主もいると思います。



しかし、築年数が古いという理由だけでリノベーションを行う必要はありません。



大切なのは、なぜ現在の部屋が選ばれにくくなっているのかを確認したうえで、リノベーションが必要なのかを判断することです。


それでは、リノベーションが本当に必要なのかを判断するために、まず現在の空室原因から確認していきましょう。


1)まず空室原因を確認する


まず空室原因を確認する

以前と比べて空室期間が長くなった場合、何らかの理由があると考えられます。主な原因としては、以下のようなものがあります。



  • 募集家賃が周辺相場とかけ離れている


  • 募集写真で室内の魅力が十分に伝わっていない


  • 入居条件が競合物件より厳しい


  • 設備が現在のニーズに合っていない


  • 間取りがターゲットと合っていない


  • 内見はあるものの成約につながらない



募集方法や入居条件に原因がある場合は、賃貸検索サイトに掲載する写真や募集条件などを見直すことで、大きな費用をかけずに改善できる可能性があります。



一方、それらを見直しても空室が解消せず、賃貸検索サイトからの反響が伸び悩んでいる場合は、設備・内装・間取りなど、物件そのものの競争力が低下していないかを確認する必要があります。



その結果、原状回復や募集方法の見直しだけでは改善が難しいと判断した場合に、リノベーションを検討します。



したがって、「築年数が古いからリノベーションする」のではなく、「空室原因を確認した結果、物件そのものの改善が必要だからリノベーションを検討する」という順番で考えることが重要です。



2)ターゲットを明確にする


ターゲットを明確にする


リノベーションが必要と判断した場合、次に考えるのが「誰に入居してもらいたいのか」です。



同じ2LDKでも、20~30代のカップル、子育て世帯、単身者、シニア世帯など、ターゲットによって求められる設備・間取り・デザインは異なります。ターゲットを決めずに…



  • 「最近人気があるから」


  • 「他のリノベーション物件で採用されているから」



という理由だけで設備やデザインを選んでも、自分の物件で同じ結果になるとは限りません。



そのためリノベーションでは、工事内容を決める前に「誰に選んでもらいたいのか」を明確にすることが重要です。まずは、空室原因を確認する → ターゲットを決めるという順番で、リノベーションの方向性を整理します。



ターゲットが決まったら、次に競合物件やリノベーション後の想定家賃を確認し、どこに費用をかけるのか具体的な計画を立てていきます。


2.リノベーションを始める前に決めること


リノベーションを始める前に決めること

リノベーションのターゲットが決まったら、すぐに設備や内装を選ぶ前に、競合物件や家賃、改修する優先順位を整理します。



ここを曖昧にしたまま工事内容を決めると、費用をかけた部分が入居希望者に評価されなかったり、リノベーション後の家賃と工事費のバランスが合わなくなったりする可能性があります。



それでは、工事内容を決める前に確認すべき3点を見ていきましょう。



1)競合物件を確認する


競合物件を確認する


最初に確認したいのが、入居希望者から比較される競合物件です。同じエリアで募集されている…



  • 間取り


  • 家賃


  • 築年数


  • 設備


  • 内装


  • 入居条件



などを確認すると、自分の物件がどの部分で劣っているのか、反対にどの部分なら違いをつくれるのかが見えやすくなります。競合物件を調べる際に便利なのが、SUUMO賃貸経営サポートの「賃料・設備相場チェッカー」です。



