ライフスタイルの多様化により、築年数が経過している物件であってもリノベーションを施すことで…
物件再生
新規顧客獲得
収益改善
が期待できるため、近年ではリノベーションを行う築古物件が多くなってきています。ただ貸主の中には、リノベーションがどのような流れで行われるのか把握できていない方もいるはずです。
本投稿は賃貸オーナーが知るべきリノベーションの流れについて、お伝えいたします。
▼目 次
【本記事でお伝えする結論】
"リノベーションの流れで重要なポイント”
1.リノベーションする理由
本題に入る前に、築年数が経過している物件はリノベーションを行ったほうがいい理由についてお伝えいたします。
価格競争からの脱却ができる
野村総合研究所が2018年に発表したリリースによると、2033年には空室率が27.3%に達すると予測しています。
空室率が悪化すれば、競争力が低下している築年数が古い物件は客付けが難しくなるため、家賃値下げを余儀なくされます。競合他社も同様のことを考えていることから、負のスパイラルに陥り収益が悪化する可能性が出てきてしまいます。
しかしリノベーションすると資産価値を高めることができるため、家賃値上げが可能/家賃相場の影響が受けにくくなるため価格競争からの脱却が可能となります。
▶野村総合研究所が発表したリリース詳細は、こちらをご覧下さい。
家賃値下げが発生しにくい
契約更新時の家賃値下げ交渉が発生しにくくなる点も、リノベーションのメリットのひとつ。
リノベーションを行うと資産価値が高くなり、また目減りを抑えることができるため、リノベーションしない物件と比べると「家賃値下げ交渉が入りにくくなる」ため、安定した家賃収入を得ることが期待できます。
2.リノベーションの流れ
リノベーションを確実に成功させるためには「費用対効果」「家賃設定」ががカギとなります。
それではリノベーションの流れについて、見ていきたいと思います。
現地調査
まずは物件周辺がどのようなエリアなのか、また家賃相場動向/借主属性からどのようなリノベーションが適しているか把握することから始めます。
例えば弊社物件の場合…
物件周辺はファミリー物件が多い→二人暮らし~子育て世代が入居する可能性がある
物件周辺には築古物件が多い→何もしないと価格競争に巻き込まれる
物件周辺の家賃相場動向→家賃値下げ率が大きい。
弊社物件の借主年齢平均→20~30代、成約のカギは女性側
女性はナチュラルテイスト暮らしに興味を持っていることから、カフェスタイルに特化したリノベーション部屋を提供すれば、入居促進に繋げられるのではといった仮説が生まれます。
リノベーション予測を立てる
リノベーションで重要となるのは、上述の仮説でリノベーションを行った場合、確実に収支が改善できるかどうかシミュレーションを行った上で施工することです。
リノベーション回収期間
リノベーションの回収期間に関しては貸主によって考え方異なり、また明確な指針などはありません。ただ一般的に回収期間を3年前後で想定している貸主は多いです。
弊社物件の平均入居年数はおよそ6年。そのためリノベーションを行う際には約2.5年でリノベーション費用回収を完了させ、残り3.5年を利益獲得ができるように対応しています。
リノベーションは金額が大きくなるため、借入を起こして対応している貸主は多いと思いますが、客付けができたとしても家賃の大部分を返済に回してしまうと、キャッシュが残らなくなります。
借入を起こしてリノベーションを行いキャッシュフローをよくするためには…
低金利の融資を利用する
返済期間を長くする
のがポイントです。
▶リノベーション資金に関する詳細は、過去記事をご覧下さい。
家賃設定
リノベーションを機に従前より家賃値上げは十分可能です。貸主が家賃値上げが唯一できるのはリノベーションしかないと言っても過言ではありません。
ただし家賃設定する際、あまりにも強気な設定してしまうと客付けにマイナスとなってしまうため注意が必要です。
たとえリノベーションで資産価値が高くなったとしても新築物件に近いような家賃にしてしまうと、リノベーション物件の最大のメリットである「家賃オトク感」が薄れてしまうため、新築や築浅物件に流れてしまう可能性が高くなります。
リノベーション後の家賃設定に関しては、非常に難しいところではありますが、最大でも新築家賃の8掛以内に抑えるのがベストであると考えられます。弊社リノベーション物件では従前より最大で8~10%値上げにしています。
契約~施工~完成
リノベーションプランが完成したら、施工会社と契約書を結びリノベーション工事が始まります。
工期については、リノベーションの箇所、室内広さ/部材などによって違いは出てくるものの、概ね3~1か月程度はどうしても掛かってしまいます。
3.まとめ
今回は賃貸オーナーが知るべきリノベーションの流れについて、お伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認してみましょう。
弊社物件は築年数が経過していることもあり2018年から差別化リノベーションを展開しています。その結果2020年以降、満室継続+増収増益を達成することができるようになりました。
▶弊社リノベーションの詳細は、過去記事をご覧下さい。
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取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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