エリアや間取り、築年数などの条件を設定することで、周辺物件の賃料相場などを確認できるため、リノベーション前の競合調査にも活用できます。



特に注意したいのは、貸主自身が「これを付ければ喜ばれるだろう」と考えて、工事内容を先に決めてしまうことです。



競合物件との比較をせずに設備を追加しても、周辺物件にも同じ設備が付いていれば、大きな差別化にはならない可能性があります。



そのため、まず競合物件の家賃や設備などを確認し、自分の物件がどのような位置にあるのかを把握したうえで、どこを改善するべきなのかを考えることが重要です。



2)リノベーション後の家賃を想定する


リノベーション後の家賃を想定する


次に考えるのが、リノベーション後の募集家賃です。リノベーションによって物件の付加価値を高めることができれば、従前より高い家賃で募集できる可能性があります。





ただし、リノベーション後にどの程度家賃を上げられるかは、エリアの賃料相場や競合物件、立地、間取りなどによって異なります。都心の成功事例と同じリノベーションを行っても、地方都市で同じ値上げ率になるとは限りません。



また、リノベーションしても建物の築年数そのものが新しくなるわけではありません。家賃を高く設定しすぎれば成約しにくくなり、反対に工事費をかけすぎれば投資回収までに時間がかかります。



一方、原状回復を行い、適正な家賃で募集しても空室が長期化しているのであれば、家賃の値上げだけではなく、物件の競争力を高めて早期成約や安定した入居につなげるという考え方も必要です。



そのため、リノベーションの投資効果は家賃の値上げ率だけではなく、空室期間や入居期間も含めて判断することが重要です。



「いくら工事費をかけるか」より先に、「リノベーション後にどの程度の家賃で募集でき、その家賃で入居者に選ばれるのか」を想定することが重要です。



▶ リノベーションの投資効果を家賃アップだけで判断しない理由については、関連記事「リノベーション費用は本当に高い?大家が知っておきたい減価償却の考え方」で、弊社物件の実例を交えて解説しています。



3)改修する優先順位を決める


改修する優先順位を決める


競合物件とリノベーション後の想定家賃を確認したら、次にどこへ費用をかけるのか優先順位を決めます。



リノベーションだからといって、室内のすべてを新品へ交換する必要はありません。例えば、既存の床材や壁紙、設備の状態が良ければ、そのまま活用できる場合もあります。



一方、入居希望者が部屋を比較するときに印象を左右する部分については、重点的に改善した方がよい場合があります。



特にキッチンや浴室などの水回りは、築年数が経過すると古さが目立ちやすく、現在の設備と比べて機能面でも差が出ることがあります。そのため、競合物件と比較したうえで、入居希望者に選ばれるために重要となる部分は、優先的に改善を検討します。



つまり、「残せる部分は活かし、選ばれるために必要な部分へ費用をかける」ことが、リノベーション費用を抑えるうえで重要です。



必要以上に工事範囲を広げるのではなく、競合物件や想定家賃を確認しながら改修する優先順位を決めることで、無駄なコストを抑えたリノベーション計画を立てやすくなります。




▶ 予算に合わせた改修の優先順位や、既存設備を活用して費用を抑える考え方については、関連記事「賃貸リノベーション予算が限られている場合どうしたらいい?」で詳しく解説しています。




3.空室対策リノベーションで重要なのは「選ばれる理由」をつくること


空室対策リノベーションで重要なのは「選ばれる理由」をつくること


築年数が経過した物件では、新築物件と比べて設備が古くなっているため、リノベーションを機に人気設備を充実させたいと考える貸主もいると思います。



もちろん、現在の入居ニーズに合った設備へ更新することは重要です。しかし、人気設備を増やすだけで競合物件との差別化ができるとは限りません。





そのため、競合物件にも同程度の設備が設置されていれば、人気設備を追加しただけでは「この部屋に住みたい」と思ってもらえる決め手にならない可能性があります。



つまり、「人気だからこの設備を付ける」のではなく、「このターゲットに選んでもらうために、この設備・内装・デザインを採用する」という考え方です。


そこで重要になるのが、第1章で決めたターゲットに合わせて「選ばれる理由」をつくることです。



例えば、20~30代のカップルや新婚世帯をターゲットにするのであれば、その世代が好むインテリアテイストを検討するなど、設備だけではなく室内全体で「誰に選んでもらう部屋なのか」を考えていきます。



つまり、「人気だからこの設備を付ける」のではなく、「このターゲットに選んでもらうために、この設備・内装・デザインを採用する」という考え方です。



また、リノベーションした室内だけではなく、物件全体の清潔感を保つことも重要です。同調査では、物件選びの決め手として「清潔さ」を挙げた人も19.4%いました。



築年数そのものを新しくすることはできませんが、エントランスや廊下、階段、駐車場などの共用部分を定期的に清掃し、いつ内見に来てもきれいな状態を保つことはできます。



室内をきれいにリノベーションしても、建物周辺や共用部分に汚れが目立てば、内見時の印象を損ねる可能性があります。そのため、リノベーションと物件管理をセットで考えることも大切です。



▶ 競合物件との差別化については、関連記事「競合他社物件に勝つための差別化戦略とは?」で詳しく解説しています。



4.リノベーションは費用対効果から判断する


リノベーションは費用対効果から判断する


ここまで、競合物件や想定家賃、改修する優先順位について考えてきました。最後に確認したいのが、そのリノベーションに投資しても収支が合うのかという点です。



魅力的な部屋をつくることができても、工事費が高額になりすぎれば、投資回収までに長い時間がかかります。そのため、リノベーションを実施する前に…



  • リノベーションにいくらかかるのか


  • リノベーション後にどの程度の家賃で募集できるのか


  • どの程度の空室期間を想定するのか


  • 今後どのような修繕費が発生するのか



などを確認し、工事費に対して期待できる収益改善が見合っているのかを判断します。ここで重要なのは、家賃の値上げ幅だけで投資効果を判断しないことです。



リノベーションの効果は家賃アップだけではなく、空室期間や入居期間などにも表れる可能性があります。そのため、工事直後の家賃だけではなく、長期的な収支から判断する必要があります。


第2章で解説したように、リノベーションの効果は家賃アップだけではなく、空室期間や入居期間などにも表れる可能性があります。そのため、工事直後の家賃だけではなく、長期的な収支から判断する必要があります。



また、リノベーション費用を金融機関から借り入れる場合は、工事そのものの費用対効果だけではなく、毎月の返済額を含めたキャッシュフローを確認することも重要です。



収益改善が期待できる計画でも、借入期間が短く毎月の返済額が大きければ、返済中のキャッシュフローを圧迫する可能性があります。その場合は金融機関に相談し、返済期間を含めた借入条件を検討するという考え方もあります。



ただし、返済期間を長くすると総支払利息が増える可能性もあるため、収益改善・毎月の返済額・返済後に残るキャッシュフローまで確認したうえで資金計画を立てることが重要です。



空室対策リノベーションは、費用をかければかけるほど効果が高くなるものではありません。



必要な部分には投資し、残せる部分は活かしながら、工事費・収益改善・資金調達を含めて長期的に利益を残せる計画になっているかを確認したうえで、実施を判断することが重要です。



▶ 借入を含めたリノベーションの資金計画については、関連記事「賃貸リノベーションに必要な資金計画の立て方」で詳しく解説しています。



5.空室対策リノベーションで賃貸経営はどう変わったのか?


空室対策リノベーションで賃貸経営はどう変わったのか?


弊社では、2017年に入居率が77%まで低下したことをきっかけに、翌年から空室が発生した部屋を順次リノベーションしてきました。その結果、2020年以降は年間入居率95%以上を継続し、2020年から4期連続で増収増益を達成しました。



一方で、収益が改善すれば、それだけで賃貸経営の問題がすべて解決するわけではありません。



弊社ではアパートの減価償却費が徐々に減少し、将来的に税負担が増え、借入返済と税負担によって手元に残る資金が少なくなる、いわゆる「デッドクロス」に入ることが予想されていました。



そこで、将来の税負担を見据えてメインバンクに財務面について事前に相談していました。



その結果、複数あったリノベーション融資を一本化するとともに、アパートローンを含む大型融資5本についても一本化することができました。



これにより、将来的に税負担が増えた場合でも、従前より返済後のキャッシュフローに余裕を持たせやすくなりました。



もちろん、金融機関の融資判断は収益や返済実績、財務内容などを総合的に見て行われるため、リノベーションだけが借り換えにつながったとは考えていません。



しかし弊社では、リノベーションによって入居率が改善し、増収増益という結果につながったことがなければ、今回のような条件で借入を見直すことは難しかったのではないかと考えています。



空室対策リノベーションによる空室改善から収益改善、金融機関への相談、財務改善までの流れ


つまり弊社にとってリノベーションは、単なる空室対策ではなく、収益を改善し、その後の資金調達や財務改善を考えるための土台にもなりました。



空室改善 → 収益改善 → 金融機関への相談・借入条件の見直し → 財務改善



という流れです。



この経験から、空室対策リノベーションは単に古くなった室内を新しくしたり、空室を埋めたりするためだけのものではないと考えています。



リノベーションによって入居率や収益が改善しても、借入返済や税負担によって手元に資金が残らなければ、安定した賃貸経営につながるとは限りません。



そのため、リノベーションを検討する際は「どのような部屋をつくるか」だけではなく、投資後にどの程度の収益が期待でき、返済後にどの程度のキャッシュフローを確保できるのかまで考えることが重要です。



▶弊社が実際に行ってきたリノベーションの内容や費用、空室改善の実績については、「空室対策リノベーションの実績」で詳しく紹介しています。



▶ 空室対策リノベーションの費用・収益・成功事例まで詳しく知りたい方は「空室対策リノベーション完全ガイド」で体系的に解説しています。


6.まとめ


今回は、アパートオーナーが空室対策としてリノベーションを検討する際に知っておきたい基本的な考え方について解説しました。



築年数が経過して空室が長期化しても、すぐにリノベーションを行うのではなく、まず空室原因を確認し、競合物件やターゲット、想定家賃を整理することが重要です。そのうえで、人気設備を増やすだけではなく、入居希望者から「選ばれる理由」をつくり、必要な部分へ優先的に投資します。



また、リノベーションの効果は家賃アップだけで判断するのではなく、工事費・空室期間・入居期間・借入返済などを含め、長期的にキャッシュフローを確保できるかという視点から判断することも大切です。



今回ご紹介した内容は、私自身が1993年築のアパートを運営する中で実践し、試行錯誤を重ねながら取り組んできた空室対策です。



しかし、「何から始めればよいのかわからない」「自分の物件でも活用できるのか判断できない」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。



そのような場合は、(有)山長の無料相談をご利用ください。






空室対策コンサルタント 有限会社山長

有限会社山長 長田 穣

取締役 長田 穣(オサダミノル)    空室対策コンサルタント


1993年に祖父が建設した3棟のアパートを、2007年に突如相続。当時は赤字経営に陥り、修繕費すら捻出できない絶望的な状況からのスタートでした。


暗中模索の中、2018年より独自の「高付加価値リノベーション」を本格開始。


その結果、2020年以降はリノベーション前の入居率77%から、年間平均95%以上へと大きく改善しました。築30年以上の物件ながら、周辺相場より10%以上高い家賃設定で「年間収入430万円アップ」を達成しています。


この逆転劇は『全国賃貸住宅新聞』などの業界メディアでも大きく取り上げられました。


現在は、山梨県内を中心に空室対策コンサルタントとして活動。自ら苦境を乗り越えた「大家の痛みがわかる専門家」として、コストを抑えつつ物件収益を最大化する、持続可能な満室経営をサポートしています。


あなたのアパート経営を支援させていただきます!


▶︎〒400-0053 山梨県甲府市大里町2090

▶︎まずはお気軽にお問い合わせください

